JP2569474B2

JP2569474B2 - 電気泳動装置

Info

Publication number: JP2569474B2
Application number: JP60269783A
Authority: JP
Inventors: 勤西根
Original assignee: Shimadzu Corp
Current assignee: Shimadzu Corp
Priority date: 1985-11-29
Filing date: 1985-11-29
Publication date: 1997-01-08
Anticipated expiration: 2012-01-08
Also published as: JPS62167460A

Description

【発明の詳細な説明】（イ）産業上の利用分野この発明は電気泳動装置に関し、更に詳しくは、平板
状ゲルの電気泳動を簡便に行なうことができる電気泳動
装置に関する。

（ロ）従来の技術及び発明が解決しようとする問題点従来、片面を泳動用支持体、例えばガラス、ポリエス
テル樹脂などに固定された平板状ゲルは、水平にして、
片面を開放したまま泳動するか、又はあらためて二枚の
ガラス板の間に挾持して垂直状態にて泳動していた。

前者の場合、片面が開放状態であるため泳動中のジュ
ール熱などにより泳動用ゲルから水分が蒸発し、泳動用
ゲルの組成が変化するなど、開放された泳動用ゲルと大
気との相互作用を慎重に制御する必要があった。後者の
場合は、操作性の面から、せっかく用いられている泳動
用支持体の利点が生かされていないという問題があっ
た。特に泳動後の染色・固定・洗浄処理は、平板状ゲル
を両ガラス板で挾持した状態では、不可能であって、表
側のガラス板を取り除く操作が必要であり、しかもこの
ガラス板の除去に際しては平板状ゲルの表面を痛めるお
それがあった。

（ハ）問題点を解決するための手段この発明は、平板状ゲルを表・裏から脱・入可能に挾
持し得る一対の板状部材からなり、その一方の板状部材
が、泳動方向両側に対向する１対の電極ユニットと、そ
の一方電極ユニットの対向側に隣接する試料導入ユニッ
トと、この試料導入ユニットと他方電極ユニットとの間
に位置する多機能ユニットとからなり、さらにこの多機能ユニットが、内部に液体流路を形成
した枠ブロックと、この枠ブロック内に液密に移動可能
にはめ込まれた冷却ブロックと、枠ブロックに付設さ
れ、冷却ブロックが枠ブロックに対して移動するとき
に、両板状部材の間に挾持される平板状ゲルと冷却ブロ
ックと枠ブロックとの間に形成される間隙に、枠ブロッ
クの液体流路を介して染色・固定・洗浄液を循環供給し
得る各ステップ液供給部とからなる電気泳動装置であ
る。

すなわち、この発明は、平板状ゲルを挾持し得る１対
の板状部材で構成され、しかもその一方板状部材自体
に、１対の電極ユニット、試料導入ユニット及び冷却・
染色・固定・洗浄処理しうる多機能ユニットが組み込ま
れることによって、簡単な構成にて平板状ゲルの電気泳
動及びその後の処理の自動化を可能にし、操作の再現性
の向上及び省力化に寄与する。特に平板状ゲルを１つの
装置に納めた状態にして一連の操作ができるので、平板
状ゲルを痛めることなく、高精度の分析が可能となる。
もちろん泳動中は平板状ゲルの一方面を開放することが
ないので、蒸発による組成の変化を防止できる。

（ニ）実施例以下図に示す実施例にもとづいてこの発明を詳述す
る。なお、これによってこの発明が限定されるものでな
い。

まず第１〜２図において、電気泳動装置（Ｄ）は、１
対の板状部材（１）（２）よりなり、両板状部材の間に
は、平板状ゲルを挾持できる。（５）（６）（７）はそ
の平板状ゲルを挿入（Ａ方向）する際のガイドであり、
（３）（３′）は挿入位置を接触により検出するセン
サ、（９）は電源回路、（８）はその回路のコントロー
ラである。そして（４）は両板状部材の間隔を調整する
カム、（10）はセンサ（３）（３′）が検出信号を出力
したときのみ作動するカムの駆動機構、（23）は板状部
材（２）とガイド（５）（６）との間に介在されたコイ
ルスプリング、（24）は両板状部材の連結アームであ
る。（21）は平板状ゲルを特に押し出す際にガイド
（７）を逆Ａ方向に移動されるためのガイド（７）の押
し出し機構である。なお、両板状部材（１）（２）間に
平板状ゲルを挿入する場合、センサ（３）（３′）が検
出信号を出力しない間は適宜警報を発する。

而して情報の板状部材（２）は、特に第３図におい
て、泳動方向両側に対向する１対の電極ユニット（11）
（14）と、その一方（左方）電極ユニット（11）の対向
側に隣接する試料導入ユニット（12）と、この試料導入
ユニット（12）と他方電極ユニット（14）との間に位置
する多機能ユニット（13）とからなる。なお、（25）は
濾紙である。

そしてこの多機能ユニット（13）は、特に第４図
（ａ）において、枠ブロック（27）と、この枠ブロック
内に液密に移動可能にはめ込まれた冷却ブロック（15）
と、第４図（ｂ）に示す、枠ブロック（27）に付設され
た各ステップ液供給部（26）とからなる。なお、（18）
（19）は枠ブロック（27）に形成された液体流路、（1
6）はポンプ、（17）は染色・固定・洗浄液タンク、（2
0）は冷却ブロック（15）の上下移動手段、（22）はシ
リコンゴムシートである。

かくして、両板状部材（１）（２）間に平板状ゲル
（例えば0.2mmのポリエステル樹脂フィルムに片面固定
された0.5mmのゲル）（Ｇ）が固定面を下にして所定位
置に挾持されると、電極ユニット（11）（14）に、電源
（９）およびそのコントローラ（８）を介して高電圧が
印加され、平板状ゲル（Ｇ）の電気泳動が一方ゲル面を
開放することなく（蒸発のおそれなく）自動的に行なわ
れる。そしてゲル中の目的成分、例えば目的高分子成分
が平板状ゲル（Ｇ）中に分離して配列される。なお、電
気泳動中は冷却ブロック（15）により、例えばSiCをサ
ーモモジュールで冷却する電子式冷却がコントローラ
（８）の制御のもとで行なわれ、平板状ゲル（Ｇ）を所
定冷温度に保持している。

以上のごとく、平板状ゲル（Ｇ）の電気泳動が終了す
ると、第４図（ａ）（ｂ）のごとく、上下移動手段（2
0）が作動して冷却ブロック（15）が上昇し（例えば約1
0mm）、その冷却ブロック（15）と枠ブロック（27）と
平板状ゲル（Ｇ）との間に間隙（Ｃ）を形成する。そし
てこの間隙に冷却ブロック（15）の液体流路（18）（1
9）を介して順次染色・固定・洗浄液がコントローラ
（８）の制御のもと、ポンプ（16）により循環供給さ
れ、平板状ゲル（Ｇ）上に目的高分子成分が染色固定さ
れる。

なお、間隙（Ｃ）に各ステップ液を供給するに際して
は、シリコンゴムシート（22）が平板状ゲル（Ｇ）に密
着し、シールをしているが、そのシリコンゴムシート
（22）は着脱可能で洗浄を容易にしている。

以上のごとく、目的高分子成分が染色固定された平板
状ゲル（Ｇ）はカム（４）の作動による板状部材（２）
の上昇と押し出し機構（21）によるガイド（７）の移動
とにより、電気泳動装置（Ｄ）から押し出されてくる。

第１図に示すこの電気泳動装置（Ｄ）は、実際には、第
５図（ａ）（ｂ）に示すごとく、ディスプレイ（28）、
平板状ゲル（Ｇ）の挿入・排出口（29）、操作卓（30）
を備えたハウジング（31）内に内蔵されるのが好まし
い。

（ホ）発明の効果この発明によれば、簡単な構成にて、泳動操作が自動
化でき、いかも操作の再現性向上及び省力化が可能とな
る。

【図面の簡単な説明】第１図はこの発明の一実施例を示す機能説明図、第２図
はその下側板状部材の平面説明図、第３図は上側板部材
の断面説明図、第４図（ａ）（ｂ）は多機能ユニットの
異なる状態を示す構成説明図、第５図（ａ）は上記実施
例を内蔵するハウジングの正面図、第５図（ｂ）は同じ
く平面図である。（Ｄ）……電気泳動装置、（１）（２）……板状部材、
（11）（14）……電極ユニット、（12）……試料導入ユ
ニット、（15）……冷却ブロック、（17）……染色・固
定・洗浄液タンク、（18）（19）……液体流路。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】平板状ゲルを表・裏から脱・入可能に挾持
し得る一対の板状部材からなり、その一方の板状部材
が、泳動方向両側に対向する１対の電極ユニットと、そ
の一方電極ユニットの対向側に隣接する試料導入ユニッ
トと、この試料導入ユニットと他方電極ユニットとの間
に位置する多機能ユニットとからなり、さらにこの多機能ユニットが、内部に液体流路を形成し
た枠ブロックと、この枠ブロック内に液密に移動可能に
はめ込まれた冷却ブロックと、枠ブロックに付設され、
冷却ブロックが枠ブロックに対して移動するときに、両
板状部材の間に挾持される平板状ゲルと冷却ブロックと
枠ブロックとの間に形成される間隙に、枠ブロックの液
体流路を介して染色・固定・洗浄液を循環供給し得る各
ステップ液供給部とからなる電気泳動装置。