JP2568635B2 - 塩基性アミド化合物 - Google Patents
塩基性アミド化合物Info
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- JP2568635B2 JP2568635B2 JP63161369A JP16136988A JP2568635B2 JP 2568635 B2 JP2568635 B2 JP 2568635B2 JP 63161369 A JP63161369 A JP 63161369A JP 16136988 A JP16136988 A JP 16136988A JP 2568635 B2 JP2568635 B2 JP 2568635B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この発明はヒスタミン放出活性を有する塩基性アミノ
酸及びポリアミンから構成される新規な塩基性アミド化
合物に関する。
酸及びポリアミンから構成される新規な塩基性アミド化
合物に関する。
(ロ) 従来の技術 クモ毒はグルタミン酸レセプター阻害作用を示すこと
が知られている。この発明者はジョロウグモ毒の示すグ
ルタミン酸レセプター阻害作用に着目し、その活性本体
の単離及び化学構造の解明、構造活性相関等の研究を行
なってきた。その結果、グルタミン酸レセプター阻害物
質JSTX,NSTXが単離され、化学構造を決定した[Y.Arama
ki et al.,Proc.Jpn.Acad.,Ser.B.62,359(1986),Y.Ar
amaki et al.,Biomed.Res.8,167(1987),Y.Aramaki e
t al.,ibid.,8,241,(1987)]。
が知られている。この発明者はジョロウグモ毒の示すグ
ルタミン酸レセプター阻害作用に着目し、その活性本体
の単離及び化学構造の解明、構造活性相関等の研究を行
なってきた。その結果、グルタミン酸レセプター阻害物
質JSTX,NSTXが単離され、化学構造を決定した[Y.Arama
ki et al.,Proc.Jpn.Acad.,Ser.B.62,359(1986),Y.Ar
amaki et al.,Biomed.Res.8,167(1987),Y.Aramaki e
t al.,ibid.,8,241,(1987)]。
(ハ) 発明が解決しようとする課題 しかしグルタミン酸レセプター阻害作用以外の生物活
性は検討されておらず、他の生理活性物質は見出されて
いなかった。
性は検討されておらず、他の生理活性物質は見出されて
いなかった。
(ニ) 課題を解決するための手段 本発明者はジョロウグモ毒について他の生物活性を検
討した結果、毒腺粗抽出物に顕著なヒスタミン放出活性
ならびに神経伝達遮断活性を認め、この活性物質を単離
し、その化学構造の決定に成功した。
討した結果、毒腺粗抽出物に顕著なヒスタミン放出活性
ならびに神経伝達遮断活性を認め、この活性物質を単離
し、その化学構造の決定に成功した。
かくして、この発明によれば一般式 (m,p,qは0または1,nは0から4を、R1は水素原子ま
たはアシル基,R2はヒドロキシまたはアミノ基を表わ
す)で示される塩基性アミド化合物が提供される。
たはアシル基,R2はヒドロキシまたはアミノ基を表わ
す)で示される塩基性アミド化合物が提供される。
この発明の化合物は、上記の一般式から明らかなよう
に、(オルニチン)m−アスパラギン酸またはアスパラ
ギン−カタベリン−(プレトアニン)n−(オルニチ
ン)p−(アルギニン)qを構成成分としている。好ま
しい化合物としては、 m=1の場合に、i)n=3,p=0,q=0またはiii)
n=2,p=0,q=0であり、 m=0の場合に、i)n=0,p=1,q=1;ii)n=1,p
=1,q=1,iii)n=1,p=0,q=0;iv)n=3,p=0,q=0;
およびv)n=2,p=0,q=0の組合せが挙げられる。
に、(オルニチン)m−アスパラギン酸またはアスパラ
ギン−カタベリン−(プレトアニン)n−(オルニチ
ン)p−(アルギニン)qを構成成分としている。好ま
しい化合物としては、 m=1の場合に、i)n=3,p=0,q=0またはiii)
n=2,p=0,q=0であり、 m=0の場合に、i)n=0,p=1,q=1;ii)n=1,p
=1,q=1,iii)n=1,p=0,q=0;iv)n=3,p=0,q=0;
およびv)n=2,p=0,q=0の組合せが挙げられる。
R1は、水素原子、またはインドール−3−アセチル、
6−ヒドロキシインドール−3−アセチル、2,4−ジヒ
ドロキシフェニルアセチルのようなアシル基が好まし
い。
6−ヒドロキシインドール−3−アセチル、2,4−ジヒ
ドロキシフェニルアセチルのようなアシル基が好まし
い。
つぎにこの発明の化合物の製造法について説明する。
この発明の化合物は、基本的にジョロウグモ(Nephila
clavata)の毒腺からの抽出工程と製造工程から得る
ことができる。
この発明の化合物は、基本的にジョロウグモ(Nephila
clavata)の毒腺からの抽出工程と製造工程から得る
ことができる。
抽出は希酸水溶液と有機溶媒との混合溶媒で行なう。
この際、毒腺を混合溶媒中に長時間静置しておいてもよ
いし、撹拌器、遠心分離機を用いて短時間で行なっても
よい。希酸水溶液としては、0.5%以下のトリフルオロ
酢酸、トクロル酢酸、酢酸、0.05%以下の塩酸等が使用
できる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール等
のアルコール類、アセトニトリル等のニトリル類が使用
できる。有機溶媒の希酸水溶液への混合比は70%(v/
v)以下であることが望ましい。
この際、毒腺を混合溶媒中に長時間静置しておいてもよ
いし、撹拌器、遠心分離機を用いて短時間で行なっても
よい。希酸水溶液としては、0.5%以下のトリフルオロ
酢酸、トクロル酢酸、酢酸、0.05%以下の塩酸等が使用
できる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール等
のアルコール類、アセトニトリル等のニトリル類が使用
できる。有機溶媒の希酸水溶液への混合比は70%(v/
v)以下であることが望ましい。
抽出物の精製は複数の活性成分が混在しているため、
分離能に優れた高速液体クロマトグラフィを用いて行な
う。カラムとしては逆相系、陽イオン交換系のものが使
用できる。またこれらのカラムを併用して精製すること
も可能である。逆相系カラムでの精製に使用する溶媒と
しては、毒成分の抽出の際に用いた溶媒系でよいが、有
機溶媒としてはアセトニトリルが最も望ましい。陽イオ
ン交換系カラムを使用する際は、pH=6.5〜7.5のリン酸
ナトリウム緩衝液によって吸着させ、塩化ナトリウム等
の塩の濃度勾配により各成分を分離、溶出させる。溶離
液中の毒成分は、紫外検出器による210nm〜280nmでの吸
光度測定により、各ピークに相当する溶出部分を分取す
ることで得られる。精製された成分は、高速液体クロマ
トグラフィ、薄層クロマトグラフィ、電気泳動等の手段
により、単一の化合物であることが確認できる。各成分
の化学構造の決定は、酸部分分解による断片化、アミノ
酸、ポリアミン分析、NMRスペクトル、マススペクト
ル、IRスペクトル、UVスペクトルを測定することにより
行われる。化合物の活性検定は精製の各段階で、ラット
腹腔内肥満細胞からのヒスタミン放出を調べることによ
り行われる。
分離能に優れた高速液体クロマトグラフィを用いて行な
う。カラムとしては逆相系、陽イオン交換系のものが使
用できる。またこれらのカラムを併用して精製すること
も可能である。逆相系カラムでの精製に使用する溶媒と
しては、毒成分の抽出の際に用いた溶媒系でよいが、有
機溶媒としてはアセトニトリルが最も望ましい。陽イオ
ン交換系カラムを使用する際は、pH=6.5〜7.5のリン酸
ナトリウム緩衝液によって吸着させ、塩化ナトリウム等
の塩の濃度勾配により各成分を分離、溶出させる。溶離
液中の毒成分は、紫外検出器による210nm〜280nmでの吸
光度測定により、各ピークに相当する溶出部分を分取す
ることで得られる。精製された成分は、高速液体クロマ
トグラフィ、薄層クロマトグラフィ、電気泳動等の手段
により、単一の化合物であることが確認できる。各成分
の化学構造の決定は、酸部分分解による断片化、アミノ
酸、ポリアミン分析、NMRスペクトル、マススペクト
ル、IRスペクトル、UVスペクトルを測定することにより
行われる。化合物の活性検定は精製の各段階で、ラット
腹腔内肥満細胞からのヒスタミン放出を調べることによ
り行われる。
検定法を以下に説明する。ラットはウィスター系、30
0-350gのものを用いる。ラットをエーテル麻酔下、断
頭、脱血した後、腹腔内にマストセルメディウム(MCM
と略す;150mM NaCl,3.7mM KCl.,3.0mM Na2HPO4,3.5mM K
H2PO4,0.9mM CaCl2,0.1%グルコース,0.2%牛血清アル
ブミン)20mlを注入し、1〜2分マッッサージする。
0-350gのものを用いる。ラットをエーテル麻酔下、断
頭、脱血した後、腹腔内にマストセルメディウム(MCM
と略す;150mM NaCl,3.7mM KCl.,3.0mM Na2HPO4,3.5mM K
H2PO4,0.9mM CaCl2,0.1%グルコース,0.2%牛血清アル
ブミン)20mlを注入し、1〜2分マッッサージする。
その後、肥満細胞のMCM懸濁液を腹腔から取り出し、
4℃で1000rpm、5分間遠心分離する。沈渣をさらに2
〜3回4mlのMCMで洗浄し、活性検定に用いる。沈渣即ち
肥満細胞は、107個/mlの濃度にMCMを懸濁させ、この20
μlを、0.9%NaCl水溶液にとかした検体20μl中に加
え、37℃、5分間反応させる。その後、氷冷し、4000rp
mで5分間遠心分離した上清30μlに55%トルクロル酢
酸5μlを加えて撹拌し、10000rpmで5分間遠心分離し
て、上清中のヒスタミンを定量する。ヒスタミン定量
は、OPA−ポストカラム検出法を用いて高速液体クロマ
トグラフィにより行なう。
4℃で1000rpm、5分間遠心分離する。沈渣をさらに2
〜3回4mlのMCMで洗浄し、活性検定に用いる。沈渣即ち
肥満細胞は、107個/mlの濃度にMCMを懸濁させ、この20
μlを、0.9%NaCl水溶液にとかした検体20μl中に加
え、37℃、5分間反応させる。その後、氷冷し、4000rp
mで5分間遠心分離した上清30μlに55%トルクロル酢
酸5μlを加えて撹拌し、10000rpmで5分間遠心分離し
て、上清中のヒスタミンを定量する。ヒスタミン定量
は、OPA−ポストカラム検出法を用いて高速液体クロマ
トグラフィにより行なう。
各検体の活性は、肥満細胞を0.1%トリトンX−100 2
0μlと上記のように処理した際のヒスタミン量を100と
し、百分率で表わす。この発明の化合物はこの検定法に
より著しいヒスタミン放出活性を示す。
0μlと上記のように処理した際のヒスタミン量を100と
し、百分率で表わす。この発明の化合物はこの検定法に
より著しいヒスタミン放出活性を示す。
同様にヒスタミン放出活性を示すハチ毒中のペプチド
であるマストパラン等は塩基性アミノ酸に富み、この側
鎖のアミノ基が、活性を発現する上で重要な役割を果し
ているものと考えられている(Y.Hirai et al.,Chem.Ph
arm.Bull.,27,1942(1979),K.Wakamatsu et al.,FEBS.
Lett.,162,123(1983))。
であるマストパラン等は塩基性アミノ酸に富み、この側
鎖のアミノ基が、活性を発現する上で重要な役割を果し
ているものと考えられている(Y.Hirai et al.,Chem.Ph
arm.Bull.,27,1942(1979),K.Wakamatsu et al.,FEBS.
Lett.,162,123(1983))。
この発明の化合物も塩基性アミノ酸およびポリアミン
により構成されており、強い塩基性を示すものと考えら
れる。クモ毒からはこの塩基性部分に疎水性の置換基が
結合した状態で得られるが、この置換基は酸で加水分解
することにより切断でき、親水性かつ塩基性部分のみを
得ることもできる。この部分もまたもとの化合物と同様
にヒスタミン放出活性を示し、また同じ置換基をもつ複
数個の化合物のヒスタミン放出活性が、陽イオン交換樹
脂への吸着の強さで判断できる塩基性の強さとほぼ平行
していることから、今回の化合物のヒスタミン放出活性
においては、塩基性アミノ酸及びポリアミンからなる部
分が重要と考えられる。
により構成されており、強い塩基性を示すものと考えら
れる。クモ毒からはこの塩基性部分に疎水性の置換基が
結合した状態で得られるが、この置換基は酸で加水分解
することにより切断でき、親水性かつ塩基性部分のみを
得ることもできる。この部分もまたもとの化合物と同様
にヒスタミン放出活性を示し、また同じ置換基をもつ複
数個の化合物のヒスタミン放出活性が、陽イオン交換樹
脂への吸着の強さで判断できる塩基性の強さとほぼ平行
していることから、今回の化合物のヒスタミン放出活性
においては、塩基性アミノ酸及びポリアミンからなる部
分が重要と考えられる。
また、クモ毒中から精製した状態では、置換基(R1)
が、インドール骨格等、酸化に対し不安定な部分構造を
もつため、これを切断した後、より安定なアシル基を導
入することにより、活性を損なわず、より安定な化合物
を得ることも可能である。
が、インドール骨格等、酸化に対し不安定な部分構造を
もつため、これを切断した後、より安定なアシル基を導
入することにより、活性を損なわず、より安定な化合物
を得ることも可能である。
アシル基としては、アセチル、プロピオニル、ブチリ
ル、ヘキサノイル、ヘプタノイルのようなアルカノイ
ル;ベンゾイル、ナフタレンカルボニルのようなアリー
ルカルボニル;メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、ブトキシカルボニルのようなアルコキシカルボニ
ル;フェノキシカルボニルのようなアリールオキシカル
ボニル;ベンジルカルボニル、フェネチルカルボニルの
ようなアラルキルカルボニル等のような有機カルボン酸
から誘導されたアシル基が挙げられる。これらのアシル
基の導入は、常法に従って、有機カルボン酸の活性誘導
体(酸ハライド、酸無水物、活性イミド誘導体、活性エ
ステル誘導体など)を用いて行うことができる。
ル、ヘキサノイル、ヘプタノイルのようなアルカノイ
ル;ベンゾイル、ナフタレンカルボニルのようなアリー
ルカルボニル;メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、ブトキシカルボニルのようなアルコキシカルボニ
ル;フェノキシカルボニルのようなアリールオキシカル
ボニル;ベンジルカルボニル、フェネチルカルボニルの
ようなアラルキルカルボニル等のような有機カルボン酸
から誘導されたアシル基が挙げられる。これらのアシル
基の導入は、常法に従って、有機カルボン酸の活性誘導
体(酸ハライド、酸無水物、活性イミド誘導体、活性エ
ステル誘導体など)を用いて行うことができる。
(ホ) 実施例 以下実施例によりこの発明を詳細に説明する。
実施例1 ジョロウグモ10匹から摘出した毒腺を1mlの0.1%トリ
フルオロ酢酸を含む60%アセトニトリル水溶液中で5分
間超音波処理し、均一な懸濁液とした。これを12000rp
m、5分間遠心分離し、上清を直接高速液体クロマトグ
ラフィにより分離した。カラムは東ソー株式会社製、OD
S-80TM(4.6×250mm)を用い、流速1.0ml/分で0.1%ト
リフルオロ酢酸を含む5%アセトニトリルから、0.1%
トリフルオロ酢酸を含む60%アセトニトリル水溶液への
直線濃度勾配法により溶出させた。溶出液を2mlずつ20
画分に分け、各画分についてヒスタミン放出活性を調べ
た。活性検定に際し各画分を一度乾固させ、2mlの0.9%
NaCl水溶液に改めてとかし、この20μlをそれぞれ検定
に供した。
フルオロ酢酸を含む60%アセトニトリル水溶液中で5分
間超音波処理し、均一な懸濁液とした。これを12000rp
m、5分間遠心分離し、上清を直接高速液体クロマトグ
ラフィにより分離した。カラムは東ソー株式会社製、OD
S-80TM(4.6×250mm)を用い、流速1.0ml/分で0.1%ト
リフルオロ酢酸を含む5%アセトニトリルから、0.1%
トリフルオロ酢酸を含む60%アセトニトリル水溶液への
直線濃度勾配法により溶出させた。溶出液を2mlずつ20
画分に分け、各画分についてヒスタミン放出活性を調べ
た。活性検定に際し各画分を一度乾固させ、2mlの0.9%
NaCl水溶液に改めてとかし、この20μlをそれぞれ検定
に供した。
活性検定の結果を第1図に示した。第1図中活性を示
す画分7をさらに同じカラムを用いて、0.1%トリフル
オロ酢酸を含む18%アセトニトリル水溶液を溶離液とし
て再分離し、220nmでの吸収を示す各ピークを分取し、
6種のピークを得た。各ピーク中の成分は同一条件で高
速液クロ分析し、単一成分であることを確認した。分析
の際にフォトダイオードアレイ検出器(日本分光、MULT
I 320)を用いてUVスペクトルを測定した結果、いずれ
の成分も、220nm,280nm,290nmに吸収極大を示した。こ
れらの成分の一部を採り、5.7N-HCl中130℃、9時間加
水分解した後、東ソー株式会社製、IEX-215(4.0×50m
m)を用いたアミノ酸分析計により、アミノ酸及びポリ
アミン組成を求めた。
す画分7をさらに同じカラムを用いて、0.1%トリフル
オロ酢酸を含む18%アセトニトリル水溶液を溶離液とし
て再分離し、220nmでの吸収を示す各ピークを分取し、
6種のピークを得た。各ピーク中の成分は同一条件で高
速液クロ分析し、単一成分であることを確認した。分析
の際にフォトダイオードアレイ検出器(日本分光、MULT
I 320)を用いてUVスペクトルを測定した結果、いずれ
の成分も、220nm,280nm,290nmに吸収極大を示した。こ
れらの成分の一部を採り、5.7N-HCl中130℃、9時間加
水分解した後、東ソー株式会社製、IEX-215(4.0×50m
m)を用いたアミノ酸分析計により、アミノ酸及びポリ
アミン組成を求めた。
結果を表1に示した。つぎにこれらの成分を5.7N-HCl
中100℃、20分間加水分解して成分の断片化を行なっ
た。加水分解後、東ソー株式会社製、ODS-80TMカラムを
用いた高速液体クロマトグラフィにより各断片を分離
し、210nmに吸収をもつ各ピークを分取した。各断片の
アミノ酸及びポリアミン組成を前述の方法で求め、各断
片のアミノ末端残基をダンシル化により調べた。即ち、
各断片を0.1Mトリエチルアミン−炭酸緩衝液(pH=8.
2)10μl中ダンシルクロリド(100μg/1ml)アセトン
溶液10μlを加え、37℃、1時間反応させた。
中100℃、20分間加水分解して成分の断片化を行なっ
た。加水分解後、東ソー株式会社製、ODS-80TMカラムを
用いた高速液体クロマトグラフィにより各断片を分離
し、210nmに吸収をもつ各ピークを分取した。各断片の
アミノ酸及びポリアミン組成を前述の方法で求め、各断
片のアミノ末端残基をダンシル化により調べた。即ち、
各断片を0.1Mトリエチルアミン−炭酸緩衝液(pH=8.
2)10μl中ダンシルクロリド(100μg/1ml)アセトン
溶液10μlを加え、37℃、1時間反応させた。
反応後溶媒を留去し、残渣を5.7N-HCl中130℃、9時
間加水分解した後、分解物中のダンシル化アミノ酸、ポ
リアミンを、東ソー株式会社製、オクタデシル−4PWカ
ラム(4.0×150mm)を用いた高速液体クロマトグラフィ
により同定した。以上の検討により判明した各成分の断
片および各成分の配列を表2−1、2−2に示した。こ
の配列中のアスパラギン酸とアスパラギンの判別は、ビ
ストリフルオロアセトキシ−ヨードベンゼン(BTI)を
用いることにより行なった。即ち、50%アセトニトリル
水溶液20μlに各クモ毒成分100p moleから1n moleをと
かし、BTIのアセトニトリル溶液(5mM)20μlを加え、
60℃、8〜10分間反応させる。反応後アセトン30μlを
加え、60℃で10分間加熱し過剰のBTIを分解する。BTIは
末端アミド基を一級アミンに変換する反応に用いられて
いる。この反応で、アスパラギンは、塩基性アミノ酸
(β−アミノ−アラニン)となり、加水分解後、アスパ
ラギン酸と区別ができる。即ち、BTI処理後加水分解
し、アスパラギン酸が検出されればアスパラギン酸が、
β−アミノ−アラニンが検出されればアスパラギンが配
列中に含まれていることになる。各毒成分について検討
を行った結果、成分1,2がアスパラギン酸、成分3,4,5,6
がアスパラギンを含むことが判明した。なお、表2−2
に示したR1はアミノ酸、ポリアミンを含まず、フォトダ
イオードアレイ検出器によるUVスペクトルは、吸収極大
が220nm,280nm,290nmと、もとの成分と同じものであっ
た。もとの各成分のアミノ末端をダンシル化により調べ
たところ、ダンシル−アスパラギン酸、α−ダンシル−
オルニチンが検出されないことから、もとの成分のアミ
ノ末端残基のα−アミノ基にこのR1が結合していること
が判明した。そこでR1を液体クロマトグラフィで分取
し、1H‐NMRを測定した。測定はD2O中、日本電子製GX-4
00を用いて行ない、シグナルは、3.83(s),7.12
(t),7.20(t),7.26(s),7.46(d),7.57(d)
にそれぞれ観測された。また逆相高速液体クロマトグラ
フィでの溶出位置、およびUVスペクトルを比較すること
により、R1はインドール−3−酢酸と判明した。これら
の各成分のヒスタミン放出活性を表3に示した。
間加水分解した後、分解物中のダンシル化アミノ酸、ポ
リアミンを、東ソー株式会社製、オクタデシル−4PWカ
ラム(4.0×150mm)を用いた高速液体クロマトグラフィ
により同定した。以上の検討により判明した各成分の断
片および各成分の配列を表2−1、2−2に示した。こ
の配列中のアスパラギン酸とアスパラギンの判別は、ビ
ストリフルオロアセトキシ−ヨードベンゼン(BTI)を
用いることにより行なった。即ち、50%アセトニトリル
水溶液20μlに各クモ毒成分100p moleから1n moleをと
かし、BTIのアセトニトリル溶液(5mM)20μlを加え、
60℃、8〜10分間反応させる。反応後アセトン30μlを
加え、60℃で10分間加熱し過剰のBTIを分解する。BTIは
末端アミド基を一級アミンに変換する反応に用いられて
いる。この反応で、アスパラギンは、塩基性アミノ酸
(β−アミノ−アラニン)となり、加水分解後、アスパ
ラギン酸と区別ができる。即ち、BTI処理後加水分解
し、アスパラギン酸が検出されればアスパラギン酸が、
β−アミノ−アラニンが検出されればアスパラギンが配
列中に含まれていることになる。各毒成分について検討
を行った結果、成分1,2がアスパラギン酸、成分3,4,5,6
がアスパラギンを含むことが判明した。なお、表2−2
に示したR1はアミノ酸、ポリアミンを含まず、フォトダ
イオードアレイ検出器によるUVスペクトルは、吸収極大
が220nm,280nm,290nmと、もとの成分と同じものであっ
た。もとの各成分のアミノ末端をダンシル化により調べ
たところ、ダンシル−アスパラギン酸、α−ダンシル−
オルニチンが検出されないことから、もとの成分のアミ
ノ末端残基のα−アミノ基にこのR1が結合していること
が判明した。そこでR1を液体クロマトグラフィで分取
し、1H‐NMRを測定した。測定はD2O中、日本電子製GX-4
00を用いて行ない、シグナルは、3.83(s),7.12
(t),7.20(t),7.26(s),7.46(d),7.57(d)
にそれぞれ観測された。また逆相高速液体クロマトグラ
フィでの溶出位置、およびUVスペクトルを比較すること
により、R1はインドール−3−酢酸と判明した。これら
の各成分のヒスタミン放出活性を表3に示した。
表2−1 1 R1−Orn−Asp−Cad−Put−Put−Put 2 R1−Orn−Asp−Cad−Put−Put 3 R1−Asx−Cad−Orn−Arg 4 R1−Asx−Cad−Put−Arg 5 R1−Asx−Cad−Orn6 R1-Asx-Cad-Put R1;インドール−3−アセチル基 Asx;アスパラギン Orn;オルニチン Put;プトレアニン Arg;アルギニン Cad;カダベリン 表2−2 1 Asp−Cad−Put−Put−Put,Orn−Asx−Cad,R1− 2 Asp−Cad−Put−Put,Orn−Asx−Cad,R1− 3 Asx−Cad,Cad−Orn−Arg,Asx−Cad−Orn−Arg,R1− 4 Asx−Cad,Asx−Cad−Put−Arg,R1− 5 Asx−Cad,R1−6 Asx-Cad,R1− 実施例2 実施例1の第1図に示した画分5,6をさらに東ソー株
式会社製、IEX-510K(4.0×300mm)を用いた陽イオン交
換クロマトグラフィーにより分離した。分析条件及びク
ロマトグラムを第2図に示した。
式会社製、IEX-510K(4.0×300mm)を用いた陽イオン交
換クロマトグラフィーにより分離した。分析条件及びク
ロマトグラムを第2図に示した。
第2図中ピーク5′,7′,8′をさらに前述のODS-80TM
カラムを用いて精製し、1″〜5″の5成分を得た。精
製の際のクロマトグラム及び条件を図3に示した。精製
に際して各成分のUVスペクトルをフォトダイオードアレ
イ検出器で測定したところ、220nm,255nm,280nmに吸収
極大が見られた。各成分の一部を採り、5.7N-HCl中130
℃、9時間加水分解した後、アミノ酸ポリアミン分解を
行なったところ、表4に示した組成が得られた。つぎに
これらの成分を5.7N-HCl中100℃、20分加水分解して断
片化した後、前述のODS-80TMカラムを用いて断片を分離
し、断片のアミノ酸ポリアミン組成を調べた。さらに各
断片のアミノ末端残基をダンシル化により調べた。以上
の検討により判明した各成分のアミノ酸ポリアミン配列
を表5−1、各成分より得られた断片を表5−2に示し
た。
カラムを用いて精製し、1″〜5″の5成分を得た。精
製の際のクロマトグラム及び条件を図3に示した。精製
に際して各成分のUVスペクトルをフォトダイオードアレ
イ検出器で測定したところ、220nm,255nm,280nmに吸収
極大が見られた。各成分の一部を採り、5.7N-HCl中130
℃、9時間加水分解した後、アミノ酸ポリアミン分解を
行なったところ、表4に示した組成が得られた。つぎに
これらの成分を5.7N-HCl中100℃、20分加水分解して断
片化した後、前述のODS-80TMカラムを用いて断片を分離
し、断片のアミノ酸ポリアミン組成を調べた。さらに各
断片のアミノ末端残基をダンシル化により調べた。以上
の検討により判明した各成分のアミノ酸ポリアミン配列
を表5−1、各成分より得られた断片を表5−2に示し
た。
表5−2中のR1−はもとの成分と同じ、220nm,255nm,
280nmに吸収極大をもち、またもとの成分のアミノ末端
残基のα−アミノ基がダンシル化されないことから、R1
−は各成分のアミノ末端残基のα−アミノ基に結合した
置換基と判明した。
280nmに吸収極大をもち、またもとの成分のアミノ末端
残基のα−アミノ基がダンシル化されないことから、R1
−は各成分のアミノ末端残基のα−アミノ基に結合した
置換基と判明した。
このR1−を液体クロマトグラフィで分取し、FD-MSス
ペクトルを測定したところ、分子量は191と判明した。
ペクトルを測定したところ、分子量は191と判明した。
さらにR1−をジアゾメタンでメチル化した後、GC−マ
ススペクトルを測定した際の開裂パターンおよびUVスペ
クトル、高速液クロでの溶出位置から、R1−は6−ヒド
ロキシインドール−3−酢酸と判明した。
ススペクトルを測定した際の開裂パターンおよびUVスペ
クトル、高速液クロでの溶出位置から、R1−は6−ヒド
ロキシインドール−3−酢酸と判明した。
重水中での1H‐NMRを測定したところ、3.90ppm(2H.
s)、7.05ppm(1H.s)、7.10ppm(1H,s)が観測された
が、これはインドール環の6位に水酸基が存在し、重水
中での置換により、5位、7位のプロトンが重水素置換
されたため検出できず、メチレンプロトン、インドール
環の2位、4位のプロトンのみが現れているものと考え
られる。また実施例1に述べた方法で、配列中のアスパ
ラギン酸、アスパラギンの判別を行ったところ、すべて
アスパラギンと判明した。またこれらの成分について、
ラット腹腔内肥満細胞からのヒスタミン放出活性を調べ
たところ、いずれも顕著な活性を示した。結果を表6に
示した。
s)、7.05ppm(1H.s)、7.10ppm(1H,s)が観測された
が、これはインドール環の6位に水酸基が存在し、重水
中での置換により、5位、7位のプロトンが重水素置換
されたため検出できず、メチレンプロトン、インドール
環の2位、4位のプロトンのみが現れているものと考え
られる。また実施例1に述べた方法で、配列中のアスパ
ラギン酸、アスパラギンの判別を行ったところ、すべて
アスパラギンと判明した。またこれらの成分について、
ラット腹腔内肥満細胞からのヒスタミン放出活性を調べ
たところ、いずれも顕著な活性を示した。結果を表6に
示した。
表5−1 1″ R1−Asx−Cad−Put−Orn−Arg 2″ R1−Orn−Asx−Cad−Put−Put 3″ R1−Orn−Asx−Cad−Put−Put−Put 4″ R1−Asx−Cad−Put−Put−Put5″ R1-Asx-Cad-Put-Put-Put-Put R1;6−ヒドロキシインドール−3−アセチル基 表5−2 1″ Asx−Cad,Asx−Cad−Put−Orn−Arg,R1− 2″ Asx−Cad−Put−Put,Orn−Asx−Cad,R1− 3″ Asx−Cad−Put−Put−Put,Orn−Asx−Cad,R1− 4″ Asx−Cad,Asx−Cad−Put−Put−Put,R1−5″ Asx-Cad,Asx-Cad-Put-Put-Put,R1− 実施例3 ジョロウグモ毒腺20匹分を1mlの0.1%トリフルオロ酢
酸水溶液で抽出し、抽出液を東ソー株式会社製ODS-PAK
に添加し、さらに2mlの0.1%トリフルオロ酢酸水溶液で
洗浄した後、0.1%トリフルオロ酢酸を含む30%アセト
ニトリル水溶液2mlで洗浄し、溶出する成分を集め、更
に前述のODS-80TMカラムを用いた逆相高速液体クロマト
グラフィにより分離した。クロマトグラムおよび分離条
件を第4図に示した。第4図中ピーク3を分取し、同じ
カラムを用いて0.1%トリフルオロ酢酸を含む5%アセ
トニトリル水溶液を溶離液として精製し、1及び2
の2成分を得た。フォトダイオードアレイ検出器でUVス
ペクトルを測定した結果、210nm,280nmに吸収極大を示
した。これらの成分を前と同様な方法で加水分解した
後、アミノ酸、ポリアミン組成を求めた。結果を表7に
示した。また各成分を5.7N-HCl中100℃、20分加水分解
して断片化した後、各断片を分離し、各断片のアミノ
酸、ポリアミン組成およびアミノ末端残基を既述の方法
で調べた。その結果、表8−1に示すような配列が得ら
れた。また表8−2に各断片を示した。表8−2に示す
断片R1−は、もとの成分と同じ210nm,280nmに吸収を示
し、またアミノ末端のアスパラギン酸、オルニチンのα
−アミノ基がダンシル化されないことから、R1−はこれ
らアミノ末端残基のα−アミノ基に結合した置換基と判
明した。またこの置換基は、高速液体クロマトグラフィ
での溶出位置およびUVスペクトルから、2,4−ジヒドロ
キシフェニル酢酸と判明した。これらの成分についてラ
ット腹腔内肥満細胞からのヒスタミン放出活性を調べた
ところいずれも顕著な活性を示した。結果を表9に示し
た。
酸水溶液で抽出し、抽出液を東ソー株式会社製ODS-PAK
に添加し、さらに2mlの0.1%トリフルオロ酢酸水溶液で
洗浄した後、0.1%トリフルオロ酢酸を含む30%アセト
ニトリル水溶液2mlで洗浄し、溶出する成分を集め、更
に前述のODS-80TMカラムを用いた逆相高速液体クロマト
グラフィにより分離した。クロマトグラムおよび分離条
件を第4図に示した。第4図中ピーク3を分取し、同じ
カラムを用いて0.1%トリフルオロ酢酸を含む5%アセ
トニトリル水溶液を溶離液として精製し、1及び2
の2成分を得た。フォトダイオードアレイ検出器でUVス
ペクトルを測定した結果、210nm,280nmに吸収極大を示
した。これらの成分を前と同様な方法で加水分解した
後、アミノ酸、ポリアミン組成を求めた。結果を表7に
示した。また各成分を5.7N-HCl中100℃、20分加水分解
して断片化した後、各断片を分離し、各断片のアミノ
酸、ポリアミン組成およびアミノ末端残基を既述の方法
で調べた。その結果、表8−1に示すような配列が得ら
れた。また表8−2に各断片を示した。表8−2に示す
断片R1−は、もとの成分と同じ210nm,280nmに吸収を示
し、またアミノ末端のアスパラギン酸、オルニチンのα
−アミノ基がダンシル化されないことから、R1−はこれ
らアミノ末端残基のα−アミノ基に結合した置換基と判
明した。またこの置換基は、高速液体クロマトグラフィ
での溶出位置およびUVスペクトルから、2,4−ジヒドロ
キシフェニル酢酸と判明した。これらの成分についてラ
ット腹腔内肥満細胞からのヒスタミン放出活性を調べた
ところいずれも顕著な活性を示した。結果を表9に示し
た。
表8−1 1 R1−Asx−Cad−Orn−Arg2 R1-Orn-Asx-Cad-Put-Put R1;2,4−ジヒドロキシフェニル−アセチル基 表8−2 1 Asx−Cad−Orn−Arg,Asx−Cad,R1−2 Asx-Cad-Put-Put,Orn-Asx-Cad,R1− 実施例4 実施例1で得られた成分3を5.7N HCl中100℃、15分
加水分解して断片化し、前述のODS-80TMカラムを用いて
各断片を精製し、置換基を除いた部分のみを得た。また
実施例2で得た成分1″,2″,3″を5.7N-HCl中100℃、2
0分加水分解して断片化しODS-80TMカラムを用いて精製
し、置換基を除いた部分を同様に得た。これらの塩基性
部分についてラット腹腔内肥満細胞からのヒスタミン放
出活性を測定したところ、いずれも活性を示した。結果
及び得られた塩基性部分のアミノ酸、ポリアミン配列を
表10に示した。
加水分解して断片化し、前述のODS-80TMカラムを用いて
各断片を精製し、置換基を除いた部分のみを得た。また
実施例2で得た成分1″,2″,3″を5.7N-HCl中100℃、2
0分加水分解して断片化しODS-80TMカラムを用いて精製
し、置換基を除いた部分を同様に得た。これらの塩基性
部分についてラット腹腔内肥満細胞からのヒスタミン放
出活性を測定したところ、いずれも活性を示した。結果
及び得られた塩基性部分のアミノ酸、ポリアミン配列を
表10に示した。
神経伝達遮断活性 クモ毒は、節足動物のグルタミン酸レセプターを遮断
することにより神経伝達を阻害する作用をもつが、今回
のヒスタミン放出活性成分についてイセエビ歩脚の神経
筋シナプスを用い、神経伝達に対する影響を調べた。イ
セエビ歩脚の伸張筋に記録電極を刺入し、支配神経を単
一線維に分離し、刺激することによって、興奮性後シナ
プス電位(EPSP)を発生させ、各成分を、神経線維に投
与し、毒成分がEPSPに与える影響を調べた。
することにより神経伝達を阻害する作用をもつが、今回
のヒスタミン放出活性成分についてイセエビ歩脚の神経
筋シナプスを用い、神経伝達に対する影響を調べた。イ
セエビ歩脚の伸張筋に記録電極を刺入し、支配神経を単
一線維に分離し、刺激することによって、興奮性後シナ
プス電位(EPSP)を発生させ、各成分を、神経線維に投
与し、毒成分がEPSPに与える影響を調べた。
その結果、実施例1における3、4、実施例2におけ
る2″、3″、4″および実施例3における1がEPSP
の振幅を著しく減少させた。即ち、これらの毒成分は、
ヒスタミン放出だけでなく、節足動物の神経伝達を遮断
する活性も示すことが判明した。各成分のアミノ酸、ポ
リアミン配列と、EPSPの減少とを表11に示した。
る2″、3″、4″および実施例3における1がEPSP
の振幅を著しく減少させた。即ち、これらの毒成分は、
ヒスタミン放出だけでなく、節足動物の神経伝達を遮断
する活性も示すことが判明した。各成分のアミノ酸、ポ
リアミン配列と、EPSPの減少とを表11に示した。
第1図は、実施例1による溶出画分のヒスタミン放出活
性を示すグラフ図、第2図は、実施例1による溶出画分
5、6のクロマトグラム図、第3図は実施例2によるピ
ーク5′、7′、8′についてのクロマトグラム図およ
び第4図は実施例3による溶出画分のクロマトグラム図
を示すものである。
性を示すグラフ図、第2図は、実施例1による溶出画分
5、6のクロマトグラム図、第3図は実施例2によるピ
ーク5′、7′、8′についてのクロマトグラム図およ
び第4図は実施例3による溶出画分のクロマトグラム図
を示すものである。
Claims (10)
- 【請求項1】一般式 (m,p,qは0または1,nは0から4を、R1は水素原子また
はアシル基,R2はヒドロキシまたはアミノ基を表わす)
で示される塩基性アミド化合物。 - 【請求項2】R1がインドール−3−アセチル基であり、
m=1,n=3,p=0,q=0である請求項1記載の化合物。 - 【請求項3】R1がインドール−3−アセチル基であり、
m=1,n=2,p=0,q=0である請求項1記載の化合物。 - 【請求項4】R1がインドール−3−アセチル基であり、
m=0,n=0,p=1,q=1である請求項1記載の化合物。 - 【請求項5】R1がインドール−3−アセチル基であり、
m=0,n=1,p=1,q=1である請求項1記載の化合物。 - 【請求項6】R1がインドール−3−アセチル基であり、
m=0,n=1,p=0,q=0である請求項1記載の化合物。 - 【請求項7】R1が水素原子であり、m=0,n=3,p=0,q
=0である請求項1記載の化合物。 - 【請求項8】R1が水素原子であり、m=0,n=2,p=0,q
=0である請求項1記載の化合物。 - 【請求項9】R1が水素原子であり、m=0,n=1,p=1,q
=1である請求項1記載の化合物。 - 【請求項10】R1が水素原子であり、m=0,n=0,p=1,
q=1である請求項1記載の化合物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63161369A JP2568635B2 (ja) | 1988-01-23 | 1988-06-29 | 塩基性アミド化合物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63-13463 | 1988-01-23 | ||
JP1346388 | 1988-01-23 | ||
JP63161369A JP2568635B2 (ja) | 1988-01-23 | 1988-06-29 | 塩基性アミド化合物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01294734A JPH01294734A (ja) | 1989-11-28 |
JP2568635B2 true JP2568635B2 (ja) | 1997-01-08 |
Family
ID=26349268
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63161369A Expired - Lifetime JP2568635B2 (ja) | 1988-01-23 | 1988-06-29 | 塩基性アミド化合物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2568635B2 (ja) |
-
1988
- 1988-06-29 JP JP63161369A patent/JP2568635B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01294734A (ja) | 1989-11-28 |
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