JP2554817B2 - ショットピーニング方法 - Google Patents

ショットピーニング方法

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JP2554817B2
JP2554817B2 JP4077731A JP7773192A JP2554817B2 JP 2554817 B2 JP2554817 B2 JP 2554817B2 JP 4077731 A JP4077731 A JP 4077731A JP 7773192 A JP7773192 A JP 7773192A JP 2554817 B2 JP2554817 B2 JP 2554817B2
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shot
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三木武司
舘山道昭
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車部品、建設機械
部品などの金属製部品または、高張力線材、形鋼などの
構造部材のように、高い疲労強度を要求される部分に適
用されるショットピーニングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に金属製の機械部品や構造部材は使
用時に外部から繰返し荷重を受けるため、金属疲労を起
こすことがある。これを防止するためには、構造的な対
策により局部に加わる応力を低減させるのが有効である
が、設計上の制約によりこの対策が取り得ない場合には
金属疲労し易い部分にショットピーニングを施して、圧
縮残留応力を発生せしめ、外部応力による材料の損傷を
抑制する方法が採られる。ショットピーニングは鋼球な
どの硬い微小粒を高速で部材に投射して極く表面だけを
塑性変形させることによって、圧縮残留応力を発生させ
る技術であり、機械部品に幅広く適用されてきた。しか
しながら、近年地球環境問題に端を発して、厳しい炭酸
ガス規制が検討されるに及んで、自動車部品などの大幅
な軽量化が指向されるように必要になった結果、一層疲
労強度を高めることが必要になってきた。そこで、種々
の新しいショットピーニング法が検討されている。
【0003】例えば、特公昭58−192643号公報
「コイルばねの製造方法」には、オーステナイト化した
線材を過冷オーステナイト域まで急冷した後、Ms点以
上の温度域でショットピーニングを施してコイリングす
る方法が示されている。この技術は、その明細書にも示
されているように、ショットピーニングによって発生す
るひずみを利用して、いわゆるオースフォームを行い組
織を微細マルテンサイトにするものであって、高い圧縮
残留応力を生じさせるものではない。従って組織改善の
効果以上には疲労限度を高めることはできない。また、
第42回塑性加工連合講演会講演論文集I(1991年
9月)173頁には、「熱間ショットピーニングによる
表面改質」が紹介されているが、これは単に加熱した材
料にショットピーニングを施して組織を改善しようとす
る試みであり、圧縮残留応力を高める方策には触れてお
らず、疲労強度の積極的な向上は図られていない。実際
には圧縮残留応力を高めることが疲労強度の向上にきわ
めて重要であることが最近の研究で明らかになってきて
いるので、これを抜きに部品、部材の軽量化は達成困難
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術で達
し得なかった大深度高残留応力分布を得ることにより、
自動車部品、建設機械部品などの機械部品または、高張
力線材、形鋼などの構造部材の、耐疲れ性を飛躍的に向
上させようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、表面硬さHvが150以上の金属製機械部品、ま
たは金属構造部材の一部または全部を室温より50〜5
00℃高い温度範囲に加熱してから、直ちに室温より低
い温度に設定した冷媒をかけつつ、別の供給系統からシ
ョット粒子を投射することを特徴とするショットピーニ
ング方法、およびその方法において室温より50〜50
0℃高い範囲にした鋼材の温度より100℃以上低い温
度でヽかつ室温より低い温度に冷却したショット粒子を
投射するショットピーニング方法、そして、室温中で予
めショットピーニングしたものについて、上記2方法を
適用するショットピーニング方法である。
【0006】
【作用】以下、本発明の内容を詳細に説明する。金属材
の表面にショットピーニングをかけると、塑性変形を生
じる。塑性変形エネルギーの大半は熱に変換されるの
で、表面温度は上昇しショットピーニング終了後に冷え
て室温に戻る。このとき表面温度の低下によって、部材
表面は収縮するが、内部はほぼもとのままなので部材表
面には引張応力が付加されることになる。ただし、ショ
ットピーニングによって大きな圧縮残留応力が与えられ
ているので、上記の引張応力が付加されても合成された
応力としては一般には圧縮にはなる。しかしながら、シ
ョットピーニングの発熱によって圧縮残留応力のかなり
の部分を損失していることは明かである。これが、残留
応力を十分高められない大きな原因である。
【0007】本発明においては、ショットピーニングを
かける対象の部材の温度を室温より高めておき、その後
表層に強く冷媒をかけながらショットピーニングをかけ
るが、その結果、塑性変形する部分の温度は、内部の温
度に比べて大幅に低くすることができる。そしてショッ
トピーニング終了後、内部温度が室温まで低下して行く
と内部々材が収縮し、その影響で部材表層が強く圧縮さ
れることになる。その結果、ショットピーニングで生じ
た圧縮残留応力に加えて、非常に高い圧縮残留応力を付
加することが可能となる。
【0008】部品、部材の温度を高めるには炉加熱や誘
導加熱、あるいは赤外線やレーザー放射など各種の方法
が採用できる。その際の加熱領域は少なくともショット
ピーニングをかける部分を含めた一部であっても部品等
の全部であってもかまわない。また、熱処理時の熱を利
用することもできる。例えば、鋼を焼きならしする時
に、鋼材の温度の高い状態で表層を急冷してショットピ
ーニングをかけても高い圧縮残留応力を付与できる。さ
らには、焼き入れした鋼材を焼き戻し温度に加熱後、急
冷してショットピーニングしても良い。この場合にはこ
とに表層材質の改善が図られ、耐疲労以外にも耐摩耗靭
性などにも優れた性能を発揮することができる。
【0009】本発明になる残留応力の付与は表層と内部
に温度差のあることによって実現できるものであるか
ら、ショットピーニングする前の部材の温度分布は、表
層近傍のみが内部より低温になっていることが必要であ
り、しかも短時間にショットピーニングを終了するのが
良い。冷却には室温以下の圧縮空気、冷却水、あるいは
液体窒素のような極低温のものまで、各種の冷媒を用い
ることができる。上記の原理からして冷却温度が低いほ
ど高い圧縮残留応力が得られる。冷媒をかけるのはショ
ット投射と同時またはその直前とするのが良い。冷媒は
ショットの投射とは異なる供給系統から供給するのが冷
却効果が高い。ここで金属材料の温度域を室温より50
〜500℃高い温度域にするのは、50℃より低い温度
域では急冷によって生じる表層と内部の温度差を十分大
きくできないこと、また500℃を超える温度域ではシ
ョットピーニングによって有効な残留応力が発生しない
ためである。勿論ショットピーニングをかけると前段階
として材料表層近傍の温度差を、より大きくする目的で
500℃を超える状態から急冷を施すこと、およびその
とき同時にショットピーニングを投射する事を妨げるも
のではない。
【0010】なお、冷却手段として、冷風を吹き付ける
方法や、液体そのものや霧状の液体を吹き付ける方法、
あるいはショットピーニング粒子を予め材料温度より1
00℃以上低い温度で、かつ室温より低い温度に冷却し
たショット粒子を投射する方法も有効である。ここでシ
ョット粒子の冷却温度を材料温度より100℃以上低い
温度とするのは、その温度域に冷却したショット粒子を
投射する場合において、部材の極く表層だけを冷却する
ことができ、圧縮残留応力の発生に非常に有効だからで
ある。さらに、室温中で予めかなりの程度までショット
をかけた鋼材の温度を、室温より50〜500℃高い範
囲にして、表面を急冷して短時間ショットをかけると一
層有効である。
【0011】いっぽう、本発明において、部材の表面硬
さをHv150以上とするのは、これ以上の部材であれ
ぱ、素材の弾性変形ひずみが大きいために十分な残留応
力を付与でき、高強度部材として高い疲労強度を確保で
きるからである。
【0012】本発明法は、高強度の機械部品や構造部材
に広く通用可能であり、熱処理や塑性加工あるいは溶接
を施したものについても間題なく用いることができる。
【0013】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いて、さらに具
体的に示す。部材表面硬度Hvが182、357、55
1、650、835の広範囲の硬度を有する鋼材に従来
法と本発明法のショットピーニングを施した。投射条件
は同じで、0.8mm径のスチールカットワイヤで、投
射速度を75m/secとした。本発明法においては部
材を予熱した場合と、それに冷媒をかけながらショット
ピーニングを施した場合、さらには冷却したショット粒
子を投射した場合、そして、それらの前工程として室温
下で予備ショットした場合(本発明法12、13)も示
す。比較法としては予熱をしない通常のショットピーニ
ング、および予備ショットピーニングしたものについて
は600℃に予熱して冷却したショット粒子を投射した
ものについて残留応力を調ベた。なお、このときの室温
は22℃であった。
【0014】表1の結果から明らかなように、部材予熱
によって、同じ硬度の比較法の結果に比ベて本発明法の
残留応力はいずれも、はるかに高い値が得られている。
即ち、一旦加熱してから冷却しつつショットピーニング
するのは、ただ冷却してショットピーニングする場合よ
りさらに有効な手段であることが分かる。その効果は、
ショット粒子を冷却した場合も、冷媒をかけながらショ
ットピーニングする場合のいずれの条件でも遜色がな
い。それらは本発明11のように併用するとさらに有効
である。また、部材の硬度とともに本発明法の残留応力
は高まる傾向が見られる。事前に予備ショットピーニン
グした場合にはさらに高い残留応力を得るが、予熱が5
00℃を超えると、比較法6に見られるように予備ショ
ットピーニングの部分が熱的に変化して効果が薄れる。
【0015】本発明法14はS45Cを850℃水焼入
後250℃に予熱して冷却しながら低温のショット粒子
を投射したもので大きな残留応力が現れている。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】こうしてつくられた部材は、高い疲労強
度を示す。したがって、軽量の部材で十分用をなすこと
になり、自動車の燃費向上、構造物の軽量化など多方面
の用途があり、産業上極めて有用である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面硬さHvが150以上の金属製機械
    部品、または金属構造部材の一部または全部を室温より
    50〜500℃高い温度範囲に加熱してから、直ちに室
    温より低い温度に設定した冷媒をかけつつ、別の供給系
    統からショット粒子を投射することを特徴とするショッ
    トピーニング方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の冷媒をかけつつショット粒子
    を投射することに代えて、金属部品、部材のショット粒
    子を投射する部分の温度より100℃以上低い温度で、
    かつ室温より低い温度に冷却したショット粒子を投射す
    ることを特徴とする請求項1記載のショットピーニング
    方法。
  3. 【請求項3】 室温中で予めショットピーニングしたも
    のについて、さらに請求項1あるいは2の処置を施すこ
    とを特徴とするショットピーニング方法。
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