JP2565243Y2 - 鮎の友釣用補助具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、鮎の友釣に用いられる
鼻鐶若しくは背鐶と称される補助具に関し、特に寸法精
度が高く、おとり鮎が外れ難いとともに、その製造が極
めて容易な鮎の友釣用補助具に関する。

【０００２】

【従来の技術】鮎の友釣と称される魚釣方法にあって
は、一端を釣り糸に固定された鼻鐶若しくは背鐶と称さ
れる補助具の鉤部を、生きた鮎の鼻や背に通しておとり
鮎を釣りの仕掛けに止着し、この補助具からおとり鮎の
周辺に釣針を仕掛けておく。そして、おとり鮎を他の鮎
の縄張に侵入させ、これにより縄張を侵すおとり鮎に体
当たりして攻撃する鮎の習性を利用し、鮎を釣針に引掛
けて釣り上げるものである。

【０００３】この従来の鮎の友釣に用いられる補助具と
しては、図４に示すごとく、圧縮コイルスプリング１１
の一端を開放端とし他端を略Ｕ字状の鉤部１２の開口端
に巻き付けた上で接着し、圧縮コイルスプリング１１が
鉤部１２の開口部を撓曲自在に閉塞する補助具１０が存
在している。１３は、釣り糸を繋止するための環状部で
ある。

【０００４】そして、釣りの仕掛けを作る際には、圧縮
コイルスプリング１１は撓曲して容易に鉤部１２がおと
り鮎の鼻孔に係合するとともに、一旦鮎の鼻孔に係合し
た鉤部１２は圧縮コイルスプリング１１が鉤部１２の開
口部を閉塞することにより、容易に外れないものであ
る。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の鮎の友釣用補助具１０は、その製造工程におい
て線材を手作業で曲げ加工し、さらに圧縮コイルスプリ
ング１１を鉤部１２に巻き付けた上で、この巻き付けた
圧縮コイルスプリング１１部分に接着剤１４を塗布して
固定している。

【０００６】したがって、鉤部の寸法がばらついたり、
鉤部と圧縮コイルスプリングの係合状態が一定せずに、
補助具の鮎に対する装着の程度にばらつきが生じておと
り鮎が仕掛けから外れる虞れがあった。また、鉤部に巻
き付けられた圧縮コイルスプリングは、開口部を閉塞す
る方向に位置すべく、その中途部分を無理に伸張させら
れていることから、使用中に多少無理な力が圧縮コイル
スプリングに加わると、圧縮コイルスプリングの中途部
分が塑性変形して鉤部の開口部からずれて、おとり鮎が
仕掛けから外れる虞れもあった。さらに、この補助具の
製造にあっても鉤部にたいする圧縮コイルスプリングの
巻き付けと接着に多大な手間と時間を要し、これにより
精度良くしかも廉価な補助具を提供することができなか
った。

【０００７】そこで、本考案にあっては、寸法精度が高
く、おとり鮎が外れ難いとともに、その製造が極めて容
易な鮎の友釣用補助具を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上述した目的を達成すべ
く、本考案の鮎の友釣用補助具は、釣り糸に固定される
環状部とおとり鮎の鼻もしくは背を通す略Ｕ字状の鉤部
と、該Ｕ字状の鉤部の開口端の一方端部に突設されネジ
状の凹凸部を外周に形成した突出部からなる鮎の友釣用
補助具は、金属板材をレーザー加工機で切断加工するこ
とにより一体的に形成するとともに、前記突出部に形成
されたネジ状の凹凸部に前記鉤部の開口部を略閉塞する
長さを有する圧縮コイルスプリングの一端を螺着すべ
く、前記突出部の幅径を前記圧縮コイルスプリングの内
径と略同等とし、さらに突出部における凹凸部の間隔は
前記圧縮コイルスプリングのピッチと略同一間隔にて形
成したことを特徴とするものである。

【０００９】

【作用】釣り糸に固定される環状部とおとり鮎の鼻もし
くは背を通す略Ｕ字状の鉤部と、該Ｕ字状の鉤部の開口
端の一方端部に突設されネジ状の凹凸部を外周に形成し
た突出部からなる鮎の友釣用補助具は、金属板材をレー
ザー加工機で切断加工することにより一体的に形成する
とともに、前記突出部に形成されたネジ状の凹凸部に前
記鉤部の開口部を略閉塞する長さを有する圧縮コイルス
プリングの一端を螺着すべく、前記突出部の幅径を前記
圧縮コイルスプリングの内径と略同等とし、さらに突出
部における凹凸部の間隔は前記圧縮コイルスプリングの
ピッチと略同一間隔にて形成したことで、圧縮コイルス
プリングを突出部にねじ込むだけでスプリングの各巻線
が突出部の凹凸部に密着して係合することから、圧縮コ
イルスプリングは突出部に対し容易且つ堅固に固着さ
れ、鉤部の開口部を常に確実に閉塞する。

【００１０】さらには、金属板体をレーザー加工機で切
断加工することにより本考案の鮎の友釣用補助具を一体
的に形成することから、圧縮コイルスプリングを螺着す
るための突出部、さらにこの突出部外形に形成され、最
大径１０ｍｍ程度の本考案における鮎の友釣用補助具に
対し僅か０．１ｍｍあるかないかという微小な高さの凹
凸部を精度良くしかも容易に形成することができる。

【００１１】

【実施例】図１は、本考案の鮎の友釣用補助具の正面
図、図２は本考案の鮎の友釣用補助具における鉤部の正
面図、図３は本考案の鮎の友釣用補助具の使用状態を示
す説明図である。

【００１２】図中１は本考案の鮎の友釣用補助具であ
り、２はステンレス鋼等からなる略Ｕ字状の鉤部、３は
一端を開放端とし、他端を鉤部２の開口端の一方端部に
突設された突出部４に係合してなる圧縮コイルスプリン
グである。５は、釣り糸を繋止するための環状部であ
る。

【００１３】突出部４は、その外径寸法を圧縮コイルス
プリング３の内径と略同等とし、その外周には圧縮コイ
ルスプリング３のピッチと略同等のネジ状の凹凸部４ａ
が形成されている。そして、この突出部４の凹凸部４ａ
に圧縮コイルスプリング３の一端を当接させ、回転させ
ながら押し込むと、圧縮コイルスプリング３端部の各巻
線内方部分が螺筒の作用を発揮して凹凸部４ａに係合す
るものである。

【００１４】上述した構成からなる本考案の鮎の友釣用
補助具１の製造方法にあっては、環状部５及びネジ状の
凹凸部４ａを外周に形成した突出部４を有する鉤部２
は、ステンレス鋼等からなる薄板を、レーザー加工機等
のコンピューター制御された精密加工装置を用いて切断
加工することにより一体的に形成するものである。

【００１５】なぜなら、従来の線材を曲げ加工する製造
方法にあっては、本考案における凹凸部４ａを備えた突
出部４を形成することは不可能であり、またプレス加工
方法を用いたとしても、最大径１０ｍｍ程度の補助具１
における僅か０．１ｍｍあるかないかという微小な高さ
の凹凸部４ａを形成することも、これまた不可能なこと
であるからである。

【００１６】そして、このような本考案の鮎の友釣用補
助具１の使用方法としては、図３に示すように、釣り糸
６に繋止された補助具１において圧縮コイルスプリング
３を撓曲させつつ鉤部２の先端を鮎７の鼻孔に通すこと
により、極めて容易且つ確実に鮎７を仕掛けに止着する
ことができるものであり、圧縮コイルスプリング３を多
少手荒に撓曲させても、突出部４の方向に倣って鉤部２
開口部を確実に閉塞する。

【００１７】尚、上述した実施例にあっては、所謂鼻鐶
について説明したが、勿論鉤部の先端部分を尖鋭に形成
して背鎧としてもよいものである。

【００１８】また、特に図示しないが、圧縮コイルスプ
リング３が係合する突出部４部分に接着剤等を塗布して
圧縮コイルスプリング３の離脱をさらに確実に防止して
もよいことは勿論である。

【００１９】

【考案の効果】以上詳述した如く、本考案の鮎の友釣用
補助具によれば、突出部に形成されたネジ状の凹凸部に
鉤部の開口部を略閉塞する長さを有する圧縮コイルスプ
リングの一端を螺着すべく、突出部の幅径を圧縮コイル
スプリングの内径と略同等とし、さらに突出部における
凹凸部の間隔は圧縮コイルスプリングのピッチと略同一
間隔にて形成したことで、従来の補助具の圧縮コイルス
プリングの如く巻き付けたり接着することなく、圧縮コ
イルスプリングを突出部にねじ込むだけでスプリングの
各巻線が突出部の凹凸部に密着して係合することから、
圧縮コイルスプリングは突出部に対し容易且つ堅固に固
着され、且つスプリングはその中途部分を無理に伸張さ
せられることもないことから、鉤部の開口部を常に確実
に閉塞しておとり鮎を一層外れ難くするものである。

【００２０】さらに鮎の友釣という緻密な仕掛けからな
る独特の釣りに供され、繊細な加工を要求されるこの種
鮎の友釣用補助具における環状部及びネジ状の凹凸部を
外周に形成した突出部を有する鉤部は、線材の曲げ加工
及びプレス加工にては不可能であったが、本考案にあっ
てはレーザー加工機等の精密加工装置を用いて金属板体
を切断加工して一体的に形成したことから、寸法精度が
極めて高く、ばらつきも生じるおそれはなく、おとり鮎
が外れ難く且つその製造が極めて容易となり、この種鮎
の友釣用補助具に要求される諸条件を全て充足すること
が可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の鮎の友釣用補助具の正面図である。

【図２】本考案の鮎の友釣用補助具における鉤部の正面
図である。

【図３】本考案の鮎の友釣用補助具の使用状態を示す説
明図である。

【図４】従来の鮎の友釣用補助具の正面図である。

【符号の説明】

１ 補助具 ２ 鉤部 ３ 圧縮コイルスプリング ４ 突出部 ４ａ 凹凸部 ５ 環状部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 釣り糸に固定される環状部とおとり鮎の
   鼻もしくは背を通す略Ｕ字状の鉤部と、該Ｕ字状の鉤部
   の開口端の一方端部に突設されネジ状の凹凸部を外周に
   形成した突出部からなる鮎の友釣用補助具は、金属板材
   をレーザー加工機で切断加工することにより一体的に形
   成するとともに、前記突出部に形成されたネジ状の凹凸
   部に前記鉤部の開口部を略閉塞する長さを有する圧縮コ
   イルスプリングの一端を螺着すべく、前記突出部の幅径
   を前記圧縮コイルスプリングの内径と略同等とし、さら
   に突出部における凹凸部の間隔は前記圧縮コイルスプリ
   ングのピッチと略同一間隔にて形成したことを特徴とす
   る鮎の友釣用補助具。