JP2561959B2 - 低温液化ガス貯槽の防液堤用の断熱コンクリート - Google Patents
低温液化ガス貯槽の防液堤用の断熱コンクリートInfo
- Publication number
- JP2561959B2 JP2561959B2 JP1173424A JP17342489A JP2561959B2 JP 2561959 B2 JP2561959 B2 JP 2561959B2 JP 1173424 A JP1173424 A JP 1173424A JP 17342489 A JP17342489 A JP 17342489A JP 2561959 B2 JP2561959 B2 JP 2561959B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- storage tank
- insulating concrete
- pearlite
- liquefied gas
- concrete
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はLNG,LPG等の低温液化ガス貯槽の周囲に設
置する防液堤用の断熱コンクリートに関する。
置する防液堤用の断熱コンクリートに関する。
低温液化ガス貯槽は万一の流出、漏洩事故に備え、そ
の周囲には防液堤の設置が業務づけられている。液化ガ
スが防液堤内に流出したなら、接液した構造体は急激に
冷却され崩壊の危険性が生じたり、それらからの入熱で
ガス化が促進され、火災や爆発等の2次災害を招く恐れ
がある。従って、防液堤内の地表面および基礎スラブ
下の床面に液化ガス蒸発、拡散を抑制するための断熱材
層を設けたり、基礎杭の周りに液化ガスによる熱衝撃
および低温脆化の緩衝等を目的とする断熱材層が設けら
れる。これらの断熱材層は次の条件を備えていなければ
ならない。
の周囲には防液堤の設置が業務づけられている。液化ガ
スが防液堤内に流出したなら、接液した構造体は急激に
冷却され崩壊の危険性が生じたり、それらからの入熱で
ガス化が促進され、火災や爆発等の2次災害を招く恐れ
がある。従って、防液堤内の地表面および基礎スラブ
下の床面に液化ガス蒸発、拡散を抑制するための断熱材
層を設けたり、基礎杭の周りに液化ガスによる熱衝撃
および低温脆化の緩衝等を目的とする断熱材層が設けら
れる。これらの断熱材層は次の条件を備えていなければ
ならない。
・断熱性に優れている ・低温性が良い ・経年変化が少ない ・耐候性、耐久性に富んでいる ・経済的である 従来の防液堤は防液堤内の土壌面に打設した均しコン
クリート上に、金網等の補強材を配し、真珠岩系発泡粒
状物(真珠岩系パーライト)もしくは黒曜石系発泡粒状
物(黒曜石系パーライト)の単体を骨材とした断熱コン
クリートを約3m角の単位で伸縮目地を形成しながら5〜
20cmの厚さに打設し、断熱材層を形成するものであっ
た。しかし、この断熱コンクリートは次の様な欠点があ
った。
クリート上に、金網等の補強材を配し、真珠岩系発泡粒
状物(真珠岩系パーライト)もしくは黒曜石系発泡粒状
物(黒曜石系パーライト)の単体を骨材とした断熱コン
クリートを約3m角の単位で伸縮目地を形成しながら5〜
20cmの厚さに打設し、断熱材層を形成するものであっ
た。しかし、この断熱コンクリートは次の様な欠点があ
った。
真珠岩系パーライトはそれ自身が脆く、また独立気
泡率が低いこと等から混練りしたときに破壊されて細粒
化や体積減少が起こり、混合水が必然的に多くなり、高
比重となる。熱伝導率、初期蒸発速度といった熱特性を
高めるために混練り時の比重を軽くすると圧縮強度、吸
水性、耐久性、耐候性が低下する。
泡率が低いこと等から混練りしたときに破壊されて細粒
化や体積減少が起こり、混合水が必然的に多くなり、高
比重となる。熱伝導率、初期蒸発速度といった熱特性を
高めるために混練り時の比重を軽くすると圧縮強度、吸
水性、耐久性、耐候性が低下する。
黒曜石系パーライトは真珠岩系パーライトに比べ、
硬くまた独立気泡率が高く、気泡の破壊が起こりがた
く、混合水量を低減でき、熱特性を高めるため混練時の
比重を軽くしても比強度が大きい断熱コンクリートが得
られる。しかし、混合した際に混合水が分離し易く、流
動性が低下して、均質性の低下を起こし易い。また得ら
れるコンクリートの単位容積重量が大であり、かつ高価
となる欠点があった。
硬くまた独立気泡率が高く、気泡の破壊が起こりがた
く、混合水量を低減でき、熱特性を高めるため混練時の
比重を軽くしても比強度が大きい断熱コンクリートが得
られる。しかし、混合した際に混合水が分離し易く、流
動性が低下して、均質性の低下を起こし易い。また得ら
れるコンクリートの単位容積重量が大であり、かつ高価
となる欠点があった。
真珠岩系パーライトおよび黒曜石系パーライトのい
ずれを骨材として使用した断熱コンクリートも、一般的
なコンクリートに比べ水/セメント比が大きいこと、骨
材強度が小さいこと等で乾燥収縮が大きく、また軽量化
するために機械的強度の絶対値が低いこと等から耐衝撃
性、耐摩耗性、耐久性に乏しい。
ずれを骨材として使用した断熱コンクリートも、一般的
なコンクリートに比べ水/セメント比が大きいこと、骨
材強度が小さいこと等で乾燥収縮が大きく、また軽量化
するために機械的強度の絶対値が低いこと等から耐衝撃
性、耐摩耗性、耐久性に乏しい。
以上の欠点は、断熱コンクリートの表面が日射や、外
気温度の影響を直接受け、内部とに温度差や乾燥収縮量
の差が生じて発生する応力には対応出来ず、クラックが
発生する。無論、この対策として、金網等の補強材を挿
入するが、クラックの発現を大幅に改善するまでには至
っていない。クラックは、その進行程度によって熱短絡
や熱特性の増大から、本来の設計基準値を逸脱したり、
終局的には断熱コンクリートを破壊してしまう危険性を
含んでいる。
気温度の影響を直接受け、内部とに温度差や乾燥収縮量
の差が生じて発生する応力には対応出来ず、クラックが
発生する。無論、この対策として、金網等の補強材を挿
入するが、クラックの発現を大幅に改善するまでには至
っていない。クラックは、その進行程度によって熱短絡
や熱特性の増大から、本来の設計基準値を逸脱したり、
終局的には断熱コンクリートを破壊してしまう危険性を
含んでいる。
この発明は前記事情に鑑みなされたものである。
その目的は従来の防液堤の断熱材として用いられてい
る。真珠岩系断熱コンクリートと同等の低コストであ
り、黒曜石系断熱コンクリートに近似した断熱性能およ
び機械的強度を備え、しかも耐久性が優れ、品質のバラ
ツキが少ない低温液化ガス貯槽の防液堤用の断熱コンク
リートを提案するにある。
る。真珠岩系断熱コンクリートと同等の低コストであ
り、黒曜石系断熱コンクリートに近似した断熱性能およ
び機械的強度を備え、しかも耐久性が優れ、品質のバラ
ツキが少ない低温液化ガス貯槽の防液堤用の断熱コンク
リートを提案するにある。
この低温液化ガス貯槽の防液堤用の断熱コンクリート
は、防液堤用の地表面、高床式貯槽基礎スラブ下の床
面、露出した基礎杭の表面を覆う断熱材として用いる断
熱コンクリートであって、黒曜石系発泡粒状物70〜90
%、真珠岩系発泡粒状物30〜10%の混合物である骨材
を、増粘剤として水溶性セルロース誘導体を含むセメン
トペーストに均一に分散させてあり、かつ、ガラス繊維
を混入して補強してあり、 初期蒸発速度 50×10-3t- 0.5cm/sec以下 (雰囲気温度23℃、液体窒素を使用、t=経過時間,se
c.) 熱伝導率 0.13Kcal/m.hr.℃以下 圧縮強度 25Kgf/cm2以上 であることを特徴とする。
は、防液堤用の地表面、高床式貯槽基礎スラブ下の床
面、露出した基礎杭の表面を覆う断熱材として用いる断
熱コンクリートであって、黒曜石系発泡粒状物70〜90
%、真珠岩系発泡粒状物30〜10%の混合物である骨材
を、増粘剤として水溶性セルロース誘導体を含むセメン
トペーストに均一に分散させてあり、かつ、ガラス繊維
を混入して補強してあり、 初期蒸発速度 50×10-3t- 0.5cm/sec以下 (雰囲気温度23℃、液体窒素を使用、t=経過時間,se
c.) 熱伝導率 0.13Kcal/m.hr.℃以下 圧縮強度 25Kgf/cm2以上 であることを特徴とする。
この発明で用いる黒曜石系パーライトとしては、一般
のいわゆる黒曜石パーライトを用いることができるが、
後述する第1表実施例の硬粒パーライトがより好適であ
る。この硬粒パーライトは黒曜石を破砕した粒体を約10
00℃で急速に加熱、膨張せしめてなったもので、独立し
たガラス質小気泡の集合体からなり、極めて低吸水性で
あり、一般のパーライトに比べ単位容積重量および熱伝
導率が低い。
のいわゆる黒曜石パーライトを用いることができるが、
後述する第1表実施例の硬粒パーライトがより好適であ
る。この硬粒パーライトは黒曜石を破砕した粒体を約10
00℃で急速に加熱、膨張せしめてなったもので、独立し
たガラス質小気泡の集合体からなり、極めて低吸水性で
あり、一般のパーライトに比べ単位容積重量および熱伝
導率が低い。
この発明で用いる真珠岩系パーライトとしては、一般
のいわゆる真珠岩パーライトを用いることができるが、
後述する第1表実施例の真珠岩系軽量パーライトがより
好適である。この軽量パーライトは前記硬粒パーライト
と同様に焼成してつくったもので、一般のものに比べ単
位容積重量および熱伝導率が低い。また、硬粒パーライ
トに比べ柔らかく、独立気泡率が低い。
のいわゆる真珠岩パーライトを用いることができるが、
後述する第1表実施例の真珠岩系軽量パーライトがより
好適である。この軽量パーライトは前記硬粒パーライト
と同様に焼成してつくったもので、一般のものに比べ単
位容積重量および熱伝導率が低い。また、硬粒パーライ
トに比べ柔らかく、独立気泡率が低い。
この断熱コンクリートは黒曜石系パーライトを主体と
し、真珠岩系パーライトを添加した骨材を用いる。真珠
岩系パーライトを添加することにより、混合して得られ
たモルタル組成物の保水性が向上し、混合水の分離が防
止でき、流動性が向上し、均質性が向上する。また、黒
曜石系パーライトを骨材とした断熱コンクリートの優れ
た熱的性能、強度、耐久性を損なうことなく発現でき
る。
し、真珠岩系パーライトを添加した骨材を用いる。真珠
岩系パーライトを添加することにより、混合して得られ
たモルタル組成物の保水性が向上し、混合水の分離が防
止でき、流動性が向上し、均質性が向上する。また、黒
曜石系パーライトを骨材とした断熱コンクリートの優れ
た熱的性能、強度、耐久性を損なうことなく発現でき
る。
骨材混合物に示す黒曜石系パーライトは容積比90%〜
70%である。黒曜石系パーライトが70%未満では高比
重、低強度であり、かつ、優れた熱特性を発現すること
はできない。また90%以上、すなわち真珠岩系パーライ
トが10%未満では混合した際、モルタル組成物の保水
性、流動性が低下し、作業性が悪く、良好な均質性をも
った断熱コンクリートが得られない。より好ましい黒曜
石系パーライトの容積比は85%〜75%すなわち、真珠岩
系パーライトの容積比は15%〜25%である。
70%である。黒曜石系パーライトが70%未満では高比
重、低強度であり、かつ、優れた熱特性を発現すること
はできない。また90%以上、すなわち真珠岩系パーライ
トが10%未満では混合した際、モルタル組成物の保水
性、流動性が低下し、作業性が悪く、良好な均質性をも
った断熱コンクリートが得られない。より好ましい黒曜
石系パーライトの容積比は85%〜75%すなわち、真珠岩
系パーライトの容積比は15%〜25%である。
初期蒸発速度は低温液化ガス貯槽に付帯する断熱コン
クリート等の熱的性能を示す数値として従来から広く用
いられている数値である。この値を求めるには試料、こ
の場合は断熱コンクリートの試料(200mmφ×50mm厚
さ)を保冷材(ウレタンフォーム)で作った、上面が解
放された容器(内寸法200mmφ×250mm深さ)の底面に接
着し、23℃±2℃の雰囲気中で、所定量の液体窒素を瞬
時に注入する。液体窒素は試料面から熱を吸収し、蒸発
し液面が低下する。この液面の低下(Hcm)、すなわち
蒸発量と経過時間(t秒)から蒸発速度 を求める。このvを時間と共にプロットし、その曲線か
ら初期蒸発速度Vが求められる。液体窒素の蒸発の過程
において、試料の熱拡散率等の熱的性能が時間と共に変
化し、蒸発量が低減していくために、Vは に反比例し、 となる。値は低い値ほど好ましく、少なくともVは 以下でなければ蒸発するガスの拡散抑制する充分な効果
は得られない。
クリート等の熱的性能を示す数値として従来から広く用
いられている数値である。この値を求めるには試料、こ
の場合は断熱コンクリートの試料(200mmφ×50mm厚
さ)を保冷材(ウレタンフォーム)で作った、上面が解
放された容器(内寸法200mmφ×250mm深さ)の底面に接
着し、23℃±2℃の雰囲気中で、所定量の液体窒素を瞬
時に注入する。液体窒素は試料面から熱を吸収し、蒸発
し液面が低下する。この液面の低下(Hcm)、すなわち
蒸発量と経過時間(t秒)から蒸発速度 を求める。このvを時間と共にプロットし、その曲線か
ら初期蒸発速度Vが求められる。液体窒素の蒸発の過程
において、試料の熱拡散率等の熱的性能が時間と共に変
化し、蒸発量が低減していくために、Vは に反比例し、 となる。値は低い値ほど好ましく、少なくともVは 以下でなければ蒸発するガスの拡散抑制する充分な効果
は得られない。
熱伝導率は、JIS A 1412に基づいて測定した値であ
る。初期蒸発速度の低下や熱衝撃および低温脆化から構
造物を保護するには、0.13Kcal/m.hr.℃以下の熱伝導率
を有していなければ、その効力は発揮されない。
る。初期蒸発速度の低下や熱衝撃および低温脆化から構
造物を保護するには、0.13Kcal/m.hr.℃以下の熱伝導率
を有していなければ、その効力は発揮されない。
圧縮強度は、JIS A 1108に基づいて28日間養生後に測
定した値である。保守管理時の走行や外力からの損傷を
防止するには、従来の経験値から、25kg f/cm2以上の圧
縮強度が必要である。
定した値である。保守管理時の走行や外力からの損傷を
防止するには、従来の経験値から、25kg f/cm2以上の圧
縮強度が必要である。
この実施例では、第1表に示す黒曜石系パーライト
(以下硬粒パーライトという)および真珠岩系軽量パー
ライト容積比4:1の混合物を骨材として用いた、これら
パーライトは第1表比較例に示す従来のパーライトに比
べ容積重量が非常に軽量であり、かつ熱特性も優れてい
る。この軽量のパーライトは、セメントペースト中に水
溶性セルロース誘導体からなる増粘剤を添加し増粘を図
ることにより均一な分散を可能となした。
(以下硬粒パーライトという)および真珠岩系軽量パー
ライト容積比4:1の混合物を骨材として用いた、これら
パーライトは第1表比較例に示す従来のパーライトに比
べ容積重量が非常に軽量であり、かつ熱特性も優れてい
る。この軽量のパーライトは、セメントペースト中に水
溶性セルロース誘導体からなる増粘剤を添加し増粘を図
ることにより均一な分散を可能となした。
第2表に実施例の断熱コンクリートの配合表を示す。
この断熱コンクリート組成物を混練りする方法は、公知
の強制攪拌ミキサーを使用し、各材料を第2表に示す配
合割合で、投入し混合する。まず始めに計量された硬粒
パーライトおよび真珠岩系軽量パーライトをミキサー内
に迅速に投入し、続いて軽量されたポルトランドセメン
トおよびガラス繊維を投入する。これらの各成分は均一
に混合、分散されるように、その後1分間空合わせをす
る。
この断熱コンクリート組成物を混練りする方法は、公知
の強制攪拌ミキサーを使用し、各材料を第2表に示す配
合割合で、投入し混合する。まず始めに計量された硬粒
パーライトおよび真珠岩系軽量パーライトをミキサー内
に迅速に投入し、続いて軽量されたポルトランドセメン
トおよびガラス繊維を投入する。これらの各成分は均一
に混合、分散されるように、その後1分間空合わせをす
る。
次に計量された混合水および規定の水量で希釈された
AE剤、増粘剤を空合わせした成分に注ぎ込み、最後に全
てのモルタル成分を3分間練り合わせ製造する。
AE剤、増粘剤を空合わせした成分に注ぎ込み、最後に全
てのモルタル成分を3分間練り合わせ製造する。
AE剤としては安定した微細な気泡をセメントペースト
中に均一に分散させることができるアニオン系界面活性
剤を用いた。ガラス繊維としては直径10〜20ミクロンの
耐アルカリ性ガラス繊維を用い、靱性、ねばりの向上を
図った。第3表に実施例の断熱コンクリートおよび従来
の黒曜石系パーライトおよび真珠岩パーライトを骨材と
した比較例の断熱コンクリートの物性を示す。
中に均一に分散させることができるアニオン系界面活性
剤を用いた。ガラス繊維としては直径10〜20ミクロンの
耐アルカリ性ガラス繊維を用い、靱性、ねばりの向上を
図った。第3表に実施例の断熱コンクリートおよび従来
の黒曜石系パーライトおよび真珠岩パーライトを骨材と
した比較例の断熱コンクリートの物性を示す。
一般に断熱コンクリートの熱特性と機械的特性は比重
にほぼ相関し、比重が軽いと熱物性は上昇するが機械的
特性は低下する。断熱コンクリートはその名称からも、
熱特性が優先され、その性能が継続的に維持しうる機械
的強度があるなら、出来る限り比重は軽いほうが良い。
にほぼ相関し、比重が軽いと熱物性は上昇するが機械的
特性は低下する。断熱コンクリートはその名称からも、
熱特性が優先され、その性能が継続的に維持しうる機械
的強度があるなら、出来る限り比重は軽いほうが良い。
容積重量の重いパーライトの混入は必然的に比重が重
くなり、比重の軽量化にはAE剤による多量の空気連行が
必要となるが、AE剤は温度依存度が高く、特に現場施工
のような水温、外気が常に変化するような環境下では空
気の連行量が一定せずに品質のバラツキの大きい、かつ
骨材容積比の減少は乾燥収縮の増大を招き、クラックの
発生し易い製品となる。これに対し、0.10程度の容積重
量の軽い硬粒パーライトを使用するこの発明になる断熱
コンクリートでは多量の骨材を混入できることで、AE剤
は微量で良く、また、硬粒パーライトはバラツキが少な
く、吸水性が低く、強度を有していることから、仕上が
り表面が美しく、品質の非常に安定した製品が得られ
る。
くなり、比重の軽量化にはAE剤による多量の空気連行が
必要となるが、AE剤は温度依存度が高く、特に現場施工
のような水温、外気が常に変化するような環境下では空
気の連行量が一定せずに品質のバラツキの大きい、かつ
骨材容積比の減少は乾燥収縮の増大を招き、クラックの
発生し易い製品となる。これに対し、0.10程度の容積重
量の軽い硬粒パーライトを使用するこの発明になる断熱
コンクリートでは多量の骨材を混入できることで、AE剤
は微量で良く、また、硬粒パーライトはバラツキが少な
く、吸水性が低く、強度を有していることから、仕上が
り表面が美しく、品質の非常に安定した製品が得られ
る。
第2表に示した実施例の断熱コンクリートは骨材/セ
メント(容積比)6:1の場合を示したが、要求される熱
特性の基準値によっては4:1,5:1,7:1等の配合とするこ
ともできる。
メント(容積比)6:1の場合を示したが、要求される熱
特性の基準値によっては4:1,5:1,7:1等の配合とするこ
ともできる。
第4表はまだ固まらないコンクリートのバラツキを示
す。
す。
スランプ,容積重量は共に安定しており、現場施工で
の品質のバラツキが少ないことが示される。
の品質のバラツキが少ないことが示される。
以下に低温液化ガスの高床式貯槽の防液堤内の基礎ス
ラブ下の床部および一般床部の、この発明になる断熱コ
ンクリートによる断熱施工例を挙げ説明する。
ラブ下の床部および一般床部の、この発明になる断熱コ
ンクリートによる断熱施工例を挙げ説明する。
第1図は低温貯槽および防液堤の概要を示すものであ
り、1は低温貯槽で、2は貯槽を支持する基礎スラブ、
3はこれらを支持する基礎杭、4は貯槽の廻りに構築し
た防液堤、5は漏洩した液化ガスの接する面に敷設した
断熱コンクリートである。
り、1は低温貯槽で、2は貯槽を支持する基礎スラブ、
3はこれらを支持する基礎杭、4は貯槽の廻りに構築し
た防液堤、5は漏洩した液化ガスの接する面に敷設した
断熱コンクリートである。
第2図は防液堤内地表面の断熱構造を示すものであ
り、防液堤内面の床部の土壌6には均しコンクリート7
を打設し、その上に熔接金網8を配し、金網8は均しコ
ンクリート7に植え込まれたアンカー9に固定される。
約3m×3mに仕切られるように伸縮目地10を組み立て、そ
の内側に断熱コンクリート5を打設する。
り、防液堤内面の床部の土壌6には均しコンクリート7
を打設し、その上に熔接金網8を配し、金網8は均しコ
ンクリート7に植え込まれたアンカー9に固定される。
約3m×3mに仕切られるように伸縮目地10を組み立て、そ
の内側に断熱コンクリート5を打設する。
第3図は基礎スラブ下の床面および基礎杭の断熱構造
を示すものであり、床面の土壌6には均しコンクリート
7を打設し、その上に伸縮目地10を組み立て、その内側
に断熱コンクリート5を打設する。一方、基礎杭3には
工場で製造され、かつ運搬等で受ける外力に耐えられる
ように金網で補強された断熱コンクリート成形品5′を
取り付け、鋼帯等で固定する。
を示すものであり、床面の土壌6には均しコンクリート
7を打設し、その上に伸縮目地10を組み立て、その内側
に断熱コンクリート5を打設する。一方、基礎杭3には
工場で製造され、かつ運搬等で受ける外力に耐えられる
ように金網で補強された断熱コンクリート成形品5′を
取り付け、鋼帯等で固定する。
なお、基礎スラブ下床面の断熱コンクリート5には金
網8を敷設しなかった。また断熱コンクリート成形品
5′は4分割して取付作業性の向上を図った。
網8を敷設しなかった。また断熱コンクリート成形品
5′は4分割して取付作業性の向上を図った。
この発明は以上の通りであり、この断熱コンクリート
は防液堤断熱材の基準値より優れた初期蒸発速度および
熱伝導率を備え、しかも実用上支障のない機械的強度を
有し、断熱コンクリートの最大の欠点であるクラックの
発生を著しく改善し、優れた耐久性、耐候性を発揮す
る。従って低温液化ガス貯槽の防液堤に用い、優れた断
熱性能を長期に発揮できる。また、高床式貯槽基礎スラ
ブの下の床断熱のように作業空間が制約される箇所の施
工は、従来の金網を使用しなくても必要な強度、耐久性
が得られ、施工性も良く、大変経済的である。
は防液堤断熱材の基準値より優れた初期蒸発速度および
熱伝導率を備え、しかも実用上支障のない機械的強度を
有し、断熱コンクリートの最大の欠点であるクラックの
発生を著しく改善し、優れた耐久性、耐候性を発揮す
る。従って低温液化ガス貯槽の防液堤に用い、優れた断
熱性能を長期に発揮できる。また、高床式貯槽基礎スラ
ブの下の床断熱のように作業空間が制約される箇所の施
工は、従来の金網を使用しなくても必要な強度、耐久性
が得られ、施工性も良く、大変経済的である。
第1,2,3図は低温液化ガス貯槽の防液堤内の断熱コンク
リートによる断熱施工例を示すもので、第1図は全体縦
断面図、第2図は一般床部の一部断面を示す斜視図、第
3図は基礎スラブ下の床部の一部断面を示す斜視図であ
る。 1……低温貯槽、2……基礎スラブ、3……基礎杭、4
……防液堤、5……断熱コンクリート、5′……断熱コ
ンクリート成形品、6……土壌、7……均しコンクリー
ト、8……熔接金網、9……アンカー、10……伸縮目
地。
リートによる断熱施工例を示すもので、第1図は全体縦
断面図、第2図は一般床部の一部断面を示す斜視図、第
3図は基礎スラブ下の床部の一部断面を示す斜視図であ
る。 1……低温貯槽、2……基礎スラブ、3……基礎杭、4
……防液堤、5……断熱コンクリート、5′……断熱コ
ンクリート成形品、6……土壌、7……均しコンクリー
ト、8……熔接金網、9……アンカー、10……伸縮目
地。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田沢 雄二郎 東京都調布市飛田給2丁目19番1号 鹿 島建設株式会社技術研究所内 (72)発明者 河本 克正 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 北井 博 大阪府大阪狭山市池之原4丁目932番地 (72)発明者 作本 守 大阪府大東市諸福3丁目7番16号 (56)参考文献 特開 昭62−288179(JP,A) 特開 昭54−90323(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】防液堤内の地表面、高床式貯槽基礎スラブ
下の床面、露出した基礎杭の表面を覆う断熱材として用
いる断熱コンクリートであって、黒曜石系発泡粒状物70
〜90%、真珠岩系発泡粒状物30〜10%の混合物である骨
材を、増粘剤として水溶性セルロース誘導体を含むセメ
ントペーストに均一に分散させてあり、かつ、ガラス繊
維を混入して補強してあり、 初期蒸発速度 50×10-3t- 0.5cm/sec以下 (雰囲気温度23℃、液体窒素を使用、t=経過時間,se
c.) 熱伝導率 0.13Kcal/m.hr.℃以下 圧縮強度 25Kgf/cm2以上 であることを特徴とする低温液化ガス貯槽の防液堤用の
断熱コンクリート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1173424A JP2561959B2 (ja) | 1989-07-05 | 1989-07-05 | 低温液化ガス貯槽の防液堤用の断熱コンクリート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1173424A JP2561959B2 (ja) | 1989-07-05 | 1989-07-05 | 低温液化ガス貯槽の防液堤用の断熱コンクリート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0337168A JPH0337168A (ja) | 1991-02-18 |
JP2561959B2 true JP2561959B2 (ja) | 1996-12-11 |
Family
ID=15960196
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1173424A Expired - Lifetime JP2561959B2 (ja) | 1989-07-05 | 1989-07-05 | 低温液化ガス貯槽の防液堤用の断熱コンクリート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2561959B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002068855A (ja) * | 2000-09-04 | 2002-03-08 | Ask Sanshin Engineering Co Ltd | 軽量断熱コンクリート |
JP5513697B1 (ja) * | 2014-01-15 | 2014-06-04 | 株式会社フジコーポレーション | テストピース試験室の壁部構造体 |
JP5513696B1 (ja) * | 2014-01-15 | 2014-06-04 | 株式会社フジコーポレーション | テストピース試験室 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2805533B1 (fr) * | 2000-02-25 | 2003-01-24 | Materiaux De La Nive Atel | Composition prete a l'emploi d'un beton resistant a une temperature de 1000°c |
KR101142170B1 (ko) * | 2010-03-05 | 2012-05-03 | 주식회사 경동세라텍 | 닫힌셀의 팽창 퍼라이트를 이용한 보온재 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5490323A (en) * | 1977-12-28 | 1979-07-18 | Kanebo Ltd | Glass fiber reinforced pearlite formed body |
JPS62137499A (ja) * | 1985-12-10 | 1987-06-20 | Kajima Corp | 低温液化ガス貯槽の防液堤 |
JPS62212275A (ja) * | 1986-03-13 | 1987-09-18 | ニチアス株式会社 | 高強度軽量コンクリ−ト断熱材およびその製造方法 |
JPH0672067B2 (ja) * | 1986-06-04 | 1994-09-14 | 清水建設株式会社 | 陶土発泡粒含有断熱コンクリート |
US4755839A (en) * | 1987-06-18 | 1988-07-05 | Polaroid Corporation | Pivotally mounted spread roller assembly |
-
1989
- 1989-07-05 JP JP1173424A patent/JP2561959B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002068855A (ja) * | 2000-09-04 | 2002-03-08 | Ask Sanshin Engineering Co Ltd | 軽量断熱コンクリート |
JP5513697B1 (ja) * | 2014-01-15 | 2014-06-04 | 株式会社フジコーポレーション | テストピース試験室の壁部構造体 |
JP5513696B1 (ja) * | 2014-01-15 | 2014-06-04 | 株式会社フジコーポレーション | テストピース試験室 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0337168A (ja) | 1991-02-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Babu et al. | Effect of polystyrene aggregate size on strength and moisture migration characteristics of lightweight concrete | |
Jones et al. | Behaviour and assessment of foamed concrete for construction applications | |
Giuffrida et al. | An overview on contemporary rammed earth buildings: technological advances in production, construction and material characterization | |
US3930590A (en) | Storage installation for liquefied gas | |
CN100412302C (zh) | 纤维增强聚合物水泥基轻质保温屋面板 | |
Nandi et al. | Cellular concrete and its facets of application in civil engineering | |
Zareef | Conceptual and structural design of buildings made of lightweight and infra-lightweight concrete | |
Amran et al. | An ultra-lightweight cellular concrete for geotechnical applications–A review | |
CN107500804A (zh) | 煤矸石漂珠保温混凝土及制备方法和应用 | |
Anosike | Parameters for good site concrete production management practice in Nigeria | |
US20040149170A1 (en) | Cellular concrete having normal compressive strength | |
JP2561959B2 (ja) | 低温液化ガス貯槽の防液堤用の断熱コンクリート | |
Rai et al. | Experimental study on compressive and split tensile strength of foamed concrete using stone dust | |
Ikponmwosa et al. | A review and investigations of some properties of foamed aerated concrete | |
Ige | Key Factors Affecting Distribution and Orientation of Fibres in Steel Fibre Reinforced Concrete and Subsequent Effects on Mechanical Properties | |
Sang | Investigating the Potential Use of Tuff Aggregates to Produce Lightweight Concrete | |
Tashiro et al. | Study on the permeability of engineered barriers for the enhancement of a radioactive waste repository system | |
Fontana et al. | Guide for mixing and placing sulfur concrete in construction | |
Sharma et al. | Reuse of natural material for making light weight concrete | |
JP2000144748A (ja) | ガラス廃材利用の軽量混合土の施工法 | |
Tharakarama et al. | An experimental investigation on light weight foam cement blocks with quarry dust replacement for fine aggregate | |
Pomeroy | 1 Requirements for durable concrete | |
Nejad et al. | Investigating and Comparing the Economic Use of Normal Concrete and Lightweight Concrete in Construction Projects in Iran | |
US20220289630A1 (en) | Lightweight structural concrete from recycled materials | |
Satyanarayana et al. | Foam concrete for low load bearing structures and its properties |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090919 Year of fee payment: 13 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090919 Year of fee payment: 13 |