JP2565818B2 - Btl増幅装置の保護回路およびオーディオ装置 - Google Patents
Btl増幅装置の保護回路およびオーディオ装置Info
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- JP2565818B2 JP2565818B2 JP4069609A JP6960992A JP2565818B2 JP 2565818 B2 JP2565818 B2 JP 2565818B2 JP 4069609 A JP4069609 A JP 4069609A JP 6960992 A JP6960992 A JP 6960992A JP 2565818 B2 JP2565818 B2 JP 2565818B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、BTL増幅装置の保
護回路およびこの回路を用いるオーディオ装置に関し、
詳しくは、BTL(Balanced Transformer Less )方式
を用いた増幅装置において、負荷への出力端子が接地側
に短絡(地絡)あるいは電源供給側に短絡(天絡)した
ときに、その地絡・天絡から出力用の増幅回路を保護す
る保護システムに関する。
護回路およびこの回路を用いるオーディオ装置に関し、
詳しくは、BTL(Balanced Transformer Less )方式
を用いた増幅装置において、負荷への出力端子が接地側
に短絡(地絡)あるいは電源供給側に短絡(天絡)した
ときに、その地絡・天絡から出力用の増幅回路を保護す
る保護システムに関する。
【0002】
【従来の技術】図3に、従来のオーディオ装置における
BTL増幅装置の保護回路を中心としたブロック図を示
す。ここで、1はアンプ、2は正相側増幅回路、3は逆
相側増幅回路、4はスピーカ、5,6はコンパレータ、
7はORゲートである。アンプ1,正相側増幅回路2,
逆相側増幅回路3は、全体で、一つのBTL増幅器を構
成し、スピーカ4を負荷として駆動する。詳述すると、
入力信号Aを受けて、アンプ1は、それに対して同じ位
相を有する正相入力信号Bと反転した位相を有する逆転
入力信号Dとの一対の信号を出力する。
BTL増幅装置の保護回路を中心としたブロック図を示
す。ここで、1はアンプ、2は正相側増幅回路、3は逆
相側増幅回路、4はスピーカ、5,6はコンパレータ、
7はORゲートである。アンプ1,正相側増幅回路2,
逆相側増幅回路3は、全体で、一つのBTL増幅器を構
成し、スピーカ4を負荷として駆動する。詳述すると、
入力信号Aを受けて、アンプ1は、それに対して同じ位
相を有する正相入力信号Bと反転した位相を有する逆転
入力信号Dとの一対の信号を出力する。
【0003】そして、正相入力信号Bが正相側増幅回路
2で増幅されて正相出力信号Cとされ、この正相出力信
号Cがスピーカ4の一端に入力される。さらに、逆相入
力信号Dが逆相側増幅回路3で増幅されて逆相出力信号
Eとされ、この逆相出力信号Eがスピーカ4の他の一端
に入力される。このようにして生成される正相出力信号
Cと逆相出力信号Eとは互いに位相が反転している電圧
信号であり、正相出力信号Cによる出力電流C’と逆相
出力信号Eによる出力電流E’も、互いに向きの異なる
同じ値の電流である。
2で増幅されて正相出力信号Cとされ、この正相出力信
号Cがスピーカ4の一端に入力される。さらに、逆相入
力信号Dが逆相側増幅回路3で増幅されて逆相出力信号
Eとされ、この逆相出力信号Eがスピーカ4の他の一端
に入力される。このようにして生成される正相出力信号
Cと逆相出力信号Eとは互いに位相が反転している電圧
信号であり、正相出力信号Cによる出力電流C’と逆相
出力信号Eによる出力電流E’も、互いに向きの異なる
同じ値の電流である。
【0004】そこで、一対の増幅回路2,3を採用した
ことにより、増幅回路が単独の場合に較べて、スピーカ
4に掛かる電圧,電流がともに2倍になる。すなわち、
負荷への出力パワーが4倍になる。このような利点か
ら、BTL方式は、カーステレオやその他のオーディオ
機器等の大出力化のために多用されている。
ことにより、増幅回路が単独の場合に較べて、スピーカ
4に掛かる電圧,電流がともに2倍になる。すなわち、
負荷への出力パワーが4倍になる。このような利点か
ら、BTL方式は、カーステレオやその他のオーディオ
機器等の大出力化のために多用されている。
【0005】ところで、このような構成のBTL方式で
は、スピーカ4が接地電位等の基準電位から浮いた状態
で駆動される。そして、何らかの理由でスピーカ4が接
地に短絡したりすると負荷電圧が発生しなくなる。そこ
で、正相側増幅回路2や逆相側増幅回路3は、出力電圧
を上げようとして過大な電流を流すことになる。このた
め、増幅回路2,3等が破壊に至る危険が有り、破壊を
防ぐための保護回路が必要とされる。特に、車載用のカ
ーステレオでは設置環境や使用環境が苛酷であり、事故
の発生確率が高いので保護回路は必須である。
は、スピーカ4が接地電位等の基準電位から浮いた状態
で駆動される。そして、何らかの理由でスピーカ4が接
地に短絡したりすると負荷電圧が発生しなくなる。そこ
で、正相側増幅回路2や逆相側増幅回路3は、出力電圧
を上げようとして過大な電流を流すことになる。このた
め、増幅回路2,3等が破壊に至る危険が有り、破壊を
防ぐための保護回路が必要とされる。特に、車載用のカ
ーステレオでは設置環境や使用環境が苛酷であり、事故
の発生確率が高いので保護回路は必須である。
【0006】コンパレータ5,6、ORゲート7は、そ
のような保護回路の一部を構成するものであり、地絡の
状態を検出する回路である。原理的には、定常時にはス
ピーカ4が接地電位から浮いた状態で駆動されることに
基づいて、出力信号C,Eの何れかの電位が接地電位で
あるか否かを検出して地絡状態か否かを判定するもので
ある。ただし、配線抵抗や接触抵抗の存在により出力信
号C,Dが接地電位に完全には成り難いので、この例で
は直列接続された2個のダイオードにより2VF の比較
電圧を発生し、この比較電圧と出力信号C,Eとを比較
して検出している。
のような保護回路の一部を構成するものであり、地絡の
状態を検出する回路である。原理的には、定常時にはス
ピーカ4が接地電位から浮いた状態で駆動されることに
基づいて、出力信号C,Eの何れかの電位が接地電位で
あるか否かを検出して地絡状態か否かを判定するもので
ある。ただし、配線抵抗や接触抵抗の存在により出力信
号C,Dが接地電位に完全には成り難いので、この例で
は直列接続された2個のダイオードにより2VF の比較
電圧を発生し、この比較電圧と出力信号C,Eとを比較
して検出している。
【0007】すなわち、コンパレータ5で正転出力信号
Cが比較電圧(2VF )以下であることが検出される
か、または、コンパレータ6で逆転出力信号Eが比較電
圧(2VF )以下であることが検出されるかすると、地
絡があるものとしてORゲート7から遮断信号Fが出力
される。そして、この遮断信号Fを受けて、正相側増幅
回路2及び逆相側増幅回路3は、それぞれ正相出力信号
C及び逆相出力信号Eの出力を停止する。これにより、
増幅回路2,3の出力トランジスタ等の破壊を防ぐ。
Cが比較電圧(2VF )以下であることが検出される
か、または、コンパレータ6で逆転出力信号Eが比較電
圧(2VF )以下であることが検出されるかすると、地
絡があるものとしてORゲート7から遮断信号Fが出力
される。そして、この遮断信号Fを受けて、正相側増幅
回路2及び逆相側増幅回路3は、それぞれ正相出力信号
C及び逆相出力信号Eの出力を停止する。これにより、
増幅回路2,3の出力トランジスタ等の破壊を防ぐ。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のオ
ーディオ装置におけるBTL増幅装置の保護回路では、
接地電位より僅かに(上述の例では2VF )高い電位の
比較電圧を用いて地絡を検出している。そこで、地絡検
出を確実なものにしようとすると、いきおい、この比較
電圧を上げることになる。一方、正相出力信号及び逆相
出力信号として上述の比較電圧よりも小さな電圧を出力
すると地絡状態として誤検出されるため、正相増幅回路
や逆相増幅回路は電源の全電圧範囲に亙る振幅の出力信
号を出力することができない。
ーディオ装置におけるBTL増幅装置の保護回路では、
接地電位より僅かに(上述の例では2VF )高い電位の
比較電圧を用いて地絡を検出している。そこで、地絡検
出を確実なものにしようとすると、いきおい、この比較
電圧を上げることになる。一方、正相出力信号及び逆相
出力信号として上述の比較電圧よりも小さな電圧を出力
すると地絡状態として誤検出されるため、正相増幅回路
や逆相増幅回路は電源の全電圧範囲に亙る振幅の出力信
号を出力することができない。
【0009】このため、出力パワーの増大を目的とした
BTL方式の利点が保護のために相殺されてしまうの
で、従来の保護回路では不都合である。また、従来のオ
ーディオ装置におけるBTL増幅装置の保護回路では、
地絡は検出できるが天絡は検出できないので不十分であ
る。この発明の目的は、このような従来技術の問題点を
解決するものであって、電源電圧に対応した大パワーを
出力することができ、しかも、地絡に限らず天絡をも検
出できるBTL増幅装置の保護回路およびこの回路を有
するオーディオ装置を実現することである。
BTL方式の利点が保護のために相殺されてしまうの
で、従来の保護回路では不都合である。また、従来のオ
ーディオ装置におけるBTL増幅装置の保護回路では、
地絡は検出できるが天絡は検出できないので不十分であ
る。この発明の目的は、このような従来技術の問題点を
解決するものであって、電源電圧に対応した大パワーを
出力することができ、しかも、地絡に限らず天絡をも検
出できるBTL増幅装置の保護回路およびこの回路を有
するオーディオ装置を実現することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るこの発明のBTL増幅装置の保護回路およびそのオー
ディオ装置の構成は、入力信号を増幅して正相出力信号
を生成しこの正相出力信号を負荷の一端に出力する第1
の増幅回路と、前記正相出力信号に対して同一振幅で位
相の反転している逆相出力信号を前記入力信号から増幅
により生成しこの逆相出力信号を前記負荷の他端に出力
する第2の増幅回路と、前記正相出力信号の電圧とその
平均電圧に相当する第1の基準電圧との電圧差に従う値
の第1の検出電流を出力する第1の電圧電流変換回路
と、前記逆相出力信号の電圧とその平均電圧に相当する
第2の基準電圧との電圧差に従う値の第2の検出電流を
出力する第2の電圧電流変換回路と、第1の検出電流と
第2の検出電流の和として得られる不平衡電流を受けこ
の不平衡電流の絶対値が所定値以上のときに遮断信号を
発生する遮断信号発生回路と、を備え、前記遮断信号に
より前記正相出力信号及び前記逆相出力信号の出力を停
止させるものである。
るこの発明のBTL増幅装置の保護回路およびそのオー
ディオ装置の構成は、入力信号を増幅して正相出力信号
を生成しこの正相出力信号を負荷の一端に出力する第1
の増幅回路と、前記正相出力信号に対して同一振幅で位
相の反転している逆相出力信号を前記入力信号から増幅
により生成しこの逆相出力信号を前記負荷の他端に出力
する第2の増幅回路と、前記正相出力信号の電圧とその
平均電圧に相当する第1の基準電圧との電圧差に従う値
の第1の検出電流を出力する第1の電圧電流変換回路
と、前記逆相出力信号の電圧とその平均電圧に相当する
第2の基準電圧との電圧差に従う値の第2の検出電流を
出力する第2の電圧電流変換回路と、第1の検出電流と
第2の検出電流の和として得られる不平衡電流を受けこ
の不平衡電流の絶対値が所定値以上のときに遮断信号を
発生する遮断信号発生回路と、を備え、前記遮断信号に
より前記正相出力信号及び前記逆相出力信号の出力を停
止させるものである。
【0011】
【作用】このような構成のこの発明のBTL増幅装置の
保護回路では、第1の電圧電流変換回路が電圧信号であ
る正相出力信号を受けるので、正相出力信号およびそれ
による出力電流に影響を及ぼすことがなく、その動作点
電圧を中心とした値に従う第1の検出電流が得られる。
また、第2の電圧電流変換回路がやはり電圧信号である
逆相出力信号を受けるので、逆相出力信号およびそれに
よる出力電流に影響を及ぼすことがなく、その動作点電
圧を中心とした値に従う第2の検出電流が得られる。
保護回路では、第1の電圧電流変換回路が電圧信号であ
る正相出力信号を受けるので、正相出力信号およびそれ
による出力電流に影響を及ぼすことがなく、その動作点
電圧を中心とした値に従う第1の検出電流が得られる。
また、第2の電圧電流変換回路がやはり電圧信号である
逆相出力信号を受けるので、逆相出力信号およびそれに
よる出力電流に影響を及ぼすことがなく、その動作点電
圧を中心とした値に従う第2の検出電流が得られる。
【0012】定常状態のBTL増幅装置では、これらの
正相出力信号と逆相出力信号とは位相が互いに反転して
いるだけなので、上述のようにして得られる第1の検出
電流と第2の検出電流も電流の向きが互いに反転してい
るだけである。すなわち、1つのオーディオ信号を増幅
する相反する出力の増幅器を持つBTL増幅器の出力に
応じてそれぞれの電圧電流変換回路が動作し、第1検出
電流が吐き出しのときには第2の検出電流がシンクにな
り、逆に第1検出電流がシンクのときには第2の検出電
流が吐き出しになり、それぞれの値が等しいので、直接
これらの出力の和を採ったときには、定常状態において
吐き出しとシンクの電流値に不平衡が発生せず、定常状
態でなくなって不平衡が発生したときにのみ、外部に電
流が流出し、あるいは、外部から電流が和の点に流入す
る。この電流は、スピーカ等の負荷に対応する電圧から
直接得た電流であり、負荷の状態が直接現れる。したが
って、第1の検出電流と第2の検出電流の和として得ら
れる不平衡電流は、回路素子等のばらつきや増幅率の僅
かな違い等に起因する誤差電流を除き、定常状態におい
ては理論的には全く流れない。
正相出力信号と逆相出力信号とは位相が互いに反転して
いるだけなので、上述のようにして得られる第1の検出
電流と第2の検出電流も電流の向きが互いに反転してい
るだけである。すなわち、1つのオーディオ信号を増幅
する相反する出力の増幅器を持つBTL増幅器の出力に
応じてそれぞれの電圧電流変換回路が動作し、第1検出
電流が吐き出しのときには第2の検出電流がシンクにな
り、逆に第1検出電流がシンクのときには第2の検出電
流が吐き出しになり、それぞれの値が等しいので、直接
これらの出力の和を採ったときには、定常状態において
吐き出しとシンクの電流値に不平衡が発生せず、定常状
態でなくなって不平衡が発生したときにのみ、外部に電
流が流出し、あるいは、外部から電流が和の点に流入す
る。この電流は、スピーカ等の負荷に対応する電圧から
直接得た電流であり、負荷の状態が直接現れる。したが
って、第1の検出電流と第2の検出電流の和として得ら
れる不平衡電流は、回路素子等のばらつきや増幅率の僅
かな違い等に起因する誤差電流を除き、定常状態におい
ては理論的には全く流れない。
【0013】これに対し、両出力信号の出力端子が、と
もに地絡又は天絡した場合、あるいは、何れか一方が地
絡又は天絡した場合には、第1の検出電流と第2の検出
電流のバランスが崩れ、有意の不平衡電流が流れること
になる。よって、このような地絡又は天絡が起こると、
誤差電流よりも大きな電流値の不平衡電流が検出されて
遮断信号が発生するから、両出力信号の出力が停止して
回路が保護される。
もに地絡又は天絡した場合、あるいは、何れか一方が地
絡又は天絡した場合には、第1の検出電流と第2の検出
電流のバランスが崩れ、有意の不平衡電流が流れること
になる。よって、このような地絡又は天絡が起こると、
誤差電流よりも大きな電流値の不平衡電流が検出されて
遮断信号が発生するから、両出力信号の出力が停止して
回路が保護される。
【0014】また、正相出力信号と逆相出力信号とがバ
ランスしている限り不平衡電流は流れないから、第1,
第2の増幅回路は、接地と電源との間の全電圧に亙る、
さらには、例えばブートストラップされている場合には
その範囲をも越える、出力信号を出力することができ
る。したがって、この発明のオーディオ装置のBTL増
幅装置の保護システムでは、電源電圧に対応した十分な
大パワーを出力することができ、しかも、地絡に限らず
天絡をも検出できるため、誤配線等によるセットの破壊
を防止することが可能となる。
ランスしている限り不平衡電流は流れないから、第1,
第2の増幅回路は、接地と電源との間の全電圧に亙る、
さらには、例えばブートストラップされている場合には
その範囲をも越える、出力信号を出力することができ
る。したがって、この発明のオーディオ装置のBTL増
幅装置の保護システムでは、電源電圧に対応した十分な
大パワーを出力することができ、しかも、地絡に限らず
天絡をも検出できるため、誤配線等によるセットの破壊
を防止することが可能となる。
【0015】
【実施例】以下、この発明のオーディオ装置におけるB
TL増幅装置の保護回路の一実施例について説明する
が、それを中心としたブロック図を図1に示す。ここ
で、1はアンプ、2は正相側増幅回路、3は逆相側増幅
回路、4はスピーカ、50,60は電圧電流変換回路、
70は遮断信号発生回路である。アンプ1,正相側増幅
回路2,逆相側増幅回路3はBTL増幅器を構成してス
ピーカ4を駆動することは、既述の通りである。また、
定常時には、正相出力信号Cと逆相出力信号Eとは互い
に位相が反転しており、出力電流C’と出力電流E’が
互いに向きの異なる同じ値の電流であることも、同様で
ある。
TL増幅装置の保護回路の一実施例について説明する
が、それを中心としたブロック図を図1に示す。ここ
で、1はアンプ、2は正相側増幅回路、3は逆相側増幅
回路、4はスピーカ、50,60は電圧電流変換回路、
70は遮断信号発生回路である。アンプ1,正相側増幅
回路2,逆相側増幅回路3はBTL増幅器を構成してス
ピーカ4を駆動することは、既述の通りである。また、
定常時には、正相出力信号Cと逆相出力信号Eとは互い
に位相が反転しており、出力電流C’と出力電流E’が
互いに向きの異なる同じ値の電流であることも、同様で
ある。
【0016】電圧電流変換回路50は、例えば差動増幅
回路を基本として構成され、正相出力信号Cと(Vcc/
2)との電圧差に従う電流値を有する第1の検出電流を
出力する。ここで、(Vcc/2)は電源電圧Vccの半分
の電圧値であるが、その意味するところは正相出力信号
Cの平均電圧に相当する第1の基準電圧であり、出力が
ブートストラップされた場合等ではそれに対応する値が
採用される。また、電圧電流変換回路60も、同様にし
て、逆相出力信号Eに応じた第2の検出電流を出力す
る。
回路を基本として構成され、正相出力信号Cと(Vcc/
2)との電圧差に従う電流値を有する第1の検出電流を
出力する。ここで、(Vcc/2)は電源電圧Vccの半分
の電圧値であるが、その意味するところは正相出力信号
Cの平均電圧に相当する第1の基準電圧であり、出力が
ブートストラップされた場合等ではそれに対応する値が
採用される。また、電圧電流変換回路60も、同様にし
て、逆相出力信号Eに応じた第2の検出電流を出力す
る。
【0017】遮断信号発生回路70は、不感帯付き全波
整流回路等により構成され、不平衡電流Hの絶対値が所
定値以上のときに遮断信号Fを発生する。ここで、不平
衡電流Hは、単に電圧電流変換回路50と電圧電流変換
回路60の出力線を結線するだけで、第1の検出電流と
第2の検出電流の和として得られる。また、前記の所定
値は、回路素子のばらつき等に起因する誤差電流に反応
しての誤検出を防止するための不感帯の幅を示すもので
ある。なお、図2に、電圧電流変換回路50,60と遮
断信号発生回路70の具体的な構成例を示す。
整流回路等により構成され、不平衡電流Hの絶対値が所
定値以上のときに遮断信号Fを発生する。ここで、不平
衡電流Hは、単に電圧電流変換回路50と電圧電流変換
回路60の出力線を結線するだけで、第1の検出電流と
第2の検出電流の和として得られる。また、前記の所定
値は、回路素子のばらつき等に起因する誤差電流に反応
しての誤検出を防止するための不感帯の幅を示すもので
ある。なお、図2に、電圧電流変換回路50,60と遮
断信号発生回路70の具体的な構成例を示す。
【0018】このように電圧電流変換回路を介して出力
状態の検出を行っていることから、これらの構成や設定
値が元の出力(C,E,C’,E’)に悪影響を与える
ことがない。したがって、正相出力信号C及び逆相出力
信号Eの出力値そのものの範囲を限定する必要がないか
ら、正相側増幅回路2及び逆相側増幅回路3は、接地と
電源との間の全電圧(Vcc)に亙る出力信号C,Eを出
力できる。さらには、例えばブートストラップされてい
る場合には、その範囲をも越える大パワーを出力するこ
とができる。
状態の検出を行っていることから、これらの構成や設定
値が元の出力(C,E,C’,E’)に悪影響を与える
ことがない。したがって、正相出力信号C及び逆相出力
信号Eの出力値そのものの範囲を限定する必要がないか
ら、正相側増幅回路2及び逆相側増幅回路3は、接地と
電源との間の全電圧(Vcc)に亙る出力信号C,Eを出
力できる。さらには、例えばブートストラップされてい
る場合には、その範囲をも越える大パワーを出力するこ
とができる。
【0019】このような構成の下では、定常時において
は、第1,第2の検出信号は、出力電流C’,E’と同
様に互いに向きの異なる同じ値の電流であり、電圧電流
変換回路50と電圧電流変換回路60との間で往復する
だけの電流である(図1のG参照)。すなわち、電圧電
流変換回路50が吐き出し動作をしているときには電圧
電流変換回路60は前記の吐き出し電流値に対応する電
流値をシンクさせ、逆に、電圧電流変換回路50がシン
ク動作をしているときには電圧電流変換回路60は前記
のシンク電流値に対応する電流値を吐き出す。しかも、
この動作が入力されるオーディオ信号をBTL増幅して
出力される負荷電圧に対応してなされる。よって、不平
衡電流Hが基本的には流れないので、遮断信号Fは発生
しない。そこで、正相入力信号Bが増幅された正相出力
信号Cと、逆相入力信号Dが増幅された逆相出力信号E
とにより、スピーカ4が双方向に駆動される。
は、第1,第2の検出信号は、出力電流C’,E’と同
様に互いに向きの異なる同じ値の電流であり、電圧電流
変換回路50と電圧電流変換回路60との間で往復する
だけの電流である(図1のG参照)。すなわち、電圧電
流変換回路50が吐き出し動作をしているときには電圧
電流変換回路60は前記の吐き出し電流値に対応する電
流値をシンクさせ、逆に、電圧電流変換回路50がシン
ク動作をしているときには電圧電流変換回路60は前記
のシンク電流値に対応する電流値を吐き出す。しかも、
この動作が入力されるオーディオ信号をBTL増幅して
出力される負荷電圧に対応してなされる。よって、不平
衡電流Hが基本的には流れないので、遮断信号Fは発生
しない。そこで、正相入力信号Bが増幅された正相出力
信号Cと、逆相入力信号Dが増幅された逆相出力信号E
とにより、スピーカ4が双方向に駆動される。
【0020】ところで異常状態、すなわち両出力信号
C,Eの出力端子がともに地絡又は天絡した場合、ある
いは何れか一方が地絡又は天絡した場合であるが、この
ような場合には、出力電流C’と出力電流E’とのバラ
ンスが崩れる。さらに、正相出力信号Cと逆相出力信号
Eとのバランスも崩れるので、それらを変換してなる第
1の検出電流と第2の検出電流のバランスも崩れる。こ
のため、バランスの崩れ方に応じた大きさの不平衡電流
Hが流れることになる。その結果、遮断信号Fが発生
し、これを受けて正相側増幅回路2及び逆相側増幅回路
3がそれぞれ出力信号C,Eの出力を停止することで、
過負荷による破壊から回路が保護される。
C,Eの出力端子がともに地絡又は天絡した場合、ある
いは何れか一方が地絡又は天絡した場合であるが、この
ような場合には、出力電流C’と出力電流E’とのバラ
ンスが崩れる。さらに、正相出力信号Cと逆相出力信号
Eとのバランスも崩れるので、それらを変換してなる第
1の検出電流と第2の検出電流のバランスも崩れる。こ
のため、バランスの崩れ方に応じた大きさの不平衡電流
Hが流れることになる。その結果、遮断信号Fが発生
し、これを受けて正相側増幅回路2及び逆相側増幅回路
3がそれぞれ出力信号C,Eの出力を停止することで、
過負荷による破壊から回路が保護される。
【0021】
【発明の効果】以上の説明から理解できるように、この
発明のオーディオ装置にあっては、そのBTL増幅装置
の保護システムにおいて、正相出力信号及び逆相出力信
号をそれぞれ電圧電流変換してから和をとって不平衡電
流を得る。そして、定常状態では正相出力信号と逆相出
力信号とがバランスして不平衡電流が流れないが、両出
力信号の出力端子が共に地絡又は天絡した場合あるいは
何れか一方が地絡又は天絡した場合には不平衡電流が流
れることを検出して両出力信号の出力を停止する。その
結果、電源電圧に対応した大パワーを出力することがで
き、しかも、地絡に限らず天絡をも検出できるという効
果がある。
発明のオーディオ装置にあっては、そのBTL増幅装置
の保護システムにおいて、正相出力信号及び逆相出力信
号をそれぞれ電圧電流変換してから和をとって不平衡電
流を得る。そして、定常状態では正相出力信号と逆相出
力信号とがバランスして不平衡電流が流れないが、両出
力信号の出力端子が共に地絡又は天絡した場合あるいは
何れか一方が地絡又は天絡した場合には不平衡電流が流
れることを検出して両出力信号の出力を停止する。その
結果、電源電圧に対応した大パワーを出力することがで
き、しかも、地絡に限らず天絡をも検出できるという効
果がある。
【図1】図1は、この発明のオーディオ装置におけるB
TL増幅装置の保護回路の一実施例であり、それを中心
としたブロック図である。
TL増幅装置の保護回路の一実施例であり、それを中心
としたブロック図である。
【図2】図2は、その保護回路における検出部分の具体
的な回路図である。
的な回路図である。
【図3】図3は、従来のオーディオ装置におけるBTL
増幅装置の保護回路を中心としたブロック図である。
増幅装置の保護回路を中心としたブロック図である。
1 アンプ 2 正相側増幅回路 3 逆相側増幅回路 4 スピーカ 5,6 コンパレータ 7 ORゲート 50,60 電圧電流変換回路 70 遮断信号発生回路
Claims (2)
- 【請求項1】入力信号を増幅して正相出力信号を生成し
この正相出力信号を負荷の一端に出力する第1の増幅回
路と、前記正相出力信号に対して同一振幅で位相の反転
している逆相出力信号を前記入力信号から増幅により生
成しこの逆相出力信号を前記負荷の他端に出力する第2
の増幅回路と、前記正相出力信号の電圧とその平均電圧
に相当する第1の基準電圧との電圧差に従う値の第1の
検出電流を出力する第1の電圧電流変換回路と、前記逆
相出力信号の電圧とその平均電圧に相当する第2の基準
電圧との電圧差に従う値の第2の検出電流を出力する第
2の電圧電流変換回路と、第1の検出電流と第2の検出
電流の和として得られる不平衡電流を受けこの不平衡電
流の絶対値が所定値以上のときに遮断信号を発生する遮
断信号発生回路と、を備え、前記遮断信号により前記正
相出力信号及び前記逆相出力信号の出力を停止させるこ
とを特徴とするBTL増幅装置の保護回路。 - 【請求項2】入力信号を増幅して正相出力信号を生成し
この正相出力信号を負荷の一端に出力する第1の増幅回
路と、前記正相出力信号に対して同一振幅で位相の反転
している逆相出力信号を前記入力信号から増幅により生
成しこの逆相出力信号を前記負荷の他端に出力する第2
の増幅回路と、前記正相出力信号の電圧とその平均電圧
に相当する第1の基準電圧との電圧差に従う値の第1の
検出電流を出力する第1の電圧電流変換回路と、前記逆
相出力信号の電圧とその平均電圧に相当する第2の基準
電圧との電圧差に従う値の第2の検出電流を出力する第
2の電圧電流変換回路と、第1の検出電流と第2の検出
電流の和として得られる不平衡電流を受けこの不平衡電
流の絶対値が所定値以上のときに遮断信号を発生する遮
断信号発生回路と、を備え、前記遮断信号により前記正
相出力信号及び前記逆相出力信号の出力を停止させるB
TL増幅装置の保護回路を有するオーディオ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4069609A JP2565818B2 (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | Btl増幅装置の保護回路およびオーディオ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4069609A JP2565818B2 (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | Btl増幅装置の保護回路およびオーディオ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05235651A JPH05235651A (ja) | 1993-09-10 |
JP2565818B2 true JP2565818B2 (ja) | 1996-12-18 |
Family
ID=13407769
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4069609A Expired - Fee Related JP2565818B2 (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | Btl増幅装置の保護回路およびオーディオ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2565818B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2752135B2 (ja) * | 1989-03-16 | 1998-05-18 | 三洋電機株式会社 | 負荷接続状態検出回路 |
-
1992
- 1992-02-19 JP JP4069609A patent/JP2565818B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05235651A (ja) | 1993-09-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |