JP2563824C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野」
帯電防止性ガラス繊維束、帯電防止性ロービング、樹脂補強用繊維体並びにシ
ートモールディングコンパウンドの製造法に関する。 [従来の技術] ブッシングから引出したガラス繊維に集束剤を附与して所定本数集束して巻取
り、加熱乾燥することにより製造されたガラス繊維束(ストランド)は繊維補強
樹脂体(FRP)を製造する際の樹脂補強用繊維体として広く用いられる。 又上記のストランドは引揃えてロービングとなし、或はそのまま、又は引揃え
た状態で切断してチョップドストランド(CS)となし、或はストランド又はC
Sを移動するコンベア上に堆積せしめてCSM(コンティニュアスストランドマ
ット)又はCM(チョップドストランドマット)とした状態で補強繊維体として
使用される。 又CSを移動するコンベア上に堆積せしめてなるマット状物にMgOのような
増粘剤を含む不飽和ポリエステル樹脂のような熱硬化性樹脂を含浸させ、次いで
養生して樹脂粘度を上昇させてSMC(シートモールディングコンパウンド)と
なし、FRPの製造に使用される。 このようなガラス繊維束に切断等の加工を施す際、静電気が発生し、各種トラ
ブルを生ずることがあるので、これを防止する為集束剤に帯電防止剤を含有させ る。 帯電防止剤としてはノニオン系、カチオン系、両性イオン系、アニオン系、或
は無機塩類が知られている。 [発明が解決しようとする課題] 従来技術は次のような問題点(解決すべき課題)を有する。 (1)充分な帯電防止効果を得るためには多量の帯電防止剤を使用する必要があ
る。 (2)多量の帯電防止剤を使用するとストランドを加熱乾燥する際ストランドが
着色し易い。 (3)集束剤中に含まれる被膜形成剤、カップリング剤、潤滑剤等と帯電防止剤
とが反応し、ストランドの性能が低下し易い。例えばフィラメントの剛性が低下
し、或は集束性が悪化し、ストランドがモノフィラメント状になり、このストラ
ンドを補強用繊維体として使用する際、樹脂の含浸性が不良となる。 特にSMCを製造する場合、補強繊維体に含浸させる樹脂は増粘されているた
め樹脂の含浸不良が生じ易い。 (4)集束剤と帯電防止剤の反応による性能の低下は両者の組合せ如何によって
変化する。このため帯電防止剤による性能低下を少なくしようとすると、使用す
る集束剤と帯電防止剤の種類が制限されてしまう。 [課題を解決するための手段] 上記目的を達成する為、本発明においては、帯電防止剤を含まない集束剤を附
与集束し、次いで乾燥してなるガラス繊維束の表面に帯電防止剤及び潤滑剤が被
着せしめられ、30〜100 ℃で再度乾燥されている帯電防止性ガラス繊維束、又は
この繊維束を引揃えたロービングをFRP補強繊維として使用する。 又本発明においては、ブッシングから引出したガラス繊維に帯電防止剤を含ま
ない集束剤を附与し、次いで乾燥したガラス繊維束表面に帯電防止剤及び潤滑剤
を被着せしめ、30〜100 ℃で再度乾燥することにより樹脂補強用繊維体を製造す
る。 更に又本発明においては、ブッシングから引出したガラス繊維に帯電防止剤を
含まない集束剤を附与集束し、次いで乾燥してなるガラス繊維束又はその引揃え 物に帯電防止剤及び潤滑剤を含む溶液を塗布し、次いで30〜100 ℃で再度乾燥し
たガラス繊維又はその引揃え物を切断し、移動するコンベア上に堆積せしめてマ
ット状物となし、該マット状物に増粘剤を含む液状の熱硬化性樹脂を含浸させた
後、養生することによりSMCを製造する。 次に本発明を更に具体的に説明する。 ブッシングから引出した直径3〜25μ、好ましくは9〜16μのガラス繊維
に集束剤を塗布し、30〜5,000本、好ましくは50〜1,000本程度集
束し、ストランドとする。 集束剤としては1〜15wt%程度の被膜形成剤、0.01〜2wt%程度の
潤滑剤、0.01〜5wt%程度のカップリング剤を含むものが好適に使用でき
る。 被膜形成剤としてはポリ酢酸ビニール等を、潤滑剤としてはノニオン系或はカ
チオン系界面活性剤又は油剤等を、カップリング剤としてはシランカップリング
剤等を用いるのが適当である。 ガラス繊維に対する集束剤の附与量は、固型分として0.3〜3wt%好まし
くは0.5〜2wt%とするのが適当である。 上述のストランドに帯電防止剤を被着せしめる。 被着の手段に特に限定はなく、帯電防止剤を含む溶液(本溶液)をストランド
に噴霧し、或はロールコーターを用いて塗布しても良く、或は又ストランドをテ
ンションバーの下面に接して張力を与えつつ移動せしめながら、テンションバー
の上面に本溶液を所定割合で、好ましくは定量ポンプを用いて供給し、本溶液を
テンションバーの下面に流下せしめストランドに本溶液を接触せしめて塗布する
ことによってストランドに帯電防止剤を被着させることもできる。 帯電防止剤の被着量はガラス繊維に対し0.01〜1wt%程度で充分効果を
うることができる。 本発明においては帯電防止剤は集束剤中に混入することなく、別個に附与され
るので、集束剤との関連において使用しうる帯電防止剤の種類が制限をうけるこ
とはなくアニオン系、ノニオン系、カチオン系、両性イオン系、無機塩類等各種
のものが使用できる。 又本発明においては本溶液中に潤滑剤を1〜30wt%、好ましくは5〜15
wt%程度含有させておく。これによってストランドの潤滑性を一層向上させる
ことができる。 なお、潤滑剤としてはノニオン系或はカチオン系界面活性剤又は油剤が好適に
使用できる。 ストランドに対する本溶液の附与は、ストランド水中の水分が0.1wt%以
下の状態で行うのが好ましく、本発明の効果を一層向上させることができる。水
分を減少させる工業的手段としては加熱炉を用いた加熱乾燥、減圧乾燥を行うの
が好適である。 なおストランドに対する本溶液の附与は個々のストランドに対し別々に行うこ
ともできるが、多数のストランドを引揃えてロービングとなす際、多数のストラ
ンドに同時に附与するのが実際的である。 本溶液を附与したストランド、或はロービングは、30〜100℃、好ましく
は50〜80℃において加熱乾燥するのが適当であり、リボナイゼーションを向
上させる効果を得ることができる。 上述の本発明ストランド或はロービングはそのまま、或は切断し、又は連続し
た状態でマット状物とし、或は製織して布状物となしてFRPの補強用に好適に
用いることができる。 又本発明のストランド或はロービングの切断物(CS)を用いてSMCを製造
することもできる。 [作用] 帯電防止剤をストランドの表面にのみ被着させることにより所望の帯電防止効
果をうるのに必要な帯電防止剤の使用量を減少させる。 又帯電防止剤を含まない集束剤を附与してガラス繊維を集束してストランドと
なし、次いでこのストランド表面に帯電防止剤を被着させることにより、集束剤
成分と帯電防止剤の反応を防止し、ストランドの性能を向上させ、着色を防止す
る。 このようなストランドをFRP補強用として用いることにより樹脂の含浸性を
良好ならしめる。この効果はSMC製造の場合特に著しい。 帯電防止剤の被着をストランド乾燥後に行うことにより、上記効果を一層向上
させる。 又帯電防止剤と共に潤滑剤を附与することによりストランドの潤滑住を一層向
上させる。 更に又帯電防止剤附与後ストランドを加熱乾燥することによりリボナイゼーシ
ョンを向上させる。 [実験例1] 被膜形成剤としてポリ酢酸ビニールを8wt%、潤滑剤としてノニオン系界面
活性剤を0.5wt%、カップリング剤としてシランカップリング剤を0.2w
t%含むサイジング剤をガラス繊維に対し固型分として1.5wt%附与し、1
40℃に12hr加熱乾燥してストランドIとした。 このストランドに帯電防止剤として帯電防止剤をストランドIの表面に被着させ、ストランドIIを得た。 帯電防止剤の被着量はガラス繊維の0.05wt%であった。 上記ストランドI、IIを用い、スタティックフォトメーターを使用し、印加電
圧8KV、温度25℃、湿度50%の条件で帯電圧、半減期を測定した結果を別
表に示す。 ストランドIIは集束性、切断時の分散不良を生ずることなく、液状熱硬化性樹
脂の含浸性も良好であり、着色を生ずることもなかった。 [実験例2] ランドIII)について同様な測定を行った結果を別表に示す。 なお、ストランドIII の集束性其他の性質はストランドIIと同等であった。 [比較例1] 実験例1で得られた集束剤中に被着量が実験例1と同一となるよう定めた)実験例1と同様にして得られたスト
ランドIVについて同様な測定を行った結果を別表に示す。 なお、このストランドIVは分散性、樹脂の含浸性がストランドI、IIに比して
不良であり、このストランドを用いて製造したFRP中に約5%の不良品が発生
した。 又このストランドIVは黄色に着色した。 [実験例3] 実験例1、2のストランドII、III を2.5cmの長さに切断し、この切断物
を750gr/m2の割合で堆積させたCSに、次の組成を有する樹脂組成物を 含浸させ、ガラス含有量25wt%のSMCを製造した。 不飽和ポリエステル樹脂 70重量部 低収縮剤 30重量部 炭酸カルシウム 150重量部 TBPB 0.02重量部 ステアリン酸亜鉛 0.05重量部 MgO 0.01重量部 樹脂の含浸性は良好であり、含浸不良に起因する不良品が発生することはなか
った。 [比較例2] 比較例1のストランドIVを用いて、実験例3と同様なSMCを製造した。 樹脂の含浸性は不良で、不良品発生率は5%であった。 [発明の効果] 所定の性能を得るのに必要な帯電防止剤の使用量を減少し、帯電防止効果を高
める。 ストランドの集束性の低下、着色を防止し、樹脂の含浸性を高め、均質なFR
P、SMCをうる。 帯電防止剤と集束剤の組合せ可能な範囲を拡大する。
ートモールディングコンパウンドの製造法に関する。 [従来の技術] ブッシングから引出したガラス繊維に集束剤を附与して所定本数集束して巻取
り、加熱乾燥することにより製造されたガラス繊維束(ストランド)は繊維補強
樹脂体(FRP)を製造する際の樹脂補強用繊維体として広く用いられる。 又上記のストランドは引揃えてロービングとなし、或はそのまま、又は引揃え
た状態で切断してチョップドストランド(CS)となし、或はストランド又はC
Sを移動するコンベア上に堆積せしめてCSM(コンティニュアスストランドマ
ット)又はCM(チョップドストランドマット)とした状態で補強繊維体として
使用される。 又CSを移動するコンベア上に堆積せしめてなるマット状物にMgOのような
増粘剤を含む不飽和ポリエステル樹脂のような熱硬化性樹脂を含浸させ、次いで
養生して樹脂粘度を上昇させてSMC(シートモールディングコンパウンド)と
なし、FRPの製造に使用される。 このようなガラス繊維束に切断等の加工を施す際、静電気が発生し、各種トラ
ブルを生ずることがあるので、これを防止する為集束剤に帯電防止剤を含有させ る。 帯電防止剤としてはノニオン系、カチオン系、両性イオン系、アニオン系、或
は無機塩類が知られている。 [発明が解決しようとする課題] 従来技術は次のような問題点(解決すべき課題)を有する。 (1)充分な帯電防止効果を得るためには多量の帯電防止剤を使用する必要があ
る。 (2)多量の帯電防止剤を使用するとストランドを加熱乾燥する際ストランドが
着色し易い。 (3)集束剤中に含まれる被膜形成剤、カップリング剤、潤滑剤等と帯電防止剤
とが反応し、ストランドの性能が低下し易い。例えばフィラメントの剛性が低下
し、或は集束性が悪化し、ストランドがモノフィラメント状になり、このストラ
ンドを補強用繊維体として使用する際、樹脂の含浸性が不良となる。 特にSMCを製造する場合、補強繊維体に含浸させる樹脂は増粘されているた
め樹脂の含浸不良が生じ易い。 (4)集束剤と帯電防止剤の反応による性能の低下は両者の組合せ如何によって
変化する。このため帯電防止剤による性能低下を少なくしようとすると、使用す
る集束剤と帯電防止剤の種類が制限されてしまう。 [課題を解決するための手段] 上記目的を達成する為、本発明においては、帯電防止剤を含まない集束剤を附
与集束し、次いで乾燥してなるガラス繊維束の表面に帯電防止剤及び潤滑剤が被
着せしめられ、30〜100 ℃で再度乾燥されている帯電防止性ガラス繊維束、又は
この繊維束を引揃えたロービングをFRP補強繊維として使用する。 又本発明においては、ブッシングから引出したガラス繊維に帯電防止剤を含ま
ない集束剤を附与し、次いで乾燥したガラス繊維束表面に帯電防止剤及び潤滑剤
を被着せしめ、30〜100 ℃で再度乾燥することにより樹脂補強用繊維体を製造す
る。 更に又本発明においては、ブッシングから引出したガラス繊維に帯電防止剤を
含まない集束剤を附与集束し、次いで乾燥してなるガラス繊維束又はその引揃え 物に帯電防止剤及び潤滑剤を含む溶液を塗布し、次いで30〜100 ℃で再度乾燥し
たガラス繊維又はその引揃え物を切断し、移動するコンベア上に堆積せしめてマ
ット状物となし、該マット状物に増粘剤を含む液状の熱硬化性樹脂を含浸させた
後、養生することによりSMCを製造する。 次に本発明を更に具体的に説明する。 ブッシングから引出した直径3〜25μ、好ましくは9〜16μのガラス繊維
に集束剤を塗布し、30〜5,000本、好ましくは50〜1,000本程度集
束し、ストランドとする。 集束剤としては1〜15wt%程度の被膜形成剤、0.01〜2wt%程度の
潤滑剤、0.01〜5wt%程度のカップリング剤を含むものが好適に使用でき
る。 被膜形成剤としてはポリ酢酸ビニール等を、潤滑剤としてはノニオン系或はカ
チオン系界面活性剤又は油剤等を、カップリング剤としてはシランカップリング
剤等を用いるのが適当である。 ガラス繊維に対する集束剤の附与量は、固型分として0.3〜3wt%好まし
くは0.5〜2wt%とするのが適当である。 上述のストランドに帯電防止剤を被着せしめる。 被着の手段に特に限定はなく、帯電防止剤を含む溶液(本溶液)をストランド
に噴霧し、或はロールコーターを用いて塗布しても良く、或は又ストランドをテ
ンションバーの下面に接して張力を与えつつ移動せしめながら、テンションバー
の上面に本溶液を所定割合で、好ましくは定量ポンプを用いて供給し、本溶液を
テンションバーの下面に流下せしめストランドに本溶液を接触せしめて塗布する
ことによってストランドに帯電防止剤を被着させることもできる。 帯電防止剤の被着量はガラス繊維に対し0.01〜1wt%程度で充分効果を
うることができる。 本発明においては帯電防止剤は集束剤中に混入することなく、別個に附与され
るので、集束剤との関連において使用しうる帯電防止剤の種類が制限をうけるこ
とはなくアニオン系、ノニオン系、カチオン系、両性イオン系、無機塩類等各種
のものが使用できる。 又本発明においては本溶液中に潤滑剤を1〜30wt%、好ましくは5〜15
wt%程度含有させておく。これによってストランドの潤滑性を一層向上させる
ことができる。 なお、潤滑剤としてはノニオン系或はカチオン系界面活性剤又は油剤が好適に
使用できる。 ストランドに対する本溶液の附与は、ストランド水中の水分が0.1wt%以
下の状態で行うのが好ましく、本発明の効果を一層向上させることができる。水
分を減少させる工業的手段としては加熱炉を用いた加熱乾燥、減圧乾燥を行うの
が好適である。 なおストランドに対する本溶液の附与は個々のストランドに対し別々に行うこ
ともできるが、多数のストランドを引揃えてロービングとなす際、多数のストラ
ンドに同時に附与するのが実際的である。 本溶液を附与したストランド、或はロービングは、30〜100℃、好ましく
は50〜80℃において加熱乾燥するのが適当であり、リボナイゼーションを向
上させる効果を得ることができる。 上述の本発明ストランド或はロービングはそのまま、或は切断し、又は連続し
た状態でマット状物とし、或は製織して布状物となしてFRPの補強用に好適に
用いることができる。 又本発明のストランド或はロービングの切断物(CS)を用いてSMCを製造
することもできる。 [作用] 帯電防止剤をストランドの表面にのみ被着させることにより所望の帯電防止効
果をうるのに必要な帯電防止剤の使用量を減少させる。 又帯電防止剤を含まない集束剤を附与してガラス繊維を集束してストランドと
なし、次いでこのストランド表面に帯電防止剤を被着させることにより、集束剤
成分と帯電防止剤の反応を防止し、ストランドの性能を向上させ、着色を防止す
る。 このようなストランドをFRP補強用として用いることにより樹脂の含浸性を
良好ならしめる。この効果はSMC製造の場合特に著しい。 帯電防止剤の被着をストランド乾燥後に行うことにより、上記効果を一層向上
させる。 又帯電防止剤と共に潤滑剤を附与することによりストランドの潤滑住を一層向
上させる。 更に又帯電防止剤附与後ストランドを加熱乾燥することによりリボナイゼーシ
ョンを向上させる。 [実験例1] 被膜形成剤としてポリ酢酸ビニールを8wt%、潤滑剤としてノニオン系界面
活性剤を0.5wt%、カップリング剤としてシランカップリング剤を0.2w
t%含むサイジング剤をガラス繊維に対し固型分として1.5wt%附与し、1
40℃に12hr加熱乾燥してストランドIとした。 このストランドに帯電防止剤として帯電防止剤をストランドIの表面に被着させ、ストランドIIを得た。 帯電防止剤の被着量はガラス繊維の0.05wt%であった。 上記ストランドI、IIを用い、スタティックフォトメーターを使用し、印加電
圧8KV、温度25℃、湿度50%の条件で帯電圧、半減期を測定した結果を別
表に示す。 ストランドIIは集束性、切断時の分散不良を生ずることなく、液状熱硬化性樹
脂の含浸性も良好であり、着色を生ずることもなかった。 [実験例2] ランドIII)について同様な測定を行った結果を別表に示す。 なお、ストランドIII の集束性其他の性質はストランドIIと同等であった。 [比較例1] 実験例1で得られた集束剤中に被着量が実験例1と同一となるよう定めた)実験例1と同様にして得られたスト
ランドIVについて同様な測定を行った結果を別表に示す。 なお、このストランドIVは分散性、樹脂の含浸性がストランドI、IIに比して
不良であり、このストランドを用いて製造したFRP中に約5%の不良品が発生
した。 又このストランドIVは黄色に着色した。 [実験例3] 実験例1、2のストランドII、III を2.5cmの長さに切断し、この切断物
を750gr/m2の割合で堆積させたCSに、次の組成を有する樹脂組成物を 含浸させ、ガラス含有量25wt%のSMCを製造した。 不飽和ポリエステル樹脂 70重量部 低収縮剤 30重量部 炭酸カルシウム 150重量部 TBPB 0.02重量部 ステアリン酸亜鉛 0.05重量部 MgO 0.01重量部 樹脂の含浸性は良好であり、含浸不良に起因する不良品が発生することはなか
った。 [比較例2] 比較例1のストランドIVを用いて、実験例3と同様なSMCを製造した。 樹脂の含浸性は不良で、不良品発生率は5%であった。 [発明の効果] 所定の性能を得るのに必要な帯電防止剤の使用量を減少し、帯電防止効果を高
める。 ストランドの集束性の低下、着色を防止し、樹脂の含浸性を高め、均質なFR
P、SMCをうる。 帯電防止剤と集束剤の組合せ可能な範囲を拡大する。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 (1)帯電防止剤を含まない集束剤を附与集束し、次いで乾燥してなるガラス繊
維束の表面に帯電防止剤及び潤滑剤が被着せしめられ、30〜100 ℃で再度乾燥さ
れていることを特徴とする帯電防止性ガラス繊維束。 (2)帯電防止剤は無機塩類、又はカチオン系、ノニオン系、アニオン系或は両
性系の界面活性剤であることを特徴とする請求項1記載の帯電防止性ガラス繊維
束。 (3)帯電防止剤の被着量はガラス繊維の0.01〜1wt%であることを特徴
とする請求項1又は2記載の帯電防止性ガラス繊維束。 (4)集束剤は被膜形成剤、カップリング剤、又は潤滑剤を含むことを特徴とす
る請求項1、2又は3記載の帯電防止性ガラス繊維束。 (5)集束剤の附与量はガラス繊維の0.3〜3wt%であることを特徴とする
請求項1、2、3又は4記載の帯電防止性ガラス繊維束。 (6)潤滑剤はノニオン系或はカチオン系界面活性剤又は油剤であることを特徴
とする請求項1、2、3、4又は5記載の帯電防止性ガラス繊維束。 (7)潤滑剤の被着量はガラス繊維の0.01〜1wt%であることを特徴とす
る請求項1、2、3、4、5又は6記載の帯電防止性ガラス繊維束。 (8)請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の帯電防止性ガラス繊維束の引
揃え物よりなることを特徴とする帯電防止性ロービング。 (9)ブッシングから引出したガラス繊維に帯電防止剤を含まない集束剤を附与
し、次いで乾燥したガラス繊維束表面に帯電防止剤及び潤滑剤を被着せしめ、30
〜100 ℃で再度乾燥することを特徴とする樹脂補強用繊維体の製造法。 (10)ブッシングから引出したガラス繊維に帯電防止剤を含まない集束剤を附
与集束し次いで乾燥してなるガラス繊維束又はその引揃え物に帯電防止剤及び潤
滑剤を含む溶液を塗布することによって帯電防止剤及び潤滑剤を被着し、次いで 30〜100 ℃で 再度乾燥することを特徴とする樹脂補強用繊維体の製造法。 (11)帯電防止剤及び潤滑剤被着前の乾燥を加熱下又は減圧下に行うことを特
徴とする請求項9又は10記載の樹脂補強用繊維体の製造法。 (12)帯電防止剤は無機塩類、又はカチオン系、ノニオン系、アニオン系或は
両性系の界面活性剤であることを特徴とする請求項9、10又は11記載の樹脂
補強用繊維体の製造法。 (13)帯電防止剤の被着量はガラス繊維の0.01〜1wt%であることを特
徴とする請求項10、11又は12記載の樹脂補強用繊維体の製造法。 (14)集束剤は被膜形成剤、カップリング剤、又は潤滑剤を含むことを特徴と
する請求項10、11、12又は13記載の樹脂補強用繊維体の製造法。 (15)集束剤の附与量はガラス繊維の0.3〜3wt%であることを特徴とす
る請求項10、11、12、13又は14記載の樹脂補強用繊維体の製造法。 (16)潤滑剤はノニオン系或はカチオン系界面活性剤又は油剤であることを特
徴とする請求項10、11、12、13、14又は15記載の樹脂補強用繊維体
の製造法。 (17)ブッシングから引出したガラス繊維に帯電防止剤を含まない集束剤を附
与集束し次いで乾燥してなるガラス繊維束又は引揃え物に帯電防止剤及び潤滑剤
を含む溶液を塗布し、次いで30〜100 ℃で再度乾燥したガラス繊維又はその引揃
え物を切断し、移動するコンベア上に堆積せしめてマット状物となし、該マット
状物に増粘剤を含む液状の熱硬化性樹脂を含浸させた後、養生することを特徴と
するシートモールディングコンパウンドの製造法。 (18)帯電防止剤は無機塩類、又はカチオン系、ノニオン系、アニオン系或は
両性系の界面活性剤であることを特徴とする請求項17記載のシートモールディ
ングコンパウンドの製造法。 (19)帯電防止剤の被着量はガラス繊維の0.01〜1wt%であることを特
徴とする請求項17又は18記載のシートモールディングコンパウンドの製造法
。 (20)集束剤は被膜形成剤、カップリング剤、又は潤滑剤を含むことを特徴と
する請求項17、18又は19記載のシートモールディングコンパウンドの製造 法。 (21)集束剤の附与量はガラス繊維の0.3〜3wt%であることを特徴とす
る請求項17、18、19又は20記載のシートモールディングコンパウンドの
製造法。 (22)潤滑剤はノニオン系或はカチオン系界面活性剤又は油剤であることを特
徴とする請求項17、18、19、20又は21記載のシートモールディングコ
ンパウンドの製造法。 (23)潤滑剤の被着量はガラス繊維の0.01〜1wt%であることを特徴と
する請求項17、18、19、20、21又は22記載のシートモールディング
コンパウンドの製造法。
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