JP2549648Y2

JP2549648Y2 - 釘打ち補助具

Info

Publication number: JP2549648Y2
Application number: JP1212592U
Authority: JP
Inventors: 絹一蓬▲莱▼
Original assignee: 絹一蓬▲莱▼
Priority date: 1992-03-11
Filing date: 1992-03-11
Publication date: 1997-09-30
Anticipated expiration: 2007-03-11
Also published as: JPH0572381U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、釘打ち時に使用する
釘を保持する治具に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に釘打ち作業は、一方の手（右利き
の場合は左手）の人指し指と親指とで釘を挟んで保持
し、この釘の先端部を板の所望位置に突き立てた状態
で、釘の頭を他方の手に保持した金槌等で打ち込むこと
により行われる。かかる釘打ち作業を不慣れな者が行う
場合、釘の頭を正確に金槌で叩くことができず、誤って
指を打ちつけることがある。特に、全長が２０ｍｍ程度
未満の小さな釘を打つ場合には、指で釘を保持するのが
困難である。

【０００３】また、大工等の釘打ち作業に熟練した者で
あっても、ベニヤ合板等を壁や天井に釘付けする際に、
当該壁の上端部や天井の隅に釘を保持することが困難で
あり、釘打ち作業がしにくいことがあった。そこで本願
出願人は、先に、磁石を利用した釘打ち時に使用する釘
打ち補助具を提案した（実願平３−８１６９５号参
照）。

【０００４】先に提案した釘保持具によれば、磁力によ
って釘を保持でき、釘打ち作業が容易になる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】先に提案した釘保持具
は、磁力を用いて釘を保持するため、ステンレス釘には
使用することができないという不具合があった。また、
より簡単な構成で、廉価な釘打ち補助具が欲しいという
市場の要求もある。

【０００６】そこで、本願考案者は、鋭意研究の結果、
構造が簡単でかつ廉価に製造できる新規な釘打ち用の補
助具を考案した。この考案は、係る新規な釘打ち補助具
を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この考案は、帯状板が折
り曲げられて対をなす左体と右体とが形成され、折り曲
げ部と反対側の左体および右体の先端で釘を挟むように
した釘打ち時に使用する治具であって、左体および右体
の少なくとも中央部は互いに離れていて、かつ離れる方
向の弾性を有し、左体および右体の各先端部には、互い
に当接する接触点と、接触点から先方へ延びる釘挟持部
とが設けられていることを特徴とするものである。

【０００８】

【作用】この考案の釘打ち補助具は、釘打ち時に釘を保
持するために用いる。対をなす左体および右体のほぼ中
央部を指で持ち、力を加える。すると左体および右体は
互いに近接する方向へしなる。この時、左体および右体
の先端部の接触点が支点になって左体および右体はしな
るので、その接触点から先方へ延びる釘挟持部が開く。
そこでこの釘挟持部に打つべき釘をセットし、左体およ
び右体に加えている力を緩める。すると左体および右体
はその弾性により互いに離れる方向にしなりが戻り、釘
挟持部は閉じて釘が保持される。

【０００９】釘挟持部による釘の保持は、左体および右
体の弾性力に基づいてなされているから、適度な挟持力
で釘が保持される。よって、釘打ち時に釘がある程度打
ち込まれた後は、この補助具を折り曲げ部方向に引っ張
るように外せばよい。

【００１０】

【実施例】以下、図面を参照しつつこの考案の好ましい
実施例について詳細に説明をする。図１は、この考案の
一実施例にかかる釘打ち補助具（以下「治具」という）
を示す斜視図てある。この治具１は、帯状の金属板が折
り曲げられて形成されたものである。治具１は、折り曲
げ部２を中心に折り曲げられていて、対をなす左体３Ｌ
と右体３Ｒとが形成されている。そして左体３Ｌと右体
３Ｒとの先端部４で釘を挟むようになっている。

【００１１】折り曲げ部２から延びる左体３Ｌおよび右
体３Ｒの主要部は、その中央部をほぼ中心として、互い
に離れていて、かつ離れる方向に弾性が持たされてい
る。左体３Ｌおよび右体３Ｒに係る弾性を持たせるに
は、特別の処理は必要なく、たとえば治具１を鉄板等の
金属板で形成すればよい。あるいは、治具１を弾力性の
ある樹脂材で形成しても、左体３Ｌおよび右体３Ｒの主
要部に上述の弾性を持たせることができる。

【００１２】左体３Ｌおよび右体３Ｒの先端部４には、
互いに当接する接触点５Ｌ，５Ｒが備えられている。そ
してこの接触点５Ｌから先方へ延びる左釘挟持部６Ｌ
と、接触点５Ｒから先方へ延びる右釘挟持部６Ｒとが対
をなすように形成されている。釘は、この対をなす挟持
部６Ｌ，６Ｒにより挟持される。この釘挟持部６Ｌ，６
Ｒには、釘をセットできるように波形の凹凸が形成され
ていて、この凹部７で釘を挟めるようになっている。凹
部７は、大、中、小と３つ形成されている。

【００１３】治具１は、自然状態（力が加えられていな
い状態）では、接触点５Ｌ，５Ｒを中心に、後方側（折
り曲げ部２側）の左体３Ｌおよび右体３Ｒは互いに離れ
る方向に弾性力が働いている。よって、接触点５Ｌ，５
Ｒから先方へ延びる釘挟持部６Ｌ，６Ｒは、弾性力によ
り互いに当接している。一方、左体３Ｌおよび右体３Ｒ
のほぼ中央部に、矢印Ａ１方向の力を加えると、左体３
Ｌおよび右体３Ｒは、その弾性力に抗して互いに接近す
る方向にしなる。すると、接触点５Ｌ，５Ｒから前方側
の釘挟持部６Ｌ，６Ｒは、その先端が開くように変位す
る。それゆえ、釘挟持部６Ｌ，６Ｒに釘をセットする場
合には、この状態でセットすればよい。

【００１４】矢印Ａ１で示す力を解除すると、治具１は
上述した自然状態に戻り、弾性力により、釘挟持部６
Ｌ，６Ｒによって釘が挟持される。製品として望ましい
形態にするためには、治具１の折り曲げ部２から接触点
５Ｌ，５Ｒの直前ぐらいまでを、破線８で示すように、
塩ビ樹脂等で被覆してもよい。

【００１５】図２は、この治具１の使用例を示す図であ
る。図２に示すように、釘打ち時には、釘Ｎは治具１の
弾性力で保持されているから、使用者は指に力を入れる
必要がなく、治具１を軽く持つだけでよい。図３は、治
具１の先端部を示し、釘Ｎが保持された状態の拡大図で
ある。図示のように、釘Ｎは、釘挟持部６Ｌ，６Ｒに形
成された波形の凹凸の凹部７に挟まれて保持される。こ
の凹部７を大小作れば、釘の太さに対処することができ
る。凹部７は図示のように大、中、小の３つに限らず、
２つであってもよいし、もちろん１つであってもよい。
あるいは４つ以上でもよい。

【００１６】図４は、この治具１によってねじ釘を保持
した状態の使用例を示す図である。この治具１は、通常
の釘のみならず、ねじ釘を保持することもできる。上述
したこの実施例の治具１の先端部４を磁化した構成にし
てもよい。そのようにすれば、釘挟持部６Ｌ，６Ｒに釘
をセットする際に、釘が鉄釘等の場合、そのセットがし
やすいという利点が生じる。

【００１７】その他、この考案の要旨を変更しない範囲
で、種々の設計変更を施すことができる。

【００１８】

【考案の効果】この考案によれば、簡易な構成で廉価に
製造のできる釘打ち補助具を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例にかかる釘打ち補助具の斜
視図である。

【図２】釘打ち時の使用例を示す図である。

【図３】釘を保持した状態の治具の先端部を示す拡大図
である。

【図４】この実施例にかかる治具でねじ釘を保持した使
用する状態の図である。

【符号の説明】

１釘打ち補助具（治具）２折り曲げ部３Ｌ左本体３Ｒ右本体４先端部５Ｌ，５Ｒ接触点６Ｌ，６Ｒ釘挟持部

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】帯状板が折り曲げられて対をなす左体と右
体とが形成され、折り曲げ部と反対側の左体および右体
の先端で釘を挟むようにした釘打ち時に使用する治具で
あって、左体および右体の少なくとも中央部は互いに離れてい
て、かつ離れる方向の弾性を有し、左体および右体の各
先端部には、互いに当接する接触点と、接触点から先方
へ延びる釘挟持部とが設けられていることを特徴とす
る、釘打ち補助具。