JP2559948B2 - 鋳片鋳造用冷却ドラムのディンプル加工装置 - Google Patents
鋳片鋳造用冷却ドラムのディンプル加工装置Info
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Description
の加工装置に関し、特に連続鋳造における単ドラム方
式,双ドラム方式,ドラム−ベルト方式等の冷却ドラム
表面にレーザビームを照射してディンプルを形成する加
工装置に関する。
状に近い肉厚の薄い鋳片(以後、薄肉鋳片という)を溶
鋼から直接的に製造する技術の開発が強く望まれてい
る。薄肉鋳片を鋳造する場合、厚肉鋳片を鋳造する場合
と比べて冷却ドラムで溶鋼がかなり急激に冷やされるの
で、鋳造された鋳片に肉厚の変動または表面割れ等が引
き起こされる。従って、これらの欠陥を引き起こさない
ような冷却ドラムを作る必要がある。
は、冷却ドラムの周面全体に均一な凹凸を設けて「空気
溜まり」を形成し、冷却ドラム周面に「空気層」を作る
ことが提案されている。これは、「空気溜まり」により
冷却ドラムの抜熱能力を小さくして溶鋼を緩慢に冷却す
ることによって、形成される「凝固シェル」の厚みを板
幅方向で均一化し、肉厚変動および表面割れのない薄肉
鋳片を鋳造可能にしている。
冷却ドラムを用いて鋳造を行うと鋳片表面へ凹凸状の跡
(転写跡)が転写される。この転写跡の凹凸はその後の
圧延により平滑にされるので支障を及ぼさないが、転写
跡の一部に粗大粒が存在すると「あざ」となって残り、
鋳造された製品の商品価値を損ねてしまう。
鋼を鋳込むと、溶鋼の「湯溜まり」に「表面波」が発生
し、鋳造される鋳片表面に横皺を形成したり、光沢ム
ラ,粗大結晶組織等の欠陥を引き起こしたりする。その
ため、鋳込作業の際には「表面波」を発生させない細心
の注意が必要になる。
「空気溜まり」によって「緩冷却」される部分(粗大粒
形成部分)と、冷却ドラムと直に接して「急冷却」され
る部分(微小粒形成部分)とにおいて凝固した溶鋼の結
晶粒径に差があり、これら粒径差によるが光の反射率の
違いから「あざ」となって現れるからである。これは冷
却ドラム周面に形成された凹凸が溶鋼の冷却速度分布に
対して大きいことに起因する。ここで、「粗大粒」とは
「微小粒」よりもその粒径が約10μm大きいものをい
う。
シェル」が形成される際、冷却ドラム界面における溶鋼
の進行方向で「急冷却」される部分と「緩冷却」される
部分との境界が局部的領域で概連続的に構成されるため
である。この境界は、たとえば、冷却ドラム周面に凹凸
が間隔をおいて規則的に設けられていたり、凹凸部で形
成されるべき表面張力が得られず結果的にそこが「急冷
却」部分となることによって、「急冷却」部分が連鎖的
に形成されるために構成される。
題は、冷却ドラムに形成した凹凸に起因していることが
分かる。そして、係る問題を解決するためには形成する
凹凸(またはディンプル)の大きさ,形状,配置を考慮
する必要があることがわかる。
に用いられる手法は主に湿式エッチングである。エッチ
ングは、マイクロエレクトロニクスの分野等ではかなり
の微細加工を達成しているが、この冷却ドラムの加工に
おいては、加工するディンプル径を小さくすると共にそ
の深さも必要とするので加工寸法に限界がある。実際、
上記した凹凸部で形成されるべき表面張力を保証するた
めに必要なディンプル深さは約70μmであり、この深
さ寸法を得るためにディンプル径寸法は最小で約300
μmとなってしまう。言い換えると、ディンプル径寸法
を300μm以下にするとディンプル深さが得られず表
面張力を保証することができなくなってしまう。
や形状および配置に関して係る各寸法を柔軟に変えるこ
とが難しい。またエッチングは、その加工に用いる薬品
処理に係る周辺設備等を含め、最近取り立たされている
環境への課題も懸念される。
械加工等もディンプル加工に用いられている。しかし、
ショットプラストはエッチングと同様に加工寸法の限
界,寸法制御,加工精度等の問題がある。放電加工およ
び機械加工においては微細加工が可能であるが、冷却ド
ラムに対して加工するディンプル数が非常に多いので、
電極の交換等を含めて時間的な面で工業上不適当または
不可能である。
周面へ「レーザビーム」を照射することによりディンプ
ルを形成する加工装置を提供することである。そして特
に、上記「あざ」および「表面波」の問題に鑑み、ディ
ンプル加工において各ディンプル寸法の「微細化」と、
その寸法および配置の「ランダム化」とを達成すること
である。
ダム化」において、冷却ドラム周面に形成されたディン
プルの状態をリアルタイムで把握し、「ランダム化」さ
れたディンプル寸法および配置を保証することである。
するための一実施態様を図1に示す。本発明のディンプ
ル加工装置は、鋳片鋳造用冷却ドラムにレーザビームを
照射して冷却ドラムの周面にディンプルを形成するディ
ンプル加工装置であって、レーザビームを発生するレー
ザ手段と、レーザビームの出力を制御するレーザ励起手
段と、レーザビームの光路を形成してレーザビームを冷
却ドラム表面に向けて集束させる光路手段と、冷却ドラ
ムに形成するディンプルの径寸法を所定範囲値に分布さ
せる制御値を径寸法信号として光路手段へ与える加工制
御手段と、を備えており、光路手段が、径寸法信号によ
りレーザビームの光路を変位させて冷却ドラム表面への
レーザビームの集束面積を変えるように構成される、こ
とによって本発明の第1の目的を達成する。
一実施態様を図2に示す。本発明のディンプル加工装置
は、更に、冷却ドラム表面を走査して、既に加工された
各ディンプルの間隔、径および深さのうち少なくともい
ずれか1つを検出する検出手段6と、検出手段からの検
出信号を用いて、既に形成されたディンプルのディンプ
ル間隔、径および深さのうち少なくともいずれか1つの
寸法を算出して上記所定範囲値と比較し、寸法が上記所
定範囲値をはずれているとき、加工制御手段にその寸法
に係る修正を補償信号で指示する解析手段7と、を備え
て、加工制御手段4が、補償信号に従って上記光路手段
3およびレーザ励起手段2のうち少なくともいずれか一
方を制御するように構成される、ことによって本発明の
第2の目的を達成する。
ームはその径を波長の約3倍まで絞れるので、ディンプ
ル寸法が「微細化」される。またレーザゆえにその電気
的加工制御が可能であり、形成するディンプルに対して
柔軟性のある寸法設定が可能となるので、ディンプル寸
法およびその配置が「ランダム化」される。
振したレーザビームは、光路系により冷却ドラム表面に
誘導される。レーザビームは光路系のレンズにより冷却
ドラムの表面に集束され、集束されたエネルギにより冷
却ドラム表面が焼成加工される。
制御され、光路制御信号として光路手段、またはレーザ
制御信号としてレーザ励起手段に与えられる。たとえ
ば、ディンプル径の寸法制御は、光路制御信号によりレ
ーザビームの発散角を変える。また、ディンプル位置の
寸法制御は、光路制御信号によりミラーの入射/反射角
度を変えたり、レーザ制御信号によりレーザパルスの発
振周波数を変える。ディンプル深さの寸法制御は、レー
ザ制御信号によりレーザ出力を変える。
ディンプルの位置間隔、径および深さのうち少なくとも
いずれか1つが検出手段により検出され、検出信号から
ディンプルの位置間隔、径および深さのうち少なくとも
いずれか1つの寸法値が算出された後に所定の設定値と
比較され、その後のディンプル加工のためにフィードバ
ックされる。
を鋭意検討した結果、係る問題は冷却ドラムの周面に均
一な空気層が形成されていないことが原因であることを
知得し、均一な空気層を形成するための具体的な各方法
について種々検討した結果、本発明に至ったものであ
る。それら具体的構成の1つがディンプルの「微細化」
であり、もう1つがディンプルの「ランダム化」であ
る。
に形成するディンプル径を従来より小さく、且つ各ディ
ンプル間の間隔を従来より狭くすることである。「微細
化」された冷却ドラムから鋳造された鋳片表面には転写
跡が小さく密集される。係る転写跡は、ディンプルの
「空気溜まり」により「緩冷却」された部分であるが
「粗大粒」は存在しない。この理由は、転写跡の外側か
らその中心に向かう或る範囲は隣接する「急冷却」部分
への熱移動があるために「粗大粒」が形成されないから
である。つまり、ディンプル径を小さくすると「粗大
粒」を形成する領域がなくなるからである。
却ドラムの周面に各様のディンプルを不規則に配置させ
ることである。統計学的に示すと各ディンプルに係る各
値が度数分布的に顕著な特異点を持たないように分布さ
れた状態、言い換えると分布密度のバラツキが小さい状
態となることを意図する。「ランダム化」の目的は、冷
却ドラム周面に均一な空気層を構成することであり、冷
却ドラム周面の抜熱分布を均一化して抜熱分布に規則性
を作らないようにすることによって、上記「あざ」や
「表面波」の問題を解決するものである。
ル径,ディンプル深さ,ディンプル間隔があり、このう
ちの1つに対して行ってもよいが、最適形態は各寸法要
素を組み合わせて相乗効果を得ることが好ましい。
ディンプル配置が冷却ドラム周面で規則的な方向性を作
らなくなるので、上述した「表面波」の原因である境界
の形成を抑制することができる。ディンプル径をランダ
ムにすると、冷却ドラム周面における「緩冷却」部分と
「急冷却」部分との面積比が変わるので、ディンプルに
おける抜熱分布の規則性が形成されなくなる。そして、
この両者を組み合わせると、係る状態が更に複雑となる
のでその効果は相乗される。
と、各ディンプル毎に抜熱分布が変わるので「緩冷却」
する部分と「急冷却」する部分の規則性が形成されなく
なる。
る際、各ディンプル寸法は、鋳造される鋳片の材料,厚
さ,温度等の鋳造条件に基づき設計されるが、係る「微
細化」および「ランダム化」を考慮して、冷却ドラム周
面に均一な空気層を形成するように決めることが重要で
ある。これにより冷却ドラム周面には、各様のディンプ
ルが複雑に構成される。
形成するように設計されたディンプル寸法において、デ
ィンプルの深さ寸法を考慮する必要がある。つまり、デ
ィンプル内で「空気溜まり」を保証するために、溶鋼が
形成する表面張力を保証する必要があるからである。
(ディンプル深さ/ディンプル径)は「アスペクト比」
として表され、鋳込みも条件にもよるが、約0.23以
上必要である。従って、この「アスペクト比」も考慮し
てディンプル寸法を決定する必要がある。
値は、上記各事項が検討され設計されるが、これらの指
針として実験より以下の範囲が好ましい。 (1) ディンプル径寸法(約50μmから約500μm) (2) ディンプル深さ寸法(約50μmから約500μ
m) (3) 各ディンプル中心間寸法(径寸法の約1.05倍か
ら約5倍) (4) アスペクト比(0.23以上)
を図3に示す。図3は、ディンプルの各寸法全てに「ラ
ンダム性」を与えたディンプル加工装置の基本構成図で
ある。
/パワー制御ユニット21と、これから発振されたレー
ザビーム22の光路を構成するガルバノ・ミラー23
(以後、ミラーという),三角ミラー24および集光レ
ンズ25を含む光路系26と、レーザの発振周波数およ
び出力を制御すると共に光学系のミラー等を駆動制御す
る加工制御器27とを備えている。
一定速度ωで回転しており、その回転ωが回転制御器3
0によって維持されている。本加工装置は、回転する冷
却ドラム28の回転軸方向へその表面に対して一定距離
aを保ちながら一定速度vで移動する掃引装置31に懸
架されている。その速度vは掃引制御器32により維持
されるので、結果的にレーザビーム22は冷却ドラム2
8の周面を螺旋状に走査する。勿論、本加工装置と冷却
ドラム28間の配置関係は冷却ドラム28自身が回転し
ながらその回転軸方向に移動する形態でもよい。
御ユニット21は1台のYAGレーザを用いているが他
のレーザ装置、たとえば炭酸ガスレーザ等の連続発振型
のガスレーザ、またはルビーレーザ等のパルス発振型の
固体レーザでも可能である。レーザビームは加工制御器
27により出力とその発振周波数が制御されている。シ
ャッタ33はレーザ発振器20の先に位置し、加工開始
時、レーザビームが安定するまでその光路を遮断するた
めのものである。光学系のミラー23および集光レンズ
25は、それぞれ、角度位置、焦点距離を動かす機械的
または電気的な駆動部(図示せず)を備えている。
信号34に従ってその振動周期および振動角が制御され
て振動するので、反射するレーザビームの光軸を水平方
向に変位させる。これによりミラー23は、冷却ドラム
28に照射するレーザビームの照射位置38を冷却ドラ
ムの回転軸方向に振り分けるので、形成するディンプル
の位置間隔を冷却ドラムの回転軸方向に分散させる。
による制御信号35に従ってその焦点距離が制御され、
冷却ドラムに集束するレーザビームの発散角αを変え
る。これにより冷却ドラムの照射面36におけるレーザ
ビームの集束面積が変わり、ディンプル径寸法が変わ
る。
御器27のレーザ出力制御信号37に従ってレーザ励起
電力を変えてレーザの出力値を変える。これにより、冷
却ドラム面36に集束するレーザビームのエネルギが変
わるのでディンプル深さ寸法が変わる。また、加工制御
器27は一定周期のレーザ励起タイミング信号38に変
調をかけてレーザ励起間隔を変え、冷却ドラム表面に照
射するレーザビームの照射時間間隔を変える。これによ
りドラムの円周方向で照射位置間隔が結果的に分散する
ので、ディンプルの位置間隔がドラムの円周方向で変わ
る。
号によりディンプルの位置間隔,径および深さが変えら
れランダム化される。加工制御器27におけるその各制
御信号は、冷却ドラム28の回転速度ω、および掃引装
置31の掃引速度v等が考慮されて予め設定される。ま
た、これらランダム化のための各制御信号値の決定に
は、たとえば統計学的手法(フーリエ変換等)によりラ
ンダムテーブルを予め作り、これに従って加工作業する
こともできる。
波長1.06μmのYAGレーザを用いてパルス幅0.
1msec、発振周波数を320Hzから480Hz、
出力を90mJから200mJ/パルスとし、ミラーの
振動周期を293Hzでその振動角を0.34度、焦点
距離50mmの集光レンズへの入射角を±5度,発散角
を2mradから20mradとして実験を行った。そ
の結果、冷却ドラム周面には、ディンプル径90μmか
ら230μm、ディンプル深さ100μmから480μ
m、ディンプル中心間隔寸法の平均が140μmのディ
ンプルが形成された。
を鋳造した結果、表面に欠陥のない5mm厚のステンレ
ス鋼(SUS304)が得られた。
す。図4および図5は、いずれも図3の光路系26の構
成を変形したものである。いずれも1台のレーザ装置か
ら発振されたレーザビーム41,51が、位置毎に部分
反射/部分透過の割合が異なるミラーM1−Mn,MA
1−MA6によって分割され、冷却ドラム周面に複数の
ディンプルを同時に加工し加工時間を短縮化している。
1−LA4は、それぞれエネルギが等しく等間隔にされ
ている。レーザビームを集束させる集束レンズF1−F
n,FA1−FA4が、上記実施例と同様、それらの発
散角を変えるように制御すれば径寸法の異なるディンプ
ルを複数の位置で形成することができる。同様に、各光
路の途中に上記実施例と同様にガルバノ・ミラーを設け
れば、各々、位置を変えてディンプル形成することがで
きる。この場合レーザビーム源の出力はレーザビームの
分割数に応じて決定される。
す。図6は、図3のディンプル加工装置に、冷却ドラム
周面を写し出す自動焦点調節機能付きカメラ61と、カ
メラ61からの映像信号62を解析する画像処理装置6
3とを加えて、ディンプル配置のランダム性を保証する
例である。本実施例において、カメラ61は日本ビクタ
ー社製のカメラTK−1070とレンズC611AF、
画像処理装置63はエーディエス社製のFIREPIP
を用いた。
施例と同様、ディンプルは冷却ドラム周面で螺旋状に形
成されていく。このディンプル列が、たとえば数ターン
形成されたとき、カメラ61は、回転している冷却ドラ
ム周面の一定範囲を写し始める。写し出された映像は、
既に形成されたディンプル列の一部分である。この写し
出された映像から各ディンプルの面積および径の中心間
距離等が画像処理装置63によって解析される。
くディンプルを形成する際に各制御信号を決定する際の
リアルタイムの統計的サンプルである。そして、新たに
形成されるディンプルは、上記情報からの各種データに
基づき各寸法が修正される。このフィードバック動作
は、ディンプル加工作業完了まで抜き取り的に繰り返さ
れ、加工作業中におけるレーザの変動,機械的精度誤差
等による影響に対して補償を行うので、信頼性の高いラ
ンダムなディンプル配置を保証する。
ダム性は、ディンプル位置における分布密度を解析する
ことによって確認した。ここで分布密度とは、任意のデ
ィンプルにおいて各方向直近に存在するディンプルの存
在確率の密度を示す。分布密度は、図7に示すように、
冷却ドラム周面上、回転軸方向にX軸、回転方向にY軸
をとったとき、基準とした任意のディンプル64の位置
(xj ,yj )とその直近のディンプル65の位置(x
i ,yi )との差x,yを算出し、y/xの値から 関係式θ=tan-1(y/x) より角度θを求め、角度θ(0°−360°)に対して
存在する直近のディンプルの存在度数をプロットして求
められる。このように、幾つかのサンプルとした任意の
ディンプルにおいて分布密度を求めて総計し、試料全体
のランダム性を確認する。これにより得られる分布を図
8に示す。
各角度方向でほぼ均一にばらつき、ディンプルの配置が
適当なランダム性を備えている状態を示す。一方、図8
の(b)および(c)は、ディンプルの分布密度が一部
の角度方向に偏っており、ディンプル配置に規則性があ
ることを示している。この場合(b)は、冷却ドラムの
回転軸方向にディンプル配置の規則性があり、(c)
は、冷却ドラムの回転方向にディンプル配置の規則性が
あることを示している。
映像信号から上記各データを求め、新しくディンプルを
形成するときの加工制御信号を得るフローチャートの一
例を示す。係るフローチャートでは、形成されたディン
プルの配置に関するランダム性が確認される。
されると同時に信号をフィルターにかけて2値化し、ス
テップ72で画像化する。この画像には冷却ドラムに形
成された、たとえば数個から20数個(N)のディンプ
ルが写し出されており、2値化により、ディンプルは
「黒い」画素で略円状の塊に表され、それ以外は「白
い」画素で表される。ステップ74では、上記ディンプ
ルの画素数が順次カウントされディンプルの面積が求め
られる。ステップ76では、その面積からその中心点の
座標(xN ,yN )を求め、その後、各ディンプルをラ
ベリングする。
た後、ステップ78では、画面内に位置する各ディンプ
ルを基準として、各角度方向で直近となるディンプルの
中心間距離dN (d1 ,d2 …dM )と、画面X軸に対
する係るディンプル間の中心間角度θN (θ1 ,θ2 …
θM )とを求める。このとき映し出されている画面のX
−Y座標は、冷却ドラム面の回転軸方向と回転方向とに
対応している。そしてステップ80では、求められた各
ディンプルの距離dN と角度θN から、各角度θ(0°
から360°)に対するディンプルの存在度数を集計し
て分布密度を求める。
360°)にわたり、分布密度を判断する。角度θが0
°−45°,135°−225°,315°−360°
において分布密度が相対的に高いと、冷却ドラムの回転
軸方向にディンプル配置の規則性があり、一方、角度θ
が45°−135°,225°−315°において分布
密度が相対的に高いと、冷却ドラムの回転方向にディン
プル配置の規則性があると判断する。これによりいずれ
かの方向に規則性が判断されると、ステップ84または
86で補償すべき制御が実行される。補償する必要がな
い場合には、当然、ここで終了する。
向の規則性を補償する。つまりディンプルが互いに回転
軸方向(X軸方向)で並ばないように、レーザビーム発
振器の発振周波数を変える発振周波数制御信号を与え
て、ディンプルを冷却ドラムの回転方向へ分散させて終
了する。ステップ86では、冷却ドラムの回転方向の規
則性を補償する。つまりディンプルが互いに回転方向
(Y軸方向)で並ばないように、ミラーの振動角度範囲
を広くするミラー制御信号を与えて、ディンプルを冷却
ドラムの回転軸方向へ分散させて終了する。
却ドラムの周面には、ディンプル径が120μm、ディ
ンプル深さ250μm、ディンプル中心間角度θの分布
密度のバラツキが5%以下、といったランダムなディン
プル配置が形成された。
ル配置に関してランダムにするためのものであるが、各
ディンプル径寸法に関してランダム性を持たせる場合に
は、上記フローチャートを一部変形すれば可能であるこ
とがわかるであろう(図示せず)。つまり、ステップ7
4で求めたディンプル径の面積からその直径Rを導き、
求められた直径Rの分散を統計的に判定すれば可能であ
る。また、このディンプル径寸法に係るフローチャート
と上記フローチャートとを一体化すれば、ディンプル配
置と径の寸法とについてランダム性を保証することも可
能である。
カメラ、解析手段として画像処理装置を用いたが、これ
に限定するものではなく、係る作用効果を達成できるな
らば、たとえば、走査顕微鏡装置,レーザ式測定装置等
を組み合わせても可能である。また、たとえば精密な自
動焦点カメラ、またはレーザ式測定装置を用いてディン
プル深さ寸法を検出し、上記のようなフローチャートに
よりその寸法値のランダム性を調べて、その後に形成す
るディンプルの寸法制御をすることもできる。
ザビーム」を照射することによりディンプルを形成する
加工装置を提供することができた。そして、そのディン
プル加工において各ディンプル寸法の「微細化」と、そ
の寸法および配置の「ランダム化」とを達成することが
できた。更に、係る「ランダム化」において、冷却ドラ
ム周面に形成されたディンプルの状態をリアルタイムで
把握し、「ランダム化」されたディンプル寸法および配
置を保証することができた。
ある。
である。
る。
ある。
ートを示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 鋳片鋳造用冷却ドラム(5)にレーザビ
ーム(8)を照射して該冷却ドラムの周面にディンプル
を形成するディンプル加工装置であって、 レーザビーム(8)を発生するレーザ手段(1)と、 該レーザビームの出力を制御するレーザ励起手段(2)
と、 該レーザビームの光路を形成して該レーザビームを前記
冷却ドラム表面(5)に向けて集束させる光路手段
(3)と、 該冷却ドラムに形成するディンプルの径寸法を所定範囲
値に分布させる制御値を径寸法信号として前記光路手段
へ与える加工制御手段(4)と、 を具備し、 前記光路手段(3)は、該径寸法信号により該レーザビ
ームの光路を変位させて該冷却ドラム表面への該レーザ
ビームの集束面積を変えるように構成されている、 鋳片鋳造用冷却ドラムのディンプル加工装置。 - 【請求項2】 鋳片鋳造用冷却ドラム(5)にレーザビ
ーム(8)を照射して該冷却ドラムの周面にディンプル
を形成するディンプル加工装置であって、 レーザビーム(8)を発生するレーザ手段(1)と、 該レーザビームの出力を制御するレーザ励起手段(2)
と、 該レーザビームの光路を形成して該レーザビームを前記
冷却ドラム表面に向けて集束させる光路手段(3)と、 該冷却ドラムに形成するディンプルの深さ寸法を所定範
囲値に分布させる制御値を深さ寸法信号として前記レー
ザ励起手段へ与える加工制御手段(4)と、 を具備し、 前記レーザ励起手段は(2)前記深さ寸法信号により前
記レーザビームの出力を変えるように構成されている、 鋳片鋳造用冷却ドラムのディンプル加工装置。 - 【請求項3】 鋳片鋳造用冷却ドラム(5)にレーザビ
ーム(8)を照射して該冷却ドラムの周面にディンプル
を形成するディンプル加工装置であって、 レーザビーム(8)を発生するレーザ手段(1)と、 該レーザビームの発振周期を制御するレーザ励起手段
(2)と、 該レーザビームの光路を形成して該レーザビームを前記
冷却ドラム表面に向けて集束させる光路手段(3)と、 該冷却ドラムに形成するディンプル間隔寸法を所定範囲
値に分布させる制御値を間隔寸法信号として前記レーザ
励起手段および光路手段のうち少なくともいずれか一方
に与える加工制御手段(4)と、 を具備し、 前記光路手段(3)が該間隔寸法信号により該レーザビ
ームの光路を変位させて該冷却ドラム表面への該レーザ
ビームの集束面積を変えるか、または前記レーザ励起手
段が(2)前記間隔寸法信号により前記レーザビームの
発振周期変えるか、またはそれらの両方が行われるよう
に構成されている、 鋳片鋳造用冷却ドラムのディンプル加工装置。 - 【請求項4】 更に、前記冷却ドラム表面(5)を走査
して、既に加工された各ディンプルの間隔、径および深
さのうち少なくともいずれか1つを検出する検出手段
(6)と、 該検出手段からの検出信号を用いて、該既に形成された
ディンプルの前記ディンプルの間隔、径および深さのう
ち少なくともいずれか1つの寸法を算出して前記所定範
囲値と比較し、前記寸法が該所定範囲値をはずれている
とき、前記加工制御手段に該寸法に係る修正を補償信号
で指示する解析手段(7)と、 を具備し、 前記加工制御手段(4)は、該補償信号に従って前記光
路手段(3)および前記レーザ励起手段(2)のうち少
なくともいずれか一方を制御するように構成されてい
る、請求項1から3のいずれか1つに記載のディンプル
加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4138591A JP2559948B2 (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | 鋳片鋳造用冷却ドラムのディンプル加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4138591A JP2559948B2 (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | 鋳片鋳造用冷却ドラムのディンプル加工装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05329668A JPH05329668A (ja) | 1993-12-14 |
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-
1992
- 1992-05-29 JP JP4138591A patent/JP2559948B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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