JP2556149B2 - 細径薄肉絶縁電線の製造方法 - Google Patents

細径薄肉絶縁電線の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は細径薄肉絶縁電線の製造方法に関するもので
ある。
[従来の技術] 細径薄肉絶縁電線を得るためには微量、かつ定量吐出
が可能な押出方法が要求される。
従来は、 (1) 押出機のスクリューサイズを小さくして吐出量
をさげる (2) 多本取りクロスヘッドにして吐出量を分割する (3) オーバーフロー付クロスヘッドにして吐出量の
一部を逃がす (4) スクリュー回転数を下げて吐出量をさげる (5) スクリューの溝部の体積を小さくして吐出量を
さげる 等の方法がとられている。
[発明が解決しようとする課題] 上記従来技術は次に述べるような欠点があった。
(1)はスクリューへの樹脂の食込みが不安定となる、
(2)は多本取りのため調整ロスが多く、生産性が低下
する、(3)はオーバーフローを出すため出屑が増加す
る、(4)は押出機内での樹脂の通過時間が長くなり、
樹脂の特性が劣化する、あまり低回転を狙うと電気的に
モーターが追従できなくなるので、機械的に解決するた
めに減速機構が複雑化する、(5)は押出機のホッパー
下樹脂供給部が狭くなり、吐出量が不安定となる。
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、超低実
着量の絶縁押出被覆を可能とした細径薄肉絶縁電線の製
造方法を提供することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 上記目的は、ペレットの大きさを1.5mm以下、スクリ
ューの外径を20mm以下とすることにより、達成される。
[作用] 上記手段を設けたので、安定した低吐出量の樹脂押出
しが可能となって、超低実着量が押出被覆されるように
なる。
[実施例] 以下、図示した実施例に基づいて本発明を説明する。
第1図から第3図および第1表、第2表には本発明の夫
々異なる実施例が示され一括表示されている。これら実
施例はペレットの大きさを1.5mm以下、スクリューの外
径を20mm以下とした。このようにすることにより、安定
した低吐出量の樹脂押出しが可能となって、超低実着量
が押出被覆されるようになり、超低実着量の絶縁押出被
覆を可能とした細径薄肉絶縁電線の製造方法を得ること
ができる。
すなわち第1図には細径同軸多芯ケーブルに適用した
実施例(実施例1)が示されており、第2図には高速信
号伝送同軸フラットケーブルに適用した実施例(実施例
2)が示されており、第3図にはフラットケーブルに適
用した実施例(実施例3)が示されている。第1図は本
押出方法により絶縁被覆を施した場合であり、第2図は
本押出方法によりスキン層による補強層を施した場合で
あり、第3図は本押出方法により方向性識別のためのサ
イドマークを施した場合である。第1図で1は内部導
体、2は絶縁体、3は外部導体、4はジャケット、5は
絶縁体2の被覆内径、6は絶縁体2の被覆外径である
が、被覆内径5は0.15mm、被覆外径6は0.37mmで被覆厚
が0.11mmである。
第2図で1は内部導体、7は発泡絶縁体、8はスキン
層であるが、スキン層8の被覆内径5は0.60m、被覆外
径6は0.69mmで被覆厚が0.045mmである。
第3図で9はシグナル導体、10はグランド導体、11は
絶縁体、12はサイドマーク着色部、13はケーブル厚であ
るが、ケーブル厚13は0.78mm、サイドマーク着色部12の
幅は0.5〜1.5mmである。
このようなケーブル製造時の条件を第1表に示した。
すなわち、実施例1の多芯ケーブルの絶縁被覆を施し
た場合の目付量は0.16(g/m)、押出速度15(m/分)、
必要な吐出量0.144(Kg/Hr)、スクリュー15mmφのとき
の適正回転数は5.0rpmである。実施例2の発泡体上のス
キン層による補強層を施した場合の目付量は0.14(g/
m)、押出速度30(m/分)、必要な吐出量0.25(Kg/H
r)、スクリュー15mmφのときの適正回転数は10rpmであ
る。実施例3のサイドマークを施した場合の目付量は1.
0(g/m)、押出速度2(m/分)、必要な吐出量0.12(Kg
/Hr)、スクリュー15mmφのときの適正回転数は4.0rpm
である。
本発明は特にふっ素樹脂に有効であり、実施例1はPF
A(パーフルオロアルコキシふっ素樹脂)、実施例2はE
TFE(エチレン、四ふっ化エチレン共重合体)、実施例
3はFEP(四ふっ化エチレン六ふっ化プロピレン共重合
体)の例である。
第2表には実施例1,2,3の吐出量(Kg/Hr,rpm)が示さ
れている。この表は押出機で実際に押出された樹脂の重
量を測定し、1時間・1回転当りに換算して得た実験値
を用いたものである。
同表から明らかなようにスクリュー外径が15mmφの場
合の吐出量は28mmφスクリューの場合に比べ、いずれの
場合も吐出量が非常に小さい。
このように本実施例によれば第3表に示されているよ
うな効果を奏することができる。
すなわち同表から明らかなようにスクリュー外径15mm
φスクリューの場合は28mmφスクリューの場合に比べ、
オーバーフローはいずれの場合も0となって、オーバー
フローが低減する。因みにオーバーフローとはダイ出口
あるいはクロスヘッド中間部で材料を逃がす穴を設け、
そこから材料をタレ流しで吐出させることを言い、その
材料は被覆する目的ではなく、樹脂の吐出を安定させる
目的で使用し、スクラップとなる。但し、再利用は可能
である。また、外径変動はスクリュー外径15mmφスクリ
ューの場合は28mmφスクリューの場合に比べ、いずれの
場合も小さかった。因みに外径変動とは実施例1,2の場
合は樹脂被覆後の丸いワイヤーの外径の変動値であり、
実施例3の場合は樹脂被覆後のフラットケーブルの幅寸
法の変動である。なおこれら外径変動は実施例1〜3の
ワイヤおよびケーブルについて実際に押出した際の実験
値である。このように本実施例のスクリュー外径15mmφ
の特性が優れていたが、これはスクリュー外径を20mm以
下としたのと、ペレットの大きさを1.5mm以下としたた
めである。
なお、20mm以下のスクリュー外径としたのはそれより
大きいとスクリュー回転数が3rpm以下となり適性な制御
範囲からはずれて外径変動幅が大きくなるので、外径変
動幅を小さくするためである。ペレットの大きさを1.5m
m以下としたのは、スクリュー外径20mm以下のスクリュ
ーに食い込ませるためである。
[発明の効果] 上述のように本発明はペレットの大きさを1.5mm以
下、スクリューの外径を20mm以下としたので、安定した
低吐出量の樹脂押出しが可能となって、超低実着量が押
出被覆されるようになり、超低実着量の絶縁押出被覆を
可能とした細径薄肉絶縁電線の製造方法を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の細径薄肉絶縁電線の製造方法の一実施
例による絶縁被覆を施した医療機器に用いる超音波診断
装置用細径同軸多芯ケーブルの横断面図、第2図は本発
明の細径薄肉絶縁電線の製造方法の他の実施例によるス
キン層の補強層を施したコンピュータ用高速信号伝送同
軸フラットケーブルの横断面図、第3図は本発明の細径
薄肉絶縁電線の製造方法の更に他の実施例による方向性
識別のサイドマークを施したコンピュータ等の信号伝送
用フラットケーブルの横断面図である。 1:内部導体、2:絶縁体、 8:スキン層、12:サイドマーク着色部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 好幸 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日 立電線株式会社電線研究所内 (72)発明者 蛭田 義勝 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日 立電線株式会社日高工場内 (56)参考文献 特開 昭50−89468(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホッパ、スクリュー、クロスヘッドを有す
    る押出機を備え、ホッパに絶縁用樹脂のペレットを投入
    し、スクリュー、クロスヘッドを通して電線に押出被覆
    する細径薄肉絶縁電線の製造方法において、前記ペレッ
    トの大きさが1.5mm以下、前記スクリューの外径が20mm
    以下にされていることを特徴とする細径薄肉絶縁電線の
    製造方法。
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