JP2546416Y2 - 鉄道車両の換気扇制御装置 - Google Patents

鉄道車両の換気扇制御装置

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JP2546416Y2
JP2546416Y2 JP2751491U JP2751491U JP2546416Y2 JP 2546416 Y2 JP2546416 Y2 JP 2546416Y2 JP 2751491 U JP2751491 U JP 2751491U JP 2751491 U JP2751491 U JP 2751491U JP 2546416 Y2 JP2546416 Y2 JP 2546416Y2
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山 辰 三 腰
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Fuji Jukogyo KK
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ディーゼルエンジン等
の内燃機関で駆動される鉄道車両の換気扇を自動的に制
御する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジン等の内燃機関で駆動
される鉄道車両では、内燃機関からの排出ガスが車両内
部に入り込まないように、排気管が屋根に突出して設け
られている。また、車両内部の空気を換気するための換
気扇も、車両の寸法上の制約や加工性等の関係から、屋
根に設けられている。そこで、排気管からの排気ガスが
換気扇を通って車両内部へ入らないように工夫する必要
がある。
【0003】従来の技術として、例えば特開昭58−1
28957号公報に開示されたように、排気管の出口に
上方へ排気ガスが流れるように箱状のダクトを設けたも
のが提案されている。しかし、このダクトを用いた場合
は自然流では不十分な効果しか得られない。このため、
一般には次のような対策が行われている。
【0004】図4に、第3セクター等で用いられている
小型の鉄道車両を示す。車両101の屋根の妻側近傍に
排気管104が設けられ、二つの換気扇102及び10
3が排気管104より中央よりに設けられている。換気
扇102及び103は、換気用のファンがモータで回転
し、回転の向きで「排気」側と「吸気」側のいずれかに
設定されるようになっている。
【0005】進行方向が矢印Fの場合は、排気管104
からの排気ガスが近くの換気扇102から車内へ入らな
いように、この換気扇102は矢印Aのように排気を行
うよう設定され、遠い方の換気扇103は矢印Bのよう
に吸気を行うように設定される。
【0006】図5に示された車両201のように、二つ
の排気管204及び205が設けられている場合は、矢
印Fの進行方向に合わせて、排気管202は「排気」に
排気管203は「吸気」に設定される。
【0007】図6に、車両301の屋根に2つの排気管
305及び306と、3つの換気扇302,303及び
304が設けられた場合が示されている。この場合に
は、排気管305及び306にそれぞれ近接した両端の
換気扇302及び304は共に「排気」に設定され、中
央の換気扇303が「吸気」に設定される。
【0008】このように、いずれの場合にも進行方向と
排気管との位置関係により、排気ガスが最も入りにくい
ように各換気扇は排気又は吸気に設定されていた。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】しかし、排気管が1本
(図4)又は2本(図5)の場合、進行方向により換気
扇の排気又は吸気の設定が異なる。そして、従来はこの
設定を人手により行っていた。このため、設定の切り換
えを忘れたり誤ったりすると、排気ガスが車両内部へ入
るという問題があった。
【0010】本考案は上記事情に鑑み、換気扇の吸排気
の設定を自動的に適切かつ確実に行うことができる鉄道
車両の換気扇制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本考案の鉄道車両の換気
扇制御装置は、内燃機関の排気管が車両の屋根の妻側近
傍に突設されており、前記車両の屋根の長手方向に対す
る中央位置と妻間で前記排気管より中央よりに設けられ
た少なくとも二つの換気扇の吸気と排気の切換えを制御
するものであって、車両の編成位置に応じて進行方向の
設定が切換わる切換スイッチと、切換スイッチに連動し
て換気扇の吸気と排気の切換えを行う制御手段とを備え
たことを特徴としている。
【0012】ここで、制御手段は換気扇のうち最も進行
方向前方に位置したものを排気とし、他の換気扇が一つ
の場合はこれを吸気側とし他の換気扇が二つ以上の場合
は最も中央に位置したものを吸気側にするものであって
もよい。
【0013】
【作用】切換スイッチの設定されている位置から進行方
向がわかるため、この切換スイッチに制御手段が連動す
ることで、排気管からの排気ガスが換気扇より車両内部
に入り込まないように吸排気の切換を自動的に制御する
ことが可能となる。ここで、少なくとも二つの換気扇の
うち、最も前方に位置したものにはこの換気扇より前方
に位置した排気管からの排気ガスが最も入りやすい。そ
こでこの換気扇は排気とし、他の換気扇が一つの場合は
吸気側とする。他の換気扇が二つ以上の場合は、排気管
から遠い中央に位置したものを吸気側にすることで、排
気ガスの車内への入り込みを防ぐことができる。
【0014】
【実施例】以下、本考案の一実施例について図面を参照
して説明する。一般に鉄道車両には、図2に示されたよ
うに車両11前後の運転台に、進行方向を制御するため
の切換スイッチ12及び13が設けられている。この切
換スイッチ12及び13は、それぞれ進行方向に応じて
「前」「中」「後」のいずれかに設定されるようになっ
ている。例えば、図3のように2台の車両11及び21
が連結され、進行方向が矢印Fの場合は、それぞれ切換
スイッチ12,13,22,23は「前」「中」「中」
「後」のように設定される。この場合には、換気扇1
4,15,24,25の設定は、それぞれ「排気」「吸
気」「排気」「吸気」に設定される。進行方向が矢印F
と逆の場合には、切換えスイッチ12,13,22,2
3は「後」「中」「中」「前」というように設定され
る。そして換気扇14,15,24,25の設定は、そ
れぞれ「吸気」「排気」「吸気」「排気」に設定され
る。この切換スイッチと換気扇の設定位置の関係をまと
めると、次の表1のように示される。
【0015】
【表1】 このように、切換スイッチ12,13,22,23の設
定位置から進行方向と車両11の編成位置を知ることが
できる。そこで本実施例は、切換スイッチ12及び13
の設定位置から換気扇14及び15の吸排気の設定を自
動的に行うようにしている。
【0016】図1に、本実施例による鉄道車両の換気扇
制御装置の回路構成を示す。正電源側の電源線37と負
電源側の電源線38とが設けられ、この間に切換スイッ
チ12及び13の設定位置を検出する接点と、この接点
の開閉に応じて動作するリレーが接続されている。接点
31は、切換スイッチ12が「前」に設定されていると
きに閉じ,接点32は[中]に設定されているとき閉
じ,接点33は[後]に設定されているとき閉じるもの
である。接点34は、切換スイッチ13が「前」に設定
されているとき、接点35は「中」に設定されていると
き、接点36は「後」に設定されているときにそれぞれ
閉じる。
【0017】接点31の一端は電源線37に接続され、
他端はリレーコイル41の一端に接続され、リレーコイ
ル41の他端は電源線38に接続されている。接点36
の一端は電源線37に接続され、他端は接点32の一端
に接続され、接点32の他端は接点31とリレーコイル
41との接続点に接続されている。接点34の一端は電
源線37に、他端はリレーコイル42の一端に接続さ
れ、リレーコイル42の他端は電源線38に接続されて
いる。接点33の一端は電源線37に接続され、他端は
接点35の一端に接続され、接点35の他端は接点34
とリレーコイル42の接続点に接続されている。換気扇
スイッチ51は、換気扇14及び15の吸排気を切り換
えるための手動スイッチであり、電源側の接点52と吸
気側の接点53、又は電源側の接点52と排気側の接点
54とが接続される。接点52は電源線37に、接点5
3は吸気側の電源供給線61に、そして接点54は排気
側の電源供給線63に接続されている。電源供給線61
と電源供給線63との間には、リレーコイル41の常開
接点41aとリレーコイル42の常開接点42aとが並
列に接続されている。電源供給線61は、一方が常閉接
点41aを介して換気扇14の吸気側に接続され、他方
は常閉接点42bを介して換気扇15の吸気側に接続さ
れている。電源供給線63は、両端が換気扇14及び1
5の排気側に接続されている。換気扇14及び15に
は、電源線38がそれぞれ接続されている。 リレーコ
イル41及び42が共に励磁されないときは、常閉接点
41bおよび42bが閉じて常開接点41aおよび42
aが開いている。このため、接点52と接点53とが接
続されて換気扇スイッチ51が吸気側に設定されると換
気扇14及び15は共に吸気を行い、接点52と接点5
4とが接続されて換気扇スイッチ51が排気側に設定さ
れると換気扇14及び15は共に排気を行う。リレーコ
イル41のみが励磁され、換気扇スイッチ51が吸気側
に設定されているときは、常開接点41aが閉じて常閉
接点41bは開き、換気扇14は排気側に換気扇15は
吸気側に設定される。リレーコイル42のみが励磁され
換気扇スイッチ51が吸気側に設定されているときは、
常開接点42aが閉じて常閉接点42bが開き、換気扇
14は吸気側に換気扇15は排気側に設定される。換気
扇スイッチ51が排気側に設定されているときは、リレ
ーコイル41及び42が励磁されたか否かにかかわら
ず、換気扇14及び15は共に排気側に設定される。
【0018】このような構成を備えた本実施例の動作に
ついて、説明する。図2のように、1台の車両11のみ
で単車運転が行われている場合は、以下のように動作す
る。切換スイッチ12が「前」に設定されて接点31が
閉じ、切換スイッチ13が「後」に設定されて接点36
が閉じる。他の接点32〜35は全て開いている。リレ
ーコイル41に電流が流れて励磁され、常開接点41a
が閉じて常閉接点41bが開く。リレーコイル42は励
磁されず、常開接点42aは開いて常閉接点42bは閉
じた状態を保つ。これにより、換気扇14は排気側に換
気扇15は吸気側に設定される。
【0019】図3のように2台の車両11及び21が連
結されているときは、次のように動作する。前方の車両
11において、切換スイッチ12及び13がそれぞれ
「前」「中」に設定され、接点31及び35が閉じる。
リレーコイル41が励磁されて、図2の場合と同様に常
開接点41aが閉じて常閉接点41bが開く。リレーコ
イル42は励磁されず、常開接点42aは開いて常閉接
点42bは閉じる。この結果、換気扇14は排気側に換
気扇15は吸気側に設定される。
【0020】後方の車両21では、切換スイッチ22及
び23がそれぞれ「中」「後」に設定され、接点32及
び34が閉じる。リレーコイル42が励磁され、常開接
点42aが閉じて常閉接点42bが開く。リレーコイル
41は励磁されず、常開接点41aは開いて常閉接点4
1bは閉じる。この結果、換気扇14は吸気側に換気扇
15は排気側に設定される。
【0021】このように本実施例によれば、進行方向と
車両の編成位置に応じて換気扇の吸排気の切換えを自動
的に行うことができ、車内に排気ガスが入り込むのを確
実に防止することができる。
【0022】上述した実施例は一例であり、本考案を限
定するものではない。例えば、車両の編成数は3両以上
であってもよく、また換気扇の一両当りの数も4つ以上
あってもよい。
【0023】
【考案の効果】以上説明したように本考案の鉄道車両の
換気扇制御装置は、排気管からの排気ガスが換気扇より
車両内部に入り込まないように、切換スイッチに連動し
て制御手段が吸排気の切換えを自動的に制御することが
可能であるため、切換えを人手を介さずに確実かつ適切
に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例による鉄道車両の換気扇制御
装置の回路構成を示したブロック図。
【図2】同換気扇制御装置が適用可能な車両の外観を示
した正面図。
【図3】同換気扇制御装置が適用可能な車両を2台連結
した場合の外観を示した正面図。
【図4】排気管が一つで換気扇が二つ設けられた車両に
おける進行方向と換気扇の吸排気との関係を示した正面
図。
【図5】排気管が二つで換気扇が二つ設けられた車両に
おける進行方向と換気扇の吸排気との関係を示した正面
図。
【図6】排気管が二つで換気扇が三つ設けられた車両に
おける進行方向と換気扇の吸排気との関係を示した正面
図。
【符号の説明】
14,15 換気扇 31〜36 接点 37,38 電源線 41,42 リレーコイル 41a,42a 常開接点 41b,42b 常閉接点 51 換気扇スイッチ

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の排気管が車両の屋根の妻側近傍
    に突設されており、前記車両の屋根の長手方向に対する
    中央位置と妻間で前記排気管より中央よりに設けられた
    少なくとも二つの換気扇の吸気と排気の切換えを制御す
    る鉄道車両の換気扇制御装置において、前記車両の編成
    位置に応じて進行方向の設定が切換わる切換スイッチ
    と、前記切換スイッチに連動して、前記換気扇の吸気と
    排気の切換えを行う制御手段とを備えたことを特徴とす
    る鉄道車両の換気扇制御装置。
  2. 【請求項2】前記制御手段は、前記換気扇のうち最も進
    行方向前方に位置したものを排気とし、他の換気扇が一
    つの場合はこれを吸気側とし他の換気扇が二つ以上の場
    合は最も中央に位置したものを吸気側にすることを特徴
    とする請求項1記載の鉄道車両の換気扉制御装置。
JP2751491U 1991-04-22 1991-04-22 鉄道車両の換気扇制御装置 Expired - Lifetime JP2546416Y2 (ja)

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JPH04123767U JPH04123767U (ja) 1992-11-10
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