JP2568986B2

JP2568986B2 - 歯科排唾用バキュウムホースの清掃方法

Info

Publication number: JP2568986B2
Application number: JP6189781A
Authority: JP
Inventors: 貞晋大工; 陽一伊達岡
Original assignee: 貞晋大工; 陽一伊達岡
Priority date: 1994-07-07
Filing date: 1994-07-07
Publication date: 1997-01-08
Anticipated expiration: 2012-01-08
Also published as: JPH0819556A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は歯科診療に使用する排唾
用バキュウムホースの内部を清掃する方法に係る。

【０００２】

【発明の背景】歯科口腔疾患の治療は、通常歯科診療台
（ユニット）上で行われる。この診療ユニットにおける
主なトラブルの一つに排唾用バキュウムホースの吸引力
の低下もしくは消失がある。その主な原因は、歯科診療
に伴って派生する多量の菌塊を含む唾液、歯石、歯垢、
血液、膿汁、各種セメント、金属、印象材ならびに多種
多様な治療用薬剤などが混じり合った泥状汚物が排唾用
バキュウムホースの内面に付着し、堆積して、いわゆる
スケールとなり、ホースに目づまりを生じさせることに
ある。この目づまりは、前記の唾液、その他の診療派生
物の排除を妨げるだけでなく、患者の口腔内に直通する
近接域に非常な不潔域が存在することを意味し、バキュ
ウムホースの吸引力の低下は、この不潔域からの逆流を
惹起させる危険性がある。

【０００３】このようであるから、排唾用バキュウムホ
ースの内面に前記の診療派生汚物が付着、堆積するのを
防止し、バキュウムホースの吸引力を保全するととも
に、該ホース内を清潔に保つことは、歯科診療従事者に
とって、ゆるがせにできない重要事である。

【０００４】

【従来の技術】最近、歯科用診療ユニット製造各社は診
療ユニットの清掃作業の簡便化を目的としたバキュウム
タンク自動洗浄装置を備えた新型ユニットを開発し、実
用化させている。しかし、これらは最新型機種において
さえも、排唾用バキュウムホース内の洗浄手段をその自
動洗浄回路に組み込んでいない。

【０００５】現時点での排唾用バキュウムホースの清掃
方法には、方法（１）：大量の水での潅流、方法
（２）：各種スルーなどのスケール溶解剤を通過させ
る、などの方法がある。ところで方法（１）は時間を要
し、なおかつ清掃効果は不十分で、パラデンタルスタッ
フの労働上での大きな不満要素の一つになっている。ま
た、方法（２）はホースの内面材質を劣化させるだけで
なく、地球環境へのマイナス要因でもあり、大量な長期
使用は極力回避すべきである。別に、方法（３）とし
て、突発的に発生したバキュウムホースの閉塞に対し
て、やむをえず鋼線などの挿通による物理的な力により
清掃を試みることがしばしばあるが、この作業は非常に
非衛生的で、医療従事者の最も嫌悪する作業である。

【０００６】異業種ではあるが、各種パイプラインのパ
イプ内を清掃するために、ピグと称する清掃体を用いて
パイプ内を推進させる方法が行われるのは周知である。
しかし、本発明の方法は歯科専用のもので、以下の記述
によって知られるように、発明の内容がそれら周知の方
法と相違する。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、歯科
排唾用バキュウムホースの内部の清掃に関し、簡便、高
能率、かつ安価な清掃方法を提供し、バキュウムホース
の吸引力の保全と清潔状態の確保をはかることにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明で採用した手段を
図を用いて説明する。歯科診療台に装備された排唾用バ
キュウムホース１の先端開口部１ａに、密度０．０８ｇ
／ｃｍ^３以下の軽質の発砲樹脂弾性体からなる清掃体２
を挿入する。このバキュウムホースの先端と、歯科診療
台に装備されたエアー・水噴射ノズル３の先端とを連結
部材４を介して連結する。エアー・水噴射ノズルから、
エアー又は水、望ましくはエアーと水とを同時に噴射さ
せる。その時すでにバキュウム回路５は作動状態にあ
る。つまり、清掃体２に対し、エアー・水噴射ノズルか
らの流体噴射による加圧と、バキュウムホース側のバキ
ュウム吸引による陰圧とを同時に作用させるのである。
この加圧と陰圧とにより、清掃体はバキュウムホース内
を摺動し、該ホースの内面に付着している、歯科診療に
伴って派生した先述の泥状汚物を取り除くことができ
る。

【０００９】排唾用バキュウムホース１とエアー・水噴
射ノズル３との連結部材４は、１実施態様として、これ
をポリウレタン、ゴム等の樹脂弾性体からなる短管で形
成し、図２で示すように、その両端の管孔形状１１、１
２をそれぞれ排唾用バキュウムホース１の先端形状とエ
アー・水噴射ノズル３の先端形状とに適合させる。

【００１０】

【作用】歯科用のエアー・水噴射ノズルからの流体噴射
による圧力は微弱であるが、排唾用バキュウムホース側
のバキュウム吸引による陰圧を同時に作用させることに
より、清掃体を摺動させることができる。それにして
も、その摺動を促す力はなお十分とはいえないので、清
掃体にはできるだけ軽いものを選ぶ必要がある。このた
め、本発明では密度０．０８ｇ／ｃｍ^３以下の軽質の発
砲樹脂弾性体を使用する。この軽質の発砲樹脂弾性体は
空隙率が大きいから、除去対象物である泥状汚物をすぐ
れて吸収できる作用効果もあらわす。加圧と陰圧の利
用、軽質の発砲樹脂弾性体の使用が両々あいまって、本
発明の課題の解決に資するのである。

【００１１】

【実施例】排唾用バキュウムホース１を歯科治療台から
取りはずすと、バキュウム回路５が自動的に作動する。
このバキュウムホースの先端開口部に、密度約０．０４
ｇ／ｃｍ^３の発砲樹脂弾性体からなる円柱形の清掃体２
を指先で押し込む。使用する清掃体の外径はバキュウム
ホースの内径より大きいことが必要であるのは、従来の
この種の清掃体による清掃方法と同様である。清掃体の
形状はホース内面に密接するものであればよく、円柱形
に限られない。

【００１２】エアー・水噴射ノズル３を歯科診療台から
取りはずし、その先端と前記バキュウムホースの先端と
を、図２で示す形状のポリウレタン樹脂弾性体からなる
連結部材４を用いて連結する。連結部材４には他の任意
のものを使用することができる。エアー・水噴射ノズル
３は、エアーと水を別々に、又はそれらを同時に噴射で
きるように造られている。本発明方法の通例は、エアー
と水の同時噴射を採用するが、エアー又は水の単独噴射
を採用することもできる。この噴射を行うと、清掃体は
加圧され、同時にバキュウム吸引による陰圧も受けてい
るから、この両作用により、清掃体はバキュウムホース
内を摺動する。この摺動により、清掃体はホース内面に
付着している泥状の歯科診療派生汚物を取り込み、又は
押しやってホース内の清掃を行う。数秒後、清掃体は泥
状汚物と共にバキュウム回路５のフィルター部６に押し
出されるから、該部でこれを回収し、廃棄する。次い
で、約１０秒のごく短時間の水の吸引、および５０〜１
００ｍｌの１％グルコン酸クロルヘキシジンの吸引を行
い、ホース清掃を完了する。図１中、７はバキュウムタ
ンク、８はふた、９はバキュウム吸引口、１０は排出口
である。

【００１３】実験的清掃作業例では、３日に１度、診療
終了時、清掃体を１回通過させることにより、肉眼的に
ホース内付着物の排出はほとんど消失し、良好なバキュ
ウム回路の吸引機能が確保され、診療中の回路閉塞によ
るトラブルも発生しなくなった。連日の清掃では、さら
に良好な結果が得られた。

【００１４】

【発明の効果】本発明の主な効果を列記すれば次のとお
りである。（１）歯科診療ユニットとして常備されるエアー・水
噴射装置とバキュウム回路とを利用した清掃方法である
から、簡便、かつ安価である。（２）流体による加圧とバキュウム陰圧との併用と、
軽質の発砲樹脂弾性体の使用とにより、微圧の歯科用噴
射流体による加圧であっても、前記弾性体からなる清掃
体のバキュウムホース内摺動が可能になり、該ホース内
面に付着している歯科診療派生物である泥状汚物を高能
率で除去することができる。（３）本発明の実施により、排唾用バキュウムホース
閉塞のトラブルが防止されるとともに、患者の口腔内に
直通する該ホース内が清潔に保たれる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明方法の説明図である。

【図２】本発明で使用する連結部材の断面図である。

【符号の説明】

１…排唾用バキュウムホース、２…清掃体、３…エ
アー・水噴射ノズル、４…連結部材、５…バキュウム
回路、６…フィルター部、１１、１２…連結部材の
管孔形状。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】歯科診療台に装備された排唾用バキュウム
ホース（１）の先端開口部に、密度０．０８ｇ／ｃｍ^３
以下の軽質の発砲樹脂弾性体からなる清掃体（２）を挿
入し、前記バキュウムホースの先端と、歯科診療台に装
備されたエアー・水噴射ノズル（３）の先端とを連結部
材（４）を介して連結し、清掃体（２）に対し、エアー
・水噴射ノズルからの流体噴射による加圧と、バキュウ
ムホース側のバキュウム吸引による陰圧とを同時に作用
させることにより、清掃体（２）を摺動させ、該清掃体
により、バキュウムホース内面に付着している、歯科診
療に伴って派生した泥状汚物を取り除くことを特徴とす
る歯科排唾用バキュウムホースの清掃方法。
【請求項２】排唾用バキュウムホース（１）とエアー・
水噴射ノズル（３）との連結部材（４）は、ポリウレタ
ン、ゴム等の樹脂弾性体からなる短管で形成され、その
両端の管孔形状（１１）、（１２）をそれぞれ排唾用バ
キュウムホース（１）の先端形状とエアー・水噴射ノズ
ル（３）の先端形状とに適合させたものであることを特
徴とする請求項１に記載の排唾用バキュウムホースの清
掃方法。