JP2562973B2 - 多孔質高分子膜及び高分子複合膜の製造方法 - Google Patents

多孔質高分子膜及び高分子複合膜の製造方法

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猛夫 古川
行勇 稲葉
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KH Neochem Co Ltd
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Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、多孔質高分子膜及び高分子複合膜の製造方
法に関する。
背景技術 今日、液晶が種々多様な分野で用いられているが、液
晶の特徴は光学的異方性と電場、磁場等外場により分子
配列が容易に変化することにある。特に強誘電性液晶で
は自発分極と電界との相互作用により生じるトルクが駆
動力となるが、この駆動力が非常に大きく高速表示素子
材料として注目されている。また、染料の中にも通常の
電場や光電場による電気光学効果、更に、非線形光学効
果等、光学特性に優れるものがある。これら機能性を有
する低分子の液晶や染料は、多様な分子設計の可能性と
多彩な光学特性を有するが、流動性を有しており構造の
固定に問題がある。
従来の光学表示素子においては、液晶等の機能性低分
子を2枚のガラス板間に挟むことにより機能性低分子の
固定が行われていた。しかしながら、ガラス板を用いた
のでは、柔軟性、軽量化、広面積化という面で問題が生
じることになる。このため、一般に柔軟、軽量、且つ広
面積化が容易である高分子を用いて、機能性高分子を固
定する方法が考えられている。高分子のうち、強誘電性
高分子は強誘電率、高速スイッチング、圧電性、焦電
性、電歪といった優れた電気特性を有する。よって、共
に機能性を有する低分子物質と高分子を複合化して得ら
れる液晶及び/又は染料と高分子との複合膜は、出発物
質の有する電気光学効果や非線形光学効果のほかに多様
な機能が付与されることが期待でき、スイッチ、メモリ
ー等の光学素子や(半導体レーザーの)第二高調波発
生、光双安定メモリー、光プロセッシングといったデバ
イス等の多種多様な工業材料として有望視されている。
従来公知の液晶と高分子との複合膜を得る方法として
は以下の二つの方法を挙げることができる。
(1)液晶と高分子との混合溶液から、溶媒蒸発法(常
法)によりキャスト製膜する方法、即ち、ポリ塩化ビニ
ル又はポリカーボネート等の高分子とN−(4−エトキ
シベンジリデン)−4′−ブチルアニリン、ブチル−4
−(4−エトキシフェノキシカルボニル)フェニル−カ
ルボナート等の液晶を共通溶媒に溶解し、その混合溶液
をシャーレに均一に流延させ、溶媒を蒸発させて製膜す
る方法と、 (2)水面展開法、即ち、液晶、高分子混合溶液を水面
に槽壁を介して滴下し、自己拡散により得られた複合超
薄膜を数十枚積層して製膜する方法である。
しかしながら、このようにして作製された液晶、染料
等の機能性低分子と高分子との複合膜は、何れも機能性
低分子の分散径が均一でなかったり、或いは分散が一様
でなかったりするため、電気的及び光学的特性は必ずし
も満足のいくものではなかった。
また、本発明の発明者によりフッ化ビニリデンと3フ
ッ化エチレンの65/35mol%共重合体をテトラヒドロフラ
ンとベンゼンの混合溶媒に溶かし、沸点の差を利用して
予めポーラスなVDF/TrFE膜を作り、その後液晶を充填す
る複合膜及びその製法が、高分子学会発行の「高分子学
会予稿集(第36巻第8号、第2383〜2385頁)」(1987年
10月5日発行)に発表されている。しかし、この方法に
より作成された複合膜では、多孔質膜を得ることは困難
であった。
発明の開示 本発明は、新規な多孔質高分子膜の製造方法を提供す
ることを目的とする。
本発明は、更に高分子中に液晶(及び/又は染料)等
の機能性低分子の分散径を均一にし、且つ機能性低分子
を一様に分散することができる複合膜の製造方法を提供
することを目的とする。
本発明は、更に高分子中における機能性低分子の径を
調整することができる複合膜の製造方法及びこの方法に
より得られた固定膜を提供することを目的とする。
上述のような従来技術の抱えていた問題は、水とアル
コールを含む高分子溶液から溶媒を蒸発させることによ
り得られる多孔質高分子膜、そしてこの多孔質高分子膜
の空孔に機能性低分子を充填することによって得られる
複合膜によって解決される。
更に、上記多孔質高分子膜を製造する場合、多湿環境
下の湿度または高分子溶液中の水分量を調節することに
よって、多孔質高分子膜の空孔の計を調節することがで
きるのである。従って、このようにして製造された多孔
質高分子膜の空孔に液晶、染料等の機能性低分子を充填
することにより得られた複合膜に電極を設ければ、電気
的、光学的特性の優れた固定膜を得ることができるもの
である。
本発明において、エチルアルコールと水はエチルアル
コール分子間の水素結合により、その3分子が環状にク
ラスターを形成し、更にこのクラスター3個が会合し、
その中に1個のヒドロニウムイオンを取り込んだ包装化
合物を形成しており、この包装化合物が水分子と水素結
合している。このため高分子を良溶媒に解かした溶液中
に一定量のアルコール水を分散させた溶液中のアルコー
ル水は溶媒の蒸発と共に界面張力により均一な球状粒子
となり、溶媒が蒸発した後は多孔質構造が形成される。
その後、100℃以上で乾熱乾燥することによってアルコ
ール水を完全に蒸発させると、球状の空孔を有する多孔
質膜が得られることが見出された。またエチルアルコー
ルは親水性を有することから、高分子を良溶媒に溶かし
た溶液中に一定量のアルコールを均一拡散させた後、多
湿環境下で溶媒を蒸発させた場合も同様に多孔質膜が得
られる。本発明の高分子複合膜は製膜の際、室温より少
し高い温度で製膜すれば製膜時の収縮によりお互いの分
散相は細いチャンネルで結ばれた構造となる。また室温
より低い温度で製膜すると各々の孔は完全に独立の分散
構造をとる。
更に、上記高分子複合膜は製膜の際、多湿環境下の湿
度を調節するか、または高分子を良溶媒に解かした溶液
中に一定量のアルコール水を分散させた溶液中のアルコ
ール水の水分量を調節することにより、多孔質高分子の
空孔の径を調節することができることを見出した。即ち
多湿環境下の湿度、或いはアルコール水の水分量の増加
と共に孔径が大きく孔の数は増加し、逆に湿度、或いは
アルコール水の水分量の減少と共に孔径が小さく孔の数
は減少するのである。
なお、微少径から成る多孔質膜の作製は、特に空気中
の水分量の影響を受けやすいので、恒温恒湿に制御され
た容器内で行われることが好ましい。
図面の簡単な説明 第1図は、実施例2において得られた複合膜および出
発物質としてのフッ化ビニリデン−トリフルオロエチレ
ン共重合体およびDOBAMBCの線形誘電率の温度分散を示
したグラフである。なお、 は複合膜、○はフッ化ビニリデン−トリフルオロエチレ
ン共重合体、●はDOBAMBCである。
第2図は、実施例2において得られた複合膜および出
発物質としてのフッ化ビニリデン−トリフルオロエチレ
ン共重合体およびDOBAMBCの3次の非線形誘電率の温度
分散を示したグラフである。
第3図は、実施例3において得られた複合膜および常
法によって得られた複合膜の線形誘電率を示したグラフ
である。なお、記号aは本発明の複合膜、bは常法で得
た複合膜である。
第4図は、液晶ZLI−3489/高分子複合膜に係る孔径と
緩和周波数fmの関係を示したグラフである。
第5図は、液晶ZLI−3489/多孔質ポリカーボネート複
合膜の線形誘電率の周波数スペクトルを示したグラフで
ある。
第6図は、液晶ZLI−3489の線形誘電率の周波数スペ
クトルを示したグラフである。
第7図は、液晶ZLI−3489/各種の多孔質高分子複合膜
に係る緩和周波数fmの関係を示したグラフである。
第8図は、液晶ZLI−3489/多孔質ポリカーボネート複
合膜のDEヒステリシス曲線を示したグラフである。
第9図は、常法でキャスト製膜した液晶ZLI−3489/ポ
リカーボネート複合膜のDEヒステリシス曲線を示したグ
ラフである。
第10図は、液晶ZLI−3489/多孔質ポリカーボネート複
合膜の孔径が12μmの場合についてのスイッチング特性
の測定例である。
第11図は、液晶ZLI−3489および液晶ZLI−3489/多孔
質ポリカーボネート複合膜のスイッチング特性曲線τ
と印加電界の関係を示したグラフである。
次に本発明について詳細に説明する。
本発明においては、(1)高分子をその良溶媒に溶解
した後、一定量のアルコールと水を添加し、溶媒を蒸発
させて多孔質高分子膜を得るか、(2)、(1)の方法
において一定量のアルコールを添加した充分混合した
後、フラットシャーレに流延し、予め湿度調整された容
器(デシケーター、クロマト転回槽等)中で溶媒を蒸発
させて多孔質高分子膜を得る。上記によって得られた多
孔質高分子膜に減圧乾熱器中で液晶(及び/又は染料)
を充填した後、電極を付けて固定膜とすることができ
る。この場合、上記のアルコールに所望に応じてベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の炭化水素などの補助添加成
分を加えることもできる。
次に、液晶の特性について述べると、強誘電性液晶は
強誘電相において液晶分子は層面にある傾き角をもち、
傾き面が層間で数μmのピッチのラセンを描くような配
列をとっており、このような構造を保ったまま数十Hzの
遅い円錐状の運動を行っている。この運動の周波数は複
合化により大きく変化する。特に孔径の影響が大きく、
孔径が小さくなるとともにΔε(誘電緩和強度)が低下
するが、同時に緩和周波数は高周波側に大きく移る。こ
のことは孔径が小さい程、応答速度が速くなることを示
唆している。また液晶のらせんピッチは数μm程度と考
えられており、大きな緩和強度を与える液晶分子の揺ら
ぎにはらせん構造が重要な役割を果たしているものと考
えられる。らせん構造を形成している液晶に電界を印加
すると、分極反転を生じる。液晶は分極反転の速度が重
要であり、本発明は極小径の空孔に液晶を閉じ込める
と、反転速度が著しく向上することを見出したものであ
る。
孔径と緩和周波数fm(ε″の最大周波数)の関係では
fmは高分子の種類によらず孔径のみに依存している。孔
径と緩和周波数fmの関係を第4図に示す。このことは複
合膜では液晶分子は液晶単独の運動でなく、スメクチッ
クC相のレイヤー間の捩じれ運動に起因するコレクティ
ブなモードであるためにドメインのサイズに影響される
ものと考えられる。
スイッチング時間τと印加電界の関係において、強
誘電性液晶(ZLI−3489)はそれらの対数がほぼ直線関
係にありパワー則に従っているが、複合膜では低電界の
τは誘電緩和時間に一致し、スイッチング曲線は時間
領域の誘電緩和時間に等しく、電界が高くなるとτ
電界とともにパワー則に従って小さくなる。上記のごと
く、液晶のダイナミックスに孔径が小さくなると、Sc
相のらせん構造がとれなくなり、低周波数のモードが抑
えられるためと考えられる。そのために応答速度は速く
なる。
本発明において利用しうる高分子としては液晶(及び
/又は染料)/高分子固定膜を形成しうるものであれば
何れの高分子も使用できるが、代表的なものとしてはポ
リエチレン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、
ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリフッ化ビニル等ビニル化合物及びビニル化合物
の付加重合体、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メ
チル、ポリメタクリル酸エチル等メタクリル酸エステ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、シア
ン化ビニリデン、フッ化ビニリデン/トリフルオロエチ
エン共重合体、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチ
レン共重合体、シアン化ビニリデン/酢酸ビニル共重合
体等ビニル化合物又はフッソ系化合物の共重合体、ポリ
トリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、
ポリヘキサフルオロプロピレン等フッ素を含む化合物、
ナイロン6、ナイロン66等ポリアミド、ポリイミド、ポ
リウレタン、ポリペプチド、ポリエチレンテレフタレー
ト等ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオキシメチ
レン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド
等ポリエーテルを挙げることができる。
該高分子は市販のものを単独で利用できるが、種々の
高分子を組み合わせた混合系として使うこともできる。
この場合、お互いのポリマーは相溶性が良く、成膜性に
優れるのみならず得られた固定膜の諸特性、即ち、化学
的安定性、耐候性、耐衝撃性(熱的、機械的)等使用目
的を考慮し、組み合わせて用いることが望ましい。
又高分子を溶解させるには良溶媒がよく、高分子によ
って異なる。例を挙げればポリ塩化ビニルはテトラヒド
ロフラン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、ジ
メチルホルムアミド等、ポリ酢酸ビニルはクロロホル
ム、メタノール、アセトン、酢酸ブチル等、ポリアクリ
ル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルはアセトン、
酢酸エチル、テトラヒドロフラン、トルエン等、ポリア
クリロニトリルはジメチルホルムアミド等、ポリエチレ
ンオキシドはベンゼン、ジメチルホルムアミド等が、又
フッ化ビニリデン、シアン化ビニリデン及びその共重合
体はアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
等ケトン類、酢酸メチル、アクリル酸メチル等エステル
類、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等環状エーテル、nブチルアミ
ン等アミン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド等アミド類を挙げることができる。又、上記溶媒
の添加量は高分子に対して任意の量でよいが、成膜性を
考慮し20−0.5%溶液であることが望ましい。
本発明において利用しうる液晶としては、液晶/高分
子固定膜を形成しうるものであれば何れの液晶も使用で
きる。例を挙げれば、p−アゾキシアニソール、ノナン
酸コレステリル、4−メトキシベンジリデン−4′−n
−ブチルアニリン、4−メトキシ−4′−ブチルアゾキ
シ−ベンゼン、4、4′−ジメトキシアゾベンゼン、p
−アゾキシアニソール、4−シアノ−4′−n−ペンチ
ルビフェニル、p−2メトキシブチル−p′−シアノビ
フェニル等ネマチック液晶、テレフタル−ビス−ブチル
アニリン、N−(4−シアノベンジリデン)−4′−n
−オクチルオキシアニリン、ドデシルオキシアゾベンゼ
ン、p−(p′−フェニルベンザルアミノ)安息香酸エ
チル、4−ヘプチルオキシベンジリデン−4′−ベンチ
ルアニリン、4−ブチルオキシベンザル−4−エチルア
ニリン、4−(4′−フェニルベンジリデンアミノ)−
n−ブチルシンナメート、4−(4′−デシルオキシベ
ンジリデンアミノ)2−メチルブチルシンナメート、4
−(n−ヘキシルオキシ)フェニルオキシ−4″−(2
−メチルブチル)ビフェニル−4′−カルボキシレー
ト、ZLI−3489等スメクチック液晶、ナノン酸コレステ
リル、(−)−2−メチル−p−(p′−メトキシベン
ジリデンアミノ)ケイヒ酸、コレステリルミリステー
ト、コレステロールのハロゲン化物、エステル等コレス
テリック液晶、ヘキサブトキシトリフェニレン等ディス
コチック液晶が挙げられる。この場合、上記の液晶は単
独で利用できるが相転移温度、温度範囲、化学的安定
性、成膜性等ベースとなる液晶の性能向上を目的とし複
数のものを混合し利用することもできる。
また、本発明において利用しうる染料(含む顔料)と
しては従来、液晶に混和し染料の光吸収異方性に利用さ
れているアゾ系、アントラキノン系、テトラジン系、ク
マリン系二色性染料等、非線形光学特性を有する4−ヂ
メチルアミン−4′−ニトロスチルベン、o−(m−p
−)ニトロアニリン、2−メチル−4−ニロロアニリ
ン、メロシアニン等、及びビス(1−チオ−2−フェノ
レート)ニッケル−テトラブチルアンモニウム、ビス
(1−チオ−2−ナフトレート)ニッケル−テトラブチ
ルアンモニウム、ビス(1,2,3,4−テトラクロロ−5,6−
ヂチオフェノレート)ニッケル(II)テトラ−n−ブチ
ルアンモニウム等近赤外吸収色素が挙げられる。
本発明において用いるアルコールとしてはメタノー
ル、エタノール等低級一価アルコールが好ましい。上記
アルコールの添加量は任意の量でよいが、高分子が沈澱
してこない範囲で、共通溶媒に対して5−30%であるこ
とが好ましい。
本発明において用いる水は純水が好ましい。また、ア
ルコールに対する水の添加量は高分子が沈澱してこない
範囲であれば任意の量でよいが、水分量により多孔質高
分子膜の孔径が変化するので、アルコールに対して5−
50%であることが好ましい。また別法として、高分子を
良溶媒に溶かした溶液中に一定量のアルコールを均一拡
散させた後、多湿な環境下で溶媒を蒸発させ多孔質高分
子膜を得る場合、環境の相対湿度は溶媒の種類によって
異なるが60−100%、好ましくは75−95%である。
本発明によって得られた多孔質高分子膜は、アルコー
ル水が成膜時まで高分子溶液中に均一に微小液滴として
存在しているためできあがった多孔質膜の孔の径、分布
状態が均一である。また分散相がアルコールにより形成
されるので成膜阻害を受けず機械的強度、寸法安定性が
大きく改善されている。このような特徴は本多孔質固定
膜を工業材料として利用する上で重要である。
実施例 次に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
実施例1. フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体7
部とメタクリル酸メチル3部の混合物をメチルエチルケ
トン溶媒100部に溶解した後、メチルアルコール20部、
純水3部を添加し、フラットシャーレに流延し、ゆっく
り溶媒を蒸発させキャスト膜を得た。膜のSEM(走査型
電子顕微鏡)像から、得られた膜は孔径5μmの多孔質
膜でお互いの孔は細いチャンネルで結ばれ連続層を形成
していることが分かった。
このようにして作成された膜に80℃、減圧乾熱器中で
液晶ZLI−3489(メルク社製)を含浸、充填して複合膜
を得た。この複合膜を再び120℃に加熱したところZLI−
3489が膜表面ににじみ出てきた。このことはフッ化ビニ
リデン−トリフルオロエチレンとメタクリル酸メチルマ
トリックスが形成する連続した空孔を連続相ドメインと
して液晶ZLI−3489がしみ出してくるためで、SEM像の結
果とよく一致している。この現象は液晶ZLI−3489のコ
レステリック相から等方相への転移点87℃以上でみられ
る。
実施例2. フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体
(フッ化ビニリデン65%)7.5部をテトラヒドロフラン
(THF)溶媒100部に溶解した後、エチルアルコール10部
を混合させた後、フラットシャーレに流延させ、相対湿
度80%に調湿したクロマト展開槽中で100℃、8時間熱
処理し、アルコールおよび水を除去して多孔質膜を得
た。この膜のSEM像から得られた膜は孔径4−5μmの
多孔質高分子であることがわかった。
この様にして作成された多孔質膜に100℃、減圧乾熱
器中で4−(4′−nデシルオキシベンジリデンアミ
ノ)2−メチルブチルシンナメート(DOBAMBC)2.5部を
含浸、充填した後、電極を付けて供試体とした。この供
試体について誘電率の温度依存性を測定した。また、出
発物質として使用したフッ化ビニリデン−トリフルオロ
エチレン共重合体および液晶DOBAMBCの誘電率の温度依
存性を測定した。これらの結果を昇温過程における線形
誘電率εと3次の非線形誘電率εの温度分散を第1
図および第2図に示す。第1図は、実施例2において得
られた本発明の複合膜及び出発物質としてのフッ化ビニ
リデン−トリフルオロエチレン共重合体及びDOBAMBCの
線形誘電率εの温度分散を示したグラフである。また
第2図は、実施例2において得られた本発明の複合膜及
び出発物質としてのフッ化ビニリデン−トリフルオロエ
チレン共重合体及びDOBAMBCの非線形誘電率εの温度
分散を示したグラフである。
は複合膜に対応し、○はフッ化ビニリデン−トリフルオ
ロエチレン共重合体に対応し、●はDOBAMBCに対応す
る)。
DOBAMBCとフッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン
共重合体は相溶性がないので、複合膜の誘電特性には、
両相の特性が独立に反映され各々の相転移点におけるε
、εのジャンプが複合膜においてもみられる。第1
図において液晶高分子複合膜のピークはDOBAMBCの結
晶相からSmC相への転移点(76℃)に、のピークは
フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体のキ
ュリー点95℃に、付近の誘電率の増加はDOBAMBCのSmA
相からアイソトロピックへの相転移(117℃)に対応し
ている。ここで複合膜の誘電率がDOBAMBC、フッ化ビニ
リデン−トリフルオロエチレン共重合体のそれよりも高
い値を示し、この系において、相乗的な複合が実現して
いることは注目される。また、DOBAMBCの転移点におけ
るεのジャンプもDOBAMBCに較べ複合膜の方が大きく、
液晶の分極反転がより容易に制御できることがわかる。
比較のためにDOBAMBC、フッ化ビニリデン−トリフル
オロエチレン共重合体をテトラヒドロフランを共通溶媒
とし常法によりキャスト製膜としたものは、膜の一方に
DOBAMBCリッチな層が、一方にフッ化ビニリデン−トリ
フルオロエチレン共重合体リッチな層が形成され不均一
な膜となった。この不均一複合膜の誘電率は両相の誘電
率の間にあり、ごく常識的な複合がおきていることがわ
かった。
実施例3. フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体7.
5部をテトラヒドロフラン溶媒100部に溶解した後、エチ
ルアルコール10部、純水3部を添加、十分混合した後フ
ラットシャーレに流延し、溶媒蒸発法によって製膜した
後、減圧乾熱器中で100℃、6時間熱処理し、空孔径約
8μmで、お互いの孔は細いチャンネルで結ばれ連続相
を形成しているキャスト膜を得た。
この様にして得られた膜に90℃、減圧乾熱器中で液晶
ZLI−3489を2.5部含浸、充填し複合膜を得、電極を付け
て供試体とし、誘電率の温度依存性を測定した。比較の
ためにフッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合
体を7.5部と液晶ZLI−3489を2.5部共通溶媒テトラヒド
ロフラン100部に溶解させ常法によりキャスト製膜した
ものについても同様の実験を行った。線形誘電率ε
温度分散を第3図に示す(aが本発明の方法により作成
された多孔質高分子膜を用いた複合膜、bが常法で得た
複合膜に対応する)。第3図において−20〜60℃の領域
のピークは液晶ZLI−3489の強誘電相に、70℃付近のピ
ークはフッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合
体のキュリー点にそれぞれ対応している。この2種類の
チャートの違いからわかるように多孔質膜に液晶を充填
した複合膜は液晶の強誘電相における誘電率のジャンプ
が常法で得たそれよりもずっと大きく、液晶の分極反転
がより容易に制御できることがわかる。
実施例4. 実施例3において液晶ZLI−3489の代わりにo−ニト
ロアリニン0.5gをエチルアルコール0.5ccに溶解して、Z
LI−34892を2.5gと混合した混合物を用いた以外は実施
例3.と同様に処理し、高分子に液晶/染料混合物を微小
な球状分散体として複合膜を得た。
実施例5. ポリカーボネート7.5部をテトラヒドロフラン溶媒100
部に溶解した後、エチルアルコール10部純水3部を添加
し十分混合した後フラットシャーレに流延し、溶媒蒸発
法によって製膜した後、減圧乾熱器中で100℃、6時間
熱処理し、空孔径12μmで、お互いの孔は細いチャンネ
ルで結ばれ連続相を形成しているキャスト膜を得た。同
様な方法で純水1.5部、0.5部、0.2部添加したものから
空孔径5μm、1μm、0.1μmのキャスト膜をそれぞ
れ得た。この膜に90℃、減圧乾熱器中で液晶ZLI−3489
を2.5部含浸、充填し、電極を付けて液晶固定膜を得、
供試体とした。上記によって得られた複合膜及び液晶の
線形誘電率の周波数スペクトルを第5図、第6図に示
す。複合膜に係る液晶の体積分率は各資料とも20−25%
程度である。誘電緩和強度Δεは、誘電率の実部ε′が
平衡状態となる平衡誘電率ε(0)から瞬間誘電率ε∝
を差し引いた値であるから、第5図におけるε′の特性
曲線から孔径が小さくなるにしたがって(孔径が12μm
から0.1μmになるにしたがって)、Δεの低下が読み
取れる。また、第5図における透電率の虚部ε″の特性
曲線から孔径が12μm〜0.1μmの緩和のピーク位置か
ら、横軸の周波数(対数目盛り)80Hz、300Hz、1000H
z、3000Hzが各々読み取れ、緩和周波数は高周波数側に
大きく移っていることがわかる。液晶単独では60Hz位で
あるのに対し、本発明による多孔質高分子膜が孔径12μ
mでは80Hzに、5μmでは300Hzに、1μmでは1000Hz
に、0.1μmでは3000Hzに緩和がみられる。従って、応
答速度は1/2πfであるから、液晶単独では約2.65msで
あるが、孔径が12μmでは1.98ms、5μmでは530μ
s、1μmでは159μs、0.1μmでは53μsと孔径が小
さくなるに従って速くなる。
実施例6. 実施例5の方法で得られた孔径の異なる4種類のポリ
カーボネート/液晶ZLI−3489固定膜、及び8μmと6.3
μmの(VDF/TrFE)/液晶ZLI−3489固定膜、及び溶媒
蒸発法によりキャスト製膜して得た分散粒子径0.2μm
のポリメチルメタクリレート/液晶ZLI−3489固定膜の
線形誘電率の周波数スペクトルから、孔径と緩和周波数
fm(ε″の最大周波数)の関係を第7図に示す。これか
らfmは高分子の種類によらず多孔質高分子複合膜の孔径
または分散粒径のみに依存していることがわかる(第4
図と対比)。
実施例7. ポリカーボネート7.5部をTHF溶媒100部に溶かした
後、エチルアルコール10部を添加し、フラットシャーレ
に流延して、相対湿度80%に調湿したクロマト展開槽中
で溶媒蒸発させ製膜した。その後、減圧乾熱器中で100
℃、8時間処理し、キャスト膜を得た。得られた膜はSE
M像から孔径約12μmの多孔質膜でお互いの孔は細いチ
ャンネルで結ばれた連続相を形成している。この膜に80
℃、減圧乾熱器中で液晶ZLI−3489を含浸、充填し複合
膜を得、電極をつけて供試体とした。比較のためにポリ
カーボネート7.5部と液晶ZLI−3489を2.5部共通溶媒と
してのTHF100部に溶解し、常法によりキャスト製膜し、
複合膜を得た。この膜のSEM像から、液晶は高分子中に
5μm程度の液滴として不均一分散し、液晶リッチな上
層と高分子リッチな下層に分かれていることがわかっ
た。この膜に電極をつけて供試体とした。第8図に本発
明による多孔質膜に液晶を充填した系を、第9図に常法
によりキャスト成膜した系のDEヒステリシス曲線を示
す。第8図から多孔質膜に液晶を充填した系では液晶ZL
I−3489は強誘電的分極反転を行うことがわかる。
LZI−3489の残留分極は300μC/m2であるから、複合膜
ではそのI/10の分極が反転しているようにみえることに
なる。一方、第9図から常法で得た複合膜では、多孔質
膜に液晶を充填したものほどきれいなDEヒステリシス曲
線は示さないことがわかる。
実施例8. 実施例5で得られた孔径12μmのPC/液晶ZLI−3489固
定膜のスイッチング特性の測定例を第10図に示す。これ
はステップ電界を印加した時の電気変位Dとその微分∂
D/∂logtをlogtに対してプロットしたものである。スイ
ッチング時間τは電界が高くなるにつれ短くなってお
り、ピーク位置、従って反転速度は電界と共に速くなっ
ていることがわかる。
実施例9. 実施例5、6で得られた各種固定膜について、スイッ
チング時間τを印加電界の対数に対してプロットした
ものを第11図に示す。液晶ZLI−3489のみでほぼ直線関
係が得られ、パワー則に従っていることが示されてい
る。本発明の複合膜では、低電界のτが誘電緩和時間
に一致し、スイッチング曲線は時間領域の誘電緩和曲線
に等しく、電界が高くなるとτが電界と共にパワー則
に従って小さくなる様子がわかる。これらの結果から複
合化するとスイッチング時間が速くなることが理解され
るであろう。
発明の効果 以上詳細に説明した如く、本発明によって得られる高
分子膜は球状の空孔が独立又は部分的に連続した構造で
均一分散した多孔質高分子膜である。これに液晶および
/または染料等低分子物質を含浸、充填させた複合膜は
一つの素材で高分子の有する機能と低分子の有する機能
を持ち合わせた性質を有している。また共に機能性を有
する低分子と高分子を複合することにより両相の機能性
の相乗効果が現れるような性能も得られる。
更に、本発明によって得られる高分子膜は球状の空孔
の大きさを調節することが容易であり、したがってスイ
ッチング時間の速い複合膜を容易に製造することが可能
である。
このように本発明によって得られる多孔質高分子膜は
多孔質高分子膜の空孔の形状、分散状態、低分子物質と
高分子の界面効果等の相互作用によって誘電率等の電気
的特性、非線形光学効果、複屈折等光学特性が著しく改
善されている。
なお、本発明の方法によって製造された多孔質高分子
膜は、単に液晶等の機能性低分子を固定するためのみに
用いられるのではなく、他の用途にも使用可能であるこ
とは言うまでもない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−90028(JP,A) 特開 昭58−16823(JP,A) 特開 昭48−56279(JP,A) 特公 昭62−19203(JP,B2)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子を良溶媒に溶かした後、貧溶媒であ
    るアルコールと水を均一分散させてなる高分子溶液から
    両溶媒を蒸発させることを特徴とする多孔質高分子膜の
    製造方法。
  2. 【請求項2】貧溶媒であるアルコールを含む高分子溶液
    を多湿環境下に置くことにより前記水を高分子溶液中に
    含ませることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の製
    造方法。
  3. 【請求項3】前記高分子溶液中の前記水の量を調節する
    ことにより、前記多孔質高分子膜の孔径を調節すること
    を特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の製造
    方法。
  4. 【請求項4】高分子を良溶媒に溶かした後、貧溶媒であ
    るアルコールと水を均一分散させてなる高分子溶液から
    両溶媒を蒸発させて多孔質高分子膜を形成させる工程と
    前記多孔質高分子膜の空孔に物質が充填される工程を含
    むことを特徴とする高分子複合膜の製造方法。
  5. 【請求項5】前記物質が液晶であることを特徴とする請
    求の範囲第4項に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】前記物質が染料であることを特徴とする請
    求の範囲第4項に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】前記物質が液晶と染料の混合系であること
    を特徴とする請求の範囲第4項に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】前記高分子溶液中の前記水の量を調節する
    ことにより、前記多孔質高分子膜の孔径を調節すること
    を特徴とする請求の範囲第4項に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】前記水の量を調節し、前記孔径を10μm以
    下としたことを特徴とする請求の範囲第8項に記載の製
    造方法。
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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4856279A (ja) * 1971-11-18 1973-08-07
JPS5790028A (en) * 1980-11-22 1982-06-04 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd Production of microporous sheet
JPS5816823A (ja) * 1981-07-23 1983-01-31 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 白濁した高分子薄膜の製造方法
JPS6219203A (ja) * 1985-05-24 1987-01-28 ドル−オリバ− インコ−ポレイテツド 改良電極をもつ透析用電気フイルタ−

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