JP2550983Y2 - 飲料抽出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ） 産業上の利用分野 本考案は紅茶、コーヒー、緑茶等の抽出原料と湯とを
混合し、フィルターを用いて抽出を行う飲料抽出装置に
関する。

（ロ） 従来の技術 従来、飲料抽出装置では、実開昭59-155683号公報に
開示される様なスクレーパ機構を用いてフィルター上面
に残留した抽出カスを該フィルター上面より掻き落とし
て該抽出カスの排棄を行っていた。

上記スクレーパ機構の動作を具体的に説明すると、ス
クレーパはフィルター上面を往復動するものであり、該
スクレーパは待機位置からの往動時にはフィルター上面
に残留した抽出カスを該フィルターより掻き落とし抽出
カス袋へと落下送出させた後、前記スクレーパは復動し
待機位置へと戻る。

（ハ） 考案が解決しようとする課題 前述の公報に開示される様な、フィルター上面に残留
した抽出カスを掻き落とすためのスクレーパ機構では、
抽出完了後フィルター上面に山状に残留した抽出カスに
直接接触するスクレーパの前面側に抽出カスが付着した
ままになったり、またスクレーパの往動時にフィルター
上面から掻き落とし損ねてスクレーパが乗越えてしまっ
た抽出カスが、スクレーパの復動時にスクレーパの後面
側に付着してしまい、そのままスクレーパの後面側に付
着したままとなる。この様にスクレーパに付着したまま
となる抽出カスはカビの繁殖等の原因となるため、前述
の公報に開示されるような飲料抽出装置では、飲料抽出
装置の管理者が湯タンクより導かれたホースにてワイパ
ー付近の洗浄を行うため大量の湯を使用することになり
洗浄後に湯不足を生じ飲料抽出動作に支障を来たすとい
う課題が存在する。

本考案は前記課題を解決するためにスクレーパとして
のワイパーの前面及び後面に湯タンクから洗浄管路へと
導かれた湯を噴射孔を介し噴射することにより、少量の
湯でワイパーの洗浄を効果的に行う飲料抽出装置を提供
するものである。

（ニ） 課題を解決するための手段 本考案は前記課題を解決するためになされたものであ
り、混合装置より落下送出される抽出原料と湯との混合
物をフィルターにて濾過し、抽出飲料と抽出カスとに分
離した後、該フィルター上に残留した抽出カスをワイパ
ーにより掻き落とし排出部へと導く飲料抽出装置におい
て、湯を貯留した湯タンクより導かれ、先端部がワイパ
ーの上部に沿って配置された洗浄管路と、該洗浄管路の
先端部に複数穿設され、該ワイパーの前面及び後面に前
記洗浄管路内の洗浄用水を噴射する噴射孔と、前記洗浄
管路に設けられ、開放時には洗浄用水を前記噴射孔から
噴射させる供給弁とを具備したことにより前記課題を解
決する。

（ホ） 作用 本考案の飲料抽出装置によれば、供給弁の開放に基づ
き湯タンクに貯留された洗浄用水としての湯は洗浄管路
へと導かれ、更に該洗浄管路の先端部に複数穿設された
噴射孔よりかかる洗浄用水は噴射されワイパーの前面及
び後面を洗浄し抽出カス等が付着していれば洗い流して
ワイパーを清潔にする。

（ヘ） 実施例 図面に従って本考案の実施例を説明すると、第１図は
本考案の飲料抽出装置の構成配置図、第２図は同飲料抽
出装置に用いるワイパーの斜視図、第３図は同ワイパー
の縦断面図である。

第１図〜第３図において、（１）は混合装置であり、
内部に攪拌装置（２）を備え、原料シュート（３）及び
給湯ホース（４）から各々抽出原料及び湯が供給され
る。尚該抽出原料とは紅茶リーフ、コーヒー粉末、緑茶
リーフ等である。

（５）は前記混合装置（１）の底部に設けられた送出
口であり、前記攪拌装置（２）に備えられたモータ
（６）の駆動力により回転する攪拌翼（７）の回転が停
止したら抽出原料と湯の混合物を落下送出する。

（８）は濾過部であり、前記送出口（５）より落下送
出される抽出原料と湯との混合物を濾過し、抽出カス
（９）と抽出飲料（10）とに分離するフィルター（11）
を上部に配設している。

（12）はワイパー機構であり、モータ（13）と、該モ
ータ（13）の駆動力により回転する円盤（14）と、一端
を該円盤（14）上に設けられた支軸（15）に軸支された
第１のレバー（16）と、該第１のレバー（16）の他端を
軸支する第２のレバー（17）と、該第２のレバー（17）
の端部を軸支した第３のレバー（18）と、該第３のレバ
ー（18）に取りつけられたワイパー（19）と、前記円盤
（14）に設けられたカム溝（20）に作動され、前記円盤
（14）の回転位置を検出するスイッチ（21）とより構成
される。尚該ワイパー（19）は可撓性を有するゴム等の
材質で形成されている。

（22）は該ワイパー機構（12）により前記フィルター
（11）から掻き落とされた前記抽出カス（９）を受け入
れる抽出カス受部である。

（23）は可撓性材料で形成されたホースであり、前記
濾過部（８）に接続されている。

（24）は切換え手段であり、ソレノイド（25）と、該
ソレノイド（25）により動作されるとともに前記ホース
（23）の端部に固定された作動部材（26）と、該作動部
材（26）を第１図Ａ矢印方向に付勢するスプリング（2
7）とより構成される。（28）はカップであり、飲料供
給部（29）に載置されている。

（30）は洗浄管路であり、本実施例では洗浄用水とし
て湯タンク（31）の湯を利用しているため、該湯タンク
（31）より導かれており、先端部（30a）はワイパー（1
9）の上部に沿って配置されている。尚該洗浄管路（3
0）は可撓性を有する材質で形成され、前記ワイパー（1
9）の往復動の支障とならないものとする。（32）……
（32）は該先端部（30a）に複数穿設され、前記洗浄管
路（30）内の湯を前記ワイパー（19）の前面（19a）及
び後面（19b）に噴射する。

（33）は供給弁としての電磁弁であり、前記洗浄管路
（30）に配設され、開放時には前記湯タンク（31）の湯
を前記洗浄管路（30）へと導き、前記噴射孔（32）……
（32）よりかかる湯を噴射させる。

（34）は給湯弁であり、開放時には前記湯タンク（3
1）の湯を給湯ホース（４）を介して前記混合装置
（１）へと導く。

（35）は排出部であり、前記ワイパー（19）を洗浄し
た湯が導かれ図示しない排水バケツへと連通している。

以上が第１図〜第３図に示す飲料抽出装置の構成の説
明である。

続いて同飲料抽出装置の動作について説明する。

まず飲料抽出時には、給湯弁（31）が所定時間に渡っ
て開弁し、湯タンク（31）から給湯ホース（４）を介し
て所定量の湯を混合装置（１）に供給するとともに図示
しない原料供給部は原料シュート（３）を介して所定量
の抽出原料としての紅茶リーフを該混合装置（１）へと
供給する。

これと同期して攪拌装置（２）のモータ（６）は駆動
して攪拌翼（７）を回転させれば、該攪拌翼（７）は紅
茶リーフと湯とを混合しながら混合装置（１）内の上方
へと吹き上げるため、前記攪拌翼（７）の回転中は送出
口（５）より落下しない。

そしてかかる混合が完了すれば、モータ（６）は停止
して攪拌翼（７）は回転を終了し、紅茶リーフと湯との
混合物は混合装置（１）の下方に設けられた送出口
（５）よりフィルター（11）上面へと落下送出される。

更に上面に紅茶リーフと湯との混合物が落下送出され
たフィルター（11）はかかる混合物より抽出カス（９）
と抽出飲料（10）とを分離して濾過し、濾過部（８）へ
と該抽出飲料（10）を導くとともに該フィルター（11）
上面に該抽出カス（９）を残留させる。

一方この時ホース（23）は第１図における点線で示す
位置に位置するため、濾過部（８）へと導かれた抽出飲
料（10）は該ホース（23）を介してカップ（28）へと送
出される。

続いてワイパー機構（12）のモータ（13）は駆動を開
始し、円盤（14）をカム溝（20）によりスイッチ（21）
が作動される１回転分にわたって回転させる。これによ
り第３のレバー（18）に取付けられたワイパー（19）は
フィルター（11）上面を往復動する。またワイパー（1
9）の往動時には該ワイパー（19）は第３図において実
線で示す姿勢即ち前記ワイパー（19）がフィルター（1
1）上面に圧接して湾曲した状態で待機位置より抽出カ
ス（９）の方向に移動して、該フィルター（11）上面よ
り抽出カス（９）を抽出カス受部（22）へと掻き落と
す。一方ワイパー（19）の復動時にはワイパー（19）は
第３図において一点鎖線で示す姿勢で前述の待機位置へ
と戻り、飲料抽出動作は完了する。

また上記の飲料抽出動作を繰り返せば、ワイパー（1
9）の前面（19a）及び後面（19b）には抽出カス（９）
が付着したままになり、不衛生になり易い。

このため例えば所定の時間間隔或いは所定回数飲料抽
出動作が繰り返えされた後などカップ式飲料販売機の利
用者が適当と考える時期にワイパー（19）の洗浄を行う
場合には、まずソレノイド（25）を作動させ、ホース
（23）をスプリング（27）の付勢力に抗して第１図にお
ける点線で示す位置から実線で示す位置まで移動させ、
該ホース（23）の出口を排出部（35）へと臨ませる。

続いて供給弁（33）を開放すれば湯タンク（31）の湯
は洗浄管路（30）へと導かれ、更に先端部（30a）に複
数穿設された噴射孔（32）……（32）よりワイパー（1
9）の前面（19a）及び後面（19b）に噴射される。これ
によりワイパー（19）の前面（19a）及び後面（19b）に
付着した抽出カス（９）はフィルター（11）上面に落ち
るとともに洗浄用水として用いた湯は排出部（35）へと
排出される。

更にワイパー（19）よりフィルター（11）上面に落ち
た抽出カス（９）はワイパー機構（12）によりフィルタ
ー（11）上面より掻き落としてワイパー（19）の洗浄動
作は完了する。

尚ワイパー（19）の洗浄は少量の湯で行えるため、飲
料抽出動作が完了する都度ワイパー（19）の洗浄動作を
行っても湯タンク（31）の湯は大幅に減少しないため差
支えない。

（ト） 考案の効果 本考案の飲料抽出装置によれば、飲料抽出動作を継続
して行った際に、飲料抽出装置内で抽出カスが付着した
ままになり易い箇所であるワイパーを少量の湯で効率よ
く洗浄でき、このため、飲料抽出に用いる湯を大量に消
費しないため洗浄が完了した後に湯が足りなくなって飲
料抽出ができなくなるという不具合を生じさせることな
くワイパーの洗浄を効果的に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例としての飲料抽出装置の構成配置図、第
２図は同飲料抽出装置に用いるワイパーの斜視図、第３
図は同ワイパーの縦断面図である。 （１）……混合装置、（９）……抽出カス、（10）……
抽出飲料、（11）……フィルター、（12）……ワイパー
機構、（19）……ワイパー、（19a）……前面、（19b）
……後面、（30）……洗浄管路、（30a）……先端部、
（31）……湯タンク、（32）……噴射孔、（33）……供
給弁。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】混合装置より落下送出される抽出原料と湯
   との混合物をフィルターにて濾過し、抽出飲料と抽出カ
   スとに分離した後、該フィルター上に残留した抽出カス
   をワイパーにより掻き落とし排出部へと導く飲料抽出装
   置において、湯を貯留した湯タンクより導かれ、先端部
   がワイパーの上部に沿って配置された洗浄管路と、該洗
   浄管路の先端部に複数穿設され、該ワイパーの前面及び
   後面に前記洗浄管路内の洗浄用水を噴射する噴射孔と、
   前記洗浄管路に設けられ、開放時には洗浄用水を前記噴
   射孔から噴射させる供給弁とを具備したことを特徴とす
   る飲料抽出装置。