JP2545048Y2 - 洗浄機能を備えたシャンデリア - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は洗浄機能を備えたシャン
デリアに係り、特に昇降可能な懸吊具により懸架された
シャンデリアなどの大型照明器具に超音波振動子を備え
洗浄液中に浸漬させたシャンデリアの超音波振動子より
出力される超音波をシャンデリアに照射してシャンデリ
アの汚れ部を洗浄する洗浄機能を備えたシャンデリアに
関する。

【０００２】

【従来の技術】天井の高いホール等に使用されているシ
ャンデリア等の大型照明器具には、多くの光源（電球
等）が取付けられており、特に高所に取付けられている
ためシャンデリアおよびシャンデリア内の焼損した電球
の交換等のメンテナンスや清掃を行う場合、取付け・取
外し作業が極めて困難であり、これらの作業を容易化す
るため近年ではシャンデリアを昇降可能な懸吊具を介し
て懸架する構成が採られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】このように、シャンデ
リアを昇降可能に構成し、操作性の向上を図ることによ
り、シャンデリアのメンテナンスが容易になったが、シ
ャンデリアの光源部外側は通常透明または半透明のガラ
スまたはプラスチックで構成されており、その部分にタ
バコのやに等で固まった塵埃等が付着している部分は、
洗剤付き雑巾等による簡単な拭き掃除では外側に拭き跡
が汚く残り、また掃除のためにシャンデリア本体からガ
ラスまたはプラスチック製の外側カバーを着脱する際に
破損する場合があり、シャンデリアの清掃作業に多くの
労力と注意を要する難点を有していた。

【０００４】そこで、本考案の目的は、昇降可能な懸吊
具により懸架されたシャンデリアに超音波振動子を液密
に装着し、このシャンデリアを液槽内の洗浄液に浸漬さ
せて超音波振動子に高周波電圧を印加して超音波振動子
より出力される超音波をシャンデリアに照射することに
より、簡単な操作により短時間で効率良く綺麗に洗浄す
ることのできる洗浄機能を備えたシャンデリアを提供す
るにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本考案に係る洗浄機能を有するシャンデリアは、昇
降装置により昇降自在に構成した懸吊具にシャンデリア
を懸架し、このシャンデリアに超音波振動子を液密に装
着し、さらに前記シャンデリアに対して照明用の導線お
よび超音波振動子作動用の導線を昇降自在に取付け、前
記シャンデリアを液槽内に浸漬し、超音波振動子を作動
させて洗浄を行うように構成することを特徴とする。

【０００６】この場合、昇降装置は、シャンデリアを懸
吊する索条と、導線とをそれぞれ昇降させるウインチか
らなり、これらウインチを無線通信または有線通信によ
る操作により制御するよう構成することができる。

【０００７】また、シャンデリアを、液槽内の洗浄液中
に浸漬させて、超音波振動子により出力される超音波に
よりシャンデリアの汚れを洗浄するように構成すること
ができる。

【０００８】さらに、液槽は、上部に開閉可能な蓋板を
設けて箱体を構成し、この箱体の下部に洗浄液の液溜め
室を設けると共に、その上部に乾燥室を設け、移動可能
に構成することができる。

【０００９】

【作用】本考案に係る洗浄機能を有するシャンデリアに
おいては、昇降可能な懸吊具を介して懸架されるシャン
デリアに超音波振動子を液密に装着し、このシャンデリ
アを予め位置決め設置されている移動可能な液槽の洗浄
液中に浸漬させた状態で、高周波発振器により得られる
高周波電圧を印加して超音波振動子を振動させ、この超
音波振動子により出力される超音波をシャンデリアに照
射することにより、強固に付着した汚れ部を簡単な操作
により効率よく洗浄することができる。

【００１０】

【実施例】次に、本考案に係る洗浄機能を有するシャン
デリアの実施例につき、添付図面を参照しながら以下詳
細に説明する。

【００１１】図１は、本考案のシャンデリアを下方より
見た斜視図を示し、図２は、シャンデリアを洗浄する際
の説明図である。すなわち、本考案は、昇降可能な懸吊
具により懸架されたシャンデリアに、超音波振動子を装
着することにより、このシャンデリアを洗浄液中に浸漬
させた状態で高周波発振器による高周波電圧を印加し、
超音波振動子より照射される高周波振動により起生する
キャビテーション現象を応用し、これにより洗浄力を高
めてシャンデリアに塵埃等が強固に付着した汚れを洗浄
する機能を備えたシャンデリアに関するものである。

【００１２】図１において、参照符号１０はシャンデリ
アを示し、このシャンデリア１０の中心軸部ないしこれ
より分岐された各光源の中心部には超音波振動子１２な
いし１４ａ、１４ｂ、１４ｃが液密に装着され、この超
音波振動子１２ないし１４ａ、１４ｂ、１４ｃは、図示
しない高周波発振器に電気的に導通接続されている。

【００１３】なお、この超音波振動子は、シャンデリア
の構造的に振動し易い箇所、例えば中心軸部より分岐さ
れた末端が好適であるが、シャンデリアの外観上美観を
損なうことなく、また液密にシールされる構造のもので
あれば前述した位置に限定されるものではない。

【００１４】このように構成されたシャンデリア１０を
天井２０等の高所より懸架する懸吊具１６は、次のよう
に構成される。すなわち、図２において、懸吊具１６
は、シャンデリア１０の中心軸部の上端に懸架してこれ
を懸吊する索条１８と、この索条１８ないし後述する各
導線を、有線通信または無線通信による切換え操作によ
り昇降制御される昇降装置と、この昇降装置により昇降
すべく前記中心軸部上端より液密に導出される照明用導
線（コード）２４と、外部に設置され図示しない高周波
発振器に液密に導通接続する超音波振動子作動用導線
（コード）２６とから構成される。

【００１５】この場合、前記昇降装置は、天井２０の裏
部に載置された索条１８を懸吊し、巻き上げ・巻き下げ
により昇降制御する索条用ウインチ２２と、前記照明用
導線２４と超音波振動子作動用導線２６とを懸吊し、巻
き上げ・巻き下げにより昇降制御するウインチ２８と、
このウインチ２８に前記各導線２４、２６を正確に巻き
付けるべく前記ウインチ２８の近傍に設置してこれらを
案内する筒状のガイド部材３０とから構成される。

【００１６】前述した索条用ウインチ２２と、照明用導
線２４および超音波振動子作動用導線２６を懸吊し昇降
するウインチ２８とは、同期して動作するように制御さ
れるよう構成される。なお、前記昇降装置は、前記ウイ
ンチに限定されるものではなく、例えばワイヤーロープ
と滑車との組合わせ、ラックとピニオンとの組合わせ、
または空・油圧シリンダにより構成することもできる。

【００１７】実施例においては、シャンデリア１０は昇
降装置により下降させて後述する液槽３２内に浸漬する
よう構成した点につき説明したが、液槽３２がシャンデ
リア１０に対して上昇移動するよう構成しても良いこと
は言うまでもない。

【００１８】この場合、シャンデリア中心軸部上端の前
記各導線２４、２６が導出される部分は液密にシールさ
れており、この部分が液中に浸漬しても漏洩することは
ない。同様に、シャンデリアの光源が螢光灯で構成され
る場合は、内部に設けられる照明制御部は、洗浄液が侵
入しない液密なシール構造で構成される。

【００１９】一方、天井よりウインチ２２、２８を介し
て懸吊されるシャンデリア１０の直下には、移動可能な
液槽３２が配置される。この液槽３２は、内部に洗浄液
３５を充填すべく液密な箱体３４に形成され、この箱体
３４の側面ないし下部側面には液面計３６および排出弁
３８が配設され、底部には複数のキャスタおよびストッ
パが取付けられると共に上部側面には取手を設けた移動
可能な構成となっている。

【００２０】さらに、前記箱体３４内部に所定レベルま
で満される洗浄液３５の上部には空間部が形成され、こ
の空間部に対応する箱体の両側面にはファン４０ａ、４
０ｂが設置され乾燥室４０を構成している。そして、箱
体３４の上部には、開閉可能な蓋板が設けられており、
シャンデリアを洗浄ないし乾燥させている間は、前記蓋
板は閉塞状態となっており、洗浄ないし乾燥時間はシャ
ンデリアの大きさ・形状ないし汚れ状態に応じて経験的
に決められた時間がタイマーに設定される。

【００２１】また、シャンデリアの昇降に際し、液槽内
部または天井の所定位置におけるシャンデリアの位置決
めは、目視または図示しないセンサーにより行われる。
尚、前記液槽３２内に充填される洗浄液は、ハロゲン化
炭化水素系溶剤、石油系溶剤、アルカリ脱脂剤または乳
剤クリーナ等がシャンデリアに用いられている材料に応
じて使用される。また、前記高周波発振器より発信され
る周波数は通常超音波洗浄に使用される周波数２０〜１
００ｋＨ_Z が好適である。

【００２２】前述した構成からなるシャンデリアは、そ
の洗浄に際して、次のように操作される。すなわち、天
井２０に懸架されているシャンデリア１０を下降する場
合は、索条用ウインチ２２を有線通信または無線通信に
よる操作ボタンまたはリモコン等の遠隔操作により、モ
ータを起動して昇降制御すると、別のコード用ウインチ
２８も起動して索条用ウインチ２２と同期する動作によ
り昇降制御される。

【００２３】ウインチ２２および２８によるシャンデリ
ア１０の下降移動により、これが液槽３２の洗浄液中に
浸漬すると、人為的な操作により高周波発振器を起生さ
せてシャンデリア１０に装着されている超音波振動子１
２、１４ａ、１４ｂ、１４ｃに高周波電圧を印加し、こ
の超音波振動子を所定時間振動させてこれをシャンデリ
ア１０に照射することにより汚れ部を洗浄することがで
きる。

【００２４】この洗浄が完了すると、シャンデリア１０
は、各ウインチ２２、２８により所定距離上昇して乾燥
室４０内に位置決めされ、ファン４２ａ、４２ｂを起動
させて所定時間運転することにより、濡れた状態のシャ
ンデリアを乾燥させることができる。このようにして、
洗浄されたシャンデリア１０は、前記ウインチ２２、２
８を再度起動させて、索条１８を介して天井２０の初期
位置まで、吊り上げ固定される。

【００２５】以上、本考案を好適な一実施例について説
明したが、本考案は前記実施例に限定されることなく、
その精神を逸脱しない範囲内において多くの改良変更が
可能である。

【００２６】

【考案の効果】以上説明したように、本考案に係る洗浄
機能を備えたシャンデリアは、昇降装置により昇降自在
に構成した懸吊具にシャンデリアを懸架し、このシャン
デリアに超音波振動子を液密に装着し、さらに前記シャ
ンデリアに対して照明用の導線および超音波振動子作動
用の導線を昇降自在に取付け、前記シャンデリアを液槽
内に浸漬し、超音波振動子を作動させて洗浄を行うよう
に構成することにより、高所の天井等に設置される大型
シャンデリアでも、簡単な操作により、このシャンデリ
アに付着した汚れを短時間で、綺麗に洗浄することがで
きる等の優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示し、シャンデリアを下方
より見た斜視図である。

【図２】シャンデリアを洗浄する際の説明図である。

【符号の説明】

１０ シャンデリア １２ 超音波振動子 １４ａ、１４ｂ、１４ｃ 超音波振動子 １６ 懸吊具 １８ 索条 ２０ 天井 ２２ 索条用ウインチ ２４ 照明用導線２６ 超音波振動子作動用導線 ２８ コード用ウインチ ３０ ガイド部材 ３２ 液槽 ３４ 箱体 ３５ 洗浄液３６ 液面計 ３８ 排出弁 ４０ 乾燥室 ４２ａ、４２ｂ ファン

Claims (4)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 昇降装置により昇降自在に構成した懸吊
   具にシャンデリアを懸架し、このシャンデリアに超音波
   振動子を液密に装着し、さらに前記シャンデリアに対し
   て照明用の導線および超音波振動子作動用の導線を昇降
   自在に取付け、前記シャンデリアを液槽内に浸漬し、超
   音波振動子を作動させて洗浄を行うように構成すること
   を特徴とする洗浄機能を有するシャンデリア。
2. 【請求項２】 昇降装置は、シャンデリアを懸吊する索
   条と、導線とをそれぞれ昇降させるウインチからなり、
   これらウインチを無線通信または有線通信による操作に
   より制御するよう構成してなる請求項１記載の洗浄機能
   を有するシャンデリア。
3. 【請求項３】 シャンデリアを、液槽内の洗浄液中に浸
   漬させて、超音波振動子により出力される超音波により
   シャンデリアの汚れを洗浄するように構成してなる請求
   項１記載の洗浄機能を有するシャンデリア。
4. 【請求項４】 液槽は、上部に開閉可能な蓋板を設けて
   箱体を構成し、この箱体の下部に洗浄液の液溜め室を設
   けると共に、その上部に乾燥室を設け、移動可能に構成
   してなる請求項１記載の洗浄機能を有するシャンデリ
   ア。