JP2570888B2 - 電刷子 - Google Patents
電刷子Info
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- JP2570888B2 JP2570888B2 JP2144681A JP14468190A JP2570888B2 JP 2570888 B2 JP2570888 B2 JP 2570888B2 JP 2144681 A JP2144681 A JP 2144681A JP 14468190 A JP14468190 A JP 14468190A JP 2570888 B2 JP2570888 B2 JP 2570888B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electric brush
- weight
- electric
- commutator
- graphite
- Prior art date
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Description
【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は回転電機用，特に小型回転電機用電刷子に関
する。
する。
（従来の技術） 低電圧，大電流を必要とする電動機等の回転電機は小
型軽量化に移向され，近年さらに高速回転，大電流化が
進み，電刷子の摺動に際しては，振動発生とともに，火
花発生が多く，整流子面の黒化，凹凸が生じ，電気損失
の増大とともに，電刷子の摩耗も増大する方向になる。
型軽量化に移向され，近年さらに高速回転，大電流化が
進み，電刷子の摺動に際しては，振動発生とともに，火
花発生が多く，整流子面の黒化，凹凸が生じ，電気損失
の増大とともに，電刷子の摩耗も増大する方向になる。
電刷子の摩耗低減法として，特開昭58−121582号公報
ではMOS2,WS2の添加，特公昭59−25351号公報ではCuSの
添加，特公昭58−18978号公報では燐化合物,MOS2,WS2の
添加，さらに特開昭63−131479号公報では二硼化チタン
の添加物を含有せしめて，ブラシ摩耗を改善することを
提唱している。
ではMOS2,WS2の添加，特公昭59−25351号公報ではCuSの
添加，特公昭58−18978号公報では燐化合物,MOS2,WS2の
添加，さらに特開昭63−131479号公報では二硼化チタン
の添加物を含有せしめて，ブラシ摩耗を改善することを
提唱している。
（発明が解決しようとする課題） これらの従来技術は電刷子摩耗に対する潤滑助剤とし
ては，有効であるが，最近の回転電機が指向する出力維
持及び長寿命のための材料としては不充分である。即ち
特開昭58−121582号公報及び特公昭58−18978号公報に
示される電刷子を用いた場合には，電刷子摩耗に対して
はかなりの効果はあるものの，高温化で使用される場合
に電刷子及び整流子間に発生する皮膜が過剰となり，出
力が低下する欠点がある。
ては，有効であるが，最近の回転電機が指向する出力維
持及び長寿命のための材料としては不充分である。即ち
特開昭58−121582号公報及び特公昭58−18978号公報に
示される電刷子を用いた場合には，電刷子摩耗に対して
はかなりの効果はあるものの，高温化で使用される場合
に電刷子及び整流子間に発生する皮膜が過剰となり，出
力が低下する欠点がある。
また，特公昭59−25351号公報及び特開昭63−131479
号公報に示される添加物を含有した電刷子では，高速回
転時及び低湿条件下で研摩性が強く，電刷子相手材の整
流子面を攻撃する欠点がある。
号公報に示される添加物を含有した電刷子では，高速回
転時及び低湿条件下で研摩性が強く，電刷子相手材の整
流子面を攻撃する欠点がある。
本発明は，高電流，高温下における潤滑性を保持し，
さらに高速回転下での耐久時間の延長に対する整流子面
での皮膜生成の過不足を調整させて，出力特性の維持と
ともに長寿命を得る電刷子を提供するものである。
さらに高速回転下での耐久時間の延長に対する整流子面
での皮膜生成の過不足を調整させて，出力特性の維持と
ともに長寿命を得る電刷子を提供するものである。
（課題を解決するための手段） 本発明は，炭化硼素0.3〜２重量％，二硫化モリブデ
ン又二硫化タングステン１〜４重量％を含有し，残部は
銅及び黒鉛からなる金属黒鉛質電刷子に関する。
ン又二硫化タングステン１〜４重量％を含有し，残部は
銅及び黒鉛からなる金属黒鉛質電刷子に関する。
本発明における原料成分の炭化硼素は通常５〜75μｍ
の粒子を用いる。含有量が0.3重量％未満でかつ粒子径
が小さいと皮膜調整作用が少なく，接触電圧降下が増大
する。また含有量が２重量％を越えかつ粒子径が大きい
と研摩性が過大となり，整流子を攻撃して好ましくな
い。また二硫化モリブデン又は二硫化タングステン（以
下二硫化モリブデンで代表して説明する）は通常10〜15
0μｍの粒子径のものを用いる。含有量が１重量％未満
でかつ粒子径が小さいと接触電圧降下が増大し易く，出
力特性ならびに耐摩耗性の効果が少ない。また含有量が
４重量％を越えかつ粒子径が大きい場合は低温下で研削
性が強く，整流子面を攻撃する要因となる。電刷子の主
原料となる銅粉は出力向上及び機械的強度向上からの機
械摩耗低減として,75μｍ以下の電解銅粉の使用が好ま
しい。黒鉛は結晶が良く発達した潤滑性の良い，天然産
の鱗状黒鉛を使用する。燐状黒鉛は30〜150μｍ程度の
粒子でも良いが，電動回転機用等の高出力を要求される
マシンには，樹脂等の結合剤で造粒された100〜300μｍ
程度の粒子の方が出力特性ならびに耐摩耗性での効果が
顕著で好ましい。
の粒子を用いる。含有量が0.3重量％未満でかつ粒子径
が小さいと皮膜調整作用が少なく，接触電圧降下が増大
する。また含有量が２重量％を越えかつ粒子径が大きい
と研摩性が過大となり，整流子を攻撃して好ましくな
い。また二硫化モリブデン又は二硫化タングステン（以
下二硫化モリブデンで代表して説明する）は通常10〜15
0μｍの粒子径のものを用いる。含有量が１重量％未満
でかつ粒子径が小さいと接触電圧降下が増大し易く，出
力特性ならびに耐摩耗性の効果が少ない。また含有量が
４重量％を越えかつ粒子径が大きい場合は低温下で研削
性が強く，整流子面を攻撃する要因となる。電刷子の主
原料となる銅粉は出力向上及び機械的強度向上からの機
械摩耗低減として,75μｍ以下の電解銅粉の使用が好ま
しい。黒鉛は結晶が良く発達した潤滑性の良い，天然産
の鱗状黒鉛を使用する。燐状黒鉛は30〜150μｍ程度の
粒子でも良いが，電動回転機用等の高出力を要求される
マシンには，樹脂等の結合剤で造粒された100〜300μｍ
程度の粒子の方が出力特性ならびに耐摩耗性での効果が
顕著で好ましい。
上記した成分のほかに潤滑剤として鉛を３重量％以下
含有させてもよい。ただし鉛の量が多すぎると低温域で
電動機出力の低下や整流子の荒損を起す場合がある。
含有させてもよい。ただし鉛の量が多すぎると低温域で
電動機出力の低下や整流子の荒損を起す場合がある。
これらの成分を混合機にて約１時間混合し，十分に混
合されていることを確認した後，成形プレスにて所望の
形状の金型を用い３〜3.5Ton/cm2にて加圧成形し，その
後不活性雰囲気にて，熱処理して電刷子の素材を得る。
その後さらに最終形状に機械加工して電刷子を得る。
合されていることを確認した後，成形プレスにて所望の
形状の金型を用い３〜3.5Ton/cm2にて加圧成形し，その
後不活性雰囲気にて，熱処理して電刷子の素材を得る。
その後さらに最終形状に機械加工して電刷子を得る。
（作用） 二硫化モリブデンの必要量は電刷子の摩耗を低減し，
炭化硼素の必要量は過剰皮膜生成の場合ならびに整流火
花による整流子の黒化面を適度に是正し，出力に影響す
る接触電圧降下の安定を図り，摺動接触を良好にすると
推定される。
炭化硼素の必要量は過剰皮膜生成の場合ならびに整流火
花による整流子の黒化面を適度に是正し，出力に影響す
る接触電圧降下の安定を図り，摺動接触を良好にすると
推定される。
（実施例） 実施例１ 炭化硼素（電気化学工業製，ボロンカーバイド＃100
0）0.5重量％及び平均粒径15μｍの二硫化モリブデン２
重量％，電解銅粉（福田金属製CE−15）70重量％，それ
に天然黒鉛（日本黒鉛工業製,CB−100）及びレゾール型
フエノール樹脂（日立化成工業製,VP−13N）を黒鉛75:
樹脂25（重量％）の比で配合したものを60℃で加熱混合
して顆粒状とした300μｍ以下の造粒黒鉛を残部として
原料成分とした。これら成分をミキサーで１時間混合
し，この後銅より線のピグテール付き成形プレスで3.5t
on/cm2の圧力で加圧成形した後，窒素ガス雰囲気で６時
間750℃まで熱処理した。次いで機械加工により電刷子
を得た。
0）0.5重量％及び平均粒径15μｍの二硫化モリブデン２
重量％，電解銅粉（福田金属製CE−15）70重量％，それ
に天然黒鉛（日本黒鉛工業製,CB−100）及びレゾール型
フエノール樹脂（日立化成工業製,VP−13N）を黒鉛75:
樹脂25（重量％）の比で配合したものを60℃で加熱混合
して顆粒状とした300μｍ以下の造粒黒鉛を残部として
原料成分とした。これら成分をミキサーで１時間混合
し，この後銅より線のピグテール付き成形プレスで3.5t
on/cm2の圧力で加圧成形した後，窒素ガス雰囲気で６時
間750℃まで熱処理した。次いで機械加工により電刷子
を得た。
実施例２ 実施例１における炭化硼素量を1.5重量％とした以外
は実施例１と同様にして電刷子素材を得た。
は実施例１と同様にして電刷子素材を得た。
比較例１ 実施例１における炭化硼素量を2.5重量％とした以外
は実施例１と同様にして電刷子素材を得た。
は実施例１と同様にして電刷子素材を得た。
比較例２ 実施例１における炭化硼素を添加しない以外は実施例
１と同様にして電刷子素材を得た。
１と同様にして電刷子素材を得た。
比較例３ 原料成分を燐化合物（Cn3P）0.15重量％、錫２重量
％、平均粒径15μｍの二硫化モリブデン２重量％、実施
例１と同様の電解銅粉75.85重量％及び実施例１で得た
造粒黒鉛20重量％とした以外は実施例１と同様にして電
刷子素材を得た。
％、平均粒径15μｍの二硫化モリブデン２重量％、実施
例１と同様の電解銅粉75.85重量％及び実施例１で得た
造粒黒鉛20重量％とした以外は実施例１と同様にして電
刷子素材を得た。
比較例４ 原料成分を燐化合物（Cu3P）0.5重量％、錫２重量
％、平均粒径15μｍの二硫化モリブデン２重量％、実施
例１と同様の電解銅粉75.5重量％及び実施例１で得た造
粒黒鉛20重量％とした以外は実施例１と同様にして電刷
子素材を得た。
％、平均粒径15μｍの二硫化モリブデン２重量％、実施
例１と同様の電解銅粉75.5重量％及び実施例１で得た造
粒黒鉛20重量％とした以外は実施例１と同様にして電刷
子素材を得た。
実施例及び比較例で得た電刷子素材から小型直流電動
機用の電刷子を機械加工し，電動機用と同等の大電流を
通電し，負荷試験を実施した。試験条件はCu模擬整流
子,DC100A通電,1000r/m,電刷子圧力を2kg/cm2とし，通
電10sec,無通電10secのサイクルで100時間摺動した場合
の電刷子摩耗及び接触電圧降下，整流子面粗さを求め
た。その結果を第１表に示す。
機用の電刷子を機械加工し，電動機用と同等の大電流を
通電し，負荷試験を実施した。試験条件はCu模擬整流
子,DC100A通電,1000r/m,電刷子圧力を2kg/cm2とし，通
電10sec,無通電10secのサイクルで100時間摺動した場合
の電刷子摩耗及び接触電圧降下，整流子面粗さを求め
た。その結果を第１表に示す。
第１表から従来材の比較例２及び比較例３に対比し、
炭化硼素を加えた実施例及び比較例１では，電刷子摩耗
量が大幅に改善された。また接触電圧降下も同様に改善
された。一方、比較例１の炭化硼素2.5重量％添加品
は、整流子面粗さが増大し、さらに比較例２及び比較例
４は接触電圧降下が大きいことが明かである。
炭化硼素を加えた実施例及び比較例１では，電刷子摩耗
量が大幅に改善された。また接触電圧降下も同様に改善
された。一方、比較例１の炭化硼素2.5重量％添加品
は、整流子面粗さが増大し、さらに比較例２及び比較例
４は接触電圧降下が大きいことが明かである。
（発明の効果） 本発明の電刷子は，整流子に対する適度な皮膜調整作
用を有し，電動機の出力特性の向上とともに，電刷子摩
耗を低減させる。
用を有し，電動機の出力特性の向上とともに，電刷子摩
耗を低減させる。
Claims (1)
- 【請求項１】炭化硼素0.3〜2.0重量％，二硫化モリブデ
ン又は二硫化タングステン１〜４重量％，残部が銅およ
び黒鉛からなる電刷子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2144681A JP2570888B2 (ja) | 1990-06-01 | 1990-06-01 | 電刷子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2144681A JP2570888B2 (ja) | 1990-06-01 | 1990-06-01 | 電刷子 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0438152A JPH0438152A (ja) | 1992-02-07 |
| JP2570888B2 true JP2570888B2 (ja) | 1997-01-16 |
Family
ID=15367782
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2144681A Expired - Lifetime JP2570888B2 (ja) | 1990-06-01 | 1990-06-01 | 電刷子 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2570888B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103447531A (zh) * | 2013-09-09 | 2013-12-18 | 中南大学 | 一种银-二硫化钨复合材料电刷-滑环系统 |
| CN103447532A (zh) * | 2013-09-09 | 2013-12-18 | 中南大学 | 一种石墨-二硫化钼-铜复合材料电刷-滑环系统 |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2020171091A (ja) * | 2019-04-01 | 2020-10-15 | 株式会社デンソー | 直流モータ |
| WO2021260771A1 (ja) * | 2020-06-22 | 2021-12-30 | 昭和電工マテリアルズ株式会社 | 金属黒鉛質材料及び電刷子 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5818978A (ja) * | 1981-07-27 | 1983-02-03 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 光センサ |
| JPH0238365A (ja) * | 1988-07-27 | 1990-02-07 | Agency Of Ind Science & Technol | 耐高温高強度黒鉛系複合摺動部材 |
-
1990
- 1990-06-01 JP JP2144681A patent/JP2570888B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103447531A (zh) * | 2013-09-09 | 2013-12-18 | 中南大学 | 一种银-二硫化钨复合材料电刷-滑环系统 |
| CN103447532A (zh) * | 2013-09-09 | 2013-12-18 | 中南大学 | 一种石墨-二硫化钼-铜复合材料电刷-滑环系统 |
| CN103447531B (zh) * | 2013-09-09 | 2015-10-28 | 中南大学 | 一种银-二硫化钨复合材料电刷-滑环系统 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0438152A (ja) | 1992-02-07 |
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Legal Events
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