JP2552913B2 - 楕円製図器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）発明の目的 「産業上の利用分野」 本発明は半楕円を画く楕円製図器に関する。

「従来情況の概要」 楕円作図する場合、比較的小径のものは楕円定規が多
種にわたって市販され、だいたいそれで事足りている
が、比較的大径のものは、定規では経済的に限度があ
り、製図器が必要になる、しかし現実には楕円製図器が
複雑であったり、正確さを欠いたり、大径の作図ができ
なかったり、高価になって、そのほとんどが市販される
までの用に足りていない。

「従来の技術」 楕円製図装置が楕円の各原理によって種々発明されて
いるが、楕円の性質上、中心を中心軸で安定させること
が困難であり、そのため機構が複雑化され使用するのに
不便な点が多く、その多くが意図する楕円作図の縦横の
位置決めに手数を要し、したがって正確さを欠き、大径
楕円を作図することが困難であった。

また、製図装置には特に筆圧装置の無いものが多く筆
圧を無視されているが、筆圧は重要な要素であり、その
装置を設ける事により機構が尚複雑になったり、不安定
になるものが多い。

「発明の解決しようとする問題点」 小径から大径の楕円まで任意の作図ができ、正確さを
出し、意図する図面上の位置に安定して作図でき、また
墨入れの製図もできるようにするものである。

（ロ）発明の構成 「問題点を解決するための手段」 本発明の構成を図面について説明すると、楕円の原理
は第１図に示すごとくｘ、ｙ軸交点を中心にして画くＡ
の円のそれぞれの角度上の点よりＡの延長のＢのコサイ
ンの長さをｘ軸に平行に外方向に進めた点を結んだ線で
あり、その機構を簡単に図で示すと第２図のごとくｘ、
ｙ軸交点よりｙ軸（＋）方向にＡをとり、第１図Ｂは対
頂角は等しいためｙ軸（−）方向にＢをとり、回転軸Ｃ
の支点Ｏはｘ軸線上を移動し、Ｐ点はｙ軸線上を移動す
るようにする、すなわちＣの回転によりＯはＢのコサイ
ンの長さｘ軸線上を移動し、Ａの点a¹はa²、a³、a⁴と楕
円を画く。

以上の原理にもとづいて、さらに構成を詳細に説明す
ると、基板（１）前辺をｘ軸とし、基板（１）上前部に
前辺ｘ軸に平行に基板（１）両側よりささえてｘ杆
（２）をなし、基板（１）前辺中央に中心点を打印す
る、ｘ軸中央より直角後方にｙ軸となすｙ杆（３）を基
板（１）前後よりささえて基板（１）上面に設ける。

ｘ杆（２）に沿って滑動自在な移動芯軸支持部（４）
をなし、該移動芯軸支持部（４）の芯軸（５）を中心に
して、回転自在に支持されるｙ軸腕杆（6A,6B）をｙ軸
方向前後にして、中央部芯軸（５）よりｙ軸前方腕杆
（6A）は、腕杆台座（７）をして芯軸（５）に抜き差し
できる腕杆台座（７）前部装着の首振り芯軸（８）で上
下動可能で、しかも取り外し可能として、ｙ軸前方腕杆
（6A）とｙ軸後方腕杆（6B）をｙ軸上一体となす。

ｙ軸一方のｙ軸前方腕杆（6A）に、該腕杆に沿って任
意に移動、また固定できる筆記具装着部（９）と、他方
のｙ軸後方腕杆（6B）に沿って任意に移動、また固定で
きる移動支点支持部（10）を、それぞれ前後のｙ軸腕杆
（6A,6B）に装着し、さらに移動支点支持部（10）は基
板（１）上ｙ杆（３）に沿って滑動自在にした移動支点
台座（11）と回転自在に連結した楕円製図器である。

「作用」 次ぎに本発明の作用を説明する、まず楕円短径の半径
を、基板（１）の前辺の中央印よりｙ軸前方腕杆（6A）
の筆記具装着部（９）の筆記具先端の長さでとり、長径
はｙ軸前方腕杆（6A）を90度回転して、ｘ軸上でｙ軸後
方腕杆（6B）の移動支点支持部（10）を移動調節して、
筆記具先端より基板（１）の前辺中央印までの長さで長
径半径をとる。

以上のごとく短径半径、長径半径を決定した後、ｙ軸
腕杆（6A,6B）を90度回転し、紙面上長径のｘ軸に基板
（１）前辺をあわせｙ軸腕杆（6A,6B）を180度回転させ
ると、ｘ杆（２）を滑動して移動芯軸支持部（４）がｘ
軸を移動し、同時にｙ杆（３）を滑動して移動支点支持
部（10）がｙ軸上を移動し、第２図のごとく筆記具は
a¹、a²、a³、a⁴に相当し、半楕円を画く作用をなす。

「実施例」 以上のような作用であるので、作用の項で説明したご
とく、意図する楕円の長径半径、短径半径を決定した
後、所望する図面上の位置の楕円の長径のｘ線上に基板
（１）前辺をあわせ、楕円の中心点に前辺中央印を合わ
せる、しかる後、基板（１）後面を片手指で不動におさ
え、つまみ（12）を180度回転させると半楕円製図でき
る。

相対する半楕円は図面、又は製図器を半転させて、前
記の通り半楕円を画き楕円を作図する。

構成、作用は前記の通りであり、したがってその効果
は従来のものと比較して特に次ぎのごとき顕著なものが
ある。

「発明の効果」 Ａ、基板前辺が一直線なため従来困難であった、楕円の
縦横の位置決めが簡単である。

Ｂ、従来の製図器の作図固定脚、又外周枠が無いため、
高さ、縦横ともコンパクトにして大径楕円を作図でき
る。

Ｃ、通常の筆記具の装着が可能であり、簡単に任意の筆
圧が得られる。

Ｄ、任意の角度上また大小の正楕円が正確に作図でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は作図原理、機構原理を示す原理図 第３図は平面図 第４図はＡ、Ａ縦断面図 第５図はＢ、Ｂ正面図 第６図は背面図 第７図はｙ軸腕杆を45度回転させた状態を示す平面図 第８図はｙ軸前方腕杆の平面図 第９図はｙ軸前方腕杆の側面図 第10図はｙ軸前方腕杆の背面図 （１）基板、（２）ｘ杆、（３）ｙ杆、（４）移動芯軸
支持部、（５）芯軸、（6A）ｙ軸前方腕杆、（6B）ｙ軸
後方腕杆、（７）腕杆台座、（８）首振り芯軸、（９）
筆記具装着部、（10）移動支点支持部、（11）移動支点
台座、（12）つまみ、（13）バネ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ｘ軸とｙ軸との交点を中心にして画く短径
   Ａの円のそれぞれの角度上の点より、長径（Ａ＋Ｂ）の
   Ｂのコサインの長さをｘ軸に平行に外方向にすすめた点
   を結んだ線で画く楕円の製図原理を応用した楕円製図器
   において、基板前辺にｘ軸を設け、該ｘ軸中央より直角
   後方にｙ軸を基板上に設け、前記ｘ軸に沿って滑動自在
   な移動芯軸支持部（４）を設け、該移動芯軸支持部
   （４）にはこれの芯軸（５）を中心にして回転自在であ
   り、ｙ軸上を摺動する移動支点支持部（10）に対して回
   動自在かつ支持位置可変で固定されるｙ軸後方腕杆（6
   B）を設けるとともに、ｙ軸後方腕杆（6B）と反対側で
   かつ該ｙ軸後方腕杆（6B）の直線上にあり取り外し自在
   で上下方向の移動が自在なｙ軸前方腕杆（6A）を設け、
   該ｙ軸前方腕杆（6A）にはこれにそって移動自在な筆記
   具装着部を設け、ｙ軸前方腕杆（6A）の先端にはつまみ
   （12）を固定したことを特徴とする楕円製図器。