JP2573976B2 - 低カロリ−状態での窒素保持のための成長ホルモンの使用 - Google Patents

低カロリ−状態での窒素保持のための成長ホルモンの使用

Info

Publication number
JP2573976B2
JP2573976B2 JP62500874A JP50087487A JP2573976B2 JP 2573976 B2 JP2573976 B2 JP 2573976B2 JP 62500874 A JP62500874 A JP 62500874A JP 50087487 A JP50087487 A JP 50087487A JP 2573976 B2 JP2573976 B2 JP 2573976B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
growth hormone
composition
composition according
nitrogen
low calorie
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62500874A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01500030A (ja
Inventor
ウィルモア,ダグラス・ダブリュ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BURIGAMU ANDO UIMENZU HOSUPITARU
Original Assignee
BURIGAMU ANDO UIMENZU HOSUPITARU
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BURIGAMU ANDO UIMENZU HOSUPITARU filed Critical BURIGAMU ANDO UIMENZU HOSUPITARU
Publication of JPH01500030A publication Critical patent/JPH01500030A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2573976B2 publication Critical patent/JP2573976B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • A61K38/22Hormones
    • A61K38/27Growth hormone [GH], i.e. somatotropin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P15/00Drugs for genital or sexual disorders; Contraceptives
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Reproductive Health (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Obesity (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 関連出願 本出願は1986年1月9日に出願された米国特許出願第
817,263号の一部継続出願である。
技術分野 本発明は、低カロリー状態の動物に於いてタンパク質
を増加させる方法、並びにそのための組成物に関するも
のである。本発明方法は、成長ホルモンと併用して、治
療しようとする動物に低カロリー食成分を与えることか
らなる。本発明組成物は成長ホルモンと低カロリー食成
分とを含有している。本発明を実施すると、故意にある
いは必要性から静止代謝要求量(RMR)の10〜95%を含
有する食事で維持されている処置動物の場合、該動物に
おいて効率良くタンパク質をつけさせることができる。
従来技術 脳下垂体成長ホルモン(GH)は、組織の成長を促進す
る同化タンパク質であつて、それは、脂肪、炭水化物お
よび鉱物の代謝におけると同様、タンパク質代謝の他の
面(相)での調節作用に係つている。異なる種に由来す
る成長ホルモンは、抗原性、生物学的な応答を生じ得る
動物の範囲、等電点、N末端およびC末端アミノ酸残
基、およびアミノ酸組成において異つている。その分子
量は、ヒト成長ホルモン(HGH)の21,500からウシ成長
ホルモンの47,400に及んでいる。どの成長ホルモンもあ
る程度の種特異性を示すと思われる。しかしながら、ヒ
トは、ヒトまたはサル起源の成長ホルモンに反応するこ
とが知られている。
ウシの脳下垂体前葉から成長ホルモンが単離された
〔リら(Li)、ジヤーナル・オブ・バイオロジカル・ケ
ミストリイ(J.Biol.Chem.)159 353(1945)、ウイル
ヘルムら(wilhelmi)、ジヤーナル・オブ・バイオロジ
カル・ケミストリイ176 735(1948)、リ(Li)米国特
許No.3,118,815(1964)〕。ヒト脳下垂体から、ヒト成
長ホルモンが単離された〔ルイスら(Lewise)、米国特
許No.2,974,088(1966)、ライスフエルドら(Reisfel
d)、エンドクリノロジイ(Endocrinology)71 559(19
62)〕。極く最近まで、ヒト死体の脳下垂体からのHGH
の単離だけが、このタンパク質を得る唯一の供給源であ
つた。従つて、利用し得る物質の不足が、HGHの治療上
の役割を継続的に研究し、明きらかにすることを第一義
的に妨げることとなつていた。
しかしながら、近年、組換えDNA技術を介して生物学
的に活性な成長ホルモンを合成する実用的な方法が開発
された〔メデイカル・レター(The Medical hetter)vo
l.27、101〜102(1985)〕。さらに、今日では、組換え
HGHをヒトに用いることがアメリカ食品医薬品庁(FDA)
によつて認可されている〔例えば、ジユネテイツク・エ
ンジニアリン・ニユース、vol5、No.10、pp1,8(1985)
参照〕。
成長ホルモンは、タンパク質の代謝および成長の調節
に顕著な役割を担つている。このことは、アミノ酸の細
胞外から細胞内腔への移送、および移送されたアミノ酸
の細胞タンパク質への組み込みの速度を促進することに
よつて達成される。成長ホルモンが肝臓内でのメツセン
ジヤーRNA、リボソームRNAおよびトランスフアーRNAの
合成を刺激するという事実から、成長ホルモンは、遺伝
子の活性化を介してタンパク質の合成を促進するという
仮説が導かれた〔「フイジオロジイー(PHYSIOLOGY)、
第3版」セルクート、リトル(Selkurt,Little)編、ブ
ラウンアンドカンパニー、730頁(1971)参照〕。成長
ホルモンがタンパク質代謝全般に影響を及ぼすことは、
GH欠損性小人症患者に成長ホルモンを投与すると、直線
的な成長増加が得られるという多くの記録から明らかで
ある。この体細胞量の増加(体内の全カリウム量によつ
て示される)は、脂肪組織を消耗することにより行なわ
れることが分つた〔コリツプら(Collipp,T.J.)、メタ
ボリズム(Metabolism)、2214、589〜595(1973)〕。
同様の変化が、成長ホルモンで治療された火傷患者に
おいてもみられた〔ソロフら(Soroff,H.S.)、「アン
・サーグ(Ann.Surg.)」166 739〜752(1967)〕。健
常人に関する代謝研究において、成長ホルモンの投与に
より、他の細胞内構成々分と同様に窒素およびカリウム
が全体的に保持されるということが一貫して示された
〔ベツクら、「メタボリズム」8 699〜737(1960)、ベ
ルゲンスタールら(Bergenstall,D.M.)、「ジエイ・ク
リン・エンド・アンド・メタボ(J.Clin.Endo.and Meta
b.)」20-11、1427〜1436(1960)およびMRCパネル(Pa
nel)、「ランセツト(Lancet)」1 7〜12(1959)〕。
ストレス状態での成長ホルモンの作用は、火傷患者にお
いて広範に研究されている。プルツデン(Prudden)ら
は、4名の火傷患者にウシ成長ホルモンを投与し、食事
摂取に依存した同化作用の存在を証明した。成長ホルモ
ンは、窒素摂取が高レベルである場合にのみ、窒素バラ
ンスを改善した。窒素の摂取量が一定レベル以下である
と、成長ホルモンは悪影響を及ぼし、窒素と必須成分と
のバランスを悪くした〔「サーグ・ジン・オブス(Sur
g.Gyn.Obs)」102 695〜701(1956)〕。適切な栄養と
成長ホルモンとを摂取している火傷ラツトは異化反応を
示さなかつたが、火傷ラツトを飢餓状態に陥らせると、
それらは、対照動物よりも急速に体重の減少を来した
〔ガンプら(Gump,F.E.)、「アメリカン・ジヤーナル
・オブ・メデイカル・サイエンス(Am.J.Med.Sci.)」2
39 27〜32(1960)〕。この観察に基づき、ガンプら(G
ump)は、成長ホルモンがその同化作用を発揮するには
「適切な」カロリーと窒素とが必要である、という内容
の「臨界点(クリテイカル・ポイント)」説を提唱し
た。この説は、成長ホルモンを断食中の肥満症志願者に
投与したところ、顕著なケトアシドーシスを伴なつた、
尿中排泄量の減少を認めたとのフエリツグら(Felig,
P.)「ジエイ・クリン・インベスト(J.Clin.Inves
t.)」50 411〜421(1971)の研究によつて強化され
た。このアシドーシスの結果、窒素の損失を、事前の対
照期間のそれと変化させないために腎臓でのアンモニア
の生成が増加され、排泄される。
ソロツフら(Soroff.H.S.)〔「サーグ・ジン・オブ
ス(Surg.Gyn.Obs.)111 259〜273(1960)〕は、火傷
患者における研究で、ウシ成長ホルモンの投与により有
益な効果を得ることができなかつた。しかしこの著者
は、ヒト成長ホルモンを火傷回復期の異化段階(相)で
用いて行つた同様の研究では、正の効果を得たことを示
した〔「アン・サーグ(Ann.Surg.)」166 739〜752(1
967)〕。リルジエダールら〔(Liljedhal,S.)「アク
タ・チヤー・スカンド(Acta.Char.Scand.)」122 1〜1
4(1961)〕およびウイルモアら(Wilmore,D.W.)
〔「サーグ・ギン・オブス(Surg.Gyn.Obs.)」138 875
〜884(1973)〕は、火傷後の期間中の窒素およびカリ
ウムバランスが著しく改良され、特に後者はそれが、高
カロリー、高カリウムの摂取に伴うことを示した。ま
た、任意に摂取させたりルジエダール(Liljedahl)ら
の研究では、気分の昂陽と食欲刺激作用の結果、摂取量
が大いに増加することが報告された。
ローら(Roe.C.F.)〔「サーグ・フオルム(Surg・Fo
rum.)」13 369〜371(1962)〕は、成長ホルモンを投
与されている術後の整形外科患者において基質の利用状
況が変化し、呼吸商(RQ)の低下と、脂質基質へのシフ
トがあることを示した。ジヨーンストンら(Johnston,
R.D.A.)〔「ランセツト」584〜586(3月16日号、96
3)〕は、ヘルニア縫合術後、成長ホルモンで処置され
ている患者に、適合する対照患者と比較して、窒素バラ
ンスの改善が認められないことを示した。しかしながら
この場合、窒素の摂取量が低く、カロリー供給量の測定
もなされていず、手術直後の期間に関する研究しか行わ
れていない。
5%デキストロースのみを摂取している術後患者への
成長ホルモン投与に関してワードら(Ward,H.C.)が記
載しており、その抜粋は「アニユアル・ヨーロピアン・
ソサエテイ・オブ・エンテラル・アンド・パレンテラル
・ニユートリシヨン(Annual European Society of Ent
eral and Parenteral Nutrition)、アブストラクト・
ブック(Abstract Book)No.0.24(1984年9月)に示さ
れている。研究対象となつた個々の患者は、適合させた
対照(プラシーボ投与)よりも少い窒素排泄と低い呼吸
量とを示した。ワード(ward)らは、低カロリー(5%
デキストロース2l/日として、400Kcal)の末梢静脈注入
と併行したヒトGH治療(0.1mg/Kg/日)の効果について
研究した。食物中にはアミノ酸の補給がなされなかつ
た。
同様に、窒素バランスの食事によるコントロールにつ
いてもよく研究されている。ホワード(Howard)〔米国
特許第4,009,265〕は、窒素の損失なしに、1日当りア
ミノ酸15〜75gを含有する低カロリー食(160〜600Kca
l)を用いることについて述べ、肥満症治療のための処
方を開示した。ホワード〔米国特許第4,298,601〕は、
窒素バランスを保ち、ケトーシスと水保持をコントロー
ルするための食事について述べている。1日当りの摂取
量は、ヒト要求量に対する割合として、アミノ酸が少く
とも15g、炭水化物が15〜75gであつて、総カロリーは16
0〜600Kcalである。デイエツツら(Dietz)米国特許第
4,283,392は、注入液1中に必須および非−必須アミ
ノ酸10〜200gとキニン50〜10,000ugを含有する、低カロ
リー非経口栄養物の注入について述べている。この注入
混合物は、1日当り、約1,000カロリーを与えるように
計画されている。ジエツツらによると、キニンの存在
は、体内で産生されたタンパク質の組立てに関連した同
化作用の点で、アミノ酸の利用を明確に改善する。
発明の説明 医療上、非経口的に食事を摂ることが必要とされる多
くの場合がある。その様な状況の大多数において、患者
の回復が最大となるためには、体内でのタンパク質の組
立てによつて特徴づけられる同化作用が必須である。残
念乍ら、同化条件に必要な食事をとるには(高タンパク
質、高カロリー摂取)、大量の栄養物の注入が要求され
るので、必然的に、非経口注入工程には、注入液の容量
に適合した、大静脈カテーテルを用いなければならな
い。
組織の合成と同化作用を達成するのに充分な量のカロ
リー、窒素および他の栄養物の静脈内投与を、全非経口
栄養(total parenteral neutrition)と称する。成人
における通常のカロリー必要量は約2,500/日である。こ
れらを、5%デキストロース(D−グルコース)注入に
より全て供給する場合、約16lが必要となろう。1当
りデキストロース50g(170カロリー相当)を含有してい
る。しかしながら、液体の過負荷を避けようとすれば、
せいぜい1日3〜4lの投与が可能であるにすぎない。液
体容量を減ずるためにはデキストロースの濃度を高めね
ばならないであろう。デキストロースの濃度を25%に上
げることにより、1/5の容量で5倍のカロリーを与える
ことが可能となる。しかしながら、25%デキストロース
注入液は高張性である。この液を大量に末梢静脈に注入
すると必ず静脈の硬化を来す。全非経口栄養は、腫瘍や
広範囲に及ぶ火傷のために食物を摂取することのできな
い患者、老人性うつ病患者や神経性食欲不良の若者等、
食べることを拒否する患者、およひ経口的に食物を摂取
すべきでない外科的な患者を対象とするものである
〔「レミントンズ・フアーマシユーテイカル・サイエン
セス(Remington′s Pharmaceutical Sciences)」第16
版、マツク出版社、イーストン、PA、1496頁(198
0)〕。
大静脈カテーテルの使用には、代謝性の敗血症合併症
を最小限にし、患者にできるだけ有利なようにするため
に、厳密なプロトコールと熟練したスタツフを必要とす
る。その上、多くの場合、最も好条件の下であつても、
大静脈からの非経口栄養は、体脂肪の増加と水の保持を
もたらすが、体タンパク質の減少をもたらす。
しかも、体タンパク質は正常な機能と組織の修復にと
つて必須である。従つて、食事制限による肥満症の治療
は体タンパク質の減少をもたらし、特に、食事制限を長
期間強いられる場合、それは望ましくない。本発明によ
れば、対象患者は、低カロリー食成分と成長ホルモンと
を同時にとることで、少しのエネルギーを摂取しながら
体内のタンパク質、主として平滑筋の維持または増加を
支えるために、体脂肪を利用することになる。
本発明は、タンパク質の組立てをもたらすと共に、末
梢静脈または大静脈カテーテルによる導入にも適した非
経口溶液が必要であるとの認識に基づいて開発されたも
のである。しかも、体重の減少とタンパク質の増大とが
同時になされ得る、肥満症患者の治療方法が長い間求め
られていた。
本発明は、低カロリー条件下で正の窒素バランス(タ
ンパク質の増大または組立て)を維持するための方法お
よび組成物を包含するものである。本発明は、成長ホル
モンと、窒素および炭水化物供給源とを含有する食事成
分とを同時投与することからなり、その総カロリーは、
現状の窒素レベルを維持するために必要であると決定さ
れた摂取カロリーの10〜95%であつて、該食事成分と成
長ホルモンとを、それぞれ、正の窒素バランスを生成さ
せるのに有効な量、投与することからなるものである。
発明を実施するための最良の方法 「動物」という語句は、タンパク質の代謝に成長ホル
モンが一役を担つている、動物界のあらゆるメンバーを
含み、特にこの言葉は、哺乳類および鳥類を包含するも
のである。本発明は特にヒトの治療、とりわけ、非経口
的に食物を摂取する必要のある人々や、肥満症患者に好
適である。
「同時投与」という語句は、時間とは無関係に、食事
成分と成長ホルモンとを、成長ホルモンと食事成分との
生物活性の時期が重なり合うよう、時間的に連続した関
係の下で投与することを意味する。従つて、非経口投与
の場合には、成長ホルモンと食事成分とを一緒に、末梢
静脈から点滴注入することができる。別法として、非経
口的に食事を与える間に、成長ホルモンを、別の成分と
して、例えば1日1回皮下注射するか、あるいは点滴す
ることにより定期的に注入してもよい。食事成分を経口
投与する場合には、成長ホルモンも経口投与することが
でき、あるいは、非経口投与、即ち、皮下注射してもよ
い。
「低カロリー食成分」という語句は、最小限度要求さ
れるものとして、(1)代謝可能な窒素源4〜16gと
(2)炭水化物を含有する食事成分を意味しており、該
食事成分のカロリー含量はRMRカロリー摂取量の10〜95
%の範囲である。所望により、この食事成分の炭水化物
カロリー含量の50%までを、(3)脂肪エマルジヨンの
如きトリグリセリド源に置換えてもよい。さらに、この
低カロリー食成分は、特定の場合の指示に従い、ビタミ
ン、ミネラルおよび/または微量成分を含有していてよ
い。
「代謝可能な窒素供給源」という語句は、成長ホルモ
ンの存在下でタンパク質の同化が起こるような食事性窒
素供給源を意味する。通常、その様な窒素供給源は、食
事性タンパク質、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、ペプ
チドおよびアミノ酸のα−ケト同族体を包含する。
代謝可能な窒素供給源は、必須および非必須アミノ酸
の両方の全アミノ酸を、目的とする動物にとつて必要
な、相対割合で含有していることが好ましい。ヒトにと
つて必須であるアミノ酸プロフイールは当業者によく知
られており、例えば、ローズら(Rose,W.C.)〔「ジヤ
ーナル・オブ・ザ・バイオロジカル・ケミストリイ(J.
Biol.Chem.)」217 987(1955)〕によつて示されたも
のを本明細書で引用する。必要なアミノ酸混合物の簡便
かつ安価な製造方法はハワード(Howard)により米国特
許第4,009,265号で開示されており、本明細書で引用し
ている。タンパク質を酸または加水分解剤としてのプロ
テオラーゼを用いて加水分解する、等の常法に従つて得
られたタンパク質の加水分解産物を分析し、そのアミノ
酸プロフイールを決定した。次いで、不足を補うために
必要量の純粋なアミノ酸を加え、そして/または過剰分
を除去するのに適当な配合の陰イオンおよび陽イオン交
換樹脂に加水分解物を通すことにより好適なアミノ酸プ
ロフイールに調節する。また、指示があれば、アミノ酸
プロフイールを、体タンパク質の増加に適応するように
変えることもできる。
一般的な天然タンパク質の食事性供給源には、卵タン
パク質、ミルク、大豆、ピーナツツ、魚、および血漿タ
ンパク質が含まれる。低カロリー食成分は、一日の投与
量によつて窒素4〜24gが与えられるように製造され
る。代謝可能な窒素供給源にとつて好ましい範囲は1日
当り窒素7〜21gを供給するものであり、窒素8〜16gを
供給するものが最も好ましい。
「炭水化物」という語句は消化可能かつ/または代謝
可能な炭水化物供給源を意味する。代表的な消化可能な
炭水化物は、グルコース(ブドウ糖)、グルコースラク
トン、フルクトースまたはラクトースの如き単糖類、ス
クロースまたはマルトースの如き二糖類、あるいは食用
デンプンまたはデキストリンの如き多糖類を含む。非経
口的に炭水化物を与える場合に用いられる代表的な炭水
化物供給源には、デキストロース(D−グルコース)溶
液、フルクトース溶液、グリセロール溶液およびソルビ
トール溶液が含まれる。好ましい炭水化物供給源の1つ
はデキストロース溶液である。
所望により、低カロリー食成分はまた、通常、脂肪エ
マルジヨン(乳化脂肪)の型のトリグリセリド成分を含
んでいてよい。含有させる場合は、トリグリセリド成分
を、カロリーの面で50%まで、炭水化物成分に置き換え
て用いる。代表的なトリグリセリド成分の供給源には、
大豆またはサフラワーエマルジヨンおよび中鎖トリグリ
セリド(MCT)がある。後者は炭素数8または10個のト
リグリセリドとして市販品から入手し得る〔レミングト
ン(Remington′s)、前掲、P373〕。
また、所望により、必要に応じて低カロリー食成分は
ミネラルおよびビタミンを含有していてもよい。ヒトに
とつて必要なミネラルとして、ナトリウム、カリウム、
カルシウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、
塩素、リン、硫黄、沃素、および他の微量元素を挙げる
ことができる。中心となるビタミンはビタミンA、ビタ
ミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタ
ミンK、リボフラビン、ペリドキシン、ナイアミン、イ
ノシトール、パントテン酸カルシウム、ビオチン、葉
酸、コリンおよびチアミン塩酸塩である。これらミネラ
ルおよびビタミンのいわゆる1日当りの最小必要量はよ
く知られており、例えば、ダビツドソンら(Davidson,
S.)の「ヒトの食物および栄養学(Human Nutrition an
d Dietetics)」第4版、E.&S.リビングストン(Livin
gstone)、エジンバラ(Edinburgh)出版、p244〜255
(1969)等の栄養に関する標準的な研究に見出すことが
できる。低カロリー食成分は、それを与えるべき人また
はもの各々について必要なRMRと同等なカロリーよりも
低カロリーを含有するよう処方されている。通常、低カ
ロリー食成分は、全カロリーを基とした場合、RMR必要
量の10〜95%、好ましくは20〜90%、最も好ましくは30
〜80%を含有するであろう。
RMRという語句は、処置すべき個体における消費カロ
リーを維持するレベルと考えられるカロリーと同等のカ
ロリーを意味する。この数値は、年令に関して調節し
た、標準的な身長と体重の図から求めるか、あるいは、
実験的に定められる。エネルギー消費量の一般的な、実
験的決定方法は、呼吸時のガス交換量の測定を利用す
る、間接的なカロリー測定法である。これらを測定する
ことで、エネルギー必要量、即ち、RMRを決定すること
ができる。様々な呼吸ガス交換測定方法が知られている
〔「健常および疾病におけるエネルギー要求量の評価
(Assesment of Energy Requirements In Health and D
isease)」ロス(Ross)ラボラトリーズ出版、コロンバ
ス、オハイオ(1980)〕。代表的な、実験的測定法は本
明細書記載のベツクマン・メタボリツク・メジヤーメン
ト・カート(Beckman Metabolic Measurement Cart)に
よつて提供されている。
「成長ホルモン」という語句は、その起源と関係な
く、天然または組換えによる脳下垂体成長ホルモンを意
味する。この言葉は、その物質が受容体内で脳下垂体成
長ホルモンの生物活性を表わすに違いない、ということ
のみで限定される。従つて、この言葉は完全な成長ホル
モン分子の、生理学上活性な同等物質、フラグメント
(断片)あるいは一部にも適用される。この言葉には、
当業者熟知の方法で死体から単離された、天然に存在す
る成長ホルモンも含有される。成長ホルモンの一般的な
単離法は、ルイスら(前掲)およびライスフエルドら
(前掲)により開示されている。ウシ脳下垂体前葉から
の成長ホルモンの単離は、リら(前掲)およびウイルヘ
ルミら(前掲)により開示されている。組換え成長ホル
モンも包含される:組換え成長ホルモンの調製はゲツデ
ルら(Goeddell,D.V.)〔「ネイチヤー」(ロンドン)V
ol.281、pp.544〜548(1979)〕により開示されてい
る。1つの態様では、組換え成長ホルモンは、天然の分
子には認められない、N末端の付加メチオニンを有して
いる。他の実施態様における組換え成長ホルモンは「成
熟」型(即ち、天然の成長ホルモンと同じN末端を有す
るもの)をも含んでいる。
本発明は、低カロリー食成分と成長ホルモンとを混合
して単一の組成物を形成することに関する。この組成物
は、低カロリー食成分の準(サブ)成分、即ち、最小限
の、低カロリーに相当する炭水化物、および4〜16gの
代謝可能な窒素を含有し、さらには、所望により、炭水
化物のカロリーの50%までを置換するトリグリセリド、
ビタミン、およびミネラルの少くとも1つ、並びに低カ
ロリー条件下で正の窒素バランスを与えるのに有効な量
の成長ホルモンを含有している。
各個体によつて必要とされる特定の成長ホルモン量
は、受容体の年令、健康状態、および体重、あるとすれ
ば、同時に行われている治療、治療の頻度、および目的
とする効果の性質に左右されるであろう。通常、1日当
りの成長ホルモンの用量は約0.05〜0.2mg/体重Kgとなろ
う。正常の場合、所望の成果を挙げるには、1日当り0.
07〜0.15mgを1またはそれ以上に分けて投与すると効果
的である。別法として、特に徐放性製剤の形の成長ホル
モンをより低い頻度で、即ち1日おきに、あるいは3日
おきに投与してもよい。
組成物は、経口投与のための、錠剤、カプセル剤、袋
に入れた粉剤、または溶液状液剤、懸濁剤またはエリキ
シル剤等の剤形、あるいは非経口使用のための溶液また
は懸濁剤等の製剤用の滅菌溶液として用いることができ
る。その様な組成物中に、低カロリー成分と成長ホルモ
ンとが、受容体に、前記の各成分の1日当りの用量を与
え得るような量で含有されている。
窒素バランスは、24時間を1期間として、全窒素摂取
量と全窒素排出量とを求め、前者から後者を減じて定め
られる。この値が正である、即ち、「正の窒素バラン
ス」である場合、タンパク質の同化が起きている。この
値が負である場合、タンパク質の異化が起きている。当
業者は、窒素バランスの他の決定方法をも知つている。
組成物が経口投与を目的とする場合、成長ホルモン成
分は、胃内での成長ホルモンの消化または分解を阻止す
るために腸溶性のコーテイングを施されていることが必
要である。当業者ならば知つていることだが、腸溶性コ
ーテイングは、製剤が小腸を通るまでは、有意量の薬物
を放出させない。腸溶性コーテイング組成物は当業者に
よく知られており、腸溶性コーテイングは、胃内では有
意量の薬物を放出させないが、製剤が腸を通ると、迅速
かつ完全に薬物を放出する。腸溶性コーテイング組成物
は当業者周知であり、一般に3グループに分けることが
できる。即ち、脂肪と脂肪酸との混合物、シエラツクと
シエラツク誘導体、および酢酸フタル酸セルロースであ
る。この最後の化合物群、酢酸フタル酸セルロースが好
ましいが製薬業界で知られ、普通に用いられている腸溶
性コーテイングのいずれであつても、本発明での使用に
適する。
本発明の1つの目的は、低カロリー食成分と成長ホル
モンとを末梢静脈注入により導くことにある。従つて、
末梢静脈注入のための組成物は、低カロリー食成分と成
長ホルモンとを単一の組成物として含有している。この
剤形の場合には、組成物は、低カロリー食成分と成長ホ
ルモンとを適当な医薬用担体に溶解させ、かつ/または
懸濁させて含有している。一般に用いられており、ま
た、従来技術から知られている担体ならば、本発明の目
的に適する。代表的な担体は、注射用滅菌精製水、生理
食塩水(塩化ナトリウム)注射液、リンゲル注射剤、デ
キストロース、生理食塩水注射液および乳酸化リンゲル
注射剤等である。
他の実施態様においては、低カロリー食成分を末梢静
脈から注入投与し、成長ホルモンを別個に投与する。こ
の場合には、成長ホルモン適量を、非経口的に、即ち、
皮下、静脈内、筋肉内または腹腔内に投与することがで
きる。通常、成長ホルモンは、10mg/日皮下注射によ
り、非経口的に投与される。
本発明方法に用いられる材料は、キツトに調製するの
に理想的である。その様なキツトは、バイアルや試験管
の如き、1またはそれ以上の容器をしつかりと限定して
受け止めるよう区画された担持手段からなり、その1セ
ツトの容器の各々には、本発明方法に用いるべき個々の
要素の1つが入つている。例えば、その容器手段の1ま
たはそれ以上に、経口または非経口用に調合された低カ
ロリー食成分を含有させることができる。他の容器手段
には、1日当りの用量の成長ホルモンを含有させるが、
この1日当りの成長ホルモン用量は、経口摂取(腸溶性
コーテイング)または非経口投与のために処方されたも
のである。
本発明を全般的に記述したが、以下の特定の実施例に
よつて本発明をさらに詳しく説明する。これらの実施例
は、単なる例示を目的とするものであり、明記しない限
り、本発明を制限する意図のものではない。
実施例 実施例1 2名の健常志願者(男)について、2〜3週間の間隔
をあけて、7日間の研究を2回行つた。彼らの体重はそ
れぞれ76Kgと78Kgであつた。彼らは各投与期間中、毎
日、デキストロース165g、アミノ酸75g(N12.1g)およ
びトリグリセリド30g〔10%イントラリピツド(Intrali
pid)として〕を含有する末梢静脈注入により非経口的
に栄養を供給された。この混合物は1,133Kcal/日を与え
た。彼らは、1回の6日間の期間中は成長ホルモン(10
mg/日の皮下注射)を与えられ、もう1回の期間中は生
理食塩水を注射された。毎朝呼吸ガス量を測定し毎日、
尿および便を全て採取して窒素を分析し、採血を行つ
た。実験期間の終りに、経口ブドウ糖耐性テストを、一
連の前腕流出量試験と呼吸ガス交換測定法と組み合わせ
て行なつた。この実験の結果得たデーターを下記の表I
に示す。表I 対照 長ホルモン 平均Nバランス(g/日) − 1.8 + 2.2
6日間の累積Nバランス(g) −10.7 +13.2
午前6時の代謝率(Kcal/日) 1355 1260
血漿中ブドウ糖(mg/dl) 94 103
血中尿素窒素(mg/dl) 16 10
インシユリン(U/ml) 17 34
成長ホルモン(U/ml) 1.1 18
対照期間と成長ホルモン期間とにおけるタンパク質増
大の差は6日間で約150gである。このことは対象が負の
カロリーバランス下にあり、体脂肪を燃料として用いて
いる場合に起きる。ブドウ糖耐性テストの結果は、成長
ホルモン期間中に著しい高インシユリン血症を伴なつた
僅かなブドウ糖耐性が表われることを示している。対象
が低カロリー食の静注を受けている間、成長ホルモンに
よる著しいタンパク質の同化作用がみられる。
実施例2 この実施例では、対象を、それぞれ7日間の期間から
なる、少くとも別個の2期間の実験にあてた。この研究
は、2実験期間中、カロリーレベルを同一にした、一対
の実験からなる。各実験期間中に、対象は、成長ホルモ
ンまたはプラシーボを投与された。各実験ごとに、少く
とも2週間の間隔をあけた。その処置は以下の通りであ
る。
1.カロリー食を成長ホルモンと共に、または成長ホルモ
ンを用いずに与える。
2.低カロリー食を成長ホルモンと共に、または成長ホル
モンを用いずに与える。
3.脂肪不含低カロリー食を、成長ホルモンと一緒に、ま
たは成長ホルモンを用いずに与える。
成長ホルモン投与の順序は逐次確率化法(sequential
randomization)により定めた。
対象は初日(0日)の午後に臨床試験センター(Clin
ical research Center)に入り、研究の手順に慣らされ
た。正常な夕食は許されたが、それ以後、水(自由に摂
取)以外の経口摂取を禁じられた。
適切なカロリー摂取量は、RMR(標準の身長−体重表
から求めた)+25%に相当するカロリーと窒素6g/m2
含むものとした。非タンパク質性カロリーの半分を炭水
化物として、半分を脂肪エマルジヨンとして与えた。低
カロリー摂取は、上記計算値の50%のカロリーレベルと
し、これを、脂肪エマルジヨンと炭水化物に等分に分
け、窒素の摂取量は同一にして構成された。脂肪不含の
低カロリー食は低カロリー食から脂肪エマルジヨンを除
いたものであり、エネルギー要求量の25%しか与えられ
ないものである。
適切なカロリーの非経口投与に係る研究の際には、螢
光光度計で観察しながら、厳密な無菌条件下でアンチキ
ユビタル(抗肘)経路から、中枢ラインを配した。低カ
ロリー研究の際には末梢静脈ラインを用いた。翌朝6:00
a.m.(第1日)に第1の栄養物の袋が架けられるまで、
これらのラインから通常の生理食塩水を注入した。
非経口食の供給は第1日の午前6時に開始され、6×
24時間の間続けられた。48時間毎に末梢ラインを交換す
ると共に、中枢ラインへの投与セツトを同じ頻度で交換
した。血圧は毎日、脈博と体温は4時間毎にモニターさ
れた。カテーテルの入口側を定期的に検査し、着衣を2
日毎に交換した。非経口溶液は、両摂取レベル(約3l)
が同じになるよう与えられた。
対象は、一日中、読み、テレビを見、喫煙すること
(それが彼の日常の習慣なら)を含めて最小限度の活動
を許された。
成長ホルモン処置期間の間、毎朝8:30に、組換えDNA
法で製造された成長ホルモン10mgを皮下注射した。対照
期間中は、等量の生理食塩水を注射した。対象は注入物
質について知らされなかつた。
1.血液の化学 毎朝、成長ホルモンまたは生理食塩水注射の直前に血
清測定のための採血を行つた。
以下の点について測定した。
毎日:カリウム、ナトリウム、遊離脂肪酸、ケトン、
血中尿素窒素、ブドウ糖。
1.4.7日:全タンパク質とフラクシヨン、トランスアミ
ナーゼ、インシユリン、成長ホルモン、アミノ酸像、グ
リセロール、およびホスフエート。
第4日:マグネシウム、完全な血球計算と差異の測
定。血清中の成長ホルモンレベルは、第4および第7日
の、成長ホルモン注射4時間後に分析された。
2.基質バランス 代謝日は6:00a.m.から始まり、同時間に終つた。尿と
便を採取し、それぞれ、24時間を周期としてプールし
た。以下の点について測定を行つた。
尿測定:カリウム、全窒素、尿素、クレアチニン、アン
モニア、ケトン体、およびC−ペプチド。
便測定:カリウム、全窒素。
3.代謝速度 各対象の1日は、7:30a.m.に始まり、この時間に起床
して体重を測定し、ベツクマンの代謝測定機(Beckman
Metabolic Measurement Cart)により酸素消費量と二酸
化炭素の生産量を測定された。呼吸商(RQ)とRMRを算
出した。対象の呼出ガスを、マウスピースと適当な場所
に挿入した鼻栓による管を通しての呼吸によつて分析し
た。
4.窒素流出(フランクス) 窒素交替(ターンオーバー)の測定は、N15でラベル
したグリシンを用いて行われた。各実験の最後の3×24
時間の間、投与量、0.5mg/Kg/24時間の15N−グリシン
を、等量づつ8回に分け、3時間毎に投与した。これら
の期間中、3時間の尿試料をとり、最後の日に得た試料
の1部を質量分析に付し、尿中尿素窒素のN15豊富化を
分析し、N交替を算出した。
5.前腕からの基質流出 最終日(7日目)の朝(6:00a.m.)に非経口栄養物供
給を止めた。割り当てられた量の血液を採取し、最後の
成長ホルモン投与を行つた。
11:00a.m.に逆方向の抗肘静脈カテーテルを配し、さ
らに、もう一方の腕の背部に静脈内カテーテルをおい
た。この腕をパツド上で温ため、そこから動脈血化した
静脈血を採取した。静脈閉塞血量測定法(腕に2箇所の
切断を行つて開始:1つは手首、他は上腕)で、前腕の基
礎血液を測定した。次いで、静脈および動脈化静脈のブ
ドウ糖、グリセロール、遊離脂肪酸、アミノ酸および二
酸化炭素の基準値を求め、血流量から流出量を算出し
た。
6分後、代謝図を用いて酸素消費および二酸化炭素の
生成を測定した。さらに30分後、ブドウ糖100gを経口投
与し、この負荷に対する代謝応答を、前腕流出(上記の
如く、血流と静脈−動脈化静脈の差から求める)の測
定、および30、60、120および180分後の呼吸ガス交換の
測定により評価した。結果を以下の表IIに示す。
表IIから分るように、成長ホルモンの投与により窒素
バランスは正になり、このことは、低カロリー条件下、
適切なカロリーの30〜40%しか供給されていない場合で
さえ、タンパク質が増大することを示すものである。
実施例3 この実施例では、様々な医学的条件下(表III参照)
にある7名の患者を、いずれも7日間からなる別々の2
実験期間の研究に委ねた(ただし、No.3の1名は、この
プロトコールで2回試験された)。患者は、タンパク質
1.3〜1.7とRMRの60〜100%に相当するカロリー摂取とに
加えて、成長ホルモン10mgを皮下注射されるか、プラシ
ーボを与えられた。成長ホルモンとプラシーボの順序は
逐次確率化法で定められた。栄養物は、全経口栄養を受
けた1名の患者の例を除いて末梢静脈注入法で投与され
た(表IV参照)。
全ての尿および便を採取し、24時間の間隔でプールし
た。これら試料の窒素、カリウムおよびりんを分析し
た。これら各要素のバランスを表Vに示す。各週の第
1、4および7日目に採血し、血中尿素窒素(BUN)、
ブドウ糖およびインシユリンレベルを分析した。これら
のデーターを表VIに示す。
表Vから分るように、成長ホルモン投与に係る7名の
患者の内6名が対照期間にみられる値より大きい、正の
窒素バランスを示した。7名の患者の内5名が、対照期
間よりも大きい、正のカリウムバランスを示した。ま
た、りんについて試験された6名の患者全員が対照期間
よりも大きい、正のりんバランスを示した。これらの結
果全てをまとめると、これらのデーターは、低カロリー
食を摂取している間であつても、成長ホルモンを投与さ
れている患者ではタンパク質が増大することを意味する
ものである。
7名の患者全員が、成長ホルモン投与時には、コント
ロール時よりも低いBUNを示した。成長ホルモンを投与
されている患者では、血中ブドウ糖が対照期間よりも高
くなる傾向があつた(7名中4名)。また、インシユリ
ンレベルは、全患者において、対照期間よりも有意に高
くなつていた。
以上で本発明について全て記載したが、当該技術分野
の通常の技術者ならば、本発明の内容あるいは精神にな
んらの影響を及ぼさずに最少限度の修飾を施して同様の
ことを行い得るということは明白であろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 米国特許4009265(US,A) Ann,Europ.Soc.of Euteral and Pareut eral Nutrition,Abs tract Book,抄録番号0.24 (1984) Chemical Abstract s,Vol.90(1979),抄録番号 13659k

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)(1)代謝可能な窒素供給源、および
    (2)炭水化物からなる低カロリー食成分、および b)成長ホルモン からなる組成物であって、低カロリー食成分a)と成長
    ホルモンb)とを、組成物を消費する動物内で正の窒素
    バランスを生ぜしめるのに有効な量、含有している組成
    物。
  2. 【請求項2】低カロリー食成分がさらに、トリグリセリ
    ド、ビタミンおよびミネラルの内、少なくとも一つを含
    有している第1項記載の組成物。
  3. 【請求項3】代謝可能な窒素供給源が食用タンパク質、
    必須および非必須アミノ酸、ペプチド、およびアミノ酸
    のアルファーケト同族体からなる群から選択されるもの
    である第1項記載の組成物。
  4. 【請求項4】低カロリー食成分がRMRカロリー摂取量の1
    0−95%を与える第1項記載の組成物。
  5. 【請求項5】低カロリー食成分がRMRカロリー摂取量の3
    0−60%を与える第4項記載の組成物。
  6. 【請求項6】成長ホルモンが天然成長ホルモン、組換え
    成長ホルモン、およびその生物学的に活性なフラグメン
    トからなる群から選択されるものである第1項記載の組
    成物。
  7. 【請求項7】成長ホルモンがヒト成長ホルモンである第
    6項記載の組成物。
  8. 【請求項8】成長ホルモンを投与される動物の体重kgあ
    たり、0.05〜0.2mg/日で投与するのに充分な量、成長ホ
    ルモンが含有されている第6項記載の組成物。
  9. 【請求項9】非経口的に注射し得る溶液である第1項記
    載の組成物。
  10. 【請求項10】経口摂取のための液体または溶液状の剤
    形である第1項記載の組成物。
  11. 【請求項11】該成長ホルモンが腸溶性のコーティング
    を有する第1項記載の組成物。
JP62500874A 1986-01-09 1987-01-09 低カロリ−状態での窒素保持のための成長ホルモンの使用 Expired - Lifetime JP2573976B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US81726386A 1986-01-09 1986-01-09
US817,263 1986-01-09

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01500030A JPH01500030A (ja) 1989-01-12
JP2573976B2 true JP2573976B2 (ja) 1997-01-22

Family

ID=25222686

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62500874A Expired - Lifetime JP2573976B2 (ja) 1986-01-09 1987-01-09 低カロリ−状態での窒素保持のための成長ホルモンの使用

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP0288478B1 (ja)
JP (1) JP2573976B2 (ja)
AU (1) AU607410B2 (ja)
CA (1) CA1320441C (ja)
DE (1) DE3781268T2 (ja)
WO (1) WO1987004074A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5122512A (en) * 1988-09-12 1992-06-16 Pitman-Moore, Inc. Swine growth promoting composition
DK372589D0 (da) * 1989-07-28 1989-07-28 Novo Nordisk As Protein
WO1991011195A1 (en) * 1990-02-02 1991-08-08 Novo Nordisk A/S A method of treating a mammal with a biologically active compound
WO1991011196A1 (en) * 1990-02-02 1991-08-08 Novo Nordisk A/S A method of treating a mammal with a biologically active compound
SE9002732D0 (sv) * 1990-08-24 1990-08-24 Kabivitrum Ab Product containing growth factor
SE9002731D0 (sv) * 1990-08-24 1990-08-24 Kabivitrum Ab Product comprising growth factor
GB9216460D0 (en) * 1992-08-03 1992-09-16 Lilly Industries Ltd Veterinary method
WO1995000167A1 (en) * 1993-06-25 1995-01-05 Pharmacia Ab Use of human growth hormone for preoperative administration
CA2473038C (en) * 2002-01-22 2010-11-30 Mars, Incorporated Weight management system for obese animals

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4009265A (en) 1972-03-06 1977-02-22 Alan Norman Howard Methods and formulations for the treatment of obesity

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4298601A (en) * 1972-03-06 1981-11-03 Technutra, S.A. Method and formulations for the treatment of obesity
US4438144A (en) * 1980-07-31 1984-03-20 Blackburn George L Amino acid preparation and therapy for treatment of stress and injury

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4009265A (en) 1972-03-06 1977-02-22 Alan Norman Howard Methods and formulations for the treatment of obesity

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Ann,Europ.Soc.of Euteral and Pareuteral Nutrition,Abstract Book,抄録番号0.24(1984)
Chemical Abstracts,Vol.90(1979),抄録番号13659k

Also Published As

Publication number Publication date
AU6940787A (en) 1987-07-28
EP0288478B1 (en) 1992-08-19
WO1987004074A1 (en) 1987-07-16
DE3781268T2 (de) 1993-04-22
JPH01500030A (ja) 1989-01-12
CA1320441C (en) 1993-07-20
EP0288478A1 (en) 1988-11-02
AU607410B2 (en) 1991-03-07
EP0288478A4 (en) 1989-10-12
DE3781268D1 (de) 1992-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Klein et al. Carbohydrate restriction regulates the adaptive response to fasting
US5179080A (en) Formulations containing growth hormone and nutritional supplements, and methods of treating malnutrition in chronic lung disease
Morley et al. Amylin decreases food intake in mice
JP2925326B2 (ja) ヒトの窒素保持の促進方法
US7569540B2 (en) Method for enhanced parenteral nutrition
Vinnars et al. History of parenteral nutrition
US6221836B1 (en) Composition of pyruvate and anabolic protein and method for increasing fat loss in a mammal
JP2014065740A (ja) 高齢者の骨格筋量減少を防止又は改善するためのアミノ酸含有組成物
US4863901A (en) Use of growth hormone for nitrogen retention under hypocaloric conditions
Torbay et al. Insulin increases body fat despite control of food intake and physical activity
US5276018A (en) Composition comprising amino acids and methods for decreasing muscle breakdown
JP2573976B2 (ja) 低カロリ−状態での窒素保持のための成長ホルモンの使用
EP0666739B1 (en) An intravenous solution that diminishes body protein and water loss
JP4419390B2 (ja) 炎症性疾患治療予防剤
Tessari Changes in protein, carbohydrate, and fat metabolism with aging: possible role of insulin
Nuttall et al. The metabolic response to various doses of fructose in type II diabetic subjects
Gil et al. Splanchnic substrate balance in malnourished patients during parenteral nutrition
PAINE et al. The dietary phenylalanine requirements and tolerances of phenylketonuric patients
JPS58208218A (ja) 糖尿病治療剤
WO1982000411A1 (en) Novel amino acid preparation and therapy for treatment of stress and injury
BROWN et al. Comparison of modified amino acids and standard amino acids in parenteral nutrition support of thermally injured patients
JP2521867B2 (ja) オ―センティックigf―1と発熱量の栄養分とからなる異化状態の治療用の組成物
Desai et al. Branched-chain amino acid administration in surgical patients: effects on amino acid and fuel substrate profiles
EP3871685A1 (en) Anti-obesity agent, pollakiuria improving agent, and autonomic nervous activity regulator
Homsy et al. Modern parenteral and enteral nutrition in critical care.