JP2549064B2 - 浄化槽用マンホ−ル立上り枠の製造法 - Google Patents

浄化槽用マンホ−ル立上り枠の製造法

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JP2549064B2
JP2549064B2 JP6152835A JP15283594A JP2549064B2 JP 2549064 B2 JP2549064 B2 JP 2549064B2 JP 6152835 A JP6152835 A JP 6152835A JP 15283594 A JP15283594 A JP 15283594A JP 2549064 B2 JP2549064 B2 JP 2549064B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、浄化槽用マンホ−ル蓋
を取付ける立上り枠の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】一般に、公共下水道設備のな
い地域では、住宅や工場などから排出される廃水は、浄
化しなければ公共水域へは放流してはならない。そのた
め、浄化槽を必要とするが、一般的な浄化槽は、腐敗
槽、酸化槽および消毒槽からなり、洗浄水と共に流入す
る汚物を腐敗槽で嫌気性微生物により消化分解させ、分
解が進行すると汚物は液化し、その一部はガス化する。
液化した部分は酸化槽で好気性微生物により消化分解さ
れ、処理された排水は最後に消毒槽で消毒して公共水域
へ放流される。
【0003】かかる浄化槽は宅地等内に埋設されるが、
この浄化槽は保守点検、清掃および検査が義務付けられ
ているので、複数のマンホ−ルを必要としている。この
マンホ−ルの蓋は、浄化槽本体に雨水の浸入を防ぐため
に地表より所定の高さ(例えば、30cm)に高くした
り、浄化槽本体を深埋設して地表より下げたり、更に
は、庫内に埋設する場合には、地表と面一にしている。
【0004】ところで、所定の深さの浄化槽埋設用穴を
掘削した後、この浄化槽埋設用穴に浄化槽を設置する
と、マンホ−ル蓋の高さの寸法出しが難しい。そのた
め、浄化槽埋設用孔と浄化槽本体との誤差を吸収するた
め、マンホ−ル蓋を取付ける立上り枠を、浄化槽本体の
マンホ−ル用開口部に対し、上下スライド自在にした提
案がなされている(実公昭56−31352号公報参
照)。
【0005】しかしながら、かかる提案の立上り枠で
は、マンホ−ル口径が、1つの浄化槽でも例えば、60
0mmφ,500mmφまたは450mmφと異径であ
ったり、また、浄化槽本体にはマンホ−ルが少なくとも
3〜4個必要であったりするので、マンホ−ル立上り枠
はそれぞれ別個に製造(成形)しなければならず、その
上、浄化槽に対するマンホ−ル立上り枠は現場組付にな
ることから輸送用梱包も嵩張る、という問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、かかる
問題を全面的に解決するためになされたもので、その要
旨とするところは、複数のマンホ−ルをもつ浄化槽と、
これに用いるマンホ−ル蓋との間に設ける立上り枠を製
造するに当り、塩ビ製原管を低圧・低温によるブロ−成
形により拡径した後、該拡径管を軸方向に切開し、その
両切断端部を互に重合して所定のマンホ−ル口径に合せ
て縫着することを特徴とする浄化槽用マンホ−ル立上り
枠の製造法にある。
【0007】
【実施例】本発明を添付図面に示す実施例により詳細に
述べる。図1は本発明の実施例によるマンホ−ル立上り
枠の分解斜視図、図2(A)は図1の要部詳細図、
(B)は(A)の変形図、図3は図1の要部梱包荷姿図
である。
【0008】本実施例によるマンホ−ル立上り枠1が適
用される浄化槽は、厚肉の塩ビ板をブロ−成形により成
形された1対の椀体を合せて構成したもので、一般家庭
のトイレ汚水と生活雑排水とをまとめて浄化処理する、
いわゆる合併処理浄化槽に用いられる。この合併処理浄
化槽では、嫌気性微生物を生息させた濾床接触曝気方式
を採用しており、また、この浄化槽には4つのマンホ−
ルを設けており、これらのマンホ−ルは、例えば、その
口径が450mmφと500mmφになっている。
【0009】さて、図1において、浄化槽本体2の上面
に、本体側取付けリング3が取付けられている。この本
体側取付けリング3の縦断面形状は、図2(A)のよう
に、外周リング4と内周リング5と、これらの内・外周
リング4,5とで形成する嵌合凹部6と、この嵌合凹部
6の下面に突出した嵌合凸部7と、から構成されてい
る。
【0010】この本体側取付けリング3の嵌合凹部6に
は、マンホ−ル立上り枠1が外周リング4の内周に接し
て嵌合され、着脱自在にビス17等で固着される。この
マンホ−ル立上り枠1は、軸方向長さ(高さ)が約30
0mmの塩ビ製原管をブロ−成形した肉厚約2mmの基
本管体1aを軸方向に1つの直線で切開した後、左右の
切断端部を互に重合して、所定のマンホ−ル口径に合せ
るようにしたものである。
【0011】すなわち、塩ビ製原管を、例えば約650
mmφにブロ−成形して拡径する。その成形金型のキャ
ビティ内周面にはラップ段部を設けているので、ブロ−
成形したとき基本管体1aには、軸方向に形成され、か
つ、内側に肉厚だけ若干縮径したラップ用段部8が形成
される。したがって、このマンホ−ル立上り枠1はその
真円度を外周面に設けている。
【0012】次いで、この基本管体1aを、前記ラップ
用段部8と切断端部との間に所定の周辺の最大長さ(例
えば、450mmφを最小マンホ−ル口径とすれば、ラ
ップシロは最大となる)のラップシロ9を形成するよう
に、軸方向に1つの直線で切開する。そして、このラッ
プシロ9の範囲で、切開された左右の切断端部を互に重
合させ、基本管体1aを縮径する。この縮径量は、例え
ば、600mmφ、500mmφまたは450mmφの
マンホ−ル口径になるようにする。
【0013】そして、予め工場にて、ラップ用段部8を
形成した切断端部の側に、1つの縮径量につき4段の目
印10,10……を等間隔に軸方向につけておく。した
がって、600mmφ、500mmφまたは450mm
φの3つの縮径量であれば、3列の各4段の目印10を
つけておく。また、他の切断端部側には前記目印10に
合うような1列の4段の目印10aを付けておく。
【0014】以上のような目印10,10aを付けてお
けば、浄化槽組付現場において、これらの目印10,1
0aにドリル等で穿孔し、その穿孔部に樹脂製リベット
またはボルト(いずれも不図示)を挿入して両切断端部
を縫着することができる。この場合、接着剤を併用して
もよい。また、この基本管体1aには、水平周方向に所
定の間隔(例えば、上下端より25mm、その中間で5
0mmピッチ)の高さ調節用切目11,11……を刻設
して、この切目11に沿って基本管体1aをカッタ−に
より水平に切断すれば、マンホ−ル蓋の高さが調節がで
きる。この高さ調節は、浄化槽本体と浄化槽埋設穴との
誤差を吸収するものである。
【0015】次いで、以上のようなマンホ−ル立上り枠
1にマンホ−ル蓋側取付けリング12の嵌合凸部13
を、図2(A)のように外嵌してビス17止めする。こ
のマンホ−ル蓋側取付けリング12は、前記本体側取付
けリング3と同じ形状になっていて、外周リング14
と、内周リング15と、嵌合凹部16と、嵌合凸部13
とから構成されている。
【0016】このマンホ−ル蓋取付けリング12に、不
図示のマンホ−ル蓋を取付ける。そして、前記マンホ−
ル立上り枠1を梱包輸送するときは、従来の筒状の立上
り枠(例えば螺旋筒からなるアジャスタ−)では2個セ
ットされて梱包していたが、本実施例では図3の梱包荷
姿に示すように、7〜8個を同心状にセットすることが
でき、輸送費を大巾に節減する。
【0017】次に、このマンホ−ル立上り枠1の他の変
形例について述べる。マンホ−ル立上り枠1を図2
(B)のように用いるときには、この立上り枠1の真円
度を内周面に設け、この立上り枠1は本体側取付けリン
グ3の外周リング4の外周やマンホ−ル蓋取付けリング
12の嵌合凸部13の外周に接して嵌合する。この場
合、前記ラップ用段部8を外側に肉厚だけ若干拡径して
いる。
【0018】以上のように、本実施例のマンホ−ル立上
り枠1は、ブロ−成形した基本管体1aを1つの直線で
切開して、左右の切断端部を重合し、所定のマンホ−ル
口径を形成するので、若干、その真円度に不満が残る
が、この不満は、この立上り枠1と取付けリング3,1
2との嵌合に、例えば、嵌合巾20mmのゆとりがあっ
て、しかも、マンホ−ル用立上り枠1の肉厚2mmの樹
脂弾性を利用し、しかも、ビス17で縫着するので、か
かる真円度の誤差は吸収できる。
【0019】また、この立上り枠1の切断端部を重合し
たとき、その接触面において若干の深さの水平状の凹凸
条による嵌合をしているので、両者は密接重合し、浄化
槽からのガス漏れはない。なお、本体側取付けリング3
を省略して浄化槽本体2に一体的に突出・成形してもよ
い。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、 ブロ−成形により拡径された基本管体を軸方向に切開
して、その切断端部を互に重合して、任意のマンホ−ル
口径のマンホ−ル立上り枠を構成するので、1つの基本
管体から口径を異にする複数種のマンホ−ル立上り枠を
作ることができ、部品共通による量産メリットが得られ
る。 軸方向に切開したマンホ−ル立上り枠であるので、輸
送用梱包時に多数のものが重合してセットでき、輸送費
を節減することができる。 マンホ−ル蓋の高さの調節には、マンホ−ル立上り枠
を水平に切断するだけでよいので、浄化槽組付時に極め
て至便となる。 切開したマンホ−ル立上り枠であるので、構造が極め
て簡素化し、前記量産メリットと相俟って、更に安価に
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるマンホ−ル立上り枠の分
解斜視図である。
【図2】(A)は図1の要部詳細図、(B)は(A)の
変形例である。
【図3】本実施例の要部の梱包荷姿図である。
【符号の説明】
1…マンホ−ル立上り枠、1a…基本管体、2…浄化槽
本体、8…ラップ用段部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のマンホ−ルをもつ浄化槽と、これ
    に用いるマンホ−ル蓋との間に設ける立上り枠を製造す
    るに当り、塩ビ製原管を低圧・低温によるブロ−成形に
    より拡径した後、該拡径管を軸方向に切開し、その両切
    断端部を互に重合して所定のマンホ−ル口径に合せて縫
    着することを特徴とする浄化槽用マンホ−ル立上り枠の
    製造法。
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