JP2577703B2 - 二重空気膜屋根構造 - Google Patents

二重空気膜屋根構造

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JP2577703B2 JP8971294A JP8971294A JP2577703B2 JP 2577703 B2 JP2577703 B2 JP 2577703B2 JP 8971294 A JP8971294 A JP 8971294A JP 8971294 A JP8971294 A JP 8971294A JP 2577703 B2 JP2577703 B2 JP 2577703B2
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等 奥村
俊男 鈴木
篤 石井
欽也 安藤
▲てい▼一 高橋
俊彦 木村
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DAIICHI KOBO KK
Fujita Kk
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Fujita Kk
KIMURATOSHIHIKO KOZO SETSUKEI JIMUSHO KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は運動競技場や催物会場
等、柱の無い大空間を必要とする建物における二重空気
膜屋根構造に係るものである。
【0002】
【従来の技術】図2は従来の車輪型ケーブル構造を示
し、中央部引張リングaと外周圧縮リングb間を放射状
に配置された上下の押えケーブルc及び吊りケーブルd
及び引張リングaとの間に配設された吊材eより構成さ
れている。図3及び図4は従来の一重空気膜構造と二重
空気膜構造を示し、外周部圧縮リングf間に膜材gが夫
々一重及び二重に配設され、一重空気膜構造は運動競技
や催物等の利用空間を閉空間とし、二重空気膜構造は上
下の膜材g間を閉空間とし、同閉空間部に空気を送風し
て外部より少し高圧に保持することによって屋根部を保
形するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前者の構
造は、風荷重や積雪荷重が作用してもケーブルの張力が
ゼロ以下にならないように、予め相当の初期張力を導入
しておく必要があり、ケーブルの設計に対して短期荷重
を見込むことになるため、設計用ケーブル張力は大きく
なってしまう。また設計者の意図する形態にするために
上下ケーブル間にも束材を介装する場合、施工的にもか
なり複雑になる。
【0004】後者の空気膜構造は、一重空気膜構造の場
合、利用空間を密閉しなければならず、建物外周を開放
できないので、自然の風を内部に取り入れることができ
ない。また内容量が大きくなるため、インフレートのた
めに要する送風量が莫大な量となり、ランニングコスト
が嵩む。二重空気膜構造では剛性の高い板状の構造とな
り、曲げ抵抗によって荷重を支持するため、一重膜構造
に比して内部を非常に高い気圧にする必要があり、万
一、空気膜内部への送風が停止した場合の保形が困難で
あり、また上部膜と下部膜のサグを同一にしなければな
らないので、球技などの利用空間に制限を受ける。
【0005】本発明はこのような実情に鑑みて提案され
たもので、その目的とする処は、設計用ケーブル張力を
縮減でき、万一の送風停止時に上下膜の接触による膜の
損傷を防止し、且つ中央部の開孔により音響、排煙等に
効果がある二重空気膜屋根構造を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係る二重空気膜屋根構造は、上部引張リン
グ及び下部引張リングを束材を介して連結して中央部引
張リングを構成し、前記上部引張リング及び下部引張リ
ングと、外周部圧縮リングとの間に、夫々押えケーブル
及び吊りケーブルを配設し、同各ケーブルと前記各リン
グとの間に亘って膜体を張設して構成されている。
【0007】請求項2の発明によれば、前記中央部引張
リングが上下方向に開孔されている。
【0008】
【作用】本発明に係る二重空気膜屋根構造は前記したよ
うに構成されているので、上下の押え及び吊りケーブル
の張力は、前記二重空気膜の内圧を調整することによっ
て設計用ケーブル張力を小さくすることができる。また
中央部に上下部引張リングよりなる引張リングを設け、
同上下部引張リングと外周部圧縮リングとの間に夫々押
えケーブル及び引張ケーブルを配設したことによって、
中央でのケーブルの集束を避けることができ、また前記
引張リングは自然換気や採光に利用される。
【0009】また前記中央部引張リングの上下部引張リ
ングは束材を介して連結支持されていることによって、
万一、上下膜体間への送風が停止された時においても、
上膜と下膜との接触による膜の損傷が防止される。また
二重空気膜としたことによって、建物外周を開放するこ
とができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例について説明す
る。二重空気膜構造の中央及び屋根外周部に仮設構台を
設置して、中央部引張リングを施工するもので、同リン
グにおける下部引張リング1aから束材2を立設して上
部引張リング1bを組み立て支持することによって中央
部引張リング1を組み立てる。
【0011】次いで支柱3上に配設された外周部圧縮リ
ング4と下部引張リング1aとの間に放射状に吊りケー
ブル5を架け渡し、下部膜体6a及び側部膜体6bを張
設する。次いで外周部圧縮リング4と上部引張リング1
bとの間に放射状に押えケーブル7を架け渡し、上部膜
体6cを張設し、前記各膜体間に送風ダクト(図示せ
ず)を介して空気を送りインフレートさせる。ひきつづ
き送風ダクトによる前記膜体内に対する空気の送風量を
制御して常時内圧を外気圧より少し高くなるように管理
し、強風時や積雪時には内圧を高くする。
【0012】なお図示の実施例は中央部に前記引張リン
グ1によって開孔を有するドーナツ型の二重空気膜構造
を示すが、側膜の替わりにリング面内に空気膜を張設し
た上膜及び下膜のみで構成されたレンズ型二重空気膜構
造を構成してもよい。
【0013】
【発明の効果】本発明は前記したように、上下引張リン
グを束材を介して連結して中央部引張リングを構成し、
同中央部引張リングにおける上部引張リング及び下部引
張リングと外周部圧縮リングとの間に夫々押えケーブル
並びに吊りケーブルを配設し、同各ケーブルと前記各リ
ングとの間に亘って膜体を張設して上下二重の空気膜構
造を構成するようにしたので、軽量な空気膜屋根が構成
され、小規模から大規模の屋根構造まで適用可能とな
る。また前記中央部引張リングと吊りケーブルとによっ
て空気膜構造でありながら、重量物を懸吊する性能を有
するものである。
【0014】また本発明は二重空気膜屋根構造に構成さ
れているので従来の一重空気膜構造と異なり、外周を開
放でき、更に膜屋根の内圧維持のための送風量が非常に
少なくて済み、且つケーブル構造との複合構造とするこ
とによって、自由なサグとライズの屋根曲面が得られ、
設計の自由性が向上される。更に万一、空気膜構造内の
空気が抜けても、吊りケーブルによって屋根部が降下し
ないので避難上、安全である。また、送風停止時に吊り
ケーブルによって上下膜体の接触が防止され、同膜体の
毀損が防止される。
【0015】請求項2の発明によれば、中央部引張リン
グによって空気膜構造の中央に開孔が設けられるので、
採光、換気、音響、排煙性能が向上し、室内環境の向上
が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る二重空気膜屋根構造の一実施例の
一部を欠截して示した斜視図である。
【図2】従来構造の一実施例を示す断面図である。
【図3】従来構造の他の実施例を示す断面図である。
【図4】従来構造の更に他の実施例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 中央部引張リング 1a 下部引張リング 1b 上部引張リング 2 束材 3 支柱 4 外周部圧縮リング 5 吊りケーブル 6a 下部膜体 6b 側部膜体 6c 上部膜体 7 押えケーブル 8 中央開孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 俊男 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目6番15号 株式会社フジタ内 (72)発明者 石井 篤 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目6番15号 株式会社フジタ内 (72)発明者 安藤 欽也 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目6番15号 株式会社フジタ内 (72)発明者 高橋 ▲てい▼一 東京都港区南青山五丁目9番12−408号 株式会社第一工房内 (72)発明者 木村 俊彦 東京都品川区西五反田7丁目24−4 K.Uビル7F 株式会社木村俊彦構造 設計事務所内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部引張リング及び下部引張リングを束
    材を介して連結して中央部引張リングを構成し、前記上
    部引張リング及び下部引張リングと、外周部圧縮リング
    との間に、夫々押えケーブル及び吊りケーブルを配設
    し、同各ケーブルと前記各リングとの間に亘って膜体を
    張設してなることを特徴とする二重空気膜屋根構造。
  2. 【請求項2】 前記中央部引張リングが上下方向に開孔
    された請求項1記載の二重空気膜屋根構造。
JP8971294A 1994-04-27 1994-04-27 二重空気膜屋根構造 Expired - Lifetime JP2577703B2 (ja)

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