JP2577969B2 - 薄膜抵抗体 - Google Patents

薄膜抵抗体

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JP2577969B2 JP63222700A JP22270088A JP2577969B2 JP 2577969 B2 JP2577969 B2 JP 2577969B2 JP 63222700 A JP63222700 A JP 63222700A JP 22270088 A JP22270088 A JP 22270088A JP 2577969 B2 JP2577969 B2 JP 2577969B2
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秀哉 山寺
賢 川畑
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康訓 多賀
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電子部品における薄膜抵抗体に関するもの
であり、特にアナログIC等で使用されるトリミング可能
なオンチップ薄膜抵抗体に関するものである。
(従来技術) 従来薄膜抵抗体は、ニクロム合金や窒化タンタルのよ
うに低い抵抗温度係数を有し、熱的安定性の高い材料が
使用されている。しかし、これらの薄膜抵抗体は、比抵
抗が低いために高い面積抵抗(200Ω/□以上)を得よ
うとすると、薄膜が薄くなり過ぎて安定性が悪化すると
いう問題があった。そこで、高い比抵抗を持つ材料とし
てシリコンクロム合金からなる薄膜抵抗体が提案されて
いるが、ニクロム合金等と比べると、抵抗温度特性と安
定性が劣るという欠点があった。特に、抵抗温度係数を
小さくしようと膜組成を調整すると抵抗温度特性の非直
線性が生ずるために、実用使用温度範囲(−30〜120
℃)での抵抗温度係数は、±50ppm/℃以上であった。ま
た、通常のICプロセスでの400〜500℃の熱処理により、
薄膜抵抗体の抵抗値が変化するために、安定性に欠ける
という問題もあった。
すなわち、従来は面積抵抗が高くかつ抵抗温度特性、
熱的安定性の優れた薄膜抵抗体を得るのは困難であっ
た。
(発明の背景) このような状況下、本発明者等は上記問題点を解決す
べく鋭意努力を重ねた。
本発明者等は、ICプロセスの一工程である400〜500℃
の熱処理によって、シリコンクロム薄膜抵抗体の一部分
にクロムシリサイドが形成されることを見出した。さら
に、このクロムシリサイドの形成が、薄膜抵抗体の抵抗
温度特性の非直線性と不安定性の原因となることを見つ
けた。そこで、本発明者等は、400〜500℃の熱処理によ
ってもクロムシリサイドが形成されないための添加元素
を鋭意探索した結果、チタンが有効であることを発見
し、本発明へと至ったのである。
(本発明の説明) 本発明は、シリコン30〜45重量%、クロム50〜68重量
%、チタン2〜15重量%からなる合金からなり、膜厚が
50Å以上、500Å未満であることを特徴とする薄膜抵抗
体に関するものである。
オンチップ薄膜抵抗体の抵抗温度特性は、温度に対す
る抵抗変化が小さいこと、ならびに直線性を有している
ことが必要とされる。
抵抗温度特性は R(T)=R(25){1+α(T−25) +β(T−25)}で表される。
(但し、T:温度(℃)、R(T):温度Tにおける抵抗
値(Ω)、α:第1次抵抗温度係数、β:第2次抵抗温
度係数) 前記抵抗温度特性を示す式は如何のようにして誘導す
る。抵抗Rと温度Tとの関係は、一般にTの2次関数で
近似される。すなわち、 R(T)=a+bT+cT2=a(1+b′T+c′T2)と
なる。ここで、a、b、cは、抵抗材料による固有の定
数である。上式では、温度の基準を0℃として定数a、
b′、c′が求められる。しかし、実際は、室温(25
℃}の抵抗値を基準に抵抗変化を表した方が実用上使い
やすい。そこで、室温(25℃)の抵抗値R(25)を基準
に、温度の1次の項の抵抗変化率をα、温度の2次の項
の抵抗変化率をβとすると、上式は R(T)=R(25)[1+α(T−25) +β(T−25)] と変換される。ここで、αを第1次抵抗温度係数、βを
第2次抵抗温度係数と定義した。αの物理的意味は、室
温を基準とした抵抗温度特性の傾きであり、βの物理的
意味は、室温を基準とした抵抗温度特性の放物線の曲が
りの大きさに相当する。
従来はαが小さければ抵抗変化が小さく特性が優れて
いると判断していた。しかし実際には、抵抗は温度に対
し放物線的に変化しており、曲がりの大小を判断するβ
を考慮する必要があり、βの小さいことが重要な因子と
なる。本発明はシリコン、クロム、チタンの組成を制御
して抵抗温度係数αを小さくすると共に、βをも小さく
し、直線性を改善したものである。このように直線性が
改善される理由は該抵抗体を構成するチタンが、シリコ
ンとクロムが反応して、抵抗温度特性の直線性を劣化さ
せるクロムシリサイドの形成を抑制する働きをなすため
である。この働きはICプロセスの一工程である400〜500
℃の加熱処理においても発揮される。
また、チタンはPVD等で薄膜抵抗体を形成する際に非
晶質とする働きもなす。さらに、シリコンクロムを主成
分とすることから、従来のニクロム合金薄膜抵抗体より
も高い比抵抗を有し、高い面積抵抗の薄膜抵抗を形成す
ることができる。また、本発明の薄膜抵抗体は、非晶質
で均一であるので膜厚が薄くても抵抗特性は安定であ
り、50Å以上の膜厚で比抵抗が一定であり、面積抵抗を
自由に設定できる利点を有する。
本発明に係る薄膜抵抗体は、シリコン−クロム合金に
近い高い面積抵抗を有し、かつ温度に対する抵抗変化が
小さく直線性に優れ、その高温での安定性も優れている
ことからオンチップ用薄膜抵抗体として従来にない優れ
た抵抗体である。
本発明に係る薄膜抵抗体は、シリコン、クロム、チタ
ンから構成される合金薄膜である。
シリコン含有量は、30〜45重量(wt)%の範囲が望ま
しい。シリコン含有量が30wt%より少ないと抵抗温度係
数が正の方向へ大きくなり過ぎる。また、シリコン含有
量が45wt%より多いと抵抗温度係数が負の方向へ大きく
なり過ぎ、さらに抵抗温度特性の非直線性が生ずる。
クロム含有量は、50〜68wt%の範囲が望ましい。クロ
ム含有量が50wt%より少ないと抵抗温度係数が負の方向
へ大きくなり過ぎる。また、クロム含有量が68wt%より
多いと抵抗温度係数が正の方向へ大きくなり過ぎ、さら
に比抵抗も小さくなり過ぎる。
チタン含有量は、2〜15wt%の範囲が望ましい。チタ
ン含有量が2wt%より少ないと抵抗温度特性の非直線性
が生じ、さらに抵抗値の安定性も不良である。また、チ
タン含有量が15wt%よりも多いと、比抵抗が小さくなり
過ぎ、高い面積抵抗が得られない。
膜厚は、50〜500Åの範囲が望ましい。膜厚が50Å以
下であると、膜が不均一となり安定な抵抗特性が得られ
ない。また、膜厚が500Å以上であると、面積抵抗が低
くなり過ぎ、さらにオンチップでのトリミングが困難と
なる。
薄膜抵抗体は多元同時スパッタリング法等のPVD法に
より、二酸化ケイ素の絶縁膜上に形成する。スパッタリ
ング等の条件,薄膜抵抗体を形成するのに通常用いられ
る条件で十分である。
(実施例) シリコン・クロム・チタン薄膜抵抗体は、多元同時ス
パッタリング法により、二酸化ケイ素の熱酸化膜(膜厚
5000Å)を絶縁膜とするシリコン基板上に形成した。薄
膜抵抗体の組成・膜厚はEPMA分析により評価した。試料
No.1〜5の組成・膜厚を表に示す。次に、ICプロセスと
の適合性を計るために、抵抗パターンをエッチングによ
り形成後アルミ配線を施し、窒素と水素の混合ガス中で
450℃、30分間の熱処理を行い、これを評価試料とし
た。特性評価は、抵抗温度特性、抵抗経時変化、面積抵
抗測定により実施した。抵抗温度特性は、−50℃から15
0℃まで温度を変化させて(1)式における第1次抵抗
温度係数α、第2次抵抗温度抵抗βを測定した。
R(T)=R(25){1+α(T−25) +β(T−25) …(1) (但し、Tは温度(℃)、R(T):温度Tにおける抵
抗値(Ω)である。) 抵抗経時変化は、150℃で50時間放置し、放置前後の
抵抗変化率ΔR/R(%)を測定した。面積抵抗は四端子
法により測定した。評価結果を表、第1図〜第3図に示
す。
(比較例) 実施例と同様の方法によりシリコン・クロムならびに
シリコン・クロム・チタン薄膜抵抗体を形成し、実施例
と同様の特性評価を実施した。試料No.6〜11の膜組成・
膜厚および評価結果を表、第1図〜第3図に示す。
(評価) 第1図、第2図からシリコン・クロム薄膜抵抗体は、
Si−45wt%Crの組成で膜厚を調整した場合、αを小さく
することができるがβを小さくすることはできない。ま
た、比較例1からβを小さくするとαは大きくなる。す
なわち、シリコン・クロム薄膜抵抗体は、−50〜150℃
の範囲で良好な抵抗温度特性を得るのは困難である。一
方、実施例1〜5のシリコンを32〜40wt%、チタンを5
〜10wt%添加したシリコン・クロム・チタン薄膜抵抗体
は、表からα、βともに小さく良好な抵抗温度特性を得
ることができる。比較例5、6はチタンを4wt%と13wt
%、シリコンをそれぞれ本発明の組成範囲外である58wt
%と46wt%とした試料であるが、α、βともに大きく、
本発明が目的とする薄膜抵抗体として適していない。
さらに、第1図、第2図から実施例のα、βの膜厚依
存性は比較例と比べて小さく、制御性良く良好な特性の
薄膜抵抗体を得る。また、表から実施例の抵抗経時変化
は0.1%以下で、比較例と比べて著しく改善されてい
る。さらに、第3図から比較例の面積抵抗は膜厚が薄く
なると急激に増大するのに対して、実施例の面積抵抗は
膜厚に反比例しており、膜厚が薄くても均一な連続膜で
安定な抵抗特性を示すことが分る。
これらの特性向上の原因は、シリコン・クロム薄膜抵
抗体にチタンを添加し、かつ組成を適正に制御すること
により、クロムシリサイドの形成を抑制し均一で安定な
膜構造を維持することによる効果である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、薄膜抵抗体の膜厚と第1次抵抗温度係数の関
係を示す図、第2図は、薄膜抵抗体の膜厚と第2次抵抗
温度係数の関係を示す図、第3図は、薄膜抵抗体の膜厚
と面積抵抗の関係を示す図である。
フロントページの続き 合議体 審判長 石田 惟久 審判官 平瀬 博通 審判官 紀 俊彦 (56)参考文献 特開 昭57−7103(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコン30〜45重量%、クロム50〜68重量
    %、チタン2〜15重量%からなる合金からなり、膜厚が
    50Å以上、500Å未満であることを特徴とすることを特
    徴とする薄膜抵抗体。
JP63222700A 1988-09-06 1988-09-06 薄膜抵抗体 Expired - Lifetime JP2577969B2 (ja)

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