JP2561536B2 - フェイルセイフ付パラシュート型飛行機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はパラシュート型飛行機詳しくは遠隔操作にお
いて制御不能に陥ることのないパラシュート型飛行機に
関する。

〔従来の技術〕 パラシュート型飛行機には人が搭乗して操縦する比較
的大型のものから、受信機その他の遠隔操作装置を搭載
して地上から飛行を制御され、空中撮影や競技等に供せ
られる比較的小型のものまである。従来、遠隔制御装置
を搭載した小型のパラシュート型飛行機は一例として概
ね第２図に示すような制御装置を搭載していた。即ち、
１個の受信機01と、同受信機01の受信信号によって制御
されるエンジン回転数制御装置02,地上旋回制御装置03,
右旋回（ウインチ）コントロール04,左旋回（ウイン
チ）コントロール05,迎角（ウインチ）コントロール06,
産業用機器制御装置07と、受信機01用の電池08と、右旋
回（ウインチ）コントロール04,左旋回（ウインチ）コ
ントロール05及び迎角（ウインチ）コントロール06を駆
動するための電池09等である。

〔発明が解決しようとする課題〕 上記従来の遠隔制御装置を搭載したパラシュート型飛
行機には解決すべき次の課題があった。即ち、受信機自
体又は受信機用電池及び左右旋回コントロール等のウイ
ンチサーボ用電池の何れかにトラブルが発生するとノー
コントロールの状態になりパラシュート型飛行機を無事
に回収することが不可能となる。過去の例ではトラブル
発生の原因は主として電池切れである。ラジコンパラシ
ュート型飛行機の場合、高充放電特性の良いニッカド電
池又はニッケル・水素蓄電池を使用するが当該電池は容
量が無くなる直前まで電圧はあまり下がらないため、充
電の良否判定が難しく、始動時までは順調に作動してい
たのが、上空で突然電池切れとなる場合があり、このよ
うな場合は全く制御不能に陥る。また、急速充電器にお
いては100％の満充電の容量確認が困難であるためあた
かも充電が終了したと思い込むこともあり、充電不十分
のまゝ用いて上記のトラブルを引起こすことがあったり
する。即ち、比較的高い頻度で発生するトラブルであ
る。受信機自体のトラブルもこれに次いで頻発する。

本発明は上記のような不具合を解決したパラシュート
型飛行機の提供を目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は上記課題の解決手段として、遠隔操作によっ
て飛行を制御されるパラシュート型飛行機において、２
個の受信機と、同受信機のそれぞれに連結された２個の
電池と、前記受信機のそれぞれに連結された旋回用サー
ボモータと、同旋回用サーボモータのそれぞれに連結さ
れた旋回用サーボモータ駆動用の電池と、少なくとも１
個のエンジン停止用サーボモータとを具備してなること
を特徴とするフェイルセイフ付パラシュート型飛行機を
提供しようとするものである。

〔作用〕

本発明は上記のように構成されるので次の作用を有す
る。

即ち、２個の受信機と、その各々に連結された２個の
電池を具えるので、万一、１個の受信機,1個の電池にト
ラブルが生じても制御機能が不能に陥ることがない。

また、各受信機に連結された旋回用サーボモータと同
モータに連結された旋回用サーボモータ駆動用の電池を
具えるので、万一、一方の受信機に連結されさ旋回用サ
ーボモータにトラブルが生じても他方の旋回用サーボモ
ータによってパラシュート型飛行機の回収（帰投）を図
ることができる。

また、エンジン停止用サーボモータを具えるので、た
とえば、エンジン回転数制御側にトラブルが発生しても
旋回用サーボモータを利用してパラシュート型飛行機を
旋回させながら所望の上空に帰投させ、エンジンを停止
させてパラシュート型飛行機の完全回収を図ることがで
きる。

〔実施例〕

本発明の一実施例について第１図により説明する。な
お、第１図は実施例のパラシュート型飛行機の制御装置
の主要部のみを示し、その他については概ね従来機と同
様につき図示を省略してある。

図において、左受信機１及び右受信機２は同一周波数
の受信機で、左受信機１には4.8Vの電池11が、右受信機
２には同じく4.8Vの電池12がそれぞれ連結されている。
左受信機１には地上旋回用サーボモータ３と、主として
方向索を左旋回側に動かす左旋回用サーボモータ４と、
エンジン停止用サーボモータ５と、右迎角用サーボモー
タ６とが連結されている。これらのうち左旋回用サーボ
モータ４と右迎角用サーボモータ６とは更に駆動用の6V
の電池13に連結されている。右受信機２には左迎角用サ
ーボモータ７と、右旋回用サーボモータ８と、エンジン
回転数制御用サーボモータ９と、たとえば空中撮影時、
カメラのシャッターや地質探知用機器のスイッチのオン
オフ等をコントロールする産業用機器制御装置10とが連
結されており、上記左受信機１の場合に対応して左迎角
用サーボモータ７及び右旋回用サーボモータ８は更に6V
の電池14に連結されている。

本実施例は以上の通り構成されているのでたとえば左
受信機１又は右受信機２の何れかヾ故障しても一方の受
信機、たとえば左受信機１に指令を発して帰投させるこ
とができる。その際、方向索の制御は左旋回のみとなる
が、旋回半径を適切に制御して所望の上空に飛来させ、
左旋回用サーボモータ４、右迎角用サーボモータ６を駆
使して接地ないしは落下しても機体が損傷しない高度に
制御してエンジン停止用サーボモータ５でエンジンを停
止させてパラシュート型飛行機を回収する。左受信機１
が故障した場合は逆に右受信機２によって左迎角用サー
ボモータ７、右旋回用サーボモータ８とエンジン回転数
制御用サーボモータ９を主に制御して回収する。

また、電池11又は電池12の何れかヾ電池切れを起した
場合も同様の制御を行なえばパラシュート型飛行機の回
収が図れる。また、電池13又は電池14が電池切れを起し
た場合についても同様である。以上の通り、本実施例に
よれば一方の受信機系の受信機自身、又はそれの電池、
又はそれの操縦，操舵系，又はそれらの駆動電池の何れ
か一つ或いはすべてがトラブルを生じてもパラシュート
型飛行機は遠隔操作によって回収できるので、従来のパ
ラシュート型飛行機のように受信機，電池，右旋回コン
トロール手段，左旋回コントロール手段共用の電池の何
れの一つに故障が生じても直ちに回収不能に陥るパラシ
ュート型飛行機に較べ、著しく有用度が高く、損耗度の
低いパラシュート型飛行機が得られる。また、制御不能
に陥る確率が小さいので万一、故障が生じても問題が生
じることがない。

以上、実施例では２個の受信機を右と左に分け、それ
ぞれに別機能を付与させたが、別機能を付与することに
限定されるものではなく、たとえば左旋回用サーボモー
タ４を方向舵サーボモータとして左旋回，右旋回の機能
を同時に付与させたものを各受信機に連結し、常時は一
方のみが作動し、他方は冗長系としておき、トラブルが
生じた際に冗長系が作動する構成としてもよくその他、
本発明の目的に従うどのような組合わせの構成が用いら
れてもよい。

〔発明の効果〕

本発明は上記のように構成されるので次の効果を有す
る。

即ち、飛行の制御装置がいわゆるフェイルセイフ構成
をなしているので制御装置の一部にトラブルが生じても
制御不能に陥ることがなく、常にパラシュート型飛行機
を回収できる。即ち損耗度の低いパラシュート型飛行機
が得られる。

また、飛行制御機能が常に維持されるので、故障によ
って予期せぬ方向に飛行するといった不具合のない安全
性の高いパラシュート型飛行機が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例にかゝるフェイルセイフ付パ
ラシュート型飛行機の制御装置の主要部を示すブロック
図、第２図は従来例の制御装置のブロック図である。 1,2……受信機,4……左旋回用サーボモータ， ５……エンジン停止用サーボモータ， ８……右旋回用サーボモータ,11〜14……電池。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】遠隔操作によって飛行を制御されるパラシ
   ュート型飛行機において、２個の受信機と、同受信機の
   それぞれに連結された２個の電池と、前記受信機のそれ
   ぞれに連結された旋回用サーボモータと、同旋回用サー
   ボモータのそれぞれに連結された旋回用サーボモータ駆
   動用の電池と、少なくとも１個のエンジン停止用サーボ
   モータとを具備してなることを特徴とするフェイルセイ
   フ付パラシュート型飛行機。