JP2542131Y2 - 老眼用コンタクトレンズ - Google Patents

老眼用コンタクトレンズ

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JP2542131Y2
JP2542131Y2 JP1989151200U JP15120089U JP2542131Y2 JP 2542131 Y2 JP2542131 Y2 JP 2542131Y2 JP 1989151200 U JP1989151200 U JP 1989151200U JP 15120089 U JP15120089 U JP 15120089U JP 2542131 Y2 JP2542131 Y2 JP 2542131Y2
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陽一 塩崎
郁夫 井口
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陽一 塩崎
株式会社サンコンタクトレンズ
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Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、老眼用コンタクトレンズに関するものであ
る。
従来の技術 近年、老眼を矯正するため、種々の多焦点コンタクト
レンズが考案されている。多焦点コンタクトレンズには
大きく分けて、交代視法によるものと同時視法によるも
のの2種類がある。
交代視法によるコンタクトレンズは、1枚のコンタク
トレンズに、近方視用レンズと遠方視用レンズを互いの
光学中心が一致しないように形成し、近方視および遠方
視に応じて、視線の位置を近方視用レンズの光学中心お
よび遠方視用レンズの光学中心にそれぞれ移動させるこ
とにより、視力を得るものである。交代視法が適用され
たコンタクトレンズとしては、例えば、第5図に示すよ
うに、レンズ前面(40a)における、装着時に下側とな
る領域(41)を他の領域(42)よりも隆起させて形成し
て近方視用レンズとし、前記他の領域(42)を遠方視用
レンズとした2焦点コンタクトレンズ(40)がある。し
かし、この2焦点コンタクトレンズ(40)は、視線が遠
方用レンズと近方用レンズの境界を横切る際に像のジャ
ンプが生じ、また、階段を降りる場合、頭部を前方に傾
け、視線を遠方用レンズ内に入れて階段を見る必要があ
り、非常に不自然な姿勢を強いられ不便であるという欠
点を有している。
同時視法によるコンタクトレンズは、1枚のコンタク
トレンズに近方視領域および遠方視領域をこれらの光学
中心が一致するように形成したものであり、レンズ装着
時に、網膜上に遠近の2像を同時に写し、脳が必要な像
を選択するようになっている。この種のコンタクトレン
ズとしては、例えば第6図に示すように、レンズ前面
(43a)の中央に円形の近方視領域(45)を形成し、そ
の外側を輪帯状の遠方視領域(44)とした2焦点コンタ
クトレンズ(43)がある(特開昭60−91327号公報参
照)。しかしこのコンタクトレンズ(43)においては、
室内で遠近がバランス良く見えるようにするために、中
央近方視領域(45)の直径を2.5mm前後に設定する必要
がある。ところがこの構成では、明るい所から暗い所へ
移動した場合に、瞳孔が急激に拡大すると、それに伴っ
て視野の周辺部に円形の光の散乱が生じ、見え方に違和
感を生じるという欠点を有している。
この欠点を補うべく、特開昭59−146020号公報では、
レンズ前面の主視覚領域を多数の近距離視覚ゾーンおよ
び遠距離視覚ゾーンに分割し、平常の使用状態で、実質
上等しい量の光が近距離および遠距離視覚ゾーンを通し
て目に入るようにした2焦点コンタクトレンズが提案さ
れている。特開昭59−146020号公報には、例えば第7図
に示すような2焦点コンタクトレンズ(46)が開示され
ている。このレンズ(46)は、レンズ前面(46a)が予
め遠距離視覚ゾーンのみからなるように形成しておき、
第7図に示すように、レンズ前面(46a)を等間隔に輪
帯状に切削し、中央に円形の遠距離視覚ゾーン(47)が
形成され、その外側領域に同一の幅を有する輪帯状の近
距離視覚ゾーン(48),(50)および輪帯状の遠距離視
覚ゾーン(49),(51)が同心円状に交互に形成される
ようにして、平常の使用状態で、実質上等しい量の光が
近距離および遠距離視覚ゾーンを通して目に入るように
したものである。
しかし、このような構成では、遠方視および近方視い
ずれの場合にも、遠距離視覚ゾーンおよび近距離視覚ゾ
ーンを通じて実質的に等しい光の量が目に入るため、レ
ンズの有効面積が小さくなってしまい、その結果解像度
が低下し矯正視力も遠近共に十分に得ることができな
い。
考案が解決しようとする課題 したがって、本考案の課題は、遠方視および近方視い
ずれの場合においても、優れた解像度を有すると共に、
十分な矯正視力を得ることができ、しかも見え方に違和
感を生じることがない老眼用コンタクトレンズを提供す
ることである。
課題を解決するための手段 このため、装着者の遠方視および近方視に応じた瞳孔
直径の変化(一般に、近方視する時は、遠方視する時よ
り瞳孔直径が1mm前後小さくなる)に着目し、遠方視の
場合には、レンズ前面における遠方視時の瞳孔に対応す
る領域内で遠方視領域を通じて瞳孔に供給される光量の
方が近方視領域を通じて供給される光量よりも多くな
り、近方視の場合には、レンズ前面における近方視時の
瞳孔に対応する領域内で近方視領域を通じて瞳孔に供給
される光量の方が多くなるように、レンズ前面の近方視
領域および遠方視領域の面積比率およびこれら領域の配
置を考えるとともに、遠方視を重視する装着者に対して
は、レンズの全光学領域に占める遠方視領域の面積が近
方視領域の面積より大きくなり、一方、近方視を重視す
る装着者に対しては、レンズの全光学領域に占める近方
視領域の面積の方が大きくなるように、遠方視領域およ
び近方視領域を形成すればよい。
したがって、本考案は、眼の角膜表面に適合した凹面
からなる後面と、中央に円形の光学的に滑らかな遠方視
領域、およびその外側にフレネル面がそれぞれ形成され
た凸面からなる前面とを有するものであって、前記フレ
ネル面が遠方視領域および近方視領域を備えかつ少なく
とも2種類の焦点を有し、前記前面におけるレンズ装着
者の近方視時の瞳孔に対応する領域に占める前記近方視
領域と前記遠方視領域の面積の比率が61:39以上と前記
近方視領域の面積の方が大きくなり、前記前面における
レンズ装着者の遠方視時の瞳孔に対応する領域に占める
前記遠方視領域と前記近方視領域の面積の比率が61:39
以上と前記遠方視領域の面積の方が大きくなり、かつ前
記前面におけるレンズ装着者の遠方視時の瞳孔に対応す
る領域の外側の領域において前記遠方視領域の面積また
は前記近方視領域の面積が優勢となることによって、前
記前面における全光学領域に占める前記遠方視領域と前
記近方視領域の面積の比率が65:35以上と前記遠方視領
域の面積の方が大きいか、または前記近方視領域と前記
遠方視領域の面積の比率が65:35以上と前記近方視領域
の面積の方が大きくなるように、前記中央遠方視領域の
直径、および前記フレネル面に占める前記遠方視領域と
前記近方視領域の面積の比率を設定したものであること
を特徴とする老眼用コンタクトレンズを構成したもので
ある。
作用 以上の構成によれば、遠方視する場合は、レンズ前面
における遠方視時の瞳孔に対応する領域内で遠方視領域
が優勢になって、遠方視領域を通じて瞳孔に供給される
光量の方が近方視領域を通じて瞳孔に供給される光量よ
りも多くなり、一方、近方視する場合には、レンズ前面
における近方視時の瞳孔に対応する領域内で近方視領域
が優勢になって、近方視領域を通じて瞳孔に供給される
光量の方が遠方視領域を通じて瞳孔に供給される光量よ
りも多くなるので、遠方視および近方視いずれの場合に
も、優れた解像度を得ることができ、十分な矯正視力を
得ることができる。
さらには、通常の遠方視および近方視に影響を及ぼす
ことなく、レンズ装着者が遠方視および近方視のいずれ
を重視するかに応じて、レンズ前面における遠方視時の
瞳孔に対応する領域の外側の領域を、遠方視領域の面積
および近方視領域の面積のいずれかが優勢となるように
することができる。その結果、近方視を重視する装着者
の場合、レンズ前面における遠方視の時の瞳孔に対応す
る領域の外側の領域を近方視領域優勢にしておけば、レ
ンズの中心が瞳孔の中心から少しずれても、近方視が容
易に行える。一方、遠方視を重視する装着者の場合、レ
ンズ前面における遠方視の時の瞳孔に対応する領域の外
側の領域を遠方視領域優勢にしておけば、レンズの中心
が瞳孔の中心から少しずれても、遠方視が容易に行え
る。
また、レンズ前面の中央に、光学的に滑らかな表面を
有する遠方視領域を形成したので、視力のよくでる瞳孔
中心部がこの遠方視領域に覆われる。このため、遠方が
より鮮明に見える。
実施例 以下、図面を参照しながら本考案の実施例について説
明する。
第1実施例 第1図に示したように、本考案の第1実施例における
老眼用コンタクトレンズ(1)はポリメチルメタクリレ
ートを主成分とするもので、眼の角膜表面に適合した凹
面からなる後面(1b)と、中央に直径1.3mmの円形で表
面が光学的に滑らかな±0D(ジオプター)の遠方視領域
(2)が形成され、かつこの円形遠方視領域(2)の外
側に、近方視領域を構成する+2.5Dの輪帯状フレネル面
(3,5,7,9)と遠方視領域を構成する±0Dの輪帯状フレ
ネル面(4,6,8)とが同心円状に交互に形成された凸面
からなる前面(1a)とを有している。さらに、中央遠方
視領域(2)の曲率半径が、同領域(2)に隣接する、
近方視領域を構成するフレネル面の曲率半径よりも大き
くなるようにし、かつ隣接する2つのフレネル面におい
ても、遠方視領域の曲率半径が近方視領域の曲率半径よ
り大きくなるように形成されている。
前記フレネル面(3,4,5,6,7,8,9)の同心円状の配置
は、直径1.3mm〜3.5mmの範囲内に形成された、中央遠方
視領域(2)の外側の幅0.40mmの近方視領域(3)およ
びその外側の幅0.20mmの遠方視領域(4)並びにその外
側の幅0.50mmの近方視領域(5)、直径3.5mm〜5.0mmの
範囲内に形成された幅0.75mmの遠方視領域(6)、直径
5.0mm〜7.8mmの範囲内に形成された幅0.22mmの近方視領
域(7)およびその外側の幅0.48mmの遠方視領域
(8)、並びにその外側に幅0.22mmの近方視領域(9)
を有している。
また、視力測定を行った部屋と同じ照明条件下(170
ルックスの平均床面照度)での。このコンタクトレンズ
の装着者の瞳孔直径は、遠方視のとき5.0mm、近方視の
とき3.5mmであった。
そして、このレンズの遠方視領域と近方視領域の配置
と、遠方視と近方視の瞳孔直径から、レンズ前面におけ
る遠方視時の瞳孔に対応する領域に占める遠方視領域と
近方視領域の面積の比率、並びにレンズ前面における近
方視時の瞳孔に対応する領域に占める近方視領域と遠方
視領域の面積の比率を計算すると、それぞれ、65:35お
よび71:29であった。
さらに、この装着者は、遠方視重視を希望したので、
レンズ前面における遠方視時の瞳孔に対応する領域(直
径5.0mmの円形領域)の外側、直径5.0mm〜7.8mmの範囲
内にある領域に占める遠方視領域と近方視領域の面積の
比率を、66:34とし、このレンズの全光学領域に占める
遠方視領域と近方視領域の面積の比率を66:34と遠方視
領域の面積の方が大きくなるようにした。また、このレ
ンズの後面(1b)の曲率半径は7.35mmで、レンズの直径
は9.2mmであった。
このレンズを、裸眼で遠方がよく見え、近方が見えに
くい老眼の人の左眼(眼鏡度数は、遠方が±0D、近方が
+2.5D)に装着した。なお、この人の左眼の角膜横径は
11.5mm、中央部の角膜曲率半径は、横方向が7.40mm、縦
方向が7.30mmであった。
レンズ装着の結果、5m視力は1.0、30cm視力は0.9(い
ずれも片眼視力)であり、装着者の満足度は高かった。
このレンズの度数を測定したところ、+2.5Dと±0Dの位
置に鮮明なコロナ像が観察され、近方視領域と遠方視領
域のいずれも指定どおりの度数に出来上がっていること
が確認された。
また、このレンズは、近方視のとき、視野の周辺に光
の輪が見えることはなかった。さらに、まばたきをし
て、コンタクトレンズが角膜上を動く場合、および瞳孔
の直径が変化した場合のいずれの場合にも、見え方が影
響を受けることがなく、視線を変えるときにも像のジャ
ンプが生じず、また明るい所から暗い所に急に移動して
も、視野の周辺部に円形の散乱光が見えることもなかっ
た。
加えて、本考案による老眼用コンタクトレンズは、中
央遠方視領域の曲率半径がこれに隣接する近方視領域の
曲率半径よりも大きくなり、かつ隣接する2つのフレネ
ル面においても、近方視領域の曲率半径が近方視領域の
曲率半径より大きくなるように形成されているので、通
常の研磨方法で中央部の遠方視領域が十分に研磨でき
る。実際の研磨は、遠方視領域およびその外側の近方視
領域の曲率にそれぞれ合わせた曲率の異なる2種類の凹
面の研磨型を密着させて研磨を行う。
次に、この実施例による老眼用コンタクトレンズを従
来例と比較した。従来例としては前述の第7図に示した
のと同様の2焦点コンタクトレンズを採用した。このレ
ンズは、ポリメチルメタクリレートを主成分とするもの
で、レンズ前面に遠方視領域を構成する±0Dの輪帯状フ
レネル面と、近方視領域を構成する+2.5Dの輪帯状フレ
ネル面を同心円状に交互に形成したものである。また、
近方視領域および遠方視領域共に、輪帯幅は0.30mmとし
た。なお、レンズの後面の曲率半径は7.35mmで、レンズ
の直径は9.2mmであった。
このレンズを、上記本考案による老眼用コンタクトレ
ンズを装着した人と同一人の左眼に装着した。このと
き、他の条件も第1実施例の場合と同様に設定した。
レンズ装着の結果、5m視力は0.6、30cm視力は0.5(い
ずれも片眼視力)であり、遠方視視力も近方視視力も本
考案によるコンタクトレンズと比較して不満足なもので
あった。この原因は、近方視、遠方視いずれの場合に
も、近方視領域および遠方視領域の面積比率が、略50:5
0となっていることにあると考えられる。
このレンズの度数を測定したところ、+2.5Dの位置に
は鮮明なコロナ像が観察され、近方視領域は指定どおり
の度数に出来上がっていることがわかったが、遠方視領
域の度数は±0Dを中心に約2Dの範囲にわたって、ぼやけ
た明度の低いコロナ像が観察され、遠方視領域は所定の
度数に製作されていないことがわかった。
さらにこのレンズは、近方視のとき視野周辺に光の輪
が見え、装着者が違和感を感じた。
第2実施例 第2図に示したように、本考案の第2実施例における
老眼用コンタクトレンズ(11)はポリヒドロキシエチル
メチルメタクリレートを主成分とするもので、眼の角膜
表面に適合した凹面からなる後面(11b)と、中央に直
径2.3mmの円形で表面が滑らかな−7.0Dの遠方視領域(1
2)が形成され、かつこの中央遠方視領域(12)の外側
に遠方視領域を構成する−7.0Dの輪帯状フレネル面(1
4,16,18,20,22)と近方視領域を構成する−5.5Dの輪帯
状フレネル面(13,15,17,19,21)が同心円状に交互に形
成された凸面からなる前面(11a)とを有している。さ
らに、中央遠方視領域(12)の曲率半径が、同領域(1
2)に隣接する、近方視領域を構成するフレネル面(1
3)の曲率半径よりも大きくなるようにすると共に、隣
接する2つのフレネル面においても、遠方視領域の曲率
半径が近方視領域の曲率半径より大きくなるように形成
されている。
前記フレネル面(13,14,15,16,17,18,19,20,21,22)
の同心円状の配置は、直径2.3mm〜4.3mmの範囲内に形成
された、中央遠方視領域(12)の外側の幅0.25mmの近方
視領域(13)およびその外側の幅0.15mmの遠方視領域
(14)並びにその外側の幅0.60mmの近方視領域(15)、
直径4.3mm〜5.4mmの範囲内に形成された幅0.55mmの遠方
視領域(16)、直径5.4mm〜11.4mmの範囲内に交互に形
成された幅0.70mmの近方視領域(17),(19),(21)
および幅0.30mmの遠方視領域(18),(20),(22)を
有している。
視力測定を行った部屋と同じ照明条件下(平均床面照
度が170ルックス)での、このレンズの装着者の瞳孔直
径は、遠方視のとき5.4mm、近方視のとき4.3mmであっ
た。このレンズの遠方視領域と近方視領域の配置と、お
よび遠方視と近方視時の瞳孔直径から計算すると、レン
ズ前面における遠方視時の瞳孔に対応する領域に占める
遠方視領域と近方視領域の面積の比率、およびレンズ前
面における近方視時の瞳孔に対応する領域に占める近方
視領域と遠方視領域の面積の比率は、それぞれ、61:39
および62:38となる。
なお、この装着者は、近方視重視を希望したので、レ
ンズ前面における遠方視時の瞳孔に対応する領域(直径
5.4mmの円形領域)から外側であって、直径5.4mm〜11.4
mmの間の領域に占める近方視領域と遠方視領域の面積の
比率を、73:27とし、このレンズの全光学領域に占める
近方視領域と遠方視領域の面積の比率を65:35と近方視
領域の面積の方が大きくなるようにした。このレンズの
後面(11b)の曲率半径は8.70mm、レンズの直径は13.5m
mであった。
このレンズを、近視で老眼の人の右眼(眼鏡度数は、
遠方が−7.0D、近方が−5.5D)に装着した。なお、この
人の右眼の角膜横径は12.0mm、中央部の角膜曲率半径
は、横方向が7.85mm、縦方向が7.75mmであった。
レンズ装着の結果、5m視力は1.0、30cm視力は0.9(い
ずれも片眼視力)であり、装着者の満足度は高かった。
このレンズの度数を測定したところ、−5.5Dと−7.0Dの
位置に鮮明なコロナ像が観察され、近方視領域と遠方視
領域のいずれも指定どおりの度数に出来上がっていた。
また、このレンズについても、見え方等に関し、前述の
第1実施例の場合と同様の効果を得ることができた。
なお、フレネルレンズの遠方視領域の度数を、レンズ
周縁部へ向かって上げていくように設計することによ
り、遠方視と近方視の中間的な距離も見えるようにする
ことができる。
また、本考案による老眼用コンタクトレンズの構成
は、眼内レンズにも応用することができる。第3図およ
び第4図に示したように、眼内レンズ(30)の前面の中
央に、直径1.5mmの円形で表面が光学的に滑らかな+20.
0Dの遠方視領域(32)が形成され、中央遠方視領域(3
2)の外側に、遠方視領域を構成する+20.0Dの輪帯状フ
レネル面(34,36)と、近方視領域を構成する+23.5Dの
輪帯状フレネル面(33,35)が同心円状に交互に形成さ
れる。
前記フレネル面(33,34,35,36,37)の配置は、直径1.
5mm〜3.7mmの範囲内に形成された、中央遠方視領域(3
2)の外側の幅0.3mmの近方視領域(33)およびその外側
の幅0.3mmの遠方視領域(34)並びにその外側の幅0.5mm
の近方視領域(35)、直径3.7mm〜5.0mmの範囲内に形成
された幅0.65mmの遠方視領域(36)、直径5.0mm〜直径
6.5mmの間に形成された幅0.75mmの近方視領域(37)を
有している。
このレンズの遠方視領域と近方視領域の配置と、遠方
視と近方視の瞳孔直径から、レンズ前面における遠方視
時の瞳孔に対応する領域に占める遠方視領域と近方視領
域の面積の比率、およびレンズ前面における近方視時の
瞳孔に対応する領域に占める近方視領域と遠方視領域の
面積の比率を計算すると、それぞれ66:34および62:38で
あった。なお、このレンズの全光学領域に占める遠方視
領域と近方視領域の面積の比率は、80:20で遠方視領域
の面積の方が大きく、レンズにおける直径5mm(遠方視
時の瞳孔直径に対応する)から光学部の最周縁部、すな
わち直径6.5mmの間の遠方視領域と近方視領域の面積の
比率は100:0であった。
この眼内レンズは、平均床面照度170ルックスの照明
条件下で瞳孔直径が、遠方視のとき4.5mm、近方視のと
き3.3mmの老眼の無水晶体患者のために設計したもので
ある。この眼内レンズの度数を測定したところ、+20.2
Dと+23.5Dの2つの独立したコロナ像が明瞭に観察され
た。
考案の効果 以上のように本考案によれば、遠方視する場合は、レ
ンズ前面における遠方視時の瞳孔に対応する領域内で遠
方視領域が優勢になり、近方視する場合には、レンズ前
面における近方視時の瞳孔に対応する領域内で近方視領
域が優勢になるので、遠方視および近方視のいずれの場
合にも、優れた解像度を得ることができ、十分な矯正視
力を得ることができる。
加えて、通常の遠方視および近方視に影響を及ぼすこ
となく、レンズ装着者が遠方視および近方視のいずれを
重視するかに応じて、レンズ前面における遠方視時の瞳
孔に対応する領域の外側の領域を、遠方視領域の面積お
よび近方視領域の面積のいずれかが優勢となるようにす
ることができる。そして、近方視を重視する装着者に対
しては、レンズ前面における遠方視時の瞳孔に対応する
領域の外側の領域を近方視領域優勢にしておけば、レン
ズの中心が瞳孔の中心から少しずれても近方視を容易に
行うことができ、一方、遠方視を重視する装着者に対し
ては、レンズ前面における遠方視時の瞳孔に対応する領
域の外側の領域を遠方視領域優勢にしておけば、レンズ
の中心が瞳孔の中心から少しずれても遠方視を容易に行
うことができる。
また、レンズ前面の中央に、光学的に滑らかな表面を
有する遠方視領域を形成したので、視力のよくでる瞳孔
中心部がこの遠方視領域に覆われ、よって遠方がより鮮
明に見える。
さらに本考案による老眼用コンタクトレンズによれ
ば、まばたきをしてコンタクトレンズが角膜上を動く場
合、および瞳孔の直径が変化した場合にも見え方が影響
を受けず、視線を変える場合においても像のジャンプが
なく、また明るい所から暗い所に急に移動しても視野の
周辺部に円形の散乱光が見えることもない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案の第1の実施例における老眼用コンタ
クトレンズの直径方向に沿った断面図、 第2図は、本考案の第2の実施例における老眼用コンタ
クトレンズの直径方向に沿った断面図、 第3図は、本考案による老眼用コンタクトレンズの構成
を眼内レンズに応用した場合の変形例を示す平面図、 第4図は、第3図に示した眼内レンズの直径方向に沿っ
た断面図、 第5図は、従来の2焦点コンタクトレンズの1例を示す
断面図、 第6図は、従来の2焦点コンタクトレンズの別の例を示
す断面図、 第7図は、従来の2焦点コンタクトレンズのさらに別の
例を示す断面図である。 (1)……コンタクトレンズ (2)……中央遠方視領域 (3),(5),(7),(9)……近方視領域 (4),(6),(8)……遠方視領域

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】眼の角膜表面に適合した凹面からなる後面
    と、中央に円形の光学的に滑らかな遠方視領域、および
    その外側にフレネル面がそれぞれ形成された凸面からな
    る前面とを有するものであって、前記フレネル面が遠方
    視領域および近方視領域を備えかつ少なくとも2種類の
    焦点を有し、前記前面におけるレンズ装着者の近方視時
    の瞳孔に対応する領域に占める前記近方視領域と前記遠
    方視領域の面積の比率が61:39以上と前記近方視領域の
    面積の方が大きくなり、前記前面におけるレンズ装着者
    の遠方視時の瞳孔に対応する領域に占める前記遠方視領
    域と前記近方視領域の面積の比率が61:39以上と前記遠
    方視領域の面積の方が大きくなり、かつ前記前面におけ
    るレンズ装着者の遠方視時の瞳孔に対応する領域の外側
    の領域において前記遠方視領域の面積または前記近方視
    領域の面積が優勢となることによって、前記前面におけ
    る全光学領域に占める前記遠方視領域と前記近方視領域
    の面積の比率が65:35以上と前記遠方視領域の面積の方
    が大きいか、または前記近方視領域と前記遠方視領域の
    面積の比率が65:35以上と前記近方視領域の面積の方が
    大きくなるように、前記中央遠方視領域の直径、および
    前記フレネル面に占める前記遠方視領域と前記近方視領
    域の面積の比率を設定したものであることを特徴とする
    老眼用コンタクトレンズ。
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