JP2555788Y2 - ノイズリダクション装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は車室内の騒音を低減する装置に係わり、特
に、カーオーディオ等の使用環境を向上させるための車
室内ノイズリダクション装置に関する。

［従来の技術］ 従来、車室内の騒音を低減するために、車自体の構造
的手法や材料的手法が行われていた。

これらの方法により車室内の騒音を低減する場合、達
成する騒音レベルを低くすればする程、そのために必要
なコストが増大する。

そして、コストとの関連で設定された車室空間の騒音
レベルは音響機器等の使用環境としては十分なものでは
なかった。

［考案が解決しようとする問題点］ この考案は上記した点に鑑みてなされてものであっ
て、その目的とするところは、音響機器等の使用環境と
して満足のできる空間を車室内に作るための低コストの
ノイズリダクション装置を提供することにある。

この考案の他の目的は、音声認識装置により制御され
る機器のために十分な使用環境を与えるノイズリダクシ
ョン装置を提供することである。

［課題を解決するための手段］ この考案の車室内ノイズリダクション装置は、車室内
の所定空間に複数のマイクロホンと複数のスピーカを配
置し、前記マイクロホンで検出される音波と逆位相の音
波を生じるように前記スピーカを駆動するノイズリダク
ション装置において、カーオーディオ等の音声発生機器
の作動を示す信号でノイズリダクション装置を制御し、
音声発生機器の作動中前記ノイズリダクション装置を作
動させ車室内の所定空間のノイズを低減するように構成
したものである。

また、前記車室内ノイズリダクション装置において、
前記音声発生機器を制御する音声認識装置をノイズが低
減される空間に配置したものである。

さらに、前記車室内ノイズリダクション装置におい
て、前記ノイズリダクション装置を制御する音声発生機
器をノイズリダクション装置に設けたスイッチにより選
択するように構成したものである。

［作用］ この考案の車室内ノイズリダクション装置によれば、
カーオーディオ等の音声発生機器が作動している間、ノ
イズリダクション装置が自動的に作動して、マイクロホ
ンで検出された騒音の音波と逆位相の音波を生じるよう
に車室内に配置されたスピーカが駆動され、車室内に低
騒音域が作り出される。このように、音波をキヤンセル
させる方式によるため、遮音または騒音発生を抑える方
法に比べて低コストで良好な音響機器の使用環境が得ら
れる。

また、ノイズリダクション装置に設けられたスイッチ
によりノイズリダクション装置を作動させる音声発生機
器を任意に設定することにより、自然音と騒音低減環境
とを好みに応じて選定することができる。

さらに、前記音声発生機器を制御する音声認識装置を
騒音低減環境内に配置すれば、音声認識の誤動作が低減
される。

［実施例］ この考案の実施例である車室内ノイズリダクション装
置を図面に基づいて説明する。

第１図はこの考案の実施例であるノイズリダクション
装置を示すブロック図である。

図において１は電話機、２は通信機器、３はカーステ
レオ等の車載機器であり、夫々作動状態を示す出力がノ
イズリダクション装置４のコントロール部５に入力され
ている。

６はノイズリダクション装置４を構成するマイクロホ
ンであり第２図に示すように車室内の所定位置に配置さ
れている。

なお、マイクロホン６の中、MIC1,MIC2…MICxはキヤ
ンセル音波を作り出すための騒音検出に用いられ、MICA
は騒音レベル検出に用いられる。

MIC1,MIC2…MICxはから出力された信号はプリアンプ
７で増幅される。プリアンプ７はマイクロホンの数だけ
チャンネルを有しており、各マイクロホンの信号を夫々
のチャンネルで増幅する。

８はバンドパスフイルタであり、低減する目的の騒音
周波数帯域を通過させる。なおチャンネル数はプリアン
プ７と同様であり、各マイクロホンの信号を夫々のチャ
ンネルで通過させる。

バンドパスフイルタ８を通過した信号をA/Dコンバー
タ９がデジタル信号に変換し、各マイクロホンの出力に
対応したデジタル信号を演算部10に入力する。

演算部10は各マイクロホンの入力から、各マイクロホ
ンの位置の音波をキャンセルするように、SP1,SP2,…SP
yで構成するスピーカ14を駆動する信号の周波数，位相
および振幅を算出してスピーカの数の信号を出力する。

演算部10のデジタル出力信号はD/Aコンバータ11でア
ナログ信号に変換され、ローパスフイルタ12で高域成分
が除去され、アンプ13で増幅された後スピーカ14を駆動
する。

D/Aコンバータ11、ローパスフイルタ12およびアンプ1
3はスピーカ14の数のチャンネル数を有する。

このように、各スピーカから発射される音波は雑音の
音波と逆位相であり、雑音をキャンセルすることにより
低減し、第３図に示すような雑音キャンセルゾーンが形
成される。

コントロール部５は電話機１、通信機器２および車載
機器３の出力を入力し、これらの機器が作動状態のとき
演算部10が動作するように制御する。なお、コントロー
ル部５には、各機器の出力信号回路にスイッチが設けら
れており、演算部10を制御する機器がスイッチにより選
定される。

マイクロホン（MICA）の出力は演算部10に入力され、
低減された騒音レベルを最適とするように演算部10の出
力を調整する。

レベルコントローラ15は手動により演算部10の出力を
調整するもので、使用者の好みによって、騒音レベルを
制御できるようになっている。

なお、緊急自動車のサイレンや車のスピード感を検知
する必要のある環境では車室外の音を聞けるように、ノ
イズリダクション装置の電源が切られる。

車載機器を音声認識装置により制御する場合は音声認
識装置用のマンマイクロホン16が第２図に示すように、
雑音キャンセルゾーンで使用者の発音を収音するのに適
した位置に配置することにより、雑音による音声認識誤
動作が防止される。

［考案の効果］ この考案のノイズリダクション装置によれば、車室内
で音声発生機器使用するための低雑音空間が低コストで
得られる。

また、スイッチによりノイズリダクション装置を作動
させる機器の選定が行われ、自然音との切り替えを任意
に行うことができる。

さらに、音声認識装置により機器を制御する場合は、
騒音による音声認識の誤動作が防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例であるノイズリダクション装
置を示すブロック図、第２図は同ノイズリダクション装
置におけるマイクロホンおよびスピーカの配置を示す概
略図、第３図は同ノイズリダクション装置における騒音
キャンセルゾーンを示す平面図である。 １……電話機、２……通信機器、３……車載機器、４…
…ノイズリダクション装置、５……コントロール部、６
……マイクロホン、７……プリアンプ、８……バンドパ
スフイルタ、９……A/Dコンバータ、10……演算部、11
……D/Aコンバータ、12……ローパスフイルタ、13……
アンプ、14……スピーカ、15……レベルコントローラ。

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車室内の所定空間に複数のマイクロホンと
   複数のスピーカを配置し、前記マイクロホンで検出され
   る音波と逆位相の音波を生じるように前記スピーカを駆
   動するノイズリダクション装置において、カーオーディ
   オ等の音声発生機器の作動を示す信号でノイズリダクシ
   ョン装置を制御し、音声発生機器の作動中前記ノイズリ
   ダクション装置を作動させ車室内の所定空間のノイズを
   低減するように構成した車室内ノイズリダクション装
   置。
2. 【請求項２】前記音声発生機器を制御する音声認識装置
   をノイズが低減される空間に配置した請求項１の車室内
   ノイズリダクション装置。
3. 【請求項３】前記ノイズリダクション装置を制御する音
   声発生機器をノイズリダクション装置に設けたスイッチ
   により選択するように構成した請求項１の車室内ノイズ
   リダクション装置。