JP2564722B2 - ガス燃焼装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、必要燃焼量に応じてガ
バナ比例弁と温調用電磁弁とを制御するガス燃焼装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】ガバナ比例弁と温調用電磁弁とを連設し
てなるガス供給路の下流に第一バーナを設け、ガバナ比
例弁と温調用電磁弁との間で分岐する副ガス供給路の下
流に第二バーナを設け、大燃焼量が必要な場合に温調用
電磁弁を開弁し、小燃焼量で良い場合は温調用電磁弁を
閉弁する事により、厳冬期に広い室内を充分に暖房で
き、かつ小暖房能力時でも正確な必要燃焼量が得られる
ＦＦ式暖房機が知られている。このＦＦ式暖房機は、具
体的には図３に示す様に、ガス流速（＝必要燃焼量）
が、例えば、３速から４速の必要流速に移行する場合、
温調用電磁弁を開弁すると同時に比例弁電流を一旦最低
値（４速における電流値）に向かって減少させている。
また、ガス流速（＝必要燃焼量）が４速から３速の必要
流速に移行する場合、温調用電磁弁を閉弁すると同時に
ガバナ比例弁電流を一旦最大値（３速における電流値）
に向かって増加させ、その後、必要流速に見合う値に減
少させている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ＦＦ式暖房機では、バ
ーナに燃焼用空気を供給する送風機が備えられており、
この送風機は回転数が指示されてから目標回転数になる
まで、機構上、多少時間がかかるため、ガスの供給量を
制御するガバナ比例弁は、送風機の回転数に合う様に徐
々に開度を変化させていく必要がある。また、上記送風
機がないものにおいても、燃焼量を変化させる時は、燃
焼状態を安定させる為、ガバナ比例弁の開度を徐々に変
化させていくことが好ましい。更に、一般にガバナ比例
弁は、機構上においても、目標の開度になるまで、若干
時間がかかるものである。このため、ガス流速を３速か
ら４速または４速から３速にさせる時に、ガバナ比例弁
への指示とともに、温調用電磁弁を開弁または閉弁させ
ると、３速から４速に変化させる場合は、電磁弁の開動
作に比べガバナ比例弁の開度減少が遅れるので、短時
間、ガスリッチとなって不完全燃焼を起こし、４速から
３速にさせる場合は、電磁弁の閉動作に比べガバナ比例
弁の開度増加が遅れるので、短時間、エアーリッチとな
って失火が生じ易くなる。本発明の目的は、必要燃焼量
に応じてガバナ比例弁と、温調用電磁弁とを制御する形
式のガス燃焼装置において、温調用電磁弁の切り替え時
に燃焼異常を起きない様にする事にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為、
本発明は、比例弁電流に見合う二次圧が発生するガバナ
比例弁に、温調用電磁弁を連設してなるガス供給路の下
流に設けられた第一バーナと、前記ガバナ比例弁と温調
用電磁弁との間で分岐する副ガス供給路の下流に設けら
れた第二バーナと、必要燃焼量に応じて前記温調用電磁
弁の開閉を行うとともに、前記必要燃焼量が所定量以下
の場合は前記第二バーナだけで必要燃焼量が得られる様
に前記ガバナ比例弁に通電し、前記必要燃焼量が所定量
を越える場合は両バーナで前記必要燃焼量が得られる様
に前記ガバナ比例弁に通電する燃焼制御手段とを備える
ガス燃焼装置において、前記燃焼制御手段は、前記必要
燃焼量が前記所定量を越えて大燃焼量側に移行する場合
には、前記ガバナ比例弁に流す比例弁電流を前記必要燃
焼量の増加に応じて増やしていき、必要燃焼量が前記所
定量を越えた時点で比例弁電流を一旦下降させていくと
ともに下降途中で検出比例弁電流が所定値に低下すると
前記温調用電磁弁を開弁し、また、前記必要燃焼量が前
記所定量を下回って小燃焼量側に移行する場合には、前
記ガバナ比例弁に流す比例弁電流を前記必要燃焼量の減
少に応じて減らしていき、必要燃焼量が前記所定量を下
回った時点で比例弁電流を一旦上昇させていくとともに
上昇途中で検出比例弁電流が所定値に増加すると前記温
調用電磁弁を閉弁する。

【０００５】

【作用】必要燃焼量が小燃焼量側から所定量を越えて大
燃焼量側に移行する場合、必要燃焼量が所定量に達する
迄は、必要燃焼量の増加に応じてガバナ比例弁に流す比
例弁電流を増やしていき、必要燃焼量が所定量を越えた
時点で比例弁電流を一旦下降させていき、この下降途中
で、検出比例弁電流が所定値に低下する（ガスリッチ
側）と温調用電磁弁を開弁する。そして、温調用電磁弁
を開弁保持した状態で比例弁電流を必要燃焼量に見合っ
た値に増加させる。必要燃焼量が大燃焼量側から所定量
を下回って小燃焼量側に移行する場合、必要燃焼量が所
定量に達する迄は、必要燃焼量の減少に応じてガバナ比
例弁に流す比例弁電流を減らしていき、必要燃焼量が所
定量を下回った時点で比例弁電流を一旦上昇させてい
き、この上昇途中で、検出比例弁電流が所定値に増加す
る（エアーリッチ側）と温調用電磁弁を閉弁する。そし
て、温調用電磁弁を閉弁保持した状態で比例弁電流を必
要燃焼量に見合った値に減少させる。

【０００６】

【発明の効果】必要燃焼量が小燃焼量側から所定量を越
えて大燃焼量側に移行する場合には、ガバナ比例弁の開
度減少タイミングと温調用電磁弁の開動作とが略整合し
て過度なガスリッチが防止でき、必要燃焼量が大燃焼量
側から所定量を下回って小燃焼量側に移行する場合に
は、ガバナ比例弁の開度増加タイミングと温調用電磁弁
の閉動作とが略整合して過度なエアーリッチが防止でき
る。このため、必要燃焼量に応じて温調用電磁弁の開閉
を行うとともに、必要燃焼量が所定量以下の場合は第二
バーナだけで必要燃焼量が得られる様にガバナ比例弁に
通電し、必要燃焼量が所定量を越える場合は両バーナで
必要燃焼量が得られる様にガバナ比例弁に通電するガス
燃焼装置において、温調用電磁弁の切り替え時に発生し
易かった燃焼異常が防止できる。

【０００７】

【実施例】本発明の一実施例を図１および図２に基づい
て説明する。図１に示す様に、ＦＦ式暖房機Ａは、上流
側より、第一電磁弁１１、第二電磁弁１２、ガバナ比例
弁１３、および温調用電磁弁１４を連設してなるガス供
給路２の下流に設けられる第一バーナ３と、ガバナ比例
弁１３と温調用電磁弁１４との間で分岐する副ガス供給
路２１の下流に設けられる第二バーナ４と、温調用電磁
弁１４の開閉、ガバナ比例弁１３、燃焼用ファン５１、
対流用ファン５２への通電、スパーク電極５３の作動等
を制御する燃焼制御器６とを有する。尚、１１０は室内
空気Ｓと燃焼ガスＮとが熱交換する熱交換器、１２０は
燃焼ガスを室外に排出する排気ダクト、５４はサーモカ
ップル、７１は運転スイッチ、７２は室温設定器であ
る。

【０００８】ガバナ比例弁１３は、比例弁電流を流す
と、該比例弁電流に見合う二次圧が発生する弁である。
温調用電磁弁１４は、通電により開弁する弁であり、開
弁すると第一バーナ３にガスが供給され、この結果、第
一バーナ３及び第二バーナ４にガスが供給され、閉弁す
ると第一バーナ３へのガス供給が停止し、第二バーナ４
のみにガスが供給される。

【０００９】第一バーナ３は、燃焼室１００の下方外周
側に配設された燃焼プレートにより構成され、必要燃焼
量が所定量を越える場合に温調用電磁弁１４が開弁し、
ガスが供給されて燃焼する。第二バーナ４は、燃焼室１
００の下方内周側に配設された燃焼プレートにより構成
され、必要燃焼量が所定量以下の場合、即ち、温調用電
磁弁１４が閉弁していても第一電磁弁１１及び第二電磁
弁１２が開弁していればガスが供給されて燃焼する。

【００１０】燃焼用ファン５１は、モータ５１１および
羽根５１２を備えるとともに、燃焼制御器６により、後
述する必要燃焼量に基づく電流が流されて回転し、室内
空気Ｓを吸引して混合室３１、４１に供給する。対流用
ファン５２は、モータ５２１および羽根５２２を備える
とともに、燃焼制御器６により、後述する必要燃焼量に
基づく電流が流されて回転し、室内空気Ｓを吸引して温
風気流Ｋを発生させる。

【００１１】燃焼制御器６は、マイクロコンピュータ６
１を備え、サーミスタ（図示せず）により検出される室
温と室温設定器７２で設定される目標値との差に基づい
て演算した必要燃焼量（ガス流速が１速〜８速）に応じ
て温調用電磁弁１４の開閉、及びガバナ比例弁１３の制
御を行う。例えば、ガス流速が１速〜３速迄は、温調用
電磁弁１４が閉弁するとともに、第二バーナ４だけで必
要燃焼量が得られる様にガバナ比例弁１３に通電し、ガ
ス流速が４速以上の場合は、温調用電磁弁１４が開弁す
るとともに両バーナで必要燃焼量が得られる様にガバナ
比例弁１３に通電する。尚、所定量は、本実施例の場
合、燃焼量が増加する時は３速のガス流速であり、燃焼
量が減少する時は４速のガス流速である。

【００１２】本実施例における、温調用電磁弁１４の切
り替えの詳細を、図２とともに説明する。 （ａ）必要燃焼量が増加する場合 マイクロコンピュータ６１が、ガス流速（＝必要燃焼
量）を１速〜３速の何れかに指定した場合は、温調用電
磁弁１４が閉弁状態に維持され、第二バーナ４だけで必
要燃焼量が得られる様な通電電流がガバナ比例弁１３に
流される。ガス流速が３速の場合において、マイクロコ
ンピュータ６１が４速を指定した場合は、該指定があっ
た時点で比例弁電流を最低値（４速における電流値）に
向かって減少させ、比例弁電流が下降する途中で、検出
比例弁電流が所定値に低下すると温調用電磁弁１４を開
弁する。 （ｂ）必要燃焼量が減少する場合 マイクロコンピュータ６１が、ガス流速を４速〜８速の
何れかを指定した場合は、温調用電磁弁１４が開弁状態
に維持され、両バーナにより必要燃焼量が得られる様な
通電電流がガバナ比例弁１３に流される。ガス流速が４
速の場合において、マイクロコンピュータ６１が３速を
指定した場合は、その指定があった時点で比例弁電流が
最大値（３速における電流値）に向かって増大させ、比
例弁電流が上昇する途中で、検出比例弁電流が所定値に
上昇すると温調用電磁弁１４を閉弁する。

【００１３】つぎに、ＦＦ式暖房機Ａの利点を述べる。 （ア）ガス流速が３速から４速に移行する場合には、ガ
バナ比例弁１３の開度減少タイミングと温調用電磁弁１
４の開動作とが略整合してガスリッチが防止できる。
又、ガス流速が４速から３速に移行する場合には、ガバ
ナ比例弁１３の開度増大タイミングと温調用電磁弁１４
の閉開動作とが整合してエアーリッチが防止できる。こ
のため、温調用電磁弁１４の切り替え時に発生し易かっ
た燃焼異常が防止できる。 （イ）マイクロコンピュータ６１がガス流速を３速から
４速、または４速から３速に切り替え指示を出した後、
検出比例弁電流が所定値に、減少・上昇した時に温調用
電磁弁１４を開弁または閉弁させるという簡単な構成で
あるので、コストを著しく増大させない。

【００１４】本発明は、上記実施例以外に、つぎの実施
態様を含む。ａ． 上記実施例では、第一バーナは２本、第二バーナは
１本であるが、各バーナの本数は任意である。ｂ． 比例弁電流の減少時と増大時において、温調用電磁
弁を開弁・閉弁する為の検出比例弁電流（所定値）をそ
れぞれ異なる様にしても良い。ｃ． 上記実施例では、ガス流速は８ステップの分散値で
あるが、連続的に変えても良い。ｄ． 上記実施例では、ガス燃焼装置はＦＦ式暖房機であ
るが、本発明の構成を、ガス給湯器、ガス炊飯器、ガス
調理器、ガスストーブ、ガスオーブン、ガス乾燥機など
に応用しても良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例にかかるＦＦ式暖房機の構造
説明図である。

【図２】その暖房機において、ガバナ比例弁のガス流速
- 比例弁電流特性と温調用電磁弁のガス流速- 閉開弁特
性との関係を示すグラフである。

【図３】従来のＦＦ式暖房機において、ガバナ比例弁の
ガス流速- 比例弁電流特性と温調用電磁弁のガス流速-
閉開弁特性との関係を示すグラフである。

【符号の説明】

Ａ ＦＦ式暖房機（ガス燃焼装置） ２ ガス供給路 ３ 第一バーナ ４ 第二バーナ ６ 燃焼制御器（燃焼制御手段） １３ ガバナ比例弁 １４ 温調用電磁弁 ２１ 副ガス供給路

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 比例弁電流に見合う二次圧が発生するガ
   バナ比例弁に、温調用電磁弁を連設してなるガス供給路
   の下流に設けられた第一バーナと、 前記ガバナ比例弁と温調用電磁弁との間で分岐する副ガ
   ス供給路の下流に設けられた第二バーナと、 必要燃焼量に応じて前記温調用電磁弁の開閉を行うとと
   もに、前記必要燃焼量が所定量以下の場合は前記第二バ
   ーナだけで必要燃焼量が得られる様に前記ガバナ比例弁
   に通電し、前記必要燃焼量が所定量を越える場合は両バ
   ーナで前記必要燃焼量が得られる様に前記ガバナ比例弁
   に通電する燃焼制御手段とを備えるガス燃焼装置におい
   て、 前記燃焼制御手段は、前記必要燃焼量が前記所定量を越
   えて大燃焼量側に移行する場合には、前記ガバナ比例弁
   に流す比例弁電流を前記必要燃焼量の増加に応じて増や
   していき、必要燃焼量が前記所定量を越えた時点で比例
   弁電流を一旦下降させていくとともに下降途中で検出比
   例弁電流が所定値に低下すると前記温調用電磁弁を開弁
   し、 また、前記必要燃焼量が前記所定量を下回って小燃焼量
   側に移行する場合には、前記ガバナ比例弁に流す比例弁
   電流を前記必要燃焼量の減少に応じて減らしていき、必
   要燃焼量が前記所定量を下回った時点で比例弁電流を一
   旦上昇させていくとともに上昇途中で検出比例弁電流が
   所定値に増加すると前記温調用電磁弁を閉弁することを
   特徴とするガス燃焼装置。