JP2564382Y2 - 土詰装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、育苗用トレイに培養土
を自動的に土詰めする土詰装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の土詰装置は育苗用トレイを搬送
する搬送コンベアの上方に培養土を挿入した供給ホッパ
ーを配設したものであり、一般的に、供給ホッパーに振
動モーターを装備したもの、供給ホッパーに排出ローラ
ーと排出口調整板を装備したものが使用されている。

【０００３】振動モーターを装備したものは、振動モー
ターにより供給ホッパーを振動させて供給ホッパー内で
培養土を流動させ、排出口より適量の培養土を育苗用ト
レイ上に落下させるものである。一方、排出ローラーと
排出口調整板を装備したものは、排出ローラーの回転速
度、排出口調整板の上下位置等を調整して、排出口より
適量の培養土を育苗用トレイ上に落下させるものであ
る。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】培養土は、赤土、肥料
等を主原料とし、高い保肥力、保水性を有するため、供
給ホッパ−内で土粒が互いに凝着して塊状となり易く、
又、供給ホッパ−の内壁に付着し易い。

【０００５】振動モーターを装備したものにあっては、
水分を多量に含む培養土の場合には、供給ホッパ−の内
壁に培養土が付着して極端に落下量が減少したり、振動
モーターを使用するため装置が比較的高価になる。一
方、排出ローラーと排出口調整板を装備したものにあっ
ては、水分を多量に含む培養土の場合には、排出口調整
板を移動して排出口を狭めると培養土がうまく落下せ
ず、逆に広げると培養土が塊状となりボトボト落下す
る。

【０００６】本考案は、かかる従来の問題点を解決すべ
く為されたものであり、培養土が供給ホッパ−の内壁に
付着して極端に落下量が減少したり、培養土が供給ホッ
パ−内で塊状となりボトボト落下するのを防止し、育苗
用トレイに適量の培養土を落下させ土詰めすることがで
きるとともに、小型、簡易かつ安価な土詰装置を提供す
ることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案の土詰装置は、下端部に排出口を有する供給
ホッパーを設け、排出ローラーを前記排出口近傍に設
け、円筒状軸の周方向及び軸方向に所定間隔で多数の棒
状部材を固着した掻き落し部材を前記排出ローラーの上
方に設け、当該棒状部材の先端部を、その近傍の培養土
を掻き落とすことができる程度に前記排出ローラーに近
接させ、前記掻き落し部材を前記排出ローラーと逆方向
に、かつ、前記排出ローラーより遅い周速度で回転して
なる土詰装置としたものである。

【０００８】なお、土詰装置の配置空間、培養土の落下
場所等を適宜考慮して、排出ローラーの代わりに排出コ
ンベアを装備するようにしてもよく、下端部に排出口を
有する供給ホッパーを設け、排出コンベアを前記排出口
近傍に設け、円筒状軸の周方向及び軸方向に所定間隔で
多数の棒状部材を固着した掻き落し部材を前記排出コン
ベアの上方に設け、当該棒状部材の先端部を、その近傍
の培養土を掻き落とすことができる程度に前記排出コン
ベアに近接させ、前記掻き落し部材を前記排出コンベア
と逆方向に、かつ、前記排出コンベアの進行速度より遅
く回転してなる土詰装置としてもよい。

【０００９】又、培養土の供給ホッパー内壁への付着及
び培養土の供給ホッパー内での凝着をより効果的に防止
するため、その軸方向を円筒状軸の直径方向とした棒状
部材と、その軸方向を円筒状軸の直径方向に対して所定
角度をなす方向とした棒状部材とを、円筒状軸の軸方向
に交互に固着した掻き落し部材としてもよい。

【００１０】

【作用】供給ホッパ−内の培養土は、掻き落し部材の回
転による搬送力により供給ホッパ−内壁に沿って流動
し、次いで、排出ローラーの回転による搬送力により排
出ローラー周面に沿って流動し、排出口から落下する。

【００１１】掻き落し部材により供給ホッパ−内の培養
土は攪拌されつつ流動するから、供給ホッパ−内で土粒
が互いに凝着して塊状となることはなく、又、掻き落し
部材により近傍の培養土は掻き落されるから、供給ホッ
パ−内壁又は排出ローラーに培養土が付着することもな
い。

【００１２】掻き落し部材を排出ロ−ラ−より遅い周速
度で回転し、排出ロ−ラ−による培養土の搬送量の方を
多くしたから、培養土が塊状となりボトボト落下するこ
となく、排出口から常時適量の培養土が落下する。

【００１３】

【実施例】以下、本考案の土詰装置の実施例を図面を参
照して説明する。本考案の土詰装置１は、図１乃至図５
に示すように、供給ホッパー２と、排出ローラー３と、
掻き落し部材４と、排出ローラー駆動機構５と、掻き落
し部材駆動機構６とよりなる。

【００１４】供給ホッパー２は、図１及び図２に示すよ
うに、その下端部と中間部にて支持部材７，８を介して
架台９に固定し、同じく架台９に支持してある搬送コン
ベア１０の上方に配設してある。供給ホッパー２は、図
１、図２及び図５に示すように、正面板１１、背面板１
２、側面板１３，１４よりなり、正面板１１及び背面板
１２には流動案内部１５，１６を形成し、上端部を挿入
口１７とし、下端部を排出口１８としてある。

【００１５】排出ローラー３は、図２及び図５に示すよ
うに、供給ホッパー２の排出口１８近傍に配設してあ
る。

【００１６】掻き落し部材４は、図２乃至図５に示すよ
うに、円筒状軸１９の周方向及び軸方向に所定間隔で多
数の棒状部材２０を固着したものである。棒状部材２０
は、その軸方向を円筒状軸１９の直径方向として固着し
たもの２０ａと、その軸方向を円筒状軸１９の直径方向
に対して所定角度αをなす方向として固着したもの２０
ｂとからなり、棒状部材２０ａと棒状部材２０ｂとを円
筒状軸１９の軸方向に交互に固着してある。棒状部材２
０ｂは、図５に示すように、掻き落し部材４の回転方向
Ｂに所定角度α傾斜させてあり、角度αは１５°〜４５
°としてある。なお、好ましくは３０°とするのがよ
い。又、掻き落し部材４は、棒状部材２０が排出ローラ
ー３に近接するように配設してある。

【００１７】排出ローラー駆動機構５は、排出ローラー
３の一端部に固定したスプロケット２１と、架台９に支
持体２２を介して支持した駆動モーター２３と、駆動モ
ーター軸２３ａに固定したスプロケット２４と、スプロ
ケット２１とスプロケット２４とを連結するチェーン２
５とよりなる。

【００１８】掻き落し部材駆動機構６は、掻き落し部材
４の一端部に固定したスプロケット２６と、架台９に支
持体２２を介して支持した駆動モーター２７と、駆動モ
ーター軸２７ａに固定したスプロケット２８と、スプロ
ケット２６とスプロケット２８とを連結するチェーン２
９とよりなる。

【００１９】掻き落し部材４は排出ロ−ラ−３と逆方向
に回転するようにしてある。排出ロ−ラ−３は、図５に
示すように、排出口１８において上方から下方へ向かう
方向に回転するから、本実施例においては、掻き落し部
材４は反時計方向、排出ロ−ラ−３は時計方向に回転す
るようにしてある。

【００２０】又、掻き落し部材４は排出ロ−ラ−３より
遅い周速度で回転するようにしてあるが、好ましくは、
掻き落し部材４が排出ロ−ラ−３の１／８〜１／１２の
周速度で回転するのが好ましい。

【００２１】なお、本実施例においては排出ローラーを
装備しているが、土詰装置の配置空間、培養土の落下場
所等を適宜考慮して、排出ローラーの代わりに排出コン
ベアを装備するようにしてもよい。

【００２２】次に、本考案の土詰装置１の作用について
説明する。土詰装置１は、図６に示すように、混合装置
３０の前方に設置した搬送コンベア１０の上方に配設さ
れ、混合装置３０により混合された培養土ａが供給ホッ
パ−２の挿入口１７から供給ホッパ−２内に収容される
ようになっている。

【００２３】図５に示すように、供給ホッパ−２内の培
養土ａは、掻き落し部材４の回転による棒状部材２０の
搬送力によって、背面板１２の流動案内部１６に沿って
流動し、排出ローラー３の上面に到達する。次いで、排
出ローラー３の回転による搬送力によって、排出ローラ
ー３の周面に沿って流動し、排出口１８から落下する。

【００２４】この際、掻き落し部材４の有する多数の棒
状部材２０によって、供給ホッパ−２内の培養土ａは攪
拌されつつ流動するから、供給ホッパ−内で土粒が互い
に凝着して塊状となることはない。又、円筒状軸１９の
直径方向とした棒状部材２０ａと、直径方向に対して所
定角度αとした固着した棒状部材２０ａとを有するか
ら、培養土ａの攪拌効果が高い。

【００２５】又、掻き落し部材４の棒状部材２０は背面
板１２及び排出ローラー３に近接しており、近傍の培養
土ａを掻き落す作用もするから、水分を多量に含む培養
土ａであっても、背面板１２及び排出ローラー３に培養
土ａが付着することはない。

【００２６】さらに、掻き落し部材４を排出ロ−ラ−３
より遅い周速度で回転するようにして、掻き落し部材４
による培養土ａの搬送量よりも排出ロ−ラ−３による培
養土ａの搬送量の方を多くしたから、塊状の培養土ａが
ボトボト落下することなく、供給ホッパー２の排出口１
８から常時適量の培養土ａが落下し、搬送コンベア１０
上の育苗用トレイｂに適量かつ均等に土詰めすることが
できる。

【００２７】土詰めされた育苗用トレイｂは、図６に示
すように、搬送コンベア１０により前方へ搬送され、回
転ブラシ３１により余分の培養土ａを排除され、転圧ロ
−ラ−３２により培養土ａは適度に固められる。その
後、播種装置３３により種を供給され、散水装置３４に
より水を供給されて、育苗用トレイ専用台車３５に格納
される。

【００２８】

【考案の効果】本考案の土詰装置は、多数の棒状部材を
有する掻き落し部材によって供給ホッパ−内の培養土を
攪拌しつつ流動させるから、供給ホッパ−内で土粒が互
いに凝着して塊状となることはなく、育苗用トレイに適
量かつ均等に培養土を落下させ土詰めすることができ
る。又、掻き落し部材の棒状部材は供給ホッパーの内壁
及び排出ローラーに近接しており、近傍の培養土を掻き
落す作用もするから、水分を多量に含む培養土であって
も、供給ホッパーの内壁、排出ローラーに培養土が付着
することはない。

【００２９】さらに、掻き落し部材を排出ロ−ラ−より
遅い周速度で回転するようにし、排出ロ−ラ−による培
養土の搬送量の方を多くしたから、塊状の培養土がボト
ボト落下することなく、常時適量の培養土が落下し、育
苗用トレイに適量かつ均等に土詰めすることができる。

【００３０】又、本考案の土詰装置は、供給ホッパー内
に排出ローラーと掻き落し部材とを設けるだけであり、
特に高価な部品を使用するものではないから、小型、簡
易かつ安価なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】架台に支持した本考案の土詰装置の側面図であ
る。

【図２】同・正面板を取り外した状態の正面図である。

【図３】掻き落し部材の正面図である。

【図４】掻き落し部材の側面図である。

【図５】本考案の土詰装置の作用を示す断面図である。

【図６】育苗自動生産工程の装置構成図である。

【符号の説明】 １ 土詰装置 ２ 供給ホッパ− ３ 排出ロ−ラ− ４ 掻き落し部材 １８ 排出口 １９ 円筒状軸 ２０ 棒状部材 ２０ａ 棒状部材 ２０ｂ 棒状部材

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 下端部に排出口を有する供給ホッパーを
   設け、排出ローラーを前記排出口近傍に設け、円筒状軸
   の周方向及び軸方向に所定間隔で多数の棒状部材を固着
   した掻き落し部材を前記排出ローラーの上方に設け、当
   該棒状部材の先端部を、その近傍の培養土を掻き落とす
   ことができる程度に前記排出ローラーに近接させ、前記
   掻き落し部材を前記排出ローラーと逆方向に、かつ、前
   記排出ローラーより遅い周速度で回転してなる土詰装
   置。
2. 【請求項２】 下端部に排出口を有する供給ホッパーを
   設け、排出コンベアを前記排出口近傍に設け、円筒状軸
   の周方向及び軸方向に所定間隔で多数の棒状部材を固着
   した掻き落し部材を前記排出コンベアの上方に設け、当
   該棒状部材の先端部を、その近傍の培養土を掻き落とす
   ことができる程度に前記排出コンベアに近接させ、前記
   掻き落し部材を前記排出コンベアと逆方向に、かつ、前
   記排出コンベアの進行速度より遅く回転してなる土詰装
   置。
3. 【請求項３】 前記掻き落し部材は、その軸方向を円筒
   軸状の直径方向とした棒状部材と、その軸方向を円筒状
   軸の直径方向に対して所定角度をなす方向とした棒状部
   材とを、円筒状軸の軸方向に交互に固着したものである
   請求項１または２に記載の土詰装置。