JP2551033B2 - 亀裂検知剤 - Google Patents

亀裂検知剤

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JP2551033B2 JP62252603A JP25260387A JP2551033B2 JP 2551033 B2 JP2551033 B2 JP 2551033B2 JP 62252603 A JP62252603 A JP 62252603A JP 25260387 A JP25260387 A JP 25260387A JP 2551033 B2 JP2551033 B2 JP 2551033B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)発明の目的 「産業上の利用分野」 本発明は、ビル等の建築物や橋梁、道路、ダム等の土
木構造物に用いられるコンクリートに発生する劣化即
ち、コンクリートの亀裂、孔隙の発生等の劣化状態の進
行具合を的確に把握するための検査用薬液即ち検知剤に
関するものであり、特にコンクリート劣化の中で、短期
間に亀裂を発生させコンクリート強度を脆弱化させる原
因としてしばしば報告されているアルカリ骨材反応に起
因する劣化状態の検査にも適した検知剤に関するもので
あり、さらには風化などにより岩石に発生した亀裂、間
隙を的確に把握するためにも有効な検査用薬液ともなる
検知剤に関するものであって、土木建築分野で広く活用
できるものである。
「従来の技術」 コンクリートは劣化にもとない、亀裂の発生は避けら
れない問題であるが、亀裂の程度は、発生原因によって
さまざまで、過大なものは鉄筋の腐食による耐荷力や耐
久性の低下をきたし、また防水性や水密性の低下など構
造物の安全性や機能性に悪影響をおよぼす。
また、岩石の風化により発生した亀裂や間隙は岩石の
崩壊の原因となり、それは地滑りを発生させ、道路、ダ
ム等の土木構造物を破壊するなど、しばしば大きな災害
を引き起こしている。
したがってコンクリートや岩石の亀裂の定量化や評価
法を確立することは古くから重要な課題となっている
が、いまだ十分な手法が開発されているとはいえない。
従来、コンクリートの劣化状態、特に肉眼で観察する
のは困難であるような微細な亀裂の発生状態の検査は検
体を切出し、偏光顕微鏡で観察する方法がとられてき
た。亀裂巾が大きく(例えば0.5mm以上)亀裂内が空間
である場合には、着色したエポキシ樹脂を注入した後、
検体を切り出して観察する方法も行われているが、亀裂
が0.5mm未満の微細な状態であったり、アルカリ骨材反
応に伴って発生した亀裂の様に、亀裂部内にアルカリシ
リカ反応生成物、水などが充填されている場合には、こ
の方法は使用できず、単に検体を切り出した後、偏光顕
微鏡で観察する以外に方法がなかった。
岩石の風化においては、亀裂の形態や大きさ、量は重
要な物理的要素となっており、水銀ポロシメーターによ
る測定、窒素による比表面の測定などが行われている
が、いずれも簡便、迅速かつ精度の高い測定法となって
いない。
「発明が解決しようとする問題点」 コンクリート劣化部を単に切出し、その一部を顕微鏡
で観察する方法は、通常の試料作製法での試料作製中に
できる亀裂ともともとの亀裂との区別、ガラスなど非晶
出質物質と孔隙などの区別を必ずしも容易にしうるもの
ではない。また、アルカリシリカ反応生成物のように無
色の非晶質物質の場合も極めて判定することが難しく、
かなり熟練した観察者が慎重に時間をかけて、はじめて
判定が可能となるのが現状である。さらに風化が相当進
行した場合においては、組織が風化あるいはゲル状の反
応生成物(アルカリシリカ反応生成物の場合)滲み出し
などにより脆弱化しているため、サンプルを切り出すこ
と自体が困難となり、顕微鏡観察が不可能の場合もあ
る。
また、着色されたエポキシ樹脂を亀裂部に予め注入す
る方法は、樹脂液の粘度が高いため、前記した様に微細
な亀裂には流入できず、亀裂巾がかなり大きい場合で
も、亀裂内に含水性の反応生成物が充満している場合に
は、内部に浸透することが出来ない。さらに、エポキシ
樹脂の室温下での硬化時間は通常数時間を要し、注入後
直ちに検体を切り出すことは不可能であるという欠点を
有している。
風化した岩石の場合、即ち岩石中の亀裂の形態、大き
さ、量を測定する、これまでの方法は、測定のため試料
の作製が極めて困難で、多大の労力と時間を必要として
いる。
なお、測定を困難にしている原因は、風化した岩石が
脆弱なために、もともと岩石中に存在している亀裂を破
壊せずに試料を作製すること及び試料作製中にできた亀
裂と岩石中に存在していた亀裂を区別できないためであ
る。
本発明者は、上記問題点のないコンクリートの劣化状
態及び岩石中の亀裂測定を迅速かつ簡便に観察し検査す
る方法につき種々検討し、特定の検知剤を用いることに
より上記の問題点を解消し得ることを見出して本発明を
完成した。
(ロ)発明の構成 「問題点を解決するための手段」 本発明は、上記問題点を解消し得る検知剤に関するも
のである。
即ち、本発明は油溶性染料と2−シアノアクリレート
とからなることを特徴とする岩石またはコンクリートの
亀裂検知剤に関するものである。
○油溶性染料 本発明で用いられる油溶性染料とは、油脂類及び水以
外の有機溶剤に溶解性をもつ染料のことであり、着色染
料、蛍光染料のいずれもが用いられる。2−シアノアク
リレートへの溶解性及び薬液(溶解液)の貯蔵安定性の
点から、着色染料としてはアゾ系染料、アンスラキノン
系染料、フタロシアニン系染料、アジン系染料並びに塩
基性染料ベースの脂肪酸塩からなる群から成る油溶性染
料が、蛍光染料としては、ビス(ベンズオキサゾリル)
エチレン系、ビス(ベンズオキサゾリル)チオフェン
系、ナフタール酸−N置換イミド系、スチルベン系、ク
マリン系などからなる群からなる油溶性染料が好まし
い。染料の色は特に制限されるものではないが、岩石中
の鉱物やセメントの色と区別しやすくするためには、そ
れらと異なった色相、彩度のものが好ましく、例えば赤
色のもの等が好ましく使用できる。岩石の亀裂を検知す
る場合には蛍光染料または蛍光染料と着色染料を併用す
るのが望ましい。
○2−シアノアクリレート 本発明で用いられる2−シアノアクリレートとは、瞬
間接着剤として、金属、ゴム、プラスチックス、繊維、
木材、皮革、ガラス等の接着に広く使用されているシア
ノアクリレート系接着剤の主成分として広く用いられて
いるもので、炭素数1〜16のアルキル基を有するアルキ
ル 2−シアノアクリレート、シクロヘキシル 2−シ
アノアクリレート、アルコキシアルキル 2−シアノア
クリレートなどである。なお、本発明においては、市販
されているシアノアクリレート系接着剤そのものを2−
シアノアクリレートとして用いる事も可能である。
○検知剤の調整方法 本発明に係わる検知剤は、上記の油溶性染料を2−シ
アノアクリレート中に、染料の溶解度の範囲内において
溶解することによって調整されるが、染料の添加量とし
ては、0.01〜10.0wt%が好ましく、特に好ましくは0.2
〜6wt%である。添加量がこの範囲よりも少ない場合に
は、検査に当たって亀裂部が判別しにくくなる一方、逆
に添加量が多すぎる場合には、検知剤の貯蔵安定性が低
下する傾向がある。
一般に2−シアノアクリレートはアニオン重合性及び
ラジカル重合性を有する化合物であり、シアノアクリレ
ート系接着剤中には、それらを防止する重合禁止剤又は
安定剤と称する添加剤が添加されており、本発明におい
ても、それらを併用することが出来るが、それらを併用
しても、染料の種類によっては、染料の添加により検知
剤の貯蔵安定性を低下させるものがある。その様な場
合、染料を予め、p−トルエンスルホン酸などのスルホ
ン酸溶液やポリカルボン酸溶液などの酸溶液により洗浄
することが好ましい。
○亀裂部の検査方法 本発明の検知剤を用いて岩石やコンクリートの亀裂部
を検査する方法は以下の様にしておこなわれる。
i.実体顕微鏡観察 コンクリート等の試料に油溶性染料と2−シアノアク
リレートとからなる本発明の検知剤をしみこませる。
試料を切断し、切断面を乾燥させ、再度本発明の検知
剤を塗布し、亀裂やアルカリ骨材反応生成物に薬液をし
みこませる。
切断面を研磨する。
この試料を実体顕微鏡で観察する。
ii.偏光顕微鏡観察 コンクリート等の試料に油溶性染料と2−シアノアク
リレートとからなる本発明の検知剤をしみこませる。
試料を切断し、切断面を乾燥させ、再度本発明の検知
剤を塗布し、亀裂やアルカリ骨材反応生成物に薬液をし
みこませる。
切断面を研磨しスライドグラスに貼り付ける。
貼り付けた試料片を0.1mm程度の厚さに切断し、切断
面に再度検知剤を塗布する。
更に0.02〜0.03mmになる迄試料を研磨しカバーグラス
をかける。
この試料を偏光顕微鏡を用いて観察する。
iii.i及びiiの観察をテレビカメラにより撮影し、必要
に応じて画像処理を行う。
これらの方法により、本発明の検知剤により鮮明にさ
れた、岩石の風化、コンクリートの劣化によって生成す
る亀裂、孔隙、アルカリシリカ反応生成物などの従来判
定しにくかった状態が迅速、簡便に検出できる。
「作用」 油溶性染料と2−シアノアクリレートとからなる検知
剤は、岩石やコンクリートの亀裂部の検査において、 コンクリート等の試料の切断研磨において、劣化脆弱
した組織が破壊脱落するのを防止するために組織を強化
する。
亀裂部あるいは劣化によって生成した含水生成物(ア
ルカリシリカ反応生成物)中へも浸透する。
浸透した部分を着色する。
などの作用を奏し、岩石中の鉱物やセメントの色と異な
った色相、彩度に着色された岩石やコンクリートの亀
裂、孔隙、アルカリシリカ反応生成物の状態は、上記の
顕微鏡観察あるいは画像処理によって、定性定量分析を
も可能ならしめる、風化した岩石や劣化したコンクリー
トの亀裂の優れた検査方法を提供し得るものである。
「実施例」 実施例1 赤色油溶性染料オリエント オイル レッド ♯330
(Orient Oil Red ♯330:オリエント化学工業(株)製
5部を1%のp−トルエンスルホン酸のメタノール溶液
50部で洗浄後、濾過乾燥し、市販のシアノアクリレート
系瞬間接着剤(アロンアルフア(登録商標)♯201:東亜
合成化学工業(株)製、主成分エチル 2−シアノアク
リレート)中に4wt%となるように加えて溶解させ検知
剤とした。
瀬戸内火山帯に産する古銅輝石安山岩のモルタルパー
試験片の中から著しく膨張の見られた試験片を切出し、
切断面に上記検知剤を塗布した後、塗布面をスライドグ
ラスに貼り付けた。貼り付けた状態で0.1mmに薄くカッ
トし、再度検知剤を塗布した後、更に0.02〜0.03mmの厚
さになるように研磨し、カバーグラスをかけ、偏光顕微
鏡で試験片の表面を検査した。アルカリシリカ反応によ
って生成したと思われる亀裂のみが染色され、容易に判
別できた。
実施例2 市販のシアノアクリレート系瞬間接着剤(アロンアル
フア(登録商標)♯101:東亜合成化学工業(株)製、主
成分メチル 2−シアノアクリレート)に、ジアゾ系油
溶性染料レッドRR(Red RR:オリエント化学工業(株)
製 オイルカラー)を2wt%となるように加えて溶解さ
せ検知剤とした。
亀裂が発生し、脆弱化したコンクリートに検知剤を注
入し、試験片を切断し、再度検知剤をしみこませ、研磨
したのちに観察したところ、肉眼では観察できない微細
な亀裂が容易に判別できた。
(ハ)発明の効果 本発明の検知剤を用いることにより、従来判定しにく
かった風化した岩石の亀裂やコンクリートの劣化によっ
て生成する亀裂、孔隙、アルカリシリカ反応生成物など
の状態が簡便に検出できる。この検知剤を用いる検査方
法は、特にコンクリート構造物劣化の進展状況の把握、
アルカリシリカ反応の機構解明などに有効利用できるも
のである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油溶性染料と2−シアノアクリレートとか
    らなることを特徴とする岩石またはコンクリートの亀裂
    検知剤。
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