JP2565332Y2 - 脱臭フィルター、及び脱臭装置 - Google Patents

脱臭フィルター、及び脱臭装置

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JP2565332Y2
JP2565332Y2 JP1992052345U JP5234592U JP2565332Y2 JP 2565332 Y2 JP2565332 Y2 JP 2565332Y2 JP 1992052345 U JP1992052345 U JP 1992052345U JP 5234592 U JP5234592 U JP 5234592U JP 2565332 Y2 JP2565332 Y2 JP 2565332Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、空気を脱臭するものに
係り、特に脱臭効率を著しく向上させることのできる脱
臭フィルター及び脱臭装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、病院・オフィスビル等のように冷
暖房の温度調整を行なっている室内は外気の侵入が少な
くするため極力外気を遮断することが行われている。し
かも、これら病院・オフィスビル等のような場所は、多
数の人間が出入り集合する場所となっており、室内の空
気は汚染されることが多い。このため、病院・オフィス
ビル等のような室内では、種々の場所で室内空気の清浄
化が提唱され空気清浄器が盛んに使われている。この空
気清浄器は、室内の空気を吸い込み空気中の塵埃を静電
気を利用して吸着するものである。
【0003】また、家庭においてもマンション等密閉性
が良くなり、室内空気の汚れる頻度が多くなる。しかも
最近では、庭が狭小であることから室内で犬、猫等の小
動物を飼う家庭が激増し、小動物の細毛が空気中に浮遊
して室内空気の汚れが酷くなっている。このため家庭用
の空気清浄器が盛んに使われ出している。このような空
気汚染状態は、自動車内でも同様である。
【0004】しかし、この空気清浄器は、空気中の塵埃
を吸着するだけで、臭気を取るものではない。室内で
犬、猫等の小動物を飼うことにより小動物の排泄物が臭
気を発し、この臭気が、特に密閉性の良いマンション等
の室内では、室内中に蔓延し、生活に絶えられない場合
が生じる。このため、空気清浄器とは別に空気脱臭器を
用いることが多くなっている。この室内空気の脱臭は、
室内における空気容量が大きいため冷蔵庫内の脱臭を行
う場合のような脱臭剤を冷蔵庫内の片隅に置いておく静
的脱臭法とは異なり、室内空気を脱臭フィルター内を強
制的に流通させて脱臭を行う動的脱臭法が用いられる。
このように室内空気の脱臭においては、動的脱臭法をす
るため、その基本的構成は、主として脱臭フィルターの
前あるいは後にファンなどが設けられており、一方向
(あるいは二方向)から室内空気を吸引する吸引口と一
方向または二方向から脱臭した空気を排気する排気口と
を有している。
【0005】そして、これら室内脱臭用の空気脱臭器
は、従来、図8に示す如く吸引側に脱臭フィルター10
0を取り付け排気側にファン110を設けた一方向吸込
一方向排気型、図9に示す如く吸引側に脱臭フィルター
200を取り付け排気側にファン210を設け二方向に
振り分けて排気する一方向吸込二方向排気型、図10に
示す如く吸引側に2つの脱臭フィルター300、310
を向かい合わせて取り付け脱臭フィルター300、31
0の側面側に設けたファン320によって排気する二方
向吸込一方向排気型、図11に示す如く吸引側に2つの
脱臭フィルター400、410を向かい合わせて取り付
け脱臭フィルター400、410の側面側に設けたファ
ン420によって二方向に振り分けて排気する二方向吸
込二方向排気型の各吸込排気方法がある。これら室内脱
臭用の空気脱臭器に用いられる従来の脱臭フィルター
は、活性炭を通気性を持たせ厚みのある板状に成形した
ものとなっている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】このような従来の室内
脱臭用の空気脱臭器に用いられている脱臭フィルターに
あっては、活性炭を通気性を持たせ厚みのある板状に成
形し、空気をこの脱臭フィルター内を強制的に通して脱
臭を図ろうというものである。しかしながら、従来の室
内脱臭用の空気脱臭器に用いられている脱臭フィルター
にあっては、活性炭を通気性を持たせ厚みのある板状に
成形された脱臭フィルター内に強制的に空気を通しても
充分な脱臭効果が上っていないという問題点を有してい
る。
【0007】また、従来の室内脱臭用の空気脱臭器に用
いられている脱臭フィルターにあっては、1つの脱臭フ
ィルターを取り付け、あるいは2つの脱臭フィルターを
向かい合わせて取り付け、脱臭する空気を一方向または
二方向から吸引して脱臭を行っているため、優れた脱臭
効果を得ることができないという問題点を有している。
【0008】本考案は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、360゜の多方向から吸引できる形状に形成で
き、動的脱臭に優れた脱臭フィルター及び脱臭装置を提
供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、脱臭機能を備えた繊維状イオン交換体を肉厚に形成
するか、脱臭機能を備えた薄布状に成形してなる繊維状
イオン交換体を複数枚積層して所定の厚さに円筒状に形
ことによって脱臭効率を著しく向上させることがで
き、さらに脱臭フィルターを四方八方から吸引できよう
な構造に成形してより一層の脱臭効果を得られるように
したものである。
【0010】すなわち、本願請求項1に係る脱臭フィル
ターは、金属製メッシュを円筒状に設けて第1の保形部
材を形成し、該第1の保形部材の外周面に、脱臭機能を
備えた繊維状イオン交換体を肉厚に形成してなるフィル
ター本体を設け、該フィルター本体の外周を覆うように
金属製メッシュを形成して第2の保形部材を設け、空気
を前記フィルター本体の外周面から前記フィルター本体
内を通し円筒中空部を介して外部に排出することによっ
て該空気の脱臭するようにしたものである。
【0011】また、本願請求項2に係る脱臭フィルター
は、金属製メッシュを円筒状に設けて第1の保形部材を
形成し、該第1の保形部材の外周面に、脱臭機能を備え
た薄布状に成形してなる繊維状イオン交換体を複数枚積
層して所定の厚さに円筒状に形成してなるフィルター本
体を設け、該フィルター本体の外周に金属製メッシュを
円筒状に設けて第2の保形部材を形成し、空気を前記フ
ィルター本体の外周面から前記フィルター本体内を通し
円筒中空部を介して外部に排出することによって該空気
の脱臭するようにしたものである。
【0012】さらに、本願請求項3に係る脱臭装置は、
柱状に形成されたケーシングの内部の略中央に仕切板設
け上部収納スペースと下部収納スペースを形成し、該ケ
ーシングの上部周面に内部に連通する吸入口を、該ケー
シングの下部周面に内部に連通する排気口を設け, 前記
仕切板によって仕切られた該ケーシング内の上部収納ス
ペースには、 金属製メッシュを円筒状に設けて第1の保
形部材を形成し、該第1の保形部材の外周面に、脱臭機
能を備えた繊維状イオン交換体を肉厚に形成してなるフ
ィルター本体又は脱臭機能を備えた薄布状に成形してな
る繊維状イオン交換体を複数枚積層して所定の厚さに円
筒状に形成してなるフィルター本体を設け、該フィルタ
ー本体の外周を覆うように金属製メッシュを形成して第
2の保形部材を設け、前記フィルター本体の一端に円筒
中空部を封止する上部取付具を取り付け、前記フィルタ
ー本体の他端に円筒中空部に連通する開口を具備した下
部取付具を取り付けてなる脱臭フィルターを着脱自在に
収納し, 前記仕切板によって仕切られた該ケーシング内
の下部収納スペースには、 電動モータによって駆動する
ファンを回転することによって前記脱臭フィルターの円
筒中空部の空気を排気口を介して外部に排出して前記吸
入口から前記フィルター本体を通して前記脱臭フィルタ
ーの円筒中空部に吸引する吸引装置を収納し, 前記ケー
シングに前記脱臭フィルターを着脱するための脱着可能
なカバーを取り付けて構成したものである。
【0013】
【作用】本願請求項1に係る脱臭フィルターによると、
脱臭機能を備えた繊維状イオン交換体を肉厚に円筒状に
形成したフィルター本体の外周面全体から空気を吸引
し、フィルター本体の端面のいずれか一方又は二方から
排気する。吸引された空気は、フィルター本体の外周面
から中心の円筒中空部に向かって脱臭機能を備えた繊維
状イオン交換体の目を通って移動する。この吸引された
空気は、脱臭機能を備えた繊維状イオン交換体を少しづ
つ移動していくにしたがって次第に脱臭されていき、排
気口から排気されるときは、完全に脱臭される。また、
本願請求項2に係る脱臭フィルターによると、脱臭機能
を備えた薄布状に成形してなる繊維状イオン交換体を複
数枚積層して所定の厚さに円筒状に形成したフィルター
本体の外周面全体から空気を吸引し、フィルター本体の
端面のいずれか一方又は二方から排気する。吸引された
空気は、フィルター本体の外周面から中心の円筒中空部
に向かって脱臭機能を備えた繊維状イオン交換体の目を
通って移動する。この吸引された空気は、脱臭機能を備
え薄布状に成形された繊維状イオン交換体を1枚ずつ通
過していくにしたがって次第に脱臭されていき、排気口
から排気されるときは、完全に脱臭される。 さらに、本
願請求項3に係る脱臭装置によると、ケーシング内の下
部収納スペースに収納されるファンを回転し、脱臭フィ
ルターの円筒中空部の空気を吸引し、ケーシングの下部
周面に設けられた排気口に送り込む。この脱臭フィルタ
ーの円筒中空部の空気の吸引によって円筒中空部内が負
圧になり、脱臭フィルターの外周面全体から空気が吸引
され、脱臭機能を備えた繊維状イオン交換体によって脱
臭され脱臭フィルターの円筒中空部に抜け、この円筒中
空部を通って排気口から強制排気され、排気口から排気
されるときは、完全に脱臭される。
【0014】
【実施例】以下、本考案の実施例について説明する。図
1には、本考案に係る脱臭装置の一実施例が示されてい
る。
【0015】図において、1は脱臭装置で、空気を吸い
込み脱臭して排気するものである。2はケーシングで、
台3に取り付けられている。4は仕切板で、上部に脱臭
フィルター10を収納する上部収納スペース5を、下部
に吸引装置6を載置する下部収納スペース7を形成して
いる。この仕切板4は、脱臭フィルター10を収納スペ
ース5に収納した際に上部収納スペース5と下部収納ス
ペース7とを隔絶する作用を有している。8はケーシン
グ2に設けられた空気を吸入する吸入口である。9は吸
引装置6のファンで、空気を上部収納スペース5から下
部収納スペース7に吸引するものである。
【0016】11は着脱カバーで、ケーシング2に係合
し、着脱可能に設けられている。12は上部収納スペー
ス5に空気を吸入する吸入口である。13は排気口で、
吸引装置6のファン9を作動させた際に、ケーシング2
の吸入口8から吸入された空気を脱臭フィルター10を
介して脱臭した後に下部収納スペース7に引き込んで排
気する口である。
【0017】14、15は取付具で、脱臭フィルター1
0をケーシング2の上部収納スペース5に装着する際に
用いるものである。16はスイッチで、吸引装置6の電
源を入切するものである。
【0018】図2には、脱臭フィルター10の第1実施
例が示されている。
【0019】21は脱臭フィルター本体で、成型加工が
容易で、吸着速度の速い繊維状のフィルターである。こ
の脱臭フィルター本体21は、例えば、有機系高分子化
合物を短繊維、長繊維、あるいは織布、不織布など任意
の形状に成形し、既に公けにされている方法を用いて繊
維状イオン交換体にしたものである。この脱臭フィルタ
ー本体21は、このような繊維状イオン交換体を肉厚に
成形しドーナツ状に形成したものである。22は金属製
メッシュで、ドーナツ状に形成された脱臭フィルター本
体21の内壁面に取り付けられている。23は金属製メ
ッシュで、ドーナツ状に形成された脱臭フィルター本体
21の外壁面に取り付けられている。したがって、脱臭
フィルター本体21は、金属製メッシュ22、23によ
ってサンドされた状態になっている。この金属製メッシ
ュ22、23は、吸引装置6のファン9が作動して空洞
24内の空気が排気口13から排出され、空洞24内が
負圧になった際に潰れてしまわないように保形性を持た
せるためのものである。また、この脱臭フィルター本体
21は、巻き付けた外周面が脱臭しようとする空気の取
り入れ口となり、すなわち吸引口となる。
【0020】24は脱臭フィルター本体21によって形
成された空洞で、脱臭フィルター本体21に取り入れら
れた空気が脱臭フィルター本体21によって脱臭され、
この脱臭された後の空気が抜けていくための通路の役目
を果たしている。
【0021】したがって、吸引装置6のファン9を作動
させると、空洞24内の空気が排気口13から排出さ
れ、空洞24内が負圧になる。すると、繊維状イオン交
換体を巻き付けて積層した脱臭フィルター本体21の外
周面から外部の空気が吸入口8を介して吸引され始め
る。吸引された空気は脱臭フィルター本体21によって
脱臭されて空洞24内に導かれる。空洞24内に導かれ
た脱臭済の空気は、ファン9によって脱臭フィルター1
0外へ排出され、排気口13から外部に放出される。
【0022】図3には、本考案に係る脱臭フィルターの
第2実施例が示されている。本実施例が図2に図示の第
1実施例と異なる点は、図2に図示の第1実施例が、繊
維状イオン交換体を肉厚に形成してドーナツ状に成形し
て脱臭フィルター本体を構成したのに対し、本実施例
は、短繊維の形状に成形した繊維状イオン交換体を1枚
づつ重ねて合わせて複数枚積層して脱臭フィルター本体
を構成した点である。
【0023】すなわち、図において、10は脱臭フィル
ター、31は繊維状イオン交換体で、薄布状に成形され
た繊維状イオン交換体を1枚づつ重ねて積層しドーナツ
状に形成して構成されている。32は金属製メッシュ
で、ドーナツ状に形成された脱臭フィルター本体31の
内壁面に取り付けられている。この金属製メッシュ32
は、吸引装置6のファン9が作動して空洞33内の空気
が排気口13から排出され、空洞33内が負圧になった
際に潰れてしまわないように保形性を持たせるためのも
のである。この空洞33は、脱臭フィルター本体31に
取り入れられた空気が脱臭フィルター本体31によって
脱臭され、この脱臭された後の空気が抜けていくための
通路の役目を果たしている。
【0024】したがって、吸引装置6のファン9を作動
させると、空洞33内の空気が排気口13から排出さ
れ、空洞33内が負圧になる。すると、繊維状イオン交
換体を巻き付けて積層した脱臭フィルター本体21の外
周面から外部の空気が吸入口8を介して吸引され始め
る。吸引された空気は脱臭フィルター本体21によって
脱臭されて空洞33内に導かれる。空洞33内に導かれ
た脱臭済の空気は、ファン9によって脱臭フィルター1
0外へ排出され、排気口13から外部に放出される。
【0025】図4には、本考案に係る脱臭フィルターの
第3実施例が示されている。本実施例が図2に図示の第
1実施例と異なる点は、図2に図示の第1実施例が、繊
維状イオン交換体を肉厚に形成してドーナツ状に成形し
て脱臭フィルター本体を構成したのに対し、本実施例
は、芯の周りに繊維状イオン交換体を巻き付けて積層し
ていって円筒状又は円柱状に形成した点である。
【0026】すなわち、図において、10は脱臭フィル
ター、41は芯で、繊維状イオン交換体を芯41の周り
に巻き付けて、脱臭フィルター本体42が構成されてい
る。これら各実施例についての特性を示す実験結果が図
5に示されている。図中Aは、外径φ34の円筒メッシ
ュに繊維状イオン交換体を三重に巻き付けて図4の脱臭
フィルター本体21を構成したものである。図中Bは、
外径φ34の円筒メッシュに繊維状イオン交換体を五重
に巻き付けて図4の脱臭フィルター本体21を構成した
ものである。図中Cは、φ55の円板状に形成したもの
で、薄布状に成形された繊維状イオン交換体を4枚重ね
にしたものである。図中Dは、薄布状に成形された繊維
状イオン交換体を6枚折にして2枚重ねにして図3の脱
臭フィルター本体32を構成したものである。図中Eは
放置した状態の各時間に置けるアンモニア濃度を示した
ものである。
【0027】この図5の実験条件は、容器に採ったアン
モニア水と、図5のA、B、C、Dの各脱臭フィルター
を内容量10リットリのガラス容器内に置いて蓋をし、
容器から揮発するアンモニアに対する各脱臭フィルター
の脱臭効果をガラス容器内の残留するアンモニア濃度を
測定することによって調べる(アンモニア検知管による
検知)。これは、アンモニア濃度が低くなることによっ
てアンモニア臭が低下するからである。図5の特性を示
すグラフは、各脱臭フィルターについて所定時間(例え
ば、2分)毎のガラス容器内の残留アンモニア濃度を測
定しプロットして曲線グラフにしたものである。
【0028】図5のA、B、C、Dの各脱臭フィルター
のそれぞれについて実験開始直後ガラス容器内のアンモ
ニア濃度が上昇していくのは、次の理由による。すなわ
ち、実験開始直後は、空気中にはアンモニアが全くない
ので容器からアンモニアが大量に揮発して空気中に混入
していく。この揮発されたアンモニアは、各脱臭フィル
ターによって吸着(静的吸着)されていくが各脱臭フィ
ルターによる吸着速度よりアンモニアの揮発速度の方が
早いためガラス容器内の残留アンモニア濃度が上昇して
いく。実験開始後、10分前後で各脱臭フィルターによ
るアンモニア吸着速度とアンモニアの揮発速度とがほぼ
同じになり、この時点から各脱臭フィルターによるアン
モニア吸着速度がアンモニアの揮発速度より速くなるた
めガラス容器内の残留アンモニア濃度が下降していく。
実験開始後20分でファンを作動させてガラス容器内の
アンモニア混合気体を各脱臭フィルター内に送り込み、
各脱臭フィルター内を通過させ各脱臭フィルターによっ
て吸着(動的吸着)させる。ファンを作動させることに
よってアンモニアの吸着速度が急激に上昇し、ファン作
動後3〜7分で5ppm前後にまでガラス容器内の残留
アンモニア濃度を低下させることができる。
【0029】図6、図7に脱臭材重量を違えて従来例と
本考案のアンモニア吸着特性試験結果が示されている。
図6には、縦70mm、横43mm、厚さ10mmの板
形状に形成し、脱臭材の重量が60gの従来の脱臭フィ
ルターについて、アンモニアが飽和状態になっている気
体を内容量10リットリのガラス容器内に充満させ、脱
臭フィルターによって動的脱臭させたときの脱臭特性
(アンモニア検知管によるガラス容器内に残留するアン
モニア濃度測定結果)が示されている。図6に図示のP
1 は、1回目の脱臭特性を示すものである。P2 は、1
0回目の脱臭特性を示すものである。この10回目の脱
臭特性というのは、1つの脱臭フィルターを1回目の実
験条件と同じ条件下で2回、3回、・・・と繰り返して
いき10回目に採った特性ということである。P3 は、
20回目の脱臭特性を示すものである。この20回目の
脱臭特性というのは、1つの脱臭フィルターを1回目の
実験条件と同じ条件下で2回、3回、・・・と繰り返し
ていき20回目に採った特性ということである。
【0030】図7には、外径φ26の円筒メッシュに幅
70mmの繊維状イオン交換体を五重に巻き付けて脱臭
フィルターの外径をφ46にした総重量8.8gの本考
案の脱臭フィルターについて、アンモニアが飽和状態に
なっている気体を内容量10リットリのガラス容器内に
充満させ、脱臭フィルターによって動的脱臭させたとき
の脱臭特性(アンモニア検知管によるガラス容器内に残
留するアンモニア濃度測定結果)が示されている。図7
に図示のQ1 は、1回目の脱臭特性を示すものである。
2 は、50回目の脱臭特性を示すものである。この5
0回目の脱臭特性というのは、1つの脱臭フィルターを
1回目の実験条件と同じ条件下で2回、10回、20回
・・・と繰り返していき50回目に採った特性というこ
とである。Q3 は、60回目の脱臭特性を示すものであ
る。この60回目の脱臭特性というのは、1つの脱臭フ
ィルターを1回目の実験条件と同じ条件下で2回、10
回、20回、・・・と繰り返していき60回目に採った
特性ということである。
【0031】図6をみると、P1 の1回目は使用開始
後、約20分ぐらいで検出アンモニア濃度が0ppmと
下がっているが、P2 の10回目になると、残留アンモ
ニア濃度が約70ppmまで下降すると60分経過して
も残留アンモニア濃度が下らない。すなわち、従来の脱
臭フィルターでは、約70ppmより残留アンモニア濃
度を下げることができない。さらに、P3 の20回目に
なると、残留アンモニア濃度が約105ppmまで下降
すると60分経過しても残留アンモニア濃度がまったく
下らない。すなわち、従来の脱臭フィルターでは、約1
05ppmより残留アンモニア濃度を下げることができ
ない。従来の脱臭フィルターは、同一の脱臭フィルター
を繰り返し使用する場合、20回目に達すると100p
pm以上の残留アンモニア濃度を検出してしまう。
【0032】これに対し、図7をみると、Q1 の1回目
は使用開始後約20分くらいで検出アンモニア濃度が0
ppmと下がっている。Q2 の50回目は、使用開始と
同時に脱臭効果が作用しQ1 の1回目よりやや特性は落
ちるものの使用開始後約25分くらいで検出アンモニア
濃度が0ppmと下がる。また、Q3 の60回目は、使
用開始と同時に脱臭効果が作用しQ2 の50回目よりや
や特性は落ちるものの使用開始後約30分くらいで検出
アンモニア濃度が0ppmと下がる。
【0033】このように本考案の脱臭フィルターは、脱
臭材の重量を60gも使用した従来の脱臭フィルターに
比して、脱臭材の重量に相当する脱臭フィルターの重量
が僅か8.8gと極めて少ないにも拘らず、繰り返し使
用して60回目になっても脱臭フィルター使用開始後遅
くとも30分間以内に検出アンモニア濃度を0ppmま
で下げることができる。これに対し従来の脱臭フィルタ
ーは、僅か10回目で検出アンモニア濃度を70ppm
にまでしか下げることができない。
【0034】
【考案の効果】本考案は、上述の通り構成されているの
で、次に記載する効果を奏する。
【0035】請求項1に記載の考案によれば、360゜
多方向から吸引できる形状に形成でき、動的脱臭に優
れた脱臭効果を得ることができる。
【0036】請求項2に記載の考案によれば、360゜
多方向から吸引できる形状に形成することができ、脱
臭効率を低下させることなく動的脱臭に優れた効果を発
揮することができる。
【0037】請求項3に記載の考案によれば、360゜
の多方向から吸引できる形状に形成することができ、脱
臭効率を低下させることなく動的脱臭に優れた効果を発
揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る脱臭フィルターを取り付ける脱臭
装置の分解斜視図である。
【図2】本考案に係る脱臭フィルターの第1実施例を示
す斜視図である。
【図3】本考案に係る脱臭フィルターの第2実施例を示
す斜視図である。
【図4】本考案に係る脱臭フィルターの第3実施例を示
す斜視図である。
【図5】図2、図3、図4に図示の各実施例の脱臭特性
図である。
【図6】従来の脱臭フィルターを繰り返し使用したとき
の脱臭特性図である。
【図7】本考案に係る脱臭フィルターを繰り返し使用し
たときの脱臭特性図である。
【図8】従来の脱臭フィルターの基本構成図である。
【図9】従来の脱臭フィルターの別名基本構成図であ
る。
【図10】従来の脱臭フィルターの他の基本構成図であ
る。
【図11】従来の脱臭フィルターの異なる基本構成図で
ある。
【符号の説明】
6……………………………………………………………脱
臭装置 9……………………………………………………………フ
ァン 10…………………………………………………………脱
臭フィルター 21,31,42…………………………………………脱
臭フィルター本体 24,33…………………………………………………空
洞 41…………………………………………………………芯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−315126(JP,A) 特開 昭53−43676(JP,A) 特開 昭55−124515(JP,A) 実開 平3−26310(JP,U) 実開 平1−148725(JP,U) 実開 昭58−100020(JP,U) 実開 昭58−31015(JP,U) 実開 昭52−15063(JP,U) 国際公開92/5860(WO,A)

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製メッシュを円筒状に設けて第1の
    保形部材を形成し、該第1の保形部材の外周面に、脱臭
    機能を備えた繊維状イオン交換体を肉厚に形成してなる
    フィルター本体を設け、該フィルター本体の外周を覆う
    ように金属製メッシュを形成して第2の保形部材を設
    け、空気を前記フィルター本体の外周面から前記フィル
    ター本体内を通し円筒中空部を介して外部に排出するこ
    とによって該空気の脱臭するようにしたことを特徴とす
    脱臭フィルター。
  2. 【請求項2】 金属製メッシュを円筒状に設けて第1の
    保形部材を形成し、該第1の保形部材の外周面に、脱臭
    機能を備えた薄布状に成形してなる繊維状イオン交換体
    を複数枚積層して所定の厚さに円筒状に形成してなるフ
    ィルター本体を設け、該フィルター本体の外周に金属製
    メッシュを円筒状に設けて第2の保形部材を形成し、空
    気を前記フィルター本体の外周面から前記フィルター本
    体内を通し円筒中空部を介して外部に排出することによ
    って該空気の脱臭するようにしたことを特徴とする脱臭
    フィルター。
  3. 【請求項3】 柱状に形成されたケーシングの内部の略
    中央に仕切板設け上部収納スペースと下部収納スペース
    を形成し、該ケーシングの上部周面に内部に連通する吸
    入口を、該ケーシングの下部周面に内部に連通する排気
    口を設け, 前記仕切板によって仕切られた該ケーシング内の上部収
    納スペースには、 金属製メッシュを円筒状に設けて第1の保形部材を形成
    し、該第1の保形部材の外周面に、脱臭機能を備えた繊
    維状イオン交換体を肉厚に形成してなるフィルター本体
    又は脱臭機能を備えた薄布状に成形してなる繊維状イオ
    ン交換体を複数枚積層して所定の厚さに円筒状に形成し
    てなるフィルター本体を設け、該フィルター本体の外周
    を覆うように金属製メッシュを形成して第2の保形部材
    を設け、前記フィルター本体の一端に円筒中空部を封止
    する上部取付具を取り付け、前記フィルター本体の他端
    に円筒中空部に連通する開口を具備した下部取付具を取
    り付けてなる脱臭フィルターを着脱自在に収納し, 前記仕切板によって仕切られた該ケーシング内の下部収
    納スペースには、 電動モータによって駆動するファンを回転することによ
    って前記脱臭フィルターの円筒中空部の空気を排気口を
    介して外部に排出して前記吸入口から前記フィ ルター本
    体を通して前記脱臭フィルターの円筒中空部に吸引する
    吸引装置を収納し, 前記ケーシングに前記脱臭フィルターを着脱するための
    脱着可能なカバーを取り付けて構成したことを特徴とす
    る脱臭装置。
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