JP2570529B2 - 死水が発生しない大口径管路 - Google Patents
死水が発生しない大口径管路Info
- Publication number
- JP2570529B2 JP2570529B2 JP3293638A JP29363891A JP2570529B2 JP 2570529 B2 JP2570529 B2 JP 2570529B2 JP 3293638 A JP3293638 A JP 3293638A JP 29363891 A JP29363891 A JP 29363891A JP 2570529 B2 JP2570529 B2 JP 2570529B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- chlorine
- pipe
- diameter
- diameter pipeline
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Pipeline Systems (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、大深度の地下におい
て上水道として使用される、死水が発生しない大口径管
路に関するものである。
て上水道として使用される、死水が発生しない大口径管
路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上水を供給する上水道管の大口径管路
が、浅深度、中深度の地下に設置され、従来から既存設
備として利用されている。大口径管路において口径の大
きさに関する規定は特にないが、人が中に入って作業で
きる口径は直径800mm 以上と法令で規定されていること
から、大口径管路とは、通常、直径800mm 以上の口径を
有する管路をいうものとされている。浅深度、中深度の
地下に設置される大口径管路は、原則として、計画送水
量および配水量に見合う管路の口径になっており、基本
的に水の貯留機能を考慮していない。このため、浅深
度、中深度の地下に設置される大口径管路には、水の滞
留は生じない。
が、浅深度、中深度の地下に設置され、従来から既存設
備として利用されている。大口径管路において口径の大
きさに関する規定は特にないが、人が中に入って作業で
きる口径は直径800mm 以上と法令で規定されていること
から、大口径管路とは、通常、直径800mm 以上の口径を
有する管路をいうものとされている。浅深度、中深度の
地下に設置される大口径管路は、原則として、計画送水
量および配水量に見合う管路の口径になっており、基本
的に水の貯留機能を考慮していない。このため、浅深
度、中深度の地下に設置される大口径管路には、水の滞
留は生じない。
【0003】一方、大深度の地下に設置される、大口径
管路を利用して、飲料水等の上水を供給する構想が、近
年、厚生省および財団法人水道管路技術センター等より
発表されている。これらの構想において、大深度の地下
に設置される大口径管路は、配水管のブロック配管網に
資することが期待されており、且つ、水の貯留機能(ス
トック機能)を有することが必要とされている。
管路を利用して、飲料水等の上水を供給する構想が、近
年、厚生省および財団法人水道管路技術センター等より
発表されている。これらの構想において、大深度の地下
に設置される大口径管路は、配水管のブロック配管網に
資することが期待されており、且つ、水の貯留機能(ス
トック機能)を有することが必要とされている。
【0004】このような、大深度の地下に設置される大
口径管路は、上述したように貯留機能を有することが必
要とされていることから、通常の送水管および配水管と
して使用される、浅深度、中深度の地下に設置される大
口径管路と比べて、貯水容量に対する使用水量の割合が
小さくなることが予測され、管路中における滞水時間が
相対的に長くなり、このため、上水中の残留塩素濃度が
低下する可能性が高いと考えられている。その、結果、
給水栓(各家庭の蛇口等)において、死水がでる恐れが
でてくる。
口径管路は、上述したように貯留機能を有することが必
要とされていることから、通常の送水管および配水管と
して使用される、浅深度、中深度の地下に設置される大
口径管路と比べて、貯水容量に対する使用水量の割合が
小さくなることが予測され、管路中における滞水時間が
相対的に長くなり、このため、上水中の残留塩素濃度が
低下する可能性が高いと考えられている。その、結果、
給水栓(各家庭の蛇口等)において、死水がでる恐れが
でてくる。
【0005】水道法施工規則には、給水栓における水
が、遊離残留塩素を0.1ppm以上に保持するように塩素消
毒をすることが規定されており、上記水がこの基準を満
たない場合、この水を「死水(しにみず)」という。
が、遊離残留塩素を0.1ppm以上に保持するように塩素消
毒をすることが規定されており、上記水がこの基準を満
たない場合、この水を「死水(しにみず)」という。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
大深度の地下に設置される大口径管路においては、死水
を発生させないための対策、即ち、給水栓における水
が、上記規則(遊離残留塩素を0.1ppm 以上とする)を
満足することが必要である。上記対策としては、大深度
の地下に設置される大口径管路の途中において、塩素消
毒をするための薬剤(以下、「塩素剤」という)を上水
中に注入して消毒することが考えられる。しかしなが
ら、通常の注入方法では、残留塩素濃度が不均一のまま
で供給されるため、残留塩素濃度の不足、あるいは、過
多による臭気の発生等が生じる問題があった。また、塩
素剤の使用量も概して多くなる問題があった。
大深度の地下に設置される大口径管路においては、死水
を発生させないための対策、即ち、給水栓における水
が、上記規則(遊離残留塩素を0.1ppm 以上とする)を
満足することが必要である。上記対策としては、大深度
の地下に設置される大口径管路の途中において、塩素消
毒をするための薬剤(以下、「塩素剤」という)を上水
中に注入して消毒することが考えられる。しかしなが
ら、通常の注入方法では、残留塩素濃度が不均一のまま
で供給されるため、残留塩素濃度の不足、あるいは、過
多による臭気の発生等が生じる問題があった。また、塩
素剤の使用量も概して多くなる問題があった。
【0007】塩素剤を使用する消毒は、上述したよう
に、大口径管路配水管の途中に消毒設備を設けて、塩素
剤を追加注入することにより行われる。ところで、塩素
剤を注入して行う消毒および消毒設備、塩素の混合、攪
拌については、従来から種々の技術が用いられている。
以下、それらについて述べる。まず、消毒および消毒設
備について述べる。 (1) 消毒の目的:原水中の病原生物は、通常、浄水場の
沈澱、濾過によって大部分除去されるが、少数は残留す
る可能性があるので、消毒はそれを殺滅する目的で行
う。
に、大口径管路配水管の途中に消毒設備を設けて、塩素
剤を追加注入することにより行われる。ところで、塩素
剤を注入して行う消毒および消毒設備、塩素の混合、攪
拌については、従来から種々の技術が用いられている。
以下、それらについて述べる。まず、消毒および消毒設
備について述べる。 (1) 消毒の目的:原水中の病原生物は、通常、浄水場の
沈澱、濾過によって大部分除去されるが、少数は残留す
る可能性があるので、消毒はそれを殺滅する目的で行
う。
【0008】(2) 消毒の方法:水の消毒は塩素を使用す
ることとされている(厚生省通知)。ゆえに、塩素以外
の使用は認められない。
ることとされている(厚生省通知)。ゆえに、塩素以外
の使用は認められない。
【0009】(3) 塩素を使用する消毒の方法には、下記
の3つの方法がある。 液化塩素を使用する:液化塩素は、塩素ガスを低温
・高圧で液化したものである。 次亜塩素酸ナトリウムを使用する:次亜塩素酸ナト
リウムは、塩水(淡水)電解により得られる。 次亜塩素酸カルシウム(さらし粉)を使用する。 上記3つの方法の中で、液化塩素によるものが、圧倒的
に多く使用されている。但し、取扱い作業の安全性の面
から、次亜塩素酸ナトリウムによる方法が増加してい
る。
の3つの方法がある。 液化塩素を使用する:液化塩素は、塩素ガスを低温
・高圧で液化したものである。 次亜塩素酸ナトリウムを使用する:次亜塩素酸ナト
リウムは、塩水(淡水)電解により得られる。 次亜塩素酸カルシウム(さらし粉)を使用する。 上記3つの方法の中で、液化塩素によるものが、圧倒的
に多く使用されている。但し、取扱い作業の安全性の面
から、次亜塩素酸ナトリウムによる方法が増加してい
る。
【0010】(4) 塩素消毒の原理。 浄水場における塩素消毒の方法は、不連続点塩素処理法
によって行われる。以下に、不連続点塩素処理について
説明する。アンモニアおよび有機性の窒素化合物を含む
水に塩素剤を投入した場合、塩素はまずそれら含有物と
反応して結合残留塩素となる。結合残留塩素は、塩素注
入率を増加させるにつれて増加するが、塩素注入率があ
る量に達するとクロラミンが窒素ガスにまで酸化され
て、残留塩素濃度は減少する。しかし、それを超えてさ
らに塩素注入率を増加させると、それに比例して遊離残
留塩素濃度が増加する。この一連の変化を図3に示す。
図3は、塩素注入率と残留塩素濃度との関係を示すグラ
フである。この一連の変化において生ずる残留塩素濃度
の最小点を、不連続点(BREAK POINT)といい、この点を
超えるように塩素を注入し、遊離残留塩素を生じさせて
処理する方法を不連続点塩素処理という。不連続点塩素
処理は十分な消毒効果が得られると同時に、鉄およびマ
ンガンの除去方法としても有効である。
によって行われる。以下に、不連続点塩素処理について
説明する。アンモニアおよび有機性の窒素化合物を含む
水に塩素剤を投入した場合、塩素はまずそれら含有物と
反応して結合残留塩素となる。結合残留塩素は、塩素注
入率を増加させるにつれて増加するが、塩素注入率があ
る量に達するとクロラミンが窒素ガスにまで酸化され
て、残留塩素濃度は減少する。しかし、それを超えてさ
らに塩素注入率を増加させると、それに比例して遊離残
留塩素濃度が増加する。この一連の変化を図3に示す。
図3は、塩素注入率と残留塩素濃度との関係を示すグラ
フである。この一連の変化において生ずる残留塩素濃度
の最小点を、不連続点(BREAK POINT)といい、この点を
超えるように塩素を注入し、遊離残留塩素を生じさせて
処理する方法を不連続点塩素処理という。不連続点塩素
処理は十分な消毒効果が得られると同時に、鉄およびマ
ンガンの除去方法としても有効である。
【0011】(5) 塩素消毒の設備。 貯蔵設備。 消毒は浄水処理上欠かすことができないので、塩素等消
毒剤の貯蔵には、十分なゆとりをもたせ、使用量の10日
分以上は常に確保しておく必要がある。液化塩素の容器
には、可搬性の50Kgまたは1トンの鉄製容器と、浄水場
に設置する貯槽とがあるが、いずれの場合にも、塩素ガ
スの漏洩防止、直射日光の照射および湿気の防止に十分
注意をはらって貯蔵しなければならない。次亜塩素酸ナ
トリウムは強アルカリ性で腐食性を有するので、貯槽に
は、耐腐食性の材質を用いねばならない。また、有効塩
素分の減少を防止するために、日射および温度の上昇を
避けて貯蔵し、定期的に有効塩素分を測定する必要があ
る。 注入設備。 塩素注入機には、乾式と湿式とがある。通常用いられる
のは湿式注入機である。湿式注入機には、圧力式注入機
と真空式注入機とがある。圧力式注入機は、混合瓶の中
で塩素ガスを水面から溶解させて塩素水とする方式のも
のをいい、真空式注入機は、圧力水によってインゼクタ
に生じた真空力を利用し、塩素ガスを吸引しながら圧力
水に溶解させて塩素水をする方式をいう。塩素注入用の
配管は、耐圧試験、漏洩試験を行って、塩素ガスの漏洩
の防止を図らねばならない。 除外設備。 塩素ガスについては、労働基準法により作業時の最高許
容限度が1ppm と定められている。また、液化塩素につ
いては、一般高圧ガス保安規則により、貯蔵するときの
漏洩検知器、中和装置等の除外設備を設けることとされ
ている。
毒剤の貯蔵には、十分なゆとりをもたせ、使用量の10日
分以上は常に確保しておく必要がある。液化塩素の容器
には、可搬性の50Kgまたは1トンの鉄製容器と、浄水場
に設置する貯槽とがあるが、いずれの場合にも、塩素ガ
スの漏洩防止、直射日光の照射および湿気の防止に十分
注意をはらって貯蔵しなければならない。次亜塩素酸ナ
トリウムは強アルカリ性で腐食性を有するので、貯槽に
は、耐腐食性の材質を用いねばならない。また、有効塩
素分の減少を防止するために、日射および温度の上昇を
避けて貯蔵し、定期的に有効塩素分を測定する必要があ
る。 注入設備。 塩素注入機には、乾式と湿式とがある。通常用いられる
のは湿式注入機である。湿式注入機には、圧力式注入機
と真空式注入機とがある。圧力式注入機は、混合瓶の中
で塩素ガスを水面から溶解させて塩素水とする方式のも
のをいい、真空式注入機は、圧力水によってインゼクタ
に生じた真空力を利用し、塩素ガスを吸引しながら圧力
水に溶解させて塩素水をする方式をいう。塩素注入用の
配管は、耐圧試験、漏洩試験を行って、塩素ガスの漏洩
の防止を図らねばならない。 除外設備。 塩素ガスについては、労働基準法により作業時の最高許
容限度が1ppm と定められている。また、液化塩素につ
いては、一般高圧ガス保安規則により、貯蔵するときの
漏洩検知器、中和装置等の除外設備を設けることとされ
ている。
【0012】(6) 塩素の注入制御。 塩素の注入制御には、定値制御、流量比例制御および残
留塩素制御がある。以下に、上記3つの注入制御につい
て説明する。 定値制御。 処理水量と塩素要求量の変化が少なく、ほぼ一定量の塩
素の注入で所定の残留塩素が保持できる場合に用いる。 流量比例制御。 処理水量は制御するが、水質の変化が少なく、塩素要求
量がほぼ一定のときは、処理水量の変化に応じた塩素量
を注入すれば、所定の残留塩素が保持できる場合に用い
る。 残留塩素制御。 処理水量が変化し、塩素要求量も変化するような場合
に、残留塩素を目標値として制御する方法。
留塩素制御がある。以下に、上記3つの注入制御につい
て説明する。 定値制御。 処理水量と塩素要求量の変化が少なく、ほぼ一定量の塩
素の注入で所定の残留塩素が保持できる場合に用いる。 流量比例制御。 処理水量は制御するが、水質の変化が少なく、塩素要求
量がほぼ一定のときは、処理水量の変化に応じた塩素量
を注入すれば、所定の残留塩素が保持できる場合に用い
る。 残留塩素制御。 処理水量が変化し、塩素要求量も変化するような場合
に、残留塩素を目標値として制御する方法。
【0013】次に、混合、攪拌設備について述べる。塩
素消毒のための混合、攪拌設備としては、塩素混和井
「せき」がある。また、その他の混合、攪拌設備として
は、緊急時飲料水貯槽(緊急給水用貯水槽装置)に用い
られている方法がある。これには、従来から混合室方式
および有孔管方式がある。
素消毒のための混合、攪拌設備としては、塩素混和井
「せき」がある。また、その他の混合、攪拌設備として
は、緊急時飲料水貯槽(緊急給水用貯水槽装置)に用い
られている方法がある。これには、従来から混合室方式
および有孔管方式がある。
【0014】混合室方式の技術として、実公昭62-29431
号公報に、緊急時飲料水貯槽が開示されている(以下、
「先行技術1」という)。図4は先行技術1を示す貯水
槽の断面図である。先行技術1の混合室方式は、貯水槽
14の本体内部の円周方向断面位置に概ね係合する、貯水
槽14の直径方向に差し渡した支軸によって固定され、且
つ、貯水槽14の長手方向に対して所定の間隔で設置され
た、例えば正方形の板体からなる複数の仕切板15(隔
壁)とからなっており、仕切板15によって混合室16が複
数形成されている。貯水槽14に流入された水は仕切板15
を介して混合を繰り返しながら順次次の混合室に進み、
これにより水が入れ替わる。この先行技術1は、下記の
特徴を有している。 水槽内の水循環特性は、混合室数により異なる。図
5に示すように、混合室数と新水入替え時間とは、混合
室数が増すほど入替え時間が短くなる関係にあるが、混
合室数がある一定の数以上では効果が増加しない。な
お、入替え時間とは、経過時間(流量/水槽容量=水槽
容量の何倍の水を流せば完全に入れ替わるか)であらわ
される。 長い管路であっても、1混合室の縦横比(横/縦)
を1.6 程度にすると良好な混合特性を示す。 さらに重要なことは、タンク内平均流速が。1.5 か
ら5.9 mm/secという低流速でも、良好な混合特性を示す
ことである。
号公報に、緊急時飲料水貯槽が開示されている(以下、
「先行技術1」という)。図4は先行技術1を示す貯水
槽の断面図である。先行技術1の混合室方式は、貯水槽
14の本体内部の円周方向断面位置に概ね係合する、貯水
槽14の直径方向に差し渡した支軸によって固定され、且
つ、貯水槽14の長手方向に対して所定の間隔で設置され
た、例えば正方形の板体からなる複数の仕切板15(隔
壁)とからなっており、仕切板15によって混合室16が複
数形成されている。貯水槽14に流入された水は仕切板15
を介して混合を繰り返しながら順次次の混合室に進み、
これにより水が入れ替わる。この先行技術1は、下記の
特徴を有している。 水槽内の水循環特性は、混合室数により異なる。図
5に示すように、混合室数と新水入替え時間とは、混合
室数が増すほど入替え時間が短くなる関係にあるが、混
合室数がある一定の数以上では効果が増加しない。な
お、入替え時間とは、経過時間(流量/水槽容量=水槽
容量の何倍の水を流せば完全に入れ替わるか)であらわ
される。 長い管路であっても、1混合室の縦横比(横/縦)
を1.6 程度にすると良好な混合特性を示す。 さらに重要なことは、タンク内平均流速が。1.5 か
ら5.9 mm/secという低流速でも、良好な混合特性を示す
ことである。
【0015】有孔管方式の技術として、特公昭58-39710
号公報に、緊急給水用貯水槽装置が開示されている(以
下、「先行技術2」という)。図6は先行技術2を示す
貯水槽の水平断面図、図7は垂直縦断面図、図8は図7
のB−B線断面図である。貯水槽9の両端は凹面となっ
ており、流入管10は、貯水槽9の下部の、先端が閉塞さ
れた有孔管部11を備え、流出管12は貯水槽9の上部の有
孔管部13を備えている。有孔管部11の全長には多数の小
孔が1列に上向きに削孔され、有孔管部13の全長にも多
数の小孔が1列に下向きに削孔されている。平常時の貯
水層9内は、流入側有孔管部11の多数の小孔から噴出し
た水が円状に流れ、絶えず攪拌されて貯水槽9内のどの
部分においても水が停滞することなく、順次流出側有孔
管部13に入り流出される。この先行技術2は、下記の特
徴を有している。 タンク内の平均流速が0.5 から2.5 m/sec の比較的
高速で、良好な混合特性を示す。 タンク内の平均流速が0.5 から2.5 m/sec の範囲で
は、入れ替えに要する水量の貯水槽容量に対する倍率が
ほぼ一定であるため、塩素の注入制御が容易である。即
ち、流速が少ない場合には、当然時間は多くかかるが、
1回水が入れ替わるための流量は同じであり、それに見
合った塩素を流量比例制御で注入するので、残留塩素濃
度で制御する必要がない。
号公報に、緊急給水用貯水槽装置が開示されている(以
下、「先行技術2」という)。図6は先行技術2を示す
貯水槽の水平断面図、図7は垂直縦断面図、図8は図7
のB−B線断面図である。貯水槽9の両端は凹面となっ
ており、流入管10は、貯水槽9の下部の、先端が閉塞さ
れた有孔管部11を備え、流出管12は貯水槽9の上部の有
孔管部13を備えている。有孔管部11の全長には多数の小
孔が1列に上向きに削孔され、有孔管部13の全長にも多
数の小孔が1列に下向きに削孔されている。平常時の貯
水層9内は、流入側有孔管部11の多数の小孔から噴出し
た水が円状に流れ、絶えず攪拌されて貯水槽9内のどの
部分においても水が停滞することなく、順次流出側有孔
管部13に入り流出される。この先行技術2は、下記の特
徴を有している。 タンク内の平均流速が0.5 から2.5 m/sec の比較的
高速で、良好な混合特性を示す。 タンク内の平均流速が0.5 から2.5 m/sec の範囲で
は、入れ替えに要する水量の貯水槽容量に対する倍率が
ほぼ一定であるため、塩素の注入制御が容易である。即
ち、流速が少ない場合には、当然時間は多くかかるが、
1回水が入れ替わるための流量は同じであり、それに見
合った塩素を流量比例制御で注入するので、残留塩素濃
度で制御する必要がない。
【0016】その他、配水池における塩素の追加注入に
より、良好な制御が容易であること、および、浄水場に
おける後塩素処理では、制御が困難であり、塩素の追加
注入が必要であること等が、既に知られている。
より、良好な制御が容易であること、および、浄水場に
おける後塩素処理では、制御が困難であり、塩素の追加
注入が必要であること等が、既に知られている。
【0017】この発明の目的は、上記従来技術を踏まえ
て、貯留機能を有するために貯水時間が長期となる大深
度の地下に設けられた大口径管路の途中に、消毒設備を
設けて塩素剤の追加注入を行うことにより、死水が発生
しない大口径管路を提供することにある。
て、貯留機能を有するために貯水時間が長期となる大深
度の地下に設けられた大口径管路の途中に、消毒設備を
設けて塩素剤の追加注入を行うことにより、死水が発生
しない大口径管路を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】我々は、上述したよう
に、貯留機能を有するために貯水時間が長期となる大深
度の地下に設けられた大口径管路において、死水が発生
しないようにするための技術の開発に鋭意研究を重ね
た。その結果、大口径管路の途中に、上記従来技術を組
み合わせて用いた消毒設備を設けて塩素剤の追加注入を
行うことにより、死水が発生しない大口径管路が得られ
ることを知見した。
に、貯留機能を有するために貯水時間が長期となる大深
度の地下に設けられた大口径管路において、死水が発生
しないようにするための技術の開発に鋭意研究を重ね
た。その結果、大口径管路の途中に、上記従来技術を組
み合わせて用いた消毒設備を設けて塩素剤の追加注入を
行うことにより、死水が発生しない大口径管路が得られ
ることを知見した。
【0019】この発明は、上述の知見に基づいてなされ
たものであって、大深度の地下に設けられた、その中を
水が流れる横断面円形の大口径管路と、前記大口径管路
内部の前記大口径管路の管軸直交方向に固定され、且
つ、前記大口径管路の管軸方向に所定の間隔をあけて設
けられた、前記大口径管路の内周面との間に所定の隙間
を有する2個の隔壁と、前記隔壁間の前記大口径管路内
に挿入された、挿入部分に複数の孔を有する流入管とか
らなり、塩素剤が混合された水道水を前記流入管の前記
孔から前記大口径管路内に注入することに特徴を有する
ものである。
たものであって、大深度の地下に設けられた、その中を
水が流れる横断面円形の大口径管路と、前記大口径管路
内部の前記大口径管路の管軸直交方向に固定され、且
つ、前記大口径管路の管軸方向に所定の間隔をあけて設
けられた、前記大口径管路の内周面との間に所定の隙間
を有する2個の隔壁と、前記隔壁間の前記大口径管路内
に挿入された、挿入部分に複数の孔を有する流入管とか
らなり、塩素剤が混合された水道水を前記流入管の前記
孔から前記大口径管路内に注入することに特徴を有する
ものである。
【0020】
【作用】大口径管路の内部に、大口径管路の管軸直交方
向に設けられた隔壁を、所定間隔をあけて2個設け、こ
の隔壁間に流入管を挿入し、挿入した流入管の挿入部分
に孔を設け、孔から水道水により加圧された塩素剤を注
入することにより、貯水量に対する使用水量の比率が相
対的に少なくても、塩素剤と水との混合、攪拌が十分に
行われ、死水が発生せず、さらに、水の入れ替わりが容
易に行える。また、孔から水道水により加圧された塩素
剤を注入することにより、入替え時間(貯水量/使用水
量)が短縮できる。
向に設けられた隔壁を、所定間隔をあけて2個設け、こ
の隔壁間に流入管を挿入し、挿入した流入管の挿入部分
に孔を設け、孔から水道水により加圧された塩素剤を注
入することにより、貯水量に対する使用水量の比率が相
対的に少なくても、塩素剤と水との混合、攪拌が十分に
行われ、死水が発生せず、さらに、水の入れ替わりが容
易に行える。また、孔から水道水により加圧された塩素
剤を注入することにより、入替え時間(貯水量/使用水
量)が短縮できる。
【0021】次に、この発明を図面を参照しながら説明
する。図1はこの発明の1実施態様を示す垂直縦断面
図、図2は図1のA−A線断面図である。大深度の地下
空間に設置された横断面円形の大口径管路1の内部の1
区画には、大口径管路1の管軸方向に所定の間隔をあけ
て2個の隔壁2a、2bが、管軸直交方向に設けられてい
る。隔壁2a、2bの各々は、その4角部が大口径管路1の
内周面と接触する、正方形の板体からなっている。隔壁
2aの近傍の下流側には、流入管4が上部から大口径管路
1内に挿入されている。流入管4の挿入部分3は大口径
管路1の底部内周面近傍で下流側に屈曲し、大口径管路
1の管軸方向に前記底部内周面に沿って、隔壁2bまで設
けられている。流入管4の挿入部分3の先端は閉塞され
ており、大口径管路1の底部内周面に沿って設けられた
部分には、その長手方向に所定間隔をあけて複数個の孔
7が上向きに設けられている。孔7は、上流側から下流
側になるにつれ徐々にその孔径が大きくなっている。上
流側から下流側になるにつれ徐々に孔径が大きくなる理
由は、各々の孔7からの吹出し量を一定にするためであ
り、これは、圧力の低い下流側の孔7の径を上流側より
も大きくすることにより達成される。孔7の各々から
は、塩素剤17が、大口径管路1内に向けて水道水18とと
もに注入される。さらに、隔壁2bの近傍の上流側には、
流出管6が大口径管路1に連結されており、流出管6の
途中には、残留塩素濃度を測定するためのセンサ5が設
けられている。
する。図1はこの発明の1実施態様を示す垂直縦断面
図、図2は図1のA−A線断面図である。大深度の地下
空間に設置された横断面円形の大口径管路1の内部の1
区画には、大口径管路1の管軸方向に所定の間隔をあけ
て2個の隔壁2a、2bが、管軸直交方向に設けられてい
る。隔壁2a、2bの各々は、その4角部が大口径管路1の
内周面と接触する、正方形の板体からなっている。隔壁
2aの近傍の下流側には、流入管4が上部から大口径管路
1内に挿入されている。流入管4の挿入部分3は大口径
管路1の底部内周面近傍で下流側に屈曲し、大口径管路
1の管軸方向に前記底部内周面に沿って、隔壁2bまで設
けられている。流入管4の挿入部分3の先端は閉塞され
ており、大口径管路1の底部内周面に沿って設けられた
部分には、その長手方向に所定間隔をあけて複数個の孔
7が上向きに設けられている。孔7は、上流側から下流
側になるにつれ徐々にその孔径が大きくなっている。上
流側から下流側になるにつれ徐々に孔径が大きくなる理
由は、各々の孔7からの吹出し量を一定にするためであ
り、これは、圧力の低い下流側の孔7の径を上流側より
も大きくすることにより達成される。孔7の各々から
は、塩素剤17が、大口径管路1内に向けて水道水18とと
もに注入される。さらに、隔壁2bの近傍の上流側には、
流出管6が大口径管路1に連結されており、流出管6の
途中には、残留塩素濃度を測定するためのセンサ5が設
けられている。
【0022】隔壁2a、2b間において、流入管4の挿入部
分3の孔7から、水道水18とともに加圧されて噴出した
塩素剤17が円状に流れ、混合室19内のどの部分において
も水が停滞することなく、絶えず攪拌、混合される。そ
して、攪拌、混合された水は、隔壁2bを通って順次隔壁
2bの下流に流出され、水が入れ替わる。
分3の孔7から、水道水18とともに加圧されて噴出した
塩素剤17が円状に流れ、混合室19内のどの部分において
も水が停滞することなく、絶えず攪拌、混合される。そ
して、攪拌、混合された水は、隔壁2bを通って順次隔壁
2bの下流に流出され、水が入れ替わる。
【0023】このように、大口径管路の1区画に2個の
隔壁を設け、流入管4の挿入部分3の孔7から塩素剤17
を水道水18とともに加圧して注入することにより、当該
区画の内部において、残留塩素濃度の過・不足が無くな
り、残留塩素濃度が均一になる。さらに、当該区画内に
おいて、一旦均一に混合、攪拌された水は、分離するこ
とは考えられない。さらに、塩素剤の使用量も低減し、
且つ、トリハロメタン等の生成を低減することができ
る。
隔壁を設け、流入管4の挿入部分3の孔7から塩素剤17
を水道水18とともに加圧して注入することにより、当該
区画の内部において、残留塩素濃度の過・不足が無くな
り、残留塩素濃度が均一になる。さらに、当該区画内に
おいて、一旦均一に混合、攪拌された水は、分離するこ
とは考えられない。さらに、塩素剤の使用量も低減し、
且つ、トリハロメタン等の生成を低減することができ
る。
【0024】隔壁2aと2bによって構成された大口径管路
の混合室19の縦横比(横/縦)は1.64が最適である。即
ち、隔壁2aと2bとの間隔(横)は、大口径管路1の口径
(縦)の1.64倍が最適である。
の混合室19の縦横比(横/縦)は1.64が最適である。即
ち、隔壁2aと2bとの間隔(横)は、大口径管路1の口径
(縦)の1.64倍が最適である。
【0025】塩素剤としては、液化塩素または次亜塩素
酸ナトリウムのいずれかを用いる。また、塩素剤を注入
する位置および次亜塩素酸を発生させる装置の位置は、
地上でも大口径管路1が設けられているトンネル8内で
もよい。また、流出管6の途中に設けられたセンサ5に
よって残留塩素濃度を測定し、その測定値によって塩素
剤の注入量を制御してもよい。
酸ナトリウムのいずれかを用いる。また、塩素剤を注入
する位置および次亜塩素酸を発生させる装置の位置は、
地上でも大口径管路1が設けられているトンネル8内で
もよい。また、流出管6の途中に設けられたセンサ5に
よって残留塩素濃度を測定し、その測定値によって塩素
剤の注入量を制御してもよい。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、管路内に注入された塩素剤の濃度を均一にすること
により、死水を発生させることなく飲用に適する上水を
給水栓に供給できる、大口径管路が得られ、かくして、
工業上有用な効果がもたらされる。
ば、管路内に注入された塩素剤の濃度を均一にすること
により、死水を発生させることなく飲用に適する上水を
給水栓に供給できる、大口径管路が得られ、かくして、
工業上有用な効果がもたらされる。
【図1】この発明の1実施態様を示す垂直縦断面図
【図2】図1のA−A線断面図
【図3】塩素注入率と残留塩素濃度との関係を示すグラ
フ
フ
【図4】先行技術1を示す貯水槽の断面図
【図5】混合室数と新水入替え時間との関係を示すグラ
フ
フ
【図6】先行技術2を示す貯水槽の水平断面図
【図7】先行技術2を示す貯水槽の垂直縦断面図
【図8】先行技術2を示す図7のB−B線断面図。
1 大口径管路 2a、2b 隔壁 3 挿入部分 4 流入管 5 センサ 6 流出管 7 孔 8 トンネル 9 貯水槽 10 流入管 11 有孔管部 12 流出管 13 有孔管部 14 貯水槽 15 仕切板 16 混合室 17 塩素剤 18 水道水 19 混合室。
Claims (2)
- 【請求項1】 大深度の地下に設けられた、その中を水
が流れる横断面円形の大口径管路と、前記大口径管路内
部の前記大口径管路の管軸直交方向に固定され、且つ、
前記大口径管路の管軸方向に所定の間隔をあけて設けら
れた、前記大口径管路の内周面との間に所定の隙間を有
する2個の隔壁と、前記隔壁間の前記大口径管路内に挿
入された、挿入部分に複数の孔を有する流入管とからな
り、塩素剤が混合された水道水を前記流入管の前記孔か
ら前記大口径管路内に注入することを特徴とする死水が
発生しない大口径管路。 - 【請求項2】 前記隔壁は、その4角部が前記大口径管
路の内周面に接触する正方形の板体からなることを特徴
とする請求項1記載の死水が発生しない大口径管路。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3293638A JP2570529B2 (ja) | 1991-10-14 | 1991-10-14 | 死水が発生しない大口径管路 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3293638A JP2570529B2 (ja) | 1991-10-14 | 1991-10-14 | 死水が発生しない大口径管路 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05106797A JPH05106797A (ja) | 1993-04-27 |
| JP2570529B2 true JP2570529B2 (ja) | 1997-01-08 |
Family
ID=17797306
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3293638A Expired - Fee Related JP2570529B2 (ja) | 1991-10-14 | 1991-10-14 | 死水が発生しない大口径管路 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2570529B2 (ja) |
-
1991
- 1991-10-14 JP JP3293638A patent/JP2570529B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05106797A (ja) | 1993-04-27 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| ES2758833T3 (es) | Control del desarrollo de biopelículas en agua de procesos industriales | |
| US7452511B2 (en) | Reactor for production of chlorine dioxide, methods of production of same, and related systems and methods of using the reactor | |
| US12258288B2 (en) | Integrated biogas treatment and carbon dioxide based disinfection for water treatment | |
| Gagnon et al. | Comparative analysis of chlorine dioxide, free chlorine and chloramines on bacterial water quality in model distribution systems | |
| US9492804B2 (en) | System and methods for generating chlorine dioxide | |
| JP2011508661A (ja) | 水を殺菌する装置と方法 | |
| CA2921749A1 (en) | Method and system for removing hydrogen sulfide from wastewater | |
| JP2570529B2 (ja) | 死水が発生しない大口径管路 | |
| JP2570532B2 (ja) | 死水が発生しない大口径管路 | |
| JP2570528B2 (ja) | 死水が発生しない大口径管路 | |
| JP2570531B2 (ja) | 死水が発生しない大口径管路 | |
| Humphrey | Cooling tower water conditioning study | |
| JP2570530B2 (ja) | 死水が発生しない大口径管路 | |
| MXPA05012626A (es) | Reactor y metodo para produccion de dioxido de cloro. | |
| KR20170047516A (ko) | 선박 평형수 처리 장치 | |
| KR102000731B1 (ko) | 단일 반응조로 이산화염소를 연속적으로 제조하는 방법 및 그 제조장치 | |
| WO2005003042A1 (ja) | ミネラル水供給装置 | |
| KR19990073708A (ko) | 차아염소산의 생성시스템 | |
| KR101020112B1 (ko) | 용존산소 제거 및 살균 장치 | |
| JP2018122292A (ja) | 海生生物の付着防止方法およびそれに用いる付着防止剤 | |
| SU880994A1 (ru) | Система приготовлени питьевой воды | |
| CA3150771A1 (en) | Integrated biogas treatment and carbon dioxide based disinfection for water treatment | |
| KR20160068375A (ko) | 밸러스트수 처리 장치 | |
| KR200326488Y1 (ko) | 와류 및 난류를 이용하는 무동력 차아염소산칼슘 용해장치 | |
| KR20180004089A (ko) | 전기분해장치를 이용한 분뇨 마쇄 소독 장치 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |