JP2543613B2 - グラフィックイコライザ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 この発明は音響機器のグラフィックイコライザに係
り、特に音楽信号に合わせた最適グラフィックイコライ
ザカーブ（以下、単にGEカーブという）を自動的に設定
するのに好適なグラフィックイコライザに関する。

（ロ）従来技術 従来の音響機器におけるグラフィックイコライザは、
第４図及び第５図に示すブロック図のものが多く提供さ
れていた。

図において、10はグラフィックイコライザの入力端
子、11は複数チャンネルのスペクトラム分析と各チャン
ネルの信号レベルを設定することができるグラフィック
イコライザ回路（以下、単にGE回路という）、13はGE回
路11からのGEカーブを表示する表示部、15は予め決めら
れた複数のGEカーブを記憶した固定メモリ、16は固定メ
モリ15を制御する操作キーである。

一般に、音響機器ではGEカーブを設定する場合、ユー
ザは音楽を聞きながら最適音質になるように、GE回路11
に備え付けられた複数チャンネルのGEカーブ設定用調節
器（図示せず）を調整し、GEカーブ表示部13に表示され
るGEカーブを見ながら設定していた。

また第５図のように、予め複数個のGEカーブ特性を固
定メモリ15に記憶し、この固定メモリ15を制御する操作
キー16を操作して１っのGEカーブを選び出し、このGEカ
ーブで再生される音楽信号を聴取し、最適音質になるよ
うGEカーブを選択して設定していた。

（ハ）発明が解決しようとする問題点 しかし、上記した従来のグラフィックイコライザは、
最適音質のGEカーブを設定するため、当初設定したGEカ
ーブで音楽を聴取し、更に、別のGEカーブを設定し直し
て再度、音楽聴取して聞き比べて最適音質のGEカーブを
設定していた。

尚、上記設定GEカーブの聞き比べは、必要に応じて複
数回繰り返すことがあり、このGEカーブの最適音質設定
に時間を要し、設定作業が煩わしいという欠点があっ
た。

この発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは従来例の欠点を解消し、音楽信
号の特性パターンを認識して、この音楽信号に合った最
適音質の対応パターンを自動的に選択してGE回路を制御
するグラフィックイコライザを提供するところにある。

（ニ）問題を解決するための手段 第１図はこの発明の構成を示す機能ブロック図であ
り、この発明のグラフィックイコライザは音楽信号に合
わせてグラフィックイコライザカーブの設定を行なうグ
ラフィックイコライザにおいて、上記音楽信号の一定時
間内の平均スペクトラムを解析する解析手段と、この平
均スペクトラム解析結果を複数の特性パターンに分類す
る分類手段と、予め内部メモリに記憶された音楽信号再
生時に最適音質を作り出す複数の対応パターンを順次検
索して、分類された特性パターンに最も近い対応パター
ンを選択する選択手段とを設け、選択された対応パター
ンのグラフィックイコライザカーブをグラフィックイコ
ライザ回路に設定するするよう制御する構成にしたもの
である。

（ホ）作用 この発明の作用を第１図の機能ブロック図を用いて説
明する。

音楽信号のスペクトラムを取り込み、一定時間内の一
定時間間隔のスペクトラムをサンプリングし、この一定
時間内の平均スペクトラム値を算出する（平均スペクト
ラム解析手段１）。

この平均スペクトラム解析結果の周波数特性を検出し
て、この周波数特性パターンによって分類する（分類手
段２）。

この分類された特性パターンを予め内部メモリに記憶
された複数の対応パターンと検索して対応パターンを自
動的に選択する（選択手段３）。

この選択された対応パターンのGEカーブをGE回路に供
給して、GE回路のGEカーブ調節素子を上記対応パターン
に設定するように制御する（GEカーブ設定手段４）。

また、同時にGEカーブ表示部に上記対応パターンのGE
カーブデータが供給され、表示部にGEカーブを表示する
（GEカーブ表示手段５）。

このように、音楽信号の平均スペクトラムを算出して
GEカーブを設定し、この音楽信号に対して最適音質のGE
カーブを得ることができ、しかも操作が簡単である。

（ヘ）実施例 この発明に係るグラフィックイコライザの実施例を第
１図乃至第３図に基づいて説明する。

なお従来例と同一部分には同一符号を付してその説明
を省略する。

第１図はこの発明の機能ブロック図、第２図はハード
ウェアのブロック図、第３図は動作を説明するフローチ
ャートである。

図において、12はGEカーブ表示部13やGE回路11などを
制御するマイクロコンピュータ（以下、単にマイコンと
いう）、14はマイコン12を操作する操作キーである。

入力端子10に供給された音楽信号はGE回路11でスペク
トラム分析されてGEカーブが設定されて出力される。こ
のGE回路11でスペクトラム分析された複数チャンネルの
音楽信号はマイオン12に供給され、マイコン12は音楽信
号の周波数スペクトラムを検知し解析する。

このマイコン12の動作を第３図のフローチャートによ
り説明する。

マイコン12に接続された操作キー14のGEカーブ設定キ
ーを操作すると（ステップS1）、マイコン12はGE回路11
でスペクトラム分析された音楽信号のスペクトラムを取
り込み（ステップS2）、この音楽信号のスペクトラムの
平均スペクトラムを算出する。

この平均スペクトラム解析は、音楽信号の代表的な部
分の一定区間を一定間間隔でサンプリングして取り込
み、音楽信号の一定区間のスペクトラムの平均値を算出
する（ステップS3）。

この平均スペクトラム解析結果を分類する（ステップ
S4）。例えば、低域及び高域周波数帯域の各２点間の周
波数f1〜f4を設定し、この設定周波数の信号レベル差に
より、低域特性L1,L2,L3…Ln及び高域特性H1,H2,H3…Hm
の各n,m分類に分け、低域ｎ分類と高域ｍ分類とを組み
合わせてｎ×ｍパターンに分類することができる。

例えば、下記のように低域・高域共に３分類とし、低
域周波数f1＝90Hz,f2＝400Hz及び高域周波数f3＝1kHz,f
4＝10kHzとし、この周波数帯域の信号レベル特性を矢印
で示す。

上記のように、音楽信号の平均スペクトラムは略９パ
ターンの中の１パターンに設定される。

一方、マイコン12内に予め複数のGEカーブ特性の対応
パターンがメモリされている。このメモリされたGEカー
ブ特性の対応パターンは、実験的に音楽を再生した際に
音楽再生システムのスピーカまで含めて、最適音質にな
るように決められた特性を持った対応パターンである。

例えば、音楽信号再生の最適音質を作り出すGEカーブ
対応パターンをA,B,C,…特性とすると、前記音楽信号の
平均スペクトラム解析によって分類された特性パターン
が、マイコン12にメモリされた複数の対応パターンの中
のＡ特性と合致するか又は概略合致するかを検索する
（ステップS5）。

ステップS5でＡ特性と合致する又は概略合致する場
合、このＡ特性をメモリより読み出し（ステップS8）、
このＡ特性をGEカーブとしてGE回路11を制御して設定す
る（ステップS12）。

ステップS5でＡ特性と合致しない場合、次のＢ特性を
検索し（ステップS6）、前記同様合致する時はステップ
S9,S13を実行してGEカーブを設定する。またＢ特性と合
致しない場合はステップS7を実行してＣ特性を検索す
る。

このように、マイコン12は音楽信号の平均スペクトラ
ムがメモリされた複数の対応パターンA,B,C,…特性を順
次検索して、最も近い対応パターンを選択する。

第３図のフローチャートは３個のA,B,C特性の検索を
示したが、実際にはもっと多くの対応パターンが用意さ
れていて、これら多くの対応パターンと検索される。

このようにして検索された対応パターンを選択し、こ
の選択した対応パターン特性になるようマイコン12はGE
回路11を制御してGEカーブを設定することができる。

また、マイコン12は選択決定した対応パターンのGEカ
ーブデータを表示部13に供給し、表示部13にGEカーブを
表示する。よって、音楽信号に最も合致した最適音質特
性のGEカーブを自動的に得ることができる。しかも、こ
のGEカーブ設定及び表示機能は、グラフィックイコライ
ザに内蔵されているマイコンのソフトウェアに大きく依
存しており、コストを上げることなく機能を増やすこと
ができるという効果があり、実施も容易である。

（ト）発明の効果 この発明に係るグラフィックイコライザは前述のよう
に、音楽信号の平均スペクトラム解析を行い、この平均
スペクトラムに対応したGEカーブ特性パターンをマイコ
ンに予めメモリした音楽信号再生時に最適音質を作り出
す複数個の対応パターンから選択して、この対応パター
ンになるようにGE回路を制御するので、音楽信号に最も
合致した最適音質特性のGEカーブを自動的に得ることが
できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図はこの考案に係るグラフィックイコラ
イザの実施例を示し、第１図は機能ブロック図、第２図
はハードウェアのブロック図、第３図は動作を説明する
フローチャートである。 第４図及び第５図は従来例を示し、第４図はブロック
図、第５図は他の従来例のブロック図である。 主な符号の説明 10:グラフィックイコライザの入力端子、11:グラフィッ
クイコライザ回路（GE回路）、12:マイクロコンピュー
タ（マイコン）、13:GEカーブの表示部、14:マイコンの
操作キー。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−179211（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−91511（ＪＰ，Ａ) 実開 平２−10619（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】音楽信号に合わせてグラフィックイコライ
   ザカーブの設定を行なうグラフィックイコライザにおい
   て、 上記音楽信号の一定時間内の平均スペクトラムを解析す
   る解析手段と、この平均スペクトラム解析結果を複数の
   特性パターンに分類する分類手段と、予め内部メモリに
   記憶された音楽信号再生時に最適音質を作り出す複数の
   対応パターンを順次検索して、分類された特性パターン
   に最も近い対応パターンを選択する選択手段とを設け、
   選択された対応パターンのグラフィックイコライザカー
   ブをグラフィックイコライザ回路に設定するよう制御す
   る構成にしたことを特徴とするグラフィックイコライ
   ザ。