JP2566584B2 - 気体レーザ装置 - Google Patents

気体レーザ装置

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JP2566584B2
JP2566584B2 JP62225210A JP22521087A JP2566584B2 JP 2566584 B2 JP2566584 B2 JP 2566584B2 JP 62225210 A JP62225210 A JP 62225210A JP 22521087 A JP22521087 A JP 22521087A JP 2566584 B2 JP2566584 B2 JP 2566584B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S3/00Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
    • H01S3/09Processes or apparatus for excitation, e.g. pumping
    • H01S3/097Processes or apparatus for excitation, e.g. pumping by gas discharge of a gas laser
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、マイクロ波放電を利用してレーザ励起を
行う気体レーザ装置に関するものである。
〔従来の技術〕
第6図及び第7図は例えば1978年7月に発行されたジ
ャーナル オブ アプライド フィジックス(Jounal o
f Applied Physics)Vol.49 No.7のP3753〜P3756に示さ
れた従来の気体レーザ装置を示す縦断正面図、及びその
A−A線断面図であり、図において、1はマイクロ波を
伝送する導波管、10はこの導波管1の一部に設けられた
導波管テーパ部、11はこの導波管テーパ部10の空間に設
置されたパイレックスガラス製のレーザ放電管、12aは
このレーザ放電管11の端部に設けられたレーザ気体導入
口、12bは同じくレーザ気体排出口、13は前記レーザ放
電管11を包むように配置された冷却ガス送気管、14aは
この冷却ガス送気管13の端部に設けられた冷却ガス導入
口、14bは同じく冷却ガス排出口、15は前記レーザ放電
管11の両端に設けられたブリュースタ窓、16aは直流放
電用の陰極、16bは同じく陽極である。
次に動作について説明する。レーザ放電管11中にはレ
ーザ気体導入口12aより、例えば炭酸ガスレーザ気体な
どのレーザ気体が導入され、一方、導波管1中にはTE10
モードのマイクロ波が励起されている。この導波管1は
内部に導波管テーパ部10を備えており、レーザ放電管11
が設置された位置でその高さが最小となっているため、
その位置でマイクロ波の電界が最大となっている。レー
ザ放電管11内のレーザ気体はこの強いマイクロ波電界に
よって放電破壊してプラズマを発生させ、レーザ媒質が
励起される。この時、冷却ガス送気管13中に、例えば低
温の窒素ガス等を高速で流し、レーザ放電管11を外部か
ら冷却するとともに、レーザ気体の圧力等の放電条件を
適切に選択することによってレーザ発振条件が得られ、
ブリュースタ窓15の外部に、図示を省略したレーザ発振
用のミラーを設けることによってレーザ発振が行われ
る。
第8図はその放電状態を説明するための部分拡大断面
図であり、図において、10は導波管テーパ部、11はレー
ザ放電管、17はマイクロ波電界の電気力線、18は発生し
たプラズマである。この気体レーザ装置は閉じたレーザ
放電管11を使用しているので、導電性をもつプラズマ18
が発生すると、当該プラズマ18を内導体とする同軸モー
ドのマイクロ波モードが支配的となって、プラズマ中の
マイクロ波電界は電気力線17で示すように、レーザ放電
管11の管壁に平行な成分を主成分とする電界となり、プ
ラズマ18中に侵入するマイクロ波は実質的にレーザ放電
管11の管壁、即ち、プラズマ境界に対して垂直に入射す
るモードとなる。このようにプラズマ境界に対して垂直
に入射するマイクロ波によって発生する放電において
は、マイクロ波電界はレーザ放電管11の管壁から内部に
向けて減少するが、プラズマ18が定電圧的な特性をもつ
ため、わずかな電界の差異によって電流密度が大きく変
化し、結果として、プラズマ18はレーザ放電管11の管壁
付近に集中して発生することになる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来の気体レーザ装置は以上のように構成されている
ので、発生するプラズマ18はレーザ放電管11の管壁付近
に集中した著しく不均一なものとなるため、レーザ放電
管11全体をレーザ励起に適当な状態とすることが困難で
あるばかりか、レーザ放電管11全体をパイレックスガラ
スで形成しているので、レーザ放電管11内で発生した熱
を効率よく取り除くことができず、レーザ気体の温度上
昇により、レーザ出力の低下を招くなどの問題点があっ
た。
この発明は上記のような問題点を解消するためになさ
れたもので、発生するマイクロ波放電プラズマを空間的
に一様なものにするとともに、冷却効率の向上をはかっ
て、高効率、大出力のレーザ動作を可能とする気体レー
ザ装置を得ることを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明に係る気体レーザ装置は、マイクロ波回路の
一部を構成している導電体壁と、この導電体壁に対向し
て設けられた誘電体との間に空間を設けて、そこにレー
ザ気体を封入し、前記誘電体をマイクロ波入射窓とし
て、マイクロ波回路より誘電体とレーザ気体中に発生し
たプラズマとの境界に垂直な電界成分を有するマイクロ
波モードを入射するとともに、その誘電体の導電体壁対
向面とは逆の面を、マイクロ波回路の他の一部に密着さ
せたものである。
〔作用〕
この発明における気体レーザ装置は、マイクロ波入射
窓である誘電体に対向してプラズマよりも導電率の高い
導電体壁があるために、入射マイクロ波の終端電流はこ
の導電体壁を流れ、プラズマ中には前記誘電体と導電体
壁の間を貫通する電流が流れることとなるため、レーザ
気体中には一様なプラズマが発生し、さらに、マイクロ
波回路の他の一部を誘電体に密着させてレーザ気体に発
生した熱を誘電体よりマイクロ波回路に効率よく排出
し、レーザ気体の温度上昇を防止する。
〔実施例〕
以下、この発明の一実施例を図について説明する。第
1図はこの発明の一実施例による気体レーザ装置を示す
縦断正面図、第2図はその外観図である。図において、
2はマイクロ波放電によってレーザ気体にプラズマを発
生させ、レーザ励起を行うためのマイクロ波回路の一種
である、リッジ導波管型のマイクロ波空胴構造をもつレ
ーザヘッド部、3はマイクロ波発振器としてのマグネト
ロン、4はマグネトロン3の出力するマイクロ波をレー
ザヘッド部2へ導く導波管、5はこの導波管4の幅を拡
げるホーン導波管、6はこのホーン導波管5を前記レー
ザヘッド部2へ結合するマイクロ波結合窓、7はレーザ
ヘッド部2に取り付けられたレーザ発振用の反射鏡であ
る。また、20は前記レーザヘッド部2におけるマイクロ
波結合窓6に続く空胴壁、21及び22はこの空胴壁20の中
央部に設けられたリッジ、23は一方のリッジ21に形成さ
れた溝、24はマイクロ波回路の一部を構成する導電体壁
であり、この実施例では前記溝23の底壁が使用されてい
る。25はこの導電体壁24に対向して設けられてマイクロ
波の入射窓として作用する誘電体で、例えばアルミナ等
の熱伝導率の高いセラミックで形成されており、前記導
電体壁24との対向面とは逆側の面が、マイクロ波回路の
他の一部を構成しているリッジ22に密着して配置されて
いる。この誘電体25の材料としては、前述の外に、例え
ば窒化アルミナ、ボロンナイトライド、ベリリア、マグ
ネシヤ、サファイヤ等、熱伝導率の高い誘電材料が利用
可能である。26はこの誘電体25が前記溝23を覆うことに
よって、前記誘電体壁24と誘電体25との間に形成され、
炭酸ガスレーザ気体等のレーザ気体が封入される放電空
間、27はマイクロ波回路の一部を構成する導電体壁24を
有するリッジ21及びそれに対向するリッジ22に形成され
た冷却水路である。
次に動作について説明する。マグネトロン3で発生し
たマイクロ波は、導波管4を伝搬してホーン導波管5で
拡げられ、マイクロ波結合窓6でインピーダンスを整合
させることにより、効率よくレーザヘッド部2に結合さ
れる。このレーザヘッド部2は図示の如くリッジ空胴状
になっており、マイクロ波はそのリッジ21,22付近に集
中して非常に強いマイクロ波電磁界を発生させる。この
強いマイクロ波電磁界により放電空間26に封入されたレ
ーザ気体が放電破壊し、プラズマが発生してレーザ媒質
が励起される。ここで、冷却水路27に冷却水を流して放
電プラズマを冷却するとともに、レーザ気体の圧力等の
放電条件を適切に選択することによって、レーザ発振条
件が得られ、第2図に示す反射鏡7とそれに対向した図
面には現れない反射鏡とでレーザ共振器を形成すること
により、レーザ発振光が得られる。
この時、マイクロ波回路の一部を構成している導電体
壁24と、この導電体壁24に対向して配置され、マイクロ
波の入射窓となる誘電体25との間に形成される放電空間
26において、マイクロ波放電が行われ、マイクロ波の入
射はプラズマの一方の面からのみ行われることになるた
め、プラズマを内導体とする同軸モードのマイクロ波モ
ードが支配的となる現象が発生するようなことはなく、
所期のマイクロ波モードによる放電を行わせることがで
きる。また、図示のレーザヘッド部のリッジ空胴のよう
に、マイクロ波回路が前記誘電体25とプラズマとの境界
に垂直な電界成分を有するマイクロ波モードを形成する
場合、誘電体25と導電体壁24とは対向しているため、導
電体壁24に対しても垂直な電界成分を有することとなり
プラズマを貫く電界ができる。そのため、導電性を有す
るプラズマが発生しても、そのプラズマより数桁導電率
の高い導電体壁24がマイクロ波入射窓としての誘電体25
に対向して配置されているので、入射マイクロ波の終端
電流はこの導電体壁24を流れ、導電体壁24近傍の電界は
強制的にこの導電体壁24の表面に対して垂直にされ、発
生した前記プラズマを貫通する電界が維持される。従っ
て、マイクロ波がプラズマ中に浸透してプラズマを貫く
電流が流れ、この電流の連続性から空間的に一様な放電
プラズマが発生する。その様子を第3図に示す。図にお
いて、28はマイクロ波電界の電気力線、29は発生したプ
ラズマであり、他は第1図に同一符号を付したものと同
等のものである。このように、空間的に均一な放電が得
られるので、放電全体をレーザの励起に適当な状態にす
ることが容易となる。
また、誘電体25は、導電体壁24との対向面とは逆側の
面がマイクロ波回路の他の一部を構成しているリッジ22
に密着して配置されているため、この誘電体25及び導電
体壁24に直接接触しているレーザ気体は効率よく冷却さ
れ、炭酸ガスレーザ気体を用いた場合に特に問題となる
レーザ気体の温度上昇によるレーザ出力の飽和を防止
し、高能率で大出力の気体レーザ装置を得ることを可能
としている。また、この実施例では誘電体25に前述のよ
うな熱伝導率の高い材料が使用することで温度上昇の防
止効果を高め、さらに、マイクロ波回路の一部を構成す
る導電体壁24を有するリッジ21と、それに対向するリッ
ジ22とに設けられた冷却水路27に冷却水を流して導電体
壁24と誘電体25を水冷し、より高いレーザ気体の冷却効
果を得ている。
第4図はこの実施例による気体レーザ装置のレーザ発
振特性を示す説明図で、横軸は周波数2.45GHzのマイク
ロ波入力Pμ、縦軸はレーザ出力Poと効率ηであり、放
電長300mmの炭酸ガスレーザ装置における実験結果が示
されている。図示の如く、この実施例によれば、最大出
力24W、最大効率10.5%が得られ、第5図及び第6図に
示す従来の炭酸ガスレーザ装置にて報告されたレーザ出
力15mWに対して3桁以上大きな出力が得られ、また、前
記従来の炭酸ガスレーザ装置ではパルス発振しか得られ
なかったのに対し、連続発振が可能なことが確認され
た。
なお、上記実施例ではマイクロ波回路としてマイクロ
空胴を用いた場合について示したが、同軸線路であって
もよい。第5図はそのような実施例を示す断面図であ
り、図において、30は外導体、31は内導体であり、25は
誘電体、26は放電空間である。ここで、第5図(a)は
外導体30を導電体壁として利用し、内導体31に誘電体25
を密着配置して、この誘電体25と外導体30との間を放電
空間26としたもので、第5図(b)は内導体31を導電体
壁として利用し、外導体30に誘電体25を密着配置して、
この誘電体25と内導体31との間を放電空間としたもので
ある。第5図に示す同軸線路はカットオフ周波数を持た
ないため、例えば、2.45GHzのマイクロ波を用いた場
合、マイクロ波空胴を用いた場合に比べて装置全体とし
て小型な装置構成をとることができる利点がある。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明によればマイクロ波回路の一
部を構成している導電体壁と、この導電体壁に対向して
設けられた誘電体との間に形成される空間に、マイクロ
波放電によってプラズマを発生するレーザ気体を封入す
るとともに、前記マイクロ波回路によって前記誘電体と
プラズマとの境界に垂直な電界分布を有するマイクロ波
モードを形成するように構成し、さらに、前記誘電体を
マイクロ波回路の一部に密着させて配置するように構成
したので、空間的に一様なプラズマが長時間にわたって
安定に維持され、レーザ気体の温度上昇によるレーザ出
力の飽和も防止できるため、高効率、大出力のレーザ動
作が可能な気体レーザ装置が得られる効果がある。
さらに、マイクロ波回路を第1リッジ及び第2リッジ
で構成し、熱伝導率の高い材料で形成された誘電体の導
電体壁から遠い方の面を、第1リッジと密着させるよう
に構成したので、誘電体が発熱しても、誘電体から第1
リッジへと有効に熱放出することができ、マイクロ波回
路の温度上昇を防止し、レーザ動作を安定させることが
できる効果がある。
【図面の簡単な説明】 第1図はこの発明の一実施例による気体レーザ装置を示
す縦断正面図、第2図はその外観図、第3図はその放電
状態を説明するための部分拡大断面図、第4図はそのレ
ーザ発振特性を示す説明図、第5図この発明の他の実施
例を示す断面図、第6図は従来の気体レーザ装置を示す
縦断正面図、第7図はそのA−A線断面図、第8図はそ
の放電状態を説明するための部分拡大断面図である。 2はマイクロ波回路(レーザヘッド部)、22はマイクロ
波回路の他の一部(リッジ)、24は導電体壁、25は誘電
体、26は空間(放電空間)、29はプラズマ。 なお、図中、同一符号は同一、又は相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳 正 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社応用機器研究所内 (72)発明者 植田 至宏 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社応用機器研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−104084(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マイクロ波回路中のマイクロ波放電により
    レーザ気体にプラズマを発生させてレーザ励起を行うマ
    イクロ波励起方式の気体レーザ装置において、前記マイ
    クロ波回路を構成する第1リッジ及び第2リッジと、こ
    の第2リッジの一部を構成する導電体壁と、熱伝導率の
    高い材料で形成されるとともに前記導電体壁に対向して
    設けられマイクロ波の入射窓となる誘電体とを備え、前
    記誘電体の前記導電体壁から遠い方の面に、前記マイク
    ロ波回路の前記第1リッジを密着させるとともに前記導
    電体壁と前記誘電体との間に形成される空間に前記レー
    ザ気体を封入し、前記マイクロ波回路によって前記誘電
    体と前記レーザ気体中に発生したプラズマとの境界に垂
    直な電界成分を有するマイクロ波モードを形成させるこ
    とを特徴とする気体レーザ装置。
  2. 【請求項2】前記レーザ気体が炭酸ガスレーザ気体であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の気体レ
    ーザ装置。
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