JP2573555B2 - 合成樹脂組成物 - Google Patents

合成樹脂組成物

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JP2573555B2 JP63026924A JP2692488A JP2573555B2 JP 2573555 B2 JP2573555 B2 JP 2573555B2 JP 63026924 A JP63026924 A JP 63026924A JP 2692488 A JP2692488 A JP 2692488A JP 2573555 B2 JP2573555 B2 JP 2573555B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は導電性や熱伝導性に優れた熱可塑性合成樹脂
成形物を製造するために用いられる合成樹脂組成物に関
するものである。
〔従来の技術〕
従来、この種の合成樹脂組成物は、導電性繊維集束体
に熱可塑性合成樹脂により熱溶融被覆を行ない、冷却後
所定長に切断して得られた円筒形ペレットと、骨格とな
る熱可塑性合成樹脂ペレットとをドライブレンドするこ
とによって得られていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来の合成樹脂組成物は主として射出成形によっ
て成形物とされるのであるが、射出成形の際の加熱によ
り該円筒形ペレットの被覆層の熱可塑性合成樹脂と、骨
格となる熱可塑性合成樹脂ペレットとが溶融し、円筒形
ペレット内の導電性繊維集束体がほぐれて骨格となる該
熱可塑性合成樹脂溶融物中に分散混合される。しかし上
記従来の合成樹脂組成物においては導電性繊維の分散性
が良好でなく、部分的に導電性繊維の集塊物が存在した
りして、均一に導電性繊維が分散した成形物を得ること
が困難である。導電性繊維が均一に分散しないと成形物
の導電性や熱伝導性が良好でない。更に導電性繊維を混
合することによって成形物の衝撃強度が低下すると云う
問題もある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は上記従来の問題点を解決する手段として、導
電性繊維集束体に熱可塑性合成樹脂に、該熱可塑性合成
樹脂よりも軟化点の低い熱可塑性エラストマーを5〜50
重量%混合した混合物により熱溶融被覆を行ない、冷却
後所定長に切断して得られた円筒形ペレットと、該円筒
形ペレットの被覆に用いたものと同種の熱可塑性合成樹
脂ペレットとをドライブレンドすることによって得られ
る合成樹脂組成物を提供するものである。
本発明で用いられる導電性繊維とはステンレススチー
ル、黄銅、銅、ニッケル、アルミニウム等の金属や炭素
からなる繊維、あるいはニッケル被覆鉄繊維、金属被覆
ガラス繊維等の複合繊維であり、通常繊維直径は5〜50
ミクロンのものが用いられる。
本発明で用いられる熱可塑性エラストマーとしてはス
チレン−エチル・ブチレン−スチレンブロック共重合
体、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラスト
マー、ポリ塩化ビニルエラストマー等がある。
本発明に用いられる熱可塑性合成樹脂としてはポリス
チレン、ポリメチルメタクリート、ポリ塩化ビニル、ア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、変性
ポリフェニレンオキサイド、ポリカーボネート、ポリブ
チルテレフタレート、アクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン共重合体−ポリ塩化ビニル複合体等がある。
上記導電性繊維は通常3千〜1万本程度集束される。
該集束体には上記熱可塑性合成樹脂に上記熱可塑性エラ
ストマーを5〜50重量%混合した混合物の熱溶融物が被
覆される。該熱溶融物を該集束体に被覆するには押出機
により該集束体に該熱溶融物を被覆しつゝ押出し冷却す
る方法や、該熱溶融物中に該集束体を浸漬しその後冷却
する方法等が用いられる。該熱溶融物の被覆量は一般的
に該集束体に対して50〜80重量%程度とする。このよう
にして熱可塑性エラストマー混合熱可塑性合成樹脂から
なる被覆層で被覆された導電性繊維集束体は通常3〜6m
m程度の長さに切断されて円筒形ペレットとなる。該円
筒ペレットは該集束体の被覆に用いられた熱可塑性合成
樹脂(熱可塑性エラストマーを含まない)と同種な骨格
となる熱可塑性合成樹脂のペレットとドライブレンドさ
れる。該円筒形ペレットの混合比は通常、骨格となる該
熱可塑性合成樹脂ペレットに対して20〜50重量%であ
る。
このようにして調製された本発明の合成樹脂組成物は
通常射出成形により所望の形状に成形される。
〔作用〕
本発明の合成樹脂組成物を加熱すると円筒形ペレット
の被覆層には熱可塑性合成樹脂より軟化点の低い熱可塑
性エラストマーが5重量%以上混合されているので、ま
ず該被覆層が溶融して導電性繊維集束体がほぐれて来
る。更に被覆層溶融物によりほぐれた導電性繊維がコー
ティングされた状態で骨格となる熱可塑性合成樹脂の溶
融物中に分散して来る。この際被覆層溶融物の熱可塑性
合成樹脂と骨格となる熱可塑性合成樹脂とは同種である
ので熱可塑性合成樹脂相互は均一に相溶し、被覆層溶融
物即ち熱可塑性エラストマーと熱可塑性合成樹脂との混
合溶融物によってコーティングされている導電性繊維は
本発明の合成樹脂組成物溶融物中に均一に分散する。こ
の状態で該溶融物を射出成形する。
〔発明の効果〕
したがって本発明の合成樹脂組成物を用いれば導電性
繊維が均一に分散した導電性や熱伝導性が極めて良好な
成形物が得られ、かつ該成形物には熱可塑性エラストマ
ーが混合されているので可撓性が改良され機械的強度や
衝撃強度の大きな成形物が得られる。
実施例 直径10ミクロンのステンレススチール繊維を5千本集
束して集束体を作成する。該集束体をクロスヘッドタッ
チ付押出機に通しつゝその周囲をスチレン−エチル・ブ
チレン−スチレンブロック共重合体(クレイトンG:シェ
ル化学、商品名)を種々の量で含むスチレン変性ポリフ
ェニレンオキサイド溶融物を被覆し、押出機から押出し
直後に冷風により冷却固化させる。該被覆量は集束体に
対して40重量%とする。このようにして得られた集束体
被覆物はカッターにより長さ5mmの円筒状に切断されて
円筒形ペレットとなる。
該円筒形ペレットはスチレン変性ポリフェニレンオキ
サイドのペレットとドライブレンドされる。この場合の
該円筒形ペレットの混合比は30重量%とする。
このようにして得られた合成樹脂組成物を用いて厚さ
3mm、10×10cm角のパネルを射出成形する。該パネルに
ついて導電性繊維の分散性および衝撃値(アイゾット
値)を測定した。分散性はパネル表面の10cm2あたりに
分散しないで固まっている導電性繊維集塊物を目視で数
えてその個数で示した。結果は下表の通りである。
上表をみるとクレイトンが5重量%以下で含まれる場
合は導電性繊維の分散性、衝撃値ともに満足な値を示さ
ず、55重量%以上含まれる場合は分散性や衝撃値は良好
であるが成形物の耐熱性が低下して熱的歪が発生し易
い。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性繊維集束体に熱可塑性合成樹脂に、
    該熱可塑性合成樹脂よりも軟化点の低い熱可塑性エラス
    トマーを5〜50重量%混合した混合物により熱溶融被覆
    を行ない、冷却後所定長に切断して得られた円筒形ペレ
    ットと、該円筒形ペレットの被覆に用いたものと同種の
    熱可塑性合成樹脂ペレットとをドライブレンドすること
    によって得られることを特徴とする合成樹脂組成物
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NL193609C (nl) * 1981-12-30 2000-04-04 Bekaert Sa Nv Samengestelde streng voor verwerking als granulaat in kunststofproducten en werkwijze voor het vervaardigen van een kunststofmenggranulaat.
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JPS61296066A (ja) * 1985-06-24 1986-12-26 Toshiba Chem Corp 導電性成形材料

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