JP2540108B2 - 車両用自動変速機の流体式動力伝達装置の直結機構制御方法 - Google Patents

車両用自動変速機の流体式動力伝達装置の直結機構制御方法

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JP2540108B2 JP61046977A JP4697786A JP2540108B2 JP 2540108 B2 JP2540108 B2 JP 2540108B2 JP 61046977 A JP61046977 A JP 61046977A JP 4697786 A JP4697786 A JP 4697786A JP 2540108 B2 JP2540108 B2 JP 2540108B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は車両用自動変速機の流体式動力伝達装置の直
結機構制御方法に関する。
(従来技術及びその問題点) 一般に自動変速機を搭載した車両は流体式動力伝達装
置、例えば流体式トルクコンバータのトルク増幅作用に
より、少ない変速歯車段数で充分な駆動力とスムースで
イージーな運転感覚が得られる反面、トルクコンバータ
の流体滑り損失の為実用燃費が悪く、しかもその流体滑
り分だけエンジン回転速度が高くなり運転音が大きく静
粛性に欠けるきらいがあった。
このため、トルクコンバータのトルク増幅機能を期待
する必要がない時に、トルクコンバータの入、出力部材
を機械的に結合して動力の伝達効率の向上を図るように
した所謂ロックアップ機構と呼ばれる直結クラッチ機構
(以下、直結機構という)が従来から開発され、既に実
用化されており、これは動力伝達特性及び燃費の向上か
ら好ましい効果を得ることができるので、可能な限り低
速運転域から直結機構を作動させるようにすることが望
ましい。ところが、エンジンの回転速度も低くなる低速
運転域でトルクコンバータを完全に直結すれば、エンジ
ンのトルク変動が大きいために、車体の振動及び騒音を
生じたり、または運転性能が悪くなるという欠点があ
る。
そこで、こうした低速運転域ではトルクコンバータを
完全に直結するのではなく、トルク変動のピーク値に対
しては直結機構に滑りを行なわせるように、直結機構の
滑り量を該直結機構の伝達容量、即ち係合力を調整する
ことにより制御することが行われている。この種の制御
方法は、具体的には、例えば、前記滑り量を表すパラメ
ータとしてトルクコンバータの入力部材と出力部材との
回転速度比eまたはスリップ率(1−e)を算出し、上
記低速運転域においては回転速度比eが1、またはスリ
ップ率が0とならないように回転速度比eまたはスリッ
プ率の実測値に応じて、直結機構の複数の伝達容量値の
中から最適な伝達容量値を採用して直結機構の伝達容量
をフィードバック制御するものである。
しかし、斯かる制御方法を実施した場合は次のような
問題を生じる。即ち、例えば後述する本発明の実施例で
伝達容量を制御する電磁弁がオフの時の、即ち閉弁時の
伝達容量(該伝達容量が制御システムの最大容量とな
る。)を比較的弱目に設定しておくと、制御が円滑に行
なわれて車体の振動及び騒音を発生することはない反面
燃費が悪くなり、また逆に燃費の向上を図るために前記
伝達容量を比較的強目に設定すると、時々回転速度比e
が1、またはスリップ率が0に近づくか、或は瞬間的に
該回転速度比e=1、またはスリップ率=0となるため
車体の振動及び騒音を発生する。
これは、いかに電子制御技術であっても回転速度比e
またはスリップ率の算出には、データサンプリングタイ
ムを含めてある程度の時間を要し、しかもフィードバッ
ク系には油圧機器等のメカニカル部分があるため、制御
システムの応答時間には、ある値以上は早められないと
いう物理的限界があるのに対し、前記伝達容量を強目に
設定した場合には、直結方向(伝達容量増加方向)への
移行速度が高まるために、制御に遅れを生じて回転速度
比e、またはスリップ率が基準範囲値を超えてしまい、
この結果を反映して次には基準範囲値に戻すべく必要以
上に伝達容量を減少せしめるように制御が始まるから、
再び回転速度比eまたはスリップ率が大幅に下がり基準
範囲値以下になるという作動を繰り返し、最悪時には発
散してしまう。
なお、制御システム全体の応答時間を短縮してゆけば
伝達容量を強目に設定した場合でも上述のような問題を
生じる虞はないが、現実には前記応答時間の短縮には限
界がある。
上述した不具合を解決するために、トルクコンバータ
の目標スリップ量(目標滑り量)と実スリップ量との誤
差の大きさに応じて上記フィードバック制御に用いるPI
D演算のパラメータを変化させる方法が特開昭60−1460
号公報により提案されている。しかしながら、この提案
方法によれば、前記誤差が設定値より小さいときに、単
に前記パラメータの値を小さい所定値に設定しスリップ
修正量の変化勾配を減少させるものであり、各時点での
スリップ量の大きさやその変化状態に十分に対応し得ず
きめ細かい制御ができないという欠点がある。
(発明の目的) 本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、直結機構
の伝達容量を強目に設定した場合でも、発散を起こすこ
となく該伝達容量を正確に制御する必要のある運転領域
にのみ、これを最適値に制御して車体の振動や騒音の発
生を抑制すると共に燃費及び動力伝達特性の向上を図
り、且つ極めて円滑で快適な運転フィーリングが得られ
るようにした車両用自動変速機の流体式動力伝達装置の
直結機構制御方法を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 上述の問題点を解決するため本発明においては、入力
部材と出力部材を有する流体式動力伝達装置の前記入、
出力部材の相対的すべり量を表わす所定のパラメータ値
(e)が、予め設定された上限値及び下限値を有する基
準値領域内の値になるように、前記入、出力部材を機械
的に係合する直結機構の伝達容量を可変制御する車両用
自動変速機の流体式動力伝達装置の直結機構制御方法に
おいて、前記所定のパラメータ値(e)を検出し、該検
出した所定のパラメータ(e)値と前記基準値領域の上
限値又は下限値とを比較し、該比較結果に基づいて前記
伝達容量を調整することにより前記伝達容量の可変制御
を実行すると共に、所定変速段毎に前記基準値領域の前
記上限値及び下限値を含む前記所定のパラメータの所定
値を予め設定し、前記車両に搭載されたエンジンのスロ
ットル弁の開度が所定の開度範囲にあるときのみ、前記
検出された所定のパラメータ値(e)を前記所定値と比
較することにより前記伝達容量の可変制御を実行するこ
とを特徴とするようにしたものである。
(実施例) 以下本発明の一実施例を添附図面に基づいて詳述す
る。
第1図は本発明を適用する車両用自動変速機の概要を
示し、エンジンEの出力は、そのクランク軸1から流体
式動力伝達装置としてのトルクコンバータT、補助変速
機M、差動装置Dfを順次経て、左右の駆動車輪W,W′に
伝達され、これらを駆動する。
トルクコンバータTは、クランク軸1に連結した入力
部材であるポンプ翼車2と、補助変速機Mの入力軸3に
連結した出力部材であるタービン翼車4と、入力軸3上
に相対回転自在に支承されたステータ軸5aに一方向クラ
ッチ6を介して連結したステータ翼車5とにより構成さ
れる。クランク軸1からポンプ翼車2に伝達されるトル
クは流体力学的にタービン翼車4に伝達され、この間に
トルクの増幅作用が行なわれると、公知のように、ステ
ータ翼車5がその反力を負担する。
ポンプ翼車2の右端には、第2図の油圧ポンプPを駆
動するポンプ駆動歯車7が設けられ、またステータ軸5a
の右端には第2図のレギュレータ弁Vrを制御するステー
タアーム5bが固設されている。
ポンプ翼車2とタービン翼車4との間には、これらを
機械的に結合し得る直結機構としてローラ形式の直結ク
ラッチCdが設けられる。これを第2図及び第3図により
詳細に説明すると、ポンプ翼車2の内周壁2aには、内周
に駆動円錐面8をもった環状の駆動部材9がスプライン
嵌合される。また、タービン翼車4の内周壁4aには、外
周に前記駆動円錐面8と平行に対面する被動円錐面10を
もった環状の被動部材11が軸方向に摺動自在にスプライ
ン嵌合される。この被動部材11の一端にはピストン12が
一体に形成されており、このピストン12はタービン翼車
4の内周壁4aに設けた油圧シリンダ13に摺合され、該シ
リンダ13の内圧とトルクコンバータTの内圧を左右両端
面に同時に受けるようになっている。
駆動及び被動円錐面8,10間には円柱状のクラッチロー
ラ14が介装され、このクラッチローラ14は、第3図に示
すように、その中心軸線oが両円錐面8,10間の中央を通
る仮想円錐面Ic(第2図参照)の母線gに対し一定角度
θ傾斜するように、環状のリテーナ15により保持され
る。
従って、トルクコンバータTのトルク増幅機能が不要
となった段階で、トルクコンバータTの内圧より高い油
圧を油圧シリンダ13内に導入すると、ピストン12即ち被
動部材11が駆動部材9に向かって押動される。これによ
りクラッチローラ14は両円錐面8,10に圧接される。この
ときエンジンEの出力トルクにより駆動部材9が被動部
材11に対して第3図でX方向に回転されると、これに伴
いクラッチローラ14が自転するが、このクラッチローラ
14は、その中心軸線oが前述のように傾斜しているの
で、その自転により両部材9,11にこれらを互いに接近さ
せるような相対的軸方向変位を与える。その結果、クラ
ッチローラ14は両円錐面8,10間に食い込み、両部材9,11
間、即ちポンプ翼車2及びタービン翼車4間を機械的に
結合する。直結クラッチCdのこのような作動時でも、そ
の結合力を超えてエンジンEの出力トルクが両翼車2,4
間に加わった場合には、クラッチローラ14は各円錐面8,
10に対して滑りを生じ、上記トルクは二分割されて、一
部のトルクは直結クラッチCdを介して機械的に、残りの
トルクはポンプ翼車2からタービン翼車4に流体力学的
に伝達されることになり、前者のトルクと後者のトルク
との比がクラッチローラ14の滑り度合により変化する。
直結クラッチCdの作動状態において、トルクコンバー
タTに逆負荷が加われば、被動部材11の回転速度が駆動
部材9の回転速度よりも大きくなるので、相対的には駆
動部材9が被動部材11に対して第3図でY方向に回転
し、これに伴いクラッチローラ14は先刻とは反対方向に
自転して、両部材9,11にこれらを互いに離間させるよう
な相対的な軸方向変位を与える。その結果、クラッチロ
ーラ14は両円錐面8,10間への食い込みから解除され、空
転状態となる。従って、タービン翼車4からポンプ翼車
2への逆負荷の伝達は流体力学的にのみ行なわれる。
油圧シリンダ13の油圧を解除すれば、ピストン12はト
ルクコンバータTの内圧を受けて当初の位置に後退する
ので、直結クラッチCdは非作動状態となる。
再び第1図において、補助変速機Mの相互に平行な
入、出力軸3,16間には第1速歯車列G1、第2速歯車列
G2、第3速歯車列G3、第4速歯車列G4、及び後進歯車列
Grが並列に設けられる。第1速歯車列G1は、第1速クラ
ッチC1を介して入力軸3に連結される駆動歯車17と、該
歯車17に噛合し出力軸16に一方向クラチC0を介して連結
可能な被動歯車18とから成る。第2速歯車列G2は、入力
軸3に第2速クラッチC2を介して連結可能な駆動歯車19
と、出力軸16に固設されて上記歯車19と噛合する被動歯
車20とから成る。第3速歯車列G3は、入力軸3に固設し
た駆動歯車21と、出力軸16に第3速クラッチC3を介して
連結されて上記歯車21と噛合可能な被動歯車22とから成
る。また第4速歯車列G4は、第4速クラッチC4を介して
入力軸3に連結された駆動歯車23と、切換クラッチCsを
介して出力軸16に連結され上記歯車23に噛合する被動歯
車24とから成る。さらに後進歯車列Grは、第4速歯車列
G4の駆動歯車23と一体的に設けられた駆動歯車25と。出
力軸16に前記切換クラッチCsを介して連結される被動歯
車26と両歯車25,26に噛合するアイドル歯車27とから成
る。前記切換クラッチCsは、第4速歯車列G4の被動歯車
24と被動歯車26との中間に設けられ、該クラッチCsのセ
レクタスリーブSを第1図で左方の前進位置または右方
の後進位置にシフトすることにより、被動歯車24と被動
歯車26を出力軸16に選択的に連結することができる。一
方向クラッチCoは、エンジンEから駆動車輪W,W′への
駆動トルクのみを伝達し、反対方向のトルクは伝達しな
い。
而して、セレクタスリーブSが第1図に示すように前
進位置に保持されているとき、第1速クラッチC1のみを
接続すれば、その駆動歯車17が入力軸3に連結されて第
1速歯車列G1が確立し、この歯車列G1を介して入力軸3
から出力軸16にトルクが伝達される。次に第1速クラッ
チC1を接続したままで、第2速クラッチC2を接続すれ
ば、その駆動歯車19が入力軸3に連結されて第2速歯車
列G2が確立し、この歯車列G2を介して入力軸3から出力
軸16にトルクが伝達される。この際、第1速クラッチC1
も係合されているが、一方向クラッチCoの働きによって
第1速とはならず第2速歯車列G2が確立し、これは第3
速、第4速のときも同様である。第2速クラッチC2を解
除して第3速クラッチC3を接続すれば、その被動歯車22
が出力軸16に連結されて第3速歯車列が確立され、ま
た第3速クラッチC3を解除して第4速クラッチC4を接続
すれば、その駆動歯車23が入力軸3に連結されて第4速
歯車列G4が確立する。さらに切換クラッチCsのセレクタ
スリーブSを第1図で右動して、第4速クラッチC4のみ
を接続すれば、その駆動歯車25が入力軸3に連結され、
被動歯車26が出力軸16に連結されて後進歯車列Grが確立
し、この歯車列Grを介して入力軸3から出力軸16に後進
トルクが伝達される。
出力軸16に伝達されたトルクは、該軸16の端部に設け
た出力歯車28から差動装置Dfの大径歯車DGに伝達され
る。該歯車DGに固着された歯車Dsに噛合する歯車29には
スピードメータケーブル30の一端が固着され、該スピー
ドメータケーブル30の他端には車速検出器31のマグネッ
ト31aを介してスピードメータ32が接続され、該スピー
ドメータ32は歯車Ds,29及びケーブル30を介して駆動さ
れ、車速を表示する。また、車速検出器31は前記マグネ
ット31aと当該マグネット31aにより駆動される例えばリ
ードスイッチ31bとから成り、前記スピードメータケー
ブル30と共に回転するマグネット31aによりリードスイ
ッチ31bが開閉され、この開閉に伴うオン、オフ信号が
後述する電子制御装置33に供給される。
第2図は本発明を適用する車両用自動変速機の油圧制
御回路を示す。
図において吸入口が油タンクRに接続される油圧ポン
プPは油路300を介してレギュレータ弁Vrの入口ポート6
0a、パイロット圧導入ポート60b、マニアルシフト弁
(以下単にマニアル弁という)Vmのポート70b及びガバ
ナ弁Vgの入口ポート80aに夫々接続される。マニアル弁V
mのポート70a,70cは夫々油路301,302を介してサーボピ
ストン90のポート90c,90bに、ポート70cは更に油路303
を介してマニアル弁Vmのポート70d、減圧弁270の入口ポ
ート270a及びスロットル弁Vtのポート100aに、ポート70
eは油路304を介してマニアル弁Vmのポート70g、タイミ
ング弁210のポート210d、第1のアキュムレータ170のポ
ート170a及び第2速クラッチC2に夫々接続される。ま
た、マニアル弁Vmのポート70fは途中に絞り350と一方向
弁380とが並列に接続された油路305を介して第2のシフ
ト弁V2のポート130bに、ポート70hは途中に絞り359と一
方向弁383が並列に設けられた油路313を介して第1速ク
ラッチC1に夫々接続される。該油路313には絞り369を設
けた油路307を介して流量調整弁400の2つの入口ポート
400a,400bが接続され、該流量調整弁400の1つの出口ポ
ート400dは油路307aを介して第1のシフト弁V1のポート
120bに接続される。流量制御弁400の第1の入口ポート4
00aと油路307との間には絞り370が介装される。
マニアル弁Vmのポート70iは油路308を介してサーボピ
ストン90のポート90aに、ポート70kは油路309を介して
タイミング弁210のポート210e、第2のアキュムレータ1
90のポート190a及び第4速クラッチC4に、ポート70mは
油路310を介してマニアル弁Vmのポート70n、第2のシフ
ト弁V2のポート130d、及び第1の制御弁160のポート160
bに夫々接続される。油路310と第2のシフト弁V2のポー
ト130dとの間には絞り356と一方向弁381が互いに並列し
て配設される。
スロットル開度応動弁Vtのポート100b、及び100cは油
路311を介して第1〜第3のアキュムレータ170,190,180
の各ポート170b,190b,180b、モジュレータ弁220のポー
ト220f、オン−オフ弁230のポート230c、流量調整弁400
のポート400c、第1の制御弁160のポート160a、及び第
2の制御弁200のポート200aに夫々接続され、スロット
ル開度応動弁Vtのポート100bと油路311との間には絞り3
52が介装される。スロットル開度応動弁Vtのポート100d
は油路312を介して第2のシフト弁V2のポート130g及び
ドレンEXに夫々接続され該油路312とドレンEXとの間に
は絞り353が介装される。第3の制御弁110のポート110a
は、油路315を介して第1のシフト弁V1のポート120a及
びドレンEXに夫々接続され、該油路315とドレンEXとの
間には絞り354が介装される。
第1のシフト弁V1のポート120c,120dは夫々油路316,3
17を介して第2のシフト弁V2のポート130a,130cに、ポ
ート120eは油路318を介して第1の制御弁160のポート16
0c及びドレンEXに夫々接続され、該油路318とドレンEX
との間には絞り355が介装される。第2のシフト弁V2
ポート130eは油路319を介して第2の制御弁200のポート
200c及びドレンEXに夫々接続され、該油路319とドレンE
Xとの間には絞り357が介装される。第2のシフト弁V2
ポート130fは途中に絞り358と一方向弁382とが並列に接
続された油路320を介して第2の制御弁200のポート200
b、第3のアキュムレータ180のポート180a及び第3速ク
ラッチC3に夫々接続される。なお、第2のシフト弁V2
2つのEXポートのうちの一方には絞り356aが介装され
る。
第1のシフト弁V1のポート120fは油路340を介して第
1の電磁弁140の入力ポート140aに接続され、油路340は
絞り361を設けた油路341を介して減圧弁270の出口ポー
ト270bに接続される。第2のシフト弁V2のポート130hは
油路322aを介して第2の電磁弁150の入口ポート150aに
接続されると共に、油路322aは絞り362を介して油路322
に接続され、この油路322はガバナ弁Vgの出口ポート80b
に接続される。
第1及び第2の電磁弁140,150の各弁体141,151は夫々
ソレノイド142,152の消勢(オフ)時にはばね143,153の
ばね力により押圧されて入口ポート140a,150aを閉塞
し、ソレノイド142,152の付勢(オン)時にはばね力に
抗して吸引されて入口ポート140a,150aを開口する。即
ち、第1及び第2の電磁弁140,150はソレノイド142,152
が消勢されると閉弁され、付勢されると開弁される。
レギュレータ弁Vrの出口ポート60cは油路325を介して
タイミング弁210のポート210a及びオン−オフ弁230のポ
ート230dに夫々接続される。該タイミング弁210のポー
ト210bは途中に絞り371を設けた油路321を介してモジュ
レータ弁220のポート220dに、ポート210cは油路327を介
してモジュレータ弁220のポート220aに、ポート210fは
途中に絞り375を設けた油路501aを介して油路501に夫々
接続される。モジュレータ弁220のポート220bは途中に
絞り372が設けられた油路326aを介して油路326に接続さ
れ、ポート220cは途中に絞り373を設けた油路353を介し
てオン−オフ弁230のポート230bに、ポート220eは途中
に絞り366aを設けた油路322に夫々接続される。オン−
オフ弁230のポート230aは油路326に、ポート230eは途中
に絞り374を設けた油路501を介して油路334に接続され
る。
第3の電磁弁240の入口ポート240aは絞り367を介して
油路326に接続される。この第3の電磁弁240の弁体241
はソレノイド242の消勢(オフ)時にはばね243のばね力
により押圧されて入口ポート240aを閉塞し、ソレノイド
242の付勢(オン)時にはばね力に抗して吸引されて入
口ポート240aを開口する。即ち、第3の電磁弁240はソ
レノイド242の消勢時には閉弁され、付勢時には開弁さ
れる。
トルクコンバータTのポートTaは絞り368が設けられ
た油路334を介して油路325に、ポートTbは油路326に、
ポートTcは油路335を介して保圧弁250の入口ポート250a
に接続される。この保圧弁250のパイロット圧導入ポー
ト250bは油路336を介して油路322の絞り366aの上流側
に、出口ポート250cは油路337及びオイルクーラ260を介
してドレンEXに夫々接続される。前記各ドレンEXは夫々
油タンクRに接続される。
第1〜第3の電磁弁140,150,240の各ソレノイド142,1
52,242は信号ライン142a,152a,242aを夫々介して電子制
御装置33に接続される。該電子制御装置33は車速検出器
31、エンジン回転数検出器34、及び変速段位置検出器35
等からの入力信号に基づいて所定の変速マップに従っ
て、第1及び第2の電磁弁140、及び150を制御して第1
速〜第4速クラッチC1〜C4の係合、非係合(切離)を制
御して変速制御する。また、電子制御装置33はトルクコ
ンバータTの入、出力部材の相対的滑り量を表わす所定
のパラメータ値、例えば変速比eを実測すると共に、該
実測値eと所定の基準値とを比較し、該比較結果に基づ
いて、直結クラッチCdの係合力(伝達容量)を決定して
第3の電磁弁240を制御して直結クラッチCdの係合力を
制御する。
以下上述の油圧回路の作動を説明する。
油圧ポンプPは油タンクRの作動油を吸入加圧し、レ
ギュレータ弁Vrで所定圧(以下これをライン圧Plとい
う)に調圧した後油路300に圧送する。レギュレータ弁V
rのばね受け61にはステータアーム5b(第1図参照)が
当接しており、トルクコンバータTのステータ翼車5の
反力が所定値を超えるとばね62を圧縮して油圧ポンプP
の吐出圧を高くする。かかる油圧制御は特公昭45−3086
1号に詳述されている。レギュレータ弁Vrで調圧された
作動油の一部は絞り368を有する入口油路334を介してト
ルクコンバータT内に送られてキャビテーションを防止
するようにその内部を加圧した後保圧弁250、オイルク
ーラ260を経てタンクRに還流される。該保圧弁250は車
速Uの上昇に伴ってスプール251がガバナ圧PGにてばね2
52に抗して図で右側に移動し、トルクコンバータTの内
圧を油タンクRへ開放する。即ち保圧弁250は車速Uに
比例してトルクコンバータTの内圧を下げる働きをする
もので、そのスプール251はガバナ圧PGとの差圧で動い
ているから直結クラッチCdの伝達容量が増える、高速側
で直結クラッチCdの伝達容量の最大値を高めている。
マニアル弁Vmはシフトレバーの手動切換操作により切
り換えられ、P(パーキング)、R(後退)、N(中
立)、D4(前進4段自動変速)、D3(TOPを除く前進3
段自動変速)、2(2NDホールド)の6つのシフト位置
を備え、各シフト位置に応じた運転モードが任意に選択
される。マニアル弁Vmのスプール71が図示のN位置にあ
るときには油路300に接続されるポート70bは当該マニア
ル弁Vmのスプール71でブロックされ、且つ他のポート70
a,70c〜70nは全てドレンEXと接続されて第1速〜第4速
の4つのクラッチC1〜C4は全て非係合状態に置かれ、従
ってエンジンのトルクは駆動輪W,W′(第1図参照)に
は伝達されない。
マニアル弁Vmのスプール71が図示位置から1コマ左動
してD4位置にあるときは、油路302,313が共に油路300と
連通して圧油が供給され、且つ油路305,304が夫々互い
に連通し合う。又油路309は油路310には連通されるがド
レンEX及び油路308からは夫々隔絶され、油路301は引き
続きドレンEXと連通する。この結果、D4位置(レンジ)
ではセレクタスリーブS(第1図参照)を移動するため
のサーボピストン90はそのばね室92にライン圧Plを受け
入れて、スプール91には油圧的にも図示位置に固定さ
れ、セレクタスリーブSはスプール91の一端に固着され
るシフトフォーク39により第1図に示す位置に保持され
る。これにより、第4速被駆動歯車24は切換クラッチCs
と係合状態に、後退用被駆動歯車26は回転自在に置かれ
る。
この状態から更にマニアル弁Vmのスプール71が1コマ
左動してD3位置に置かれても、油路310がポート70m,70n
を介してドレンEXに接続されること以外は当該マニアル
弁Vmに接続される前記各油路の前記接続関係は変化しな
い。これらの2,D3,D4位置では油路303を介してスロット
ル開度応動弁Vtへ圧油が送られる。スロットル開度応動
弁VtはエンジンEの負荷を代表するパラメータとしてス
ロットルペダル(図示せず)の踏込み量即ち、エンジン
Eの吸気系に設けられたスロットル弁(図示せず)の弁
開度に比例して図示位置から反時計方向に回動するカム
104の変位をばね103を介して受けて左側のスプール101
を作動させてポート100aを開き側に、その出力ポート10
0cの吐出圧を、絞り352を介してポート100bに加えてス
プール101を右動させてポート100aを閉じ側に駆動させ
るべく構成され、出力油路311にスロットル弁の弁開度
に比例した圧力(以下、スロットル圧Ptという)を発生
させる。またカム104の反時計方向の回動は右側のスプ
ール102を左動させてポート100dとドレンEXとの連通を
連続的に絞り、第3速(3RD)から第2速(2ND)へキッ
クダウン時の変速ショックを緩和する。
カム104と連動する第3の制御弁110のカム113はスロ
ットル弁の弁開度に応じて反時計方向に回動してスプー
ル111をばね112のばね力に抗して左動させ、ポート110a
とドレンEXとの連通を連続的に絞り、第4速(TOP)か
ら第3速(3RD)へキックダウン時の変速ショックを緩
和する。また、前記スロットル圧Ptは油路311を介して
流量調整弁400のポート400cに送られ、該弁400を制御す
る。即ち、流量調整弁400は図示の状態にある時油路307
から絞り370を設けた第1の入口ポート400aのみを通っ
て出口ポート400dから油路307aを介して第1のシフト弁
V1のポート120bに作動油圧が送られ、またスロットル圧
Ptが高まってばね402の力に打ち勝つとスプール401が左
動して第1及び第2の入口ポート400a及び400bの両方を
通ることにより、その出口ポート400dから油路307aへの
圧油の供給量を増やし、スロットル弁開度が小さい時の
クラッチ共がみ(2つのクラッチが共にかみ合うような
状態となり、両クラッチの中でエネルギを食ってしまっ
て、それまでの車速以下に下がってしまうこと。)を防
止するために、一方のクラッチが完全に切れるまで次の
クラッチをつなげないようにする作用を行ない、例えば
アクセル戻しでのシフトアップとか走行停止する時のシ
フトダウンのショックを緩和する。
油圧ポンプPの吐出油はガバナ弁Vgの入口ポート80a
にも導かれ、該ガバナ弁Vgは第1図に示す大径歯車DG
噛合する歯車81で車速に比例した速度で自身の軸82によ
り回転し、点線で示す出力油路322に車速Uに比例した
圧力(以下ガバナ圧PGという)を出力する。
第1のシフト弁V1は図示の第1の位置にあるときは入
力油路307aを出力油路316に接続し、別の出力油路317を
油路318を介してドレンEXに接続する。第1のシフト弁V
1の弁体121はばね122により第1位置にシフトされる。
第1のシフト弁V1はその右端面が臨む室120Aに油路34
1、絞り361及び油路340を経て減圧弁270から導入される
ライン圧Plより低い圧力に減圧された油圧によりばね12
2のばね力に抗して左動され第2位置をとることがで
き、この第2位置にあるときには出力油路316を油路315
を介してドレンEXに接続し、別の出力油路317を油路318
から切り離して入力油路307aに接続する。
第1のシフト弁V1が前記第1又は第2のいずれの位置
にあるときにも油路313は第1速(LOW)クラッチC1に接
続されており、従って、マニアル弁VmがD3又はD4位置に
あるときには第1速クラッチC1は常に加圧係合されてい
ることとなる。この第1のシフト弁V1のスプール121は
第1の電磁弁140により制御され、該電磁弁140の閉弁時
には室120Aに導入される前記圧力により前記第2位置
を、開弁時にはばね122により前記第1位置をとる。
第2のシフト弁V2は図示の第1位置にあるときには入
力油路316をブロックして出力ポート130dをドレンEXに
接続し、入力油路317を出力油路305に、又出力油路320
を油路312を介してドレンEXに接続する。第2のシフト
弁V2のスプール131はばね132により第1位置にシフトさ
れる。このシフト弁V2はポート130hからスプール131の
右端面が臨む室130Aに油路322、絞り362及び油路322aを
介して導入されるガバナ圧PGにより、ばね132のばね力
に抗して左動され第2位置をとることができ、該第2位
置にあるときには、出力ポート130dをドレンEXから切り
離して入力油路316に接続し、出力油路305を油路319を
介してドレンEXに接続し、残る出力油路320を油路312か
ら切り離して入力油路317に切換接続する。この第2の
シフト弁V2のスプール131は第2の電磁弁150により制御
され、該電磁弁150の閉弁時には室130Aに導入されるガ
バナ圧PGにより前記第2位置を、開弁時にはばね132に
より前記第1位置をとる。
また、第2のシフト弁V2はその切換動作がオン−オフ
的に行なわれる様にクリックモーション機構133が特に
設けられている。このクリックモーション機構133は第
2の電磁弁150が閉じている時でもガバナ圧PGの変化に
応動してシフト弁V2のスプール位置を前記第1又は第2
の位置のいずれか一方に限定する働きをする。
さて、エンジンEが回転している限り油圧ポンプPで
加圧された作動油はガバナ弁Vgへ送られ、該ガバナ弁Vg
で車速Uに比例した信号圧力として調圧され第2のシフ
ト弁V2の室130Aに導かれると共に、減圧弁270が減圧さ
れて第1のシフト弁V1の室120Aに導かれる。マニアル弁
VmがD4(又はD3)位置の時これらの2つのシフト弁V1,V
2を図示の第1切換位置に保持するには2つの電磁弁14
0,150の各ソレノイド142,152を共に付勢して開弁してお
けばよい。これにより第2速〜第4速の各クラッチC2
C4は加圧されることなく、第1速クラッチC1のみが加圧
係合され、第1速の減速比が確立する。この第1速とい
うのは概して低速領域をカバーするものであるから、こ
の低速領域においてはガバナ圧力PGそれ自体も低圧であ
り、絞り362を介して第2の電磁弁150から油タンクRへ
捨てられる圧油の損失流量もそれだけ少なく経済的であ
る。この点はストール時(車速=0)の発進の様にシス
テム全体の圧力を通常の圧力レベル(ライン圧Pl)より
相当に高く保持しなければならない場合に特に有利であ
る。
次に、第2の電磁弁150のソレノイド152を付勢して該
電磁弁150を開弁状態に保持したまま、第1の電磁弁140
のソレノイド142を消勢して該電磁弁140を閉弁すると、
第1のシフト弁V1の室120Aには減圧弁270で減圧された
油圧が発生し、これによりばね122のばね力に抗してシ
フト弁V1のスプール121が左動する。このスプール121の
左動により油路307aは油路317を経て油路305と接続さ
れ、該油路305はD4位置のときにはマニアル弁Vmのポー
ト70f,スプール71の切欠71a及びポート70gを介して油路
304に、又D3位置のときにはポート70f,スプール71の環
状溝71b,ポート70eを介して油路304に夫々接続され、第
2速クラッチC2が加圧係合される。従って、D4又はD3
置では第1速クラッチC1及び第2速クラッチC2が加圧係
合される。しかるに第1図に示すように第1速被駆動歯
車18と出力軸16との間にはエンジンEからの駆動トルク
方向にのみトルク伝達を果たす一方向クラッチC0が介在
されているために第2速の減速比が確立される。
次に、第1の電磁弁140のソレノイド142を消勢して該
電磁弁140を閉弁した状態で第2の電磁弁150のソレノイ
ド152を消勢して該電磁弁150を閉弁すると、第2のシフ
ト弁V2の室130Aにはその時のガバナ圧力PGが発生し、ば
ね132及びクリックモーション機構133による抵抗力をガ
バナ圧PGによる左動力が上まわった時のみスプール131
が左動して第2位置をとる。このスプール131の左動に
より油路305は油路319を介してドレンEXに接続され第2
速クラッチC2の係合が解除され、これと同時に油路320
は油圧源である油路317に接続され、第3速クラッチC3
が加圧係合される。この時も第1速クラッチC1は加圧係
合しているが、一方向クラッチC0の働きにより第3速の
減速比が確立される。
次に、第2の電磁弁150のソレノイド152を消勢した状
態に保持し、第1の電磁弁140のソレノイド142を再び付
勢して該電磁弁140を開弁すると、第1のシフト弁V1
スプール121は右動して図示位置に戻り、油路317が油路
318を介してドレンEXに接続され第3速クラッチC3の係
合が解除され、これと同時に油路316を油圧源307aに接
続し、油路310に圧油を供給する。該油路310はD4シフト
位置のときマニアル弁Vmのポート70m,70kを介して油路3
09に接続され、第4速クラッチC4が加圧係合される。こ
の時も第1速クラッチC1は加圧係合しているが、前述し
たように一方向クラッチC0の働きにより第4速の減速比
が確立される。このようにして、第1速〜第4速の自動
変速が行なわれる。
これらの第1速〜第4速の各減速比と第1,第2の電磁
弁140,150の各ソレノイド142,152との関係は第1表のよ
うに表わされる。
一方、レギュレータ弁Vrから吐出された油圧ポンプP
の作動油圧の一部は絞り368を設けた油路334を経てトル
クコンバータT内に流入しその内圧を高めると共にタイ
ミング弁210とオン−オフ弁230に送られる。このタイミ
ング弁210は室210A,210Bに夫々第2速クラッチC2、第4
速クラッチC4に加えられる油圧が導入されており、スプ
ール211は第2速又は第4速の減速比が確立されている
ときには、ばね212のばね力に抗して左動して第2の切
換位置を、又第1速又は第3速の減速比が確立している
ときにはばね212のばね力によりスプール212が右動され
て図示の第1の切換位置をとる。
タイミング弁210はこれらの2つの切換位置のいずれ
の位置にあるときも入力油路325を出力油路327に接続す
ると共にモジュレータ弁220のドレン油路321をドレンEX
に連通するが、両切換位置への遷移中にあっては、出力
油路327を入力油路325から遮断すると共に、モジュレー
タ弁220のドレン油路321をドレンEXから遮断する。タイ
ミング弁210の出力油路327の油圧はモジュレータ弁220
へ入力され変調されてその出力油路353へ出力される。
モジュレータ弁220はガバナ圧PGとスロットル圧Ptとに
より作動油圧をモジュレートして直結クラッチCdの係合
力を作り出すもので、室220A,220Bに夫々油路322,311を
介してガバナ圧PG、スロットル圧Ptが導入されており、
これらの2つの圧力とばね222のばね力でスプール221を
開弁側に左動させ、出力油路326のフィードバック圧を
油路326a、絞り372を介してスプール221の左端面に受け
てガバナ圧PG、スロットル圧Pt及びばね222のばね力に
抗してスプール221を閉弁側に右動させるように構成さ
れている。この結果、出力油路353には車速Uとスロッ
トル弁の弁開度に比例した強さの圧力が現れる。
このモジュレータ弁220から出力される圧力が高くな
りすぎると、フィードバック圧により該モジュレータ弁
220のスプール221がガバナ圧PG、スロットル圧Pt及びば
ね222の合力に抗して図において右動して該圧をタイミ
ング弁210を経由してドレンEXへドレンする。そして、
変速していない時はタイミング弁210を介してモジュレ
ータ弁220のドレン油路321は必らずドレンEXに接続さ
れ、変速途中においてはタイミング弁210のスプール211
が動いていて、ドレン油路321はドレンEXと遮断され、
圧油はどこにもドレンされない。
このようにした理由は第3の電磁弁240のみによって
直結クラッチCdの係合力(伝達容量)を制御する必要
上、変速時において直結クラッチCdの係合力が濫りに低
下するのを防止するためである。即ち、変速時は該変速
に関連してアキュムレータが動くことによりライン圧Pl
が低下してスロットル圧Ptも一瞬下がる。このためモジ
ュレータ弁220のスプール221が図において右動し、この
時ドレン油路321がドレンEXに接続されると、連結クラ
ッチCdの係合力そのものも下がってしまう。従って、変
速時はタイミング弁210に連動させてモジュレータ220の
ドレン油路321をドレンEXと遮断して圧油がどこにも抜
けないようにすることにより、変速時における直結クラ
ッチCdの係合力の低下を防止できる。
モジュレータ弁220の出力油路353の圧力は絞り373を
介してオン−オフ弁230のポート230aから油路326を介し
てトルクコンバータT内の直結クラッチCdのシリンダ13
に導かれる。従って、直結クラッチCdの係合力(伝達容
量)は第3の電磁弁240が閉弁している場合車速Uとス
ロットル弁の弁開度とに応じて強められる。オン−オフ
弁230は室230Aに油路311を介してスロットル圧Ptを受け
て該スロットル圧Ptにてスプール231がばね232のばね力
に抗して、図で左動し入力油路353を出力油路326に接続
し、スロットル圧Ptが無いとき即ち、スロットル弁開度
がアイドル位置のときスプール231がばね232のばね力で
右動して図の位置に保持されて油路326をドレンEXへ接
続すると共に油路325と油路501とを接続する働きをす
る。このオン−オフ弁230はスロットル弁の弁開度がア
イドル位置のとき直結クラッチCdの係合を解除するもの
である。このアイドル位置においては油路325と油路501
とが接続されることにより、トルクコンバータTの入口
ポートTaから該トルクコンバータT内へ流入する油量が
増えてトルクコンバータT内の圧力が増加しピストン13
が図中左方向へ押圧されるので、アイドル位置(アクセ
ルペダルを戻した時)における直結クラッチCdの係合解
除が確実に行なえる。
第3の電磁弁240は油路326とドレンEXとの間を開閉制
御して直結クラッチCdの作動圧、またはピストン13の圧
力を制御することにより、該クラッチCdの係合力を制御
する働きをし、この第3の電磁弁240のソレノイド242が
付勢されて開弁すると、絞り373により油路326の油圧が
低下し、直結クラッチCdの係合力(伝達容量)が弱めら
れる。
この第3の電磁弁240のソレノイド242はトルクコンバ
ータTの入、出力部材間の相対的な実際の速度比eを計
測している前記電子制御装置33により後述する如く速度
比eが基準範囲値内に入るように制御される。第3の電
磁弁240のソレノイド242が消勢して該電磁弁240が閉弁
している状態では、モジュレータ弁220の出力そのもの
が直結クラッチCdの係合力となり、該出力はオン−オフ
弁230及び油路326を介して油圧シリンダ13に作用するも
ので該作動圧は、第4図の実線Iで示すように、車速U
に比例して増大する。なお、第4図では説明の簡略化の
ためスロットル圧Ptの影響は省いてあり、前記実線Iで
示す作動圧曲線はスロットル弁の弁開度がアイドル時で
あって、しかもばね222を省いたときのものである。
これに反して第3の電磁弁240のソレノイド242が付勢
して該電磁弁240が開弁している状態では、油圧シリン
ダ13が油路326、絞り367及び第3の電磁弁240を介して
ドレンEXに開放されて圧力が低下するため直結クラッチ
Cdの係合力は弱、またはゼロとなり、その作動圧は第4
図の破線IVで示す特性となる。従って、第3の電磁弁24
0の開弁時間をデューティ比制御することにより、直結
クラッチCdの作動圧を第4図の実線Iと破線IVとの間で
任意に作り出せる。本実施例においては第4図と実線I
と破線IVとの間を「0〜20」の21段階に分けてデューテ
ィ比制御するものであるが、そのうちの代表として第4
図に、オン・デューティ比(以下、単にデューティ比と
いう。)60%の時の作動圧を実線IIIで、デューティ比3
0%の時の作動圧を実線IIで夫々示してある。第4図に
おいて鎖線Vで示す直線はトルクコンバータTの内圧PT
を示すものであり、実線I〜III或は破線IV等で示す作
動圧と前記内圧PTとの差圧が直結クラッチCdの係合力の
強さを規定する。
(作用) 第5図乃至第7図は本発明方法を示すフローチャート
で、以下このフローチャートに沿って本発明方法の作用
を説明する。第5図乃至第7図は本発明の一実施例に係
る直結機構の伝達容量の制御手順を示すフローチャート
であり、以下このフローチャートに沿って本実施例の制
御手順の詳細を説明する。本実施例の制御手順によれ
ば、トルクコンバータTの変速比(回転速度比)eの所
定判別値e0−e4(変速段と車速とにより決定される)に
よりそれぞれ上限値及び下限値が定まる複数の領域(係
合弱領域、基準値近似領域、基準値領域、微調整領域、
ソレノイドオン領域)を予め設定し、実際の変速比eと
各領域の上限値および下限値とを比較し、該比較結果に
応じて電磁弁240の開弁時間をデューティ比制御する。
具体的には、実際の速度比eがいずれの領域にあるか等
によって電磁弁240のオン・デューティ比を決定するデ
ューティ比制御変数値Dを算出する。この変数値Dは、
実際の変速比eが各領域のいずれにあるか、基準値領域
に変速比eがより大きいまたは小さい方の領域から移行
したか等によって算出される補正値xを加減算すること
により算出される。斯く決定されたオン・デューティ比
で、各領域に応じて設定されたタイマ時間(タイマ期間
T)毎に電磁弁240をデューティ比制御し、実際の変速
比eを基準値領域に収束させる。
第5図において、まずイグニッションスイッチをオン
すると電子制御装置33のCPUがイニシャライズされ(ス
テップ1)、直結クラッチCdの伝達容量制御に関係する
総ての変数が初期値に設定される。次にステップ2に進
んで車速検出器31、エンジン回転数検出器34、変速段位
置検出器35等からの各入力データを読み込み、ステップ
3で夫々入力される車速パルス信号、エンジン回転数パ
ルス信号の時間間隔を夫々計測して車速U、エンジン回
転数Neを算出し、これらの車速Uとエンジン回転数Neに
基づいて後述するトルクコンバータT(第1図及び第2
図参照)のポンプ翼車2とタービン翼車4との間の変速
比eを演算する(ステップ4)。
この値eは以下のようにして算出する。
タービン翼車回転数をN2とすると、トルクコンバータ
Tの速度比eは次式で表わされる。
一方、トルクコンバータ出力軸3とスピードメータケ
ーブル30とは歯車列を介して連結されているために、こ
れら両者間に滑りは存在せず、これら両者間の減速比を
A及びスピードメータケーブル30の回転数をN3とする
と、トルクコンバータ出力軸3の回転数N2は、 N2=A・N3 …(2) となる。この(2)式により(1)式を整理すると、速
度比eは次式で表わされる。
ここで補助変速機Mの変速段数が4段である場合に
は、上記減速比Aの値は検出した各変速段、即ち第1速
〜第4速の各減速比に対応するA1〜A4の値をとり得る。
なお、トルクコンバータTの出力側回転数を求めるた
めに補助変速機Mの入力軸3に回転数検出器を取り付け
てもよい。
前記ステップ4で速度比の値eを算出した後、ステッ
プ5に進み、以後第6図に示す直結クラッチCdのコント
ロール(Cd,CONTROL)ルーチンを実行する。
第6図においてまず、ステップ1でエンジ回転数Neが
所定回転数Ne3(例えば3,500rpm)より大きいか否かを
判別し、その答が肯定(Yes)の場合はステップ18に進
んで第3の電磁弁240をオフ、即ち閉弁して直結クラッ
チCdの作動油圧を高め、該直結クラッチCdの係合力を強
める。これはエンジン回転数Neが3,500rpm以上であれば
振動等の問題が生じる虞はなく、直結クラッチCdの係合
力を強めることによりクラッチの滑りを抑え、該直結ク
ラッチCdの寿命及び燃費の向上を夫々図れる。このとき
の直結クラッチCdに供給される作動油圧は第4図の実線
I上に保持される。
前記ステップ1の答が否定(No)の場合は、補助変速
機Mの当該変速段が第4速であるか否かをステップ2で
判別し、その答が肯定(Yes)のときはステップ6に進
み、否定(No)のときはステップ3に進み、該ステップ
3で前記変速段が第3速であるか否かを判別する。該ス
テップ3の答が肯定(Yes)の場合、即ち、当該変速段
が第3速のときにはステップ5に、否定(No)の場合に
はステップ4に夫々進む。
前記ステップ2及び3の判別の結果、第4速のときに
はステップ6において上限車速U32が所定車速U432(例
えば85km/h)に、第3速のときにはステップ5において
上限車速U32が指定車速U332(例えば40km/h)に、第2
速以下のときにはステップ4におい上限車速U32が指定
車速U232(例えば30km/h)に夫々設定される。このよう
にして上限車速U32を前記U232,U332,及びU432のいずれ
かの車速に設定後、ステップ7に進み、当該車速Uが前
記ステップ4〜6のいずれかのステップにおいて設定さ
れた上限車速U32より大きいか否かを判別し、その答が
肯定(Yes)であれば振動等の問題は生じないので前記
ステップ16を介して前記ステップ18に進み、第3の電磁
弁240を閉弁し、直結クラッチCdの係合力を強める。
前記ステップ7の答が否定(No)の場合、即ち当該車
速Uが上限車速U32より小さいときはステップ8に進ん
で当該車速Uが下限車速U31(例えば6km/h)より大きい
か否かを判別する。その答が否定(No)、即ち、当該車
速Uが下限車速U31よりも小さく、トルクコンバータT
のトルク増幅機能を必要とする低車速域の場合にはステ
ップ28に進んで第3の電磁弁240をオン、即ち、開弁す
ることにより、直結クラッチCdの作動圧を下げて該直結
クラッチCdの係合力を弱めてトルクコンバータTの機能
を活用する。このときの直結クラッチCdに供給される作
動油圧は第4図の破線IV上に変化する。前記ステップ8
の答が肯定(Yes)の場合、即ち、当該車速Uが下限車
速U31より大きいときはステップ9に進み、補助変速機
Mの当該変速段が第4速であるか否かを判別する。この
ステップ9の答が肯定(Yes)の場合はステップ10にお
いて当該車速Uが所定車速U36(例えば58km/h)より大
きいか否かを判別し、その答が肯定(Yes)の場合、即
ち、当該変速段が第4速で当該車速Uが所定車速U36
り大きいときは、ステップ12において所定の速度比範囲
における判別値e1(例えば92%)、e2(例えば97%)、
e3(例えば99.5%)、e4(例えば102%)を夫々設定す
る。判別値e1は直結クラッチCdの係合力が弱い領域(以
下係合力弱領域という)の上限値であると同時に基準値
に近似した領域(以下基準値近似領域という)の下限値
である。判別値e2は基準値近似領域の上限値であると同
時に基準値領域(目標領域)の下限値である。判別値e3
は基準値領域の上限値であると同時に微調整領域の下限
値である。判別値e4は微調整領域の上限値であると同時
にソレノイドをオンして第3の電磁弁240を開弁する領
域(以下ソレノイド・オン領域という)の下限値であ
る。ステップ10の答が否定(No)の場合、即ち、当該変
速段が第4速で当該車速Uが所定車速U36より小さいと
きは、ステップ13において判別値e1(例えば88%)、e2
(例えば94%)、e3(例えば97.5%)、e4(例えば99
%)を夫々設定する。
前記ステップ9の答が否定(No)の場合、即ち、当該
変速段が第4速でないときはステップ11に進んで、当該
変速段が第3速であるか否かを判別する。このステップ
11の答が肯定(Yes)の場合、即ち、第3速のときはス
テップ14において、判別値e1(例えば88%)、e2(例え
ば94%)、e3(例えば97.5%)、e4(例えば99%)を夫
々設定する。
前記ステップ11の答が否定(No)の場合、即ち当該変
速段が第4速及び第3速のいずれでもないときは、ステ
ップ15に移って、判別値e1(例えば88%)、e2(例えば
94%)、e3(例えば97.5%)、e4(例えば99%)を夫々
設定する。
上述のように、変速比eと比較される速度比領域の上
限値及び下限値を変速段に応じて異なる値に設定したの
は、変速段位置によって伝達容量の制御におけるサージ
ングの発生する速度比領域が異なるからである。
前記ステップ12〜15において各判別値e1〜e4の値を設
定した後はステップ16に進み、アクセルペダルの開度θ
THが所定の設定開度x1よりも小さいか否かを判別し、そ
の答が肯定(Yes)であればステップ20に進んで、第3
の電磁弁240をオン、即ち、開弁することにより、直結
クラッチCdの作動圧を下げて該直結クラッチCdの係合力
の弱めて滑らかな運転を得るためトルクコンバータTの
機能を活用する。
前記ステップ16の答が否定(No)の場合、ステップ17
に進んでスロットル弁開度θTHが所定設定開度x2よりも
大きいか否かを判別し、その答が肯定(Yes)であれば
ステップ18に進み、第3の電磁弁240を閉弁し、直結ク
ラッチCdの係合力を強める。また、ステップ17の答が否
定(No)の場合、ステップ19に進み、第7図に示す電磁
弁240のデューティ比制御(電磁弁DUTY CONTROL)ルー
チンを実行する。
上記のようにステップ16,17を設け、該各ステップに
おいてスロットル弁開度θTHが所定設定開度x1よりも小
さいか否か、又は所定設定開度x2よりも大きいか否かを
判別し、x1よりも小さい場合にはステップ20において電
磁弁240を開弁し、x2よりも大きい場合にはステップ18
において電磁弁240を閉弁するようにしたのは、スロッ
トル弁が全開域にあるときには、発進時を除きロックア
ップ状態にした方が動力伝達性能が良好となりまた、振
動も生じず、一方スロットル弁がアイドル開度域にある
ときにはトルクコンバータTの機能を活用した方が滑ら
かな運動ができると言った理由による。従って、ステッ
プ19においての電磁弁240のデューティ比制御は上記状
況にない場合に限って実行するのが運転性能上好まし
い。
前記スロットル弁の所定設定開度x1,x2は前記ステッ
プ9,10の変速段(4速,3速)に対応して決定され、変速
マップとして前記ステップ12〜15の各判別値テーブルと
共に設定される。変速マップにおいてスロットル弁開度
はアイドル開度から全開に亘って8等分されており、例
えば4速における所定の設定開度x1,x2に設定され、3
速における所定の設定開度x1,x2に設定されされる。従
って、ステップ16,17においてはスロットル弁開度検出
器36において検出した現在のスロットル弁開度θTHとス
テップ12〜15の変速マップの所定設定開度x1,x2との対
比が為される。
このようにスロットル弁の所定設定開度x1,x2を変速
段に応じて設定したのは、直結機構をロックアップ状態
にすることができるスロットル弁の全開域及びトルクコ
ンバータの機能を発揮できるアイドル開度域が変速段に
よって異なるからである。
例示の場合、ステップ9,11において変速段(4速,3
速)を判断して、これに前記所定設定開度x1,x2を対応
させるようにしたが、ステップ9,11においては車速やセ
レクトレバー位置を判断して、これに所定設定開度x1,x
2を対応させるようにしてもよい。
第7図におけるステップ1,2,3,及び7で現在の速度比
eが前記速度比範囲のどの領域にあるのかを判別してい
る。まず、速度比eが下側から上側に向かって変化する
ことを考えると、速度比eが係合力弱領域にあればステ
ップ7での速度比eが判別値e1より大きいか否かという
判別の答は否定(No)となり、ステップ8でタイマ期間
T1が経過したか(T=0)否かを判別する。
第8図は速度比eが係合力弱領域からその上側の基準
値近似領域を通過して、その上側の基準値領域に入る場
合のデューティ比制御状態を示し、この図において明ら
かなように、速度比eが基準値領域に近づくに従い該直
結クラッチCdの伝達容量の増加速度を減少、即ち、伝達
容量の変化率を小さくするように制御している。
速度比eが係合力弱領域にある場合は、T1(例えば0.
2秒)という期間が経過する毎にx1(補正値、例えば
1)宛小さい段階のデューティ値で第3の電磁弁240の
開弁時間をデューティ比制御することにより直結クラッ
チCdの係合力を徐々に強めて行く。第7図において前記
ステップ8の答が肯定(Yes)の場合、すなわち、タイ
マ期間(T1)経過したときは(第8図のt1,t2,及びt3
点)その都度改めてステップ9でタイマに前記値T1をセ
ットして、ステップ10で変数値Dに前回値よりx1だけ小
さくした値(D−x1)をセットしてこれを記憶し、D値
が示す段階のデューティ比で再びT1期間に亘って第3の
電磁弁240の開弁時間のデューティ比制御(ステップ8
〜13)を繰り返す。なお、ステップ11はリミットチェッ
クであって、変数値Dが0より小さくなるとプログラム
制御上不都合が生じるので、該変数値Dが最小D1 lim
(例えば0)より大きいか否かを判別し、その答が否定
(No)の場合、即ち変数値Dが0より小さいときは、ス
テップ12で変数値Dの値を最小値D1 limに設定し、ステ
ップ13に移る。前記ステップ11の答が肯定(Yes)の場
合、即ち、変数値Dが0より大きい場合は、ステップ12
を飛び越してステップ13に移る。
ステップ13では前記ステップ10で設定された変数Dの
値を、後で速度比eが基準値領域に入った時等の制御に
使用するために変数D32として記憶しておく。この後、
ステップ14で第3の電磁弁240のソレノイド242への通電
時間を制御するカウンターを変数値Dに対応する値にセ
ットし、その後は第5図のステップ2に戻り再び実行し
直す。なお、電子制御装置33は第3の電磁弁240のデュ
ーティ比が新規値に設定されるまでは同じデューティ比
で即ち一定の周期で第3の電磁弁240の開弁を繰り返
す。ここに、第3の電磁弁240のデューティ比は所定時
間(例えば100ms)に対するソレノイド242への通電時間
の比をいうもので、+D0〜D20の21段階に設定した場合
の1段階当りの通電時間は5msである。
このようにして、変速比eが係合力弱領域にあるとき
はT1期間毎に直結クラッチCdの係合力がx1宛徐々に強め
られる。
次に、速度比eが基準値近似領域に入ると、(第8図
のt4時点)ステップ7の答は肯定(Yes)となり、ステ
ップ15でタイマ期間経過したか否かを判別する。ここで
のタイマ期間とは速度比eが基準値近似領域に入る直前
の係合力弱領域にあるとき、即ち、第8図のt3時点で設
定した値T1である。前記ステップ15の答が否定(No)即
ち、タイマ期間T1が経過しない間はステップ16〜19を実
行することなく前記ステップ13及び14を実行し、前記係
合力弱領域で設定したデューティ比で引き続き第3の電
磁弁240を開弁制御する。前記ステップ15の答が肯定(Y
es)の場合、即ち、タイマ期間T1を経過したときは(第
8図のt5時点)ステップ16にタイマに係合力弱領域で設
定した前記T1値より大きい所定値T2(例えば1秒)をセ
ットして、ステップ17で変数値Dに前回値よりx2(例え
ば1)だけ小さくした値(D−x2)をセットしてこれを
記憶し、D値が示す段階のデューティ比で再びT2期間に
亘って第3の電磁弁240の開弁時間のデューティ比制御
を行なう。そして、再びタイマ期間T2が経過して、まだ
速度比e値が基準値近似領域にあるとき(第8図のt6
時点)、前述と同様にステップ15〜19、及び13を繰り返
し実行する。なお、ステップ18はステップ11と同様のリ
ミットチェックであって、変数値Dが最小値D2 lim(例
えば0)より大きいか否かを判別し、その答が否定(N
o)の場合、即ち変数値Dが0より小さいときは、ステ
ップ19で変数Dの値を最小D2 limに設定し、ステップ13
に移る。
前記ステップ18の答が肯定(Yes)の場合、即ち、変
数値Dが0より大きい場合はステップ19を実行すること
なくステップ13に移る。
速度比eが第8図のt7時点で基準値領域に入るとステ
ップ3での速度比eが判別値e2より大きいか否かという
判別の答は肯定(Yes)になり、ステップ20で後述する
フラッグF1を0にしてステップ21に進み、これも後述す
るフラッグF3に1が設定されているか否かを判別する。
速度比eが、より小さい値から基準値領域に入った場
合、フラッグF2及びF3は共に0に設定されており(ステ
ップ5及び6)、前記ステップ21の答は否定(No)とな
り、次のステップ24でのフラッグF2に1が設定されてい
るか否かの判別の答も否定(No)となり、この場合ステ
ップ26に移ってタイマ期間経過したか否かを判別する。
ここでのタイマ期間とは速度比eが基準値近似領域にあ
るとき、即ち、第8図のt6時点で設定した値T2である。
前記ステップ26の答が否定(No)、即ちタイマ期間T2
過しない間はステップ27及び28を実行することなく後述
するステップ41〜46を経てステップ14を実行して前記基
準値近似領域で設定したデューティ比で引き続き第3の
電磁弁240を開弁制御する。前記ステップ25の答が肯定
(Yes)の場合、即ち、タイマ期間T2経過したときは
(第8図のt8時点)、改めてステップ27でタイマに速度
比eが基準値領域にある時の特有の値、即ち、T3(例え
ば2秒)という値をセットして、ステップ28で前回ルー
プにおいてステップ13で変数値D32として記憶された
値、即ち、速度比eが基準値領域に入る直前の基準値近
似領域にあるときに(第8図のt6時点)設定された値を
そのままセットする。このように速度比eが基準値領域
に入れば、変数Dの値を書き換えることなく該基準値領
域に入る直前(第8図のt6時点)に設定された値を使っ
てタイマ期間T3経過するまで(第8図のt9時点)第3の
電磁弁240の開弁時間をデューティ制御する。t9時点以
降も速度比eが基準値領域に入っている限りは直結クラ
ッチCdの伝達容量を変えないように制御する。
第9図は速度比eが第8図と同様に係合力弱領域から
基準値近似領域を経て基準値領域に入る場合のデューテ
ィ比制御において、第8図と異なる方法によるデューテ
ィ比制御状態を示す。即ち、第8図の場合はx1及びx2
値を同じにすると共に、T1,T2及びT3の値を夫々異なら
せることによって速度比eが基準値領域に近づくに従っ
て速度比eの時間変化率を小さくしたのに対して、第9
図の場合はT1,T2及びT3の値を総て同じにすると共に、x
1及びx2の値を異ならせることによって、速度比eが基
準値領域に近づくに従って速度比eの時間変化率を小さ
くしたものである。
第10図は速度比eが基準値領域を超えて、該基準値領
域の上側の微調整領域に入り、該微調整領域を超えるこ
となく再び基準値領域に戻ってくる場合のデューティ比
制御状態を示す。この場合、速度比eが基準値領域にそ
の下側から入ったとすればF1,F2及びF3のいずれのフラ
ッグもその値は0となっている。そこで、速度比eが第
10図の(a)のt10時点から上昇してt11時点で基準値領
域を超えてその直上の微調整領域に入ると、第7図のス
テップ2での、速度比eが判別値e3より大きいか否かと
いう判別の答は肯定(Yes)となり、ステップ29に移っ
てフラッグF1に1を設定した後ステップ30に進む。該ス
テップ30は、フラッグF2が0であるか否かを判別する
が、このフラッグF2はまだ0に設定されたままであるか
ら、その判別の答は肯定(Yes)となり、ステップ31に
移ってフラッグF2に1を設定する。次いでステップ32
で、変数値D33として変数D32の値を記憶する。このD32
値は、速度比eが基準値領域に入っているときに使った
D値、即ち、ステップ28で設定したD値と同じである。
なお、第10図には変数D,D32及びD33の各値の時間変化が
速度比eの変化と共に示してある。この場合、変数D等
の各値は速度比e値が基準値領域にあるときに設定され
た値を基準としてその増減値のみが示してある。次い
で、ステップ33でタイマに所定値T4(例えば0.4秒)を
設定し、ステップ34で今回制御に使用する変数値Dと
し、前回制御に使用したD33にx6(例えば4)を加算し
た値を設定した後、後述するステップ41〜46及び14を経
て第5図のステップ2に戻り実行し直す。
ここで注目すべきことは、速度比eが微調整領域に入
る直前の基準値領域にあるときに、即ち、第10図の
(a)のt10時点で設定されたタイマ期間T3は、t′11
時点に至るまではタイムアップしないが、速度比eが判
別値e3、即ち、微調整領域の下限値に達したt11時点で
タイマを直ちにT4という値に設定し直し(ステップ3
3)、該T4期間経過するまでステップ34で設定したDの
値で制御を繰り返す。斯かる繰り返しでステップ30に至
ると前回ループにおいて、ステップ31でフラッグF2を1
に設定してあるから、ステップ30の答は否定(No)とな
ってステップ35に移り、タイマ期間T4はまだタイムアッ
プしていないから、該ステップ35でのタイマ期間経過し
たか否かという判別の答は否定(No)となり、ステップ
36で変数値D32として前記ステップ32で設定したD33値に
x3(例えば1)を加算した値を記憶する。前回ループに
おけるステップ32で変数値D33として値D32を設定したか
ら速度比eが基準値領域にあるときに設定した値をD0
すれば、D32値として新しく記憶される値はこの値D0にx
3だけ加算した値に等しい。
速度比eがタイマ期間T4を経過しないうちに、即ち、
t12時点で再び基準値領域に戻ってきた場合は、ステッ
プ3での答が肯定(Yes)になり、ステップ20に移って
フラッグF1を0にし、次のステップ21は、この場合フラ
ッグF3が0に設定されたままであるから通り越してステ
ップ24に移る。前記ステップ31でフラッグF2に1を設定
したから、ステップ24の答は肯定(Yes)となり、ステ
ップ25に移ってフラッグF2を0にして、ステップ26を飛
び越してステップ27に移り、タイマに前記所定値T3を設
定する。即ち、ステップ26を飛び越してステップ27に移
るということは、速度比eが基準値領域に戻ったら直ち
にタイマをリセットすることを意味するものである。
次いでステップ28で変数値Dに前回ループにおけるス
テップ36で記憶した値D32を設定し、D32値が示す段階の
デューティ比で第3の電磁弁240の開弁時間のデューテ
ィ比制御を行なう。
そして、速度比eがタイマ期間T3経過したt13時点に
おいても、基準値領域に入っている限りは再びタイマに
T3値が設定される(ステップ27)と共にD値も変わらな
いでt14時点以降も同じ値D32(ステップ28)でデューテ
ィ比制御する。
第10図の(a)の場合は速度比eが基準値領域を超え
て微調整領域に短期間(タイマ期間T4より短い期間)だ
け入った場合である。即ち、速度比eが微調整領域に入
ったことにより、t11時点で値x6という大きな値で補正
をかけた結果、タイマ期間T4経過しないt12時点で直ち
に基準値領域に戻ったということはx6値が大きすぎるこ
とであり、従って、基準値領域に戻ったt12時点で、基
準値領域を超える直前の基準値領域において、即ちt10
時点で設定した変数D値に小さな補正値x3を加算した値
を使用してデューティ比制御することにより、速度比e
を基準値領域に保持するものである。
第10図の(b)の場合は、速度比eがt15時点から上
昇して基準値領域を超えて微調整領域に入ったことによ
りt16時点で値x6という大きな値で補正をかけたが、直
ちに基準値領域に戻らず微調整領域に長く(タイマ期間
T4より長い時間)留まっている場合である。この場合は
基準値領域を超えて微調整領域に入る直前において、即
ち、t15時点で設定したD値にx6値を超えた値に、速度
比e値が微調整領域に留まっている時間長さに応じた値
を加えた値を使用してデューティ比制御することより速
度比eを基準値領域に保持する。
従って、この第10図の(b)の場合は、t16時点で第1
0図の(a)のt11時点の場合と同様にステップ29乃至34
が夫々実行され、t16時点からt17時点に達するまでは、
前記ステップ29,30,35及び36が夫々実行される。そして
t17時点に達した時タイマ期間T4が最初にタイムアップ
することにより、前記ステップ35の答が肯定(Yes)に
なり、ステップ37に移ってフラッグF3に1を設定し、次
いで、ステップ38に変数値としてD33に前回ループで使
用した値Dを記憶する。そして、ステップ39で再びタイ
マにT4値を設定し、ステップ40でD値に値x3(例えば
1)だけ加算した値を設定する。そしてt18時点で更に
タイマ期間T4がタイムアップするまでは再びステップ2
9,30,35及び36が夫々実行され該ステップ36でD32値とし
てD33値に前記値x3を加えた値を記憶する。t18時点で依
然として速度比eが微調整領域にあれば、前記と同様に
ステップ37,38を夫々実行する。このステップ37,38が実
行されるということは、D33値が値x3を加算した値に更
新されるものであり、ステップ40でD値に更に値x3が加
算されることにより再びデューティ値が上がり、この値
でデューティ比制御を繰り返す。そして、t19時点で速
度比eが基準値領域に戻るとステップ20及び21を実行す
る。該ステップ21の答は、前記ステップ37でフラッグF3
に1を設定したから、肯定(Yes)となり、ステップ22
でフラッグF3を0に、ステップ23でフラッグF2を0にし
て、ステップ24を飛び越してステップ26に進んでタイマ
期間T4がタイムアップしたか否かを判別する。該ステッ
プ24を飛び越すということは、即ち、フラッグF2の判別
を行なわないということは速度比eの変化状態が緩やか
であることを意味する。速度比eが緩やかに変化してい
る場合は前回ループで設定したデューティ値をそのまま
使う。即ちタイマ期間T4が経過するまで、つまりt′19
時点に至るまで待って前回ループで設定したデューティ
値をそのまま使ってデューティ制御する。そして、t′
19時点に至った時、ステップ26の答が肯定(Yes)にな
り、ステップ27でタイマに前記T3値を設定し、ステップ
28で変数値Dに値D32を設定する。このD32値はステップ
36で設定した微調整領域を抜け出す直前に設定した値で
ある。
このようにして速度比eが基準値領域に戻ると変数値
Dにより引き続きデューティ比制御が行なわれ速度比e
が基準値領域に入っている限りは、t20時点以降もその
値を保持してデューティ比制御する。
第11図は速度比eが基準値領域から微調整領域を超え
てソレノイド・オン領域に入った後再び基準値領域に戻
ってくる場合の制御状態を示す。
なお、第11図においては速度比eが判別値e4より大き
い範囲、即ち、ソレノイド・オン領域に入った状態を示
している。
第11図の(a)は速度比eが微調整領域を短時間のう
ちに通過してソレノイドをオンする領域に入る場合を、
第11図の(b)は速度比eが微調整領域を長時間かかっ
て通過してソレノイドをオンする領域に入る場合を夫々
示す。第11図の(a),(b)のいずれの場合も速度比
eが上限値1.0(en)に近づくため車体振動の発生の危
険があるからデューティ比は最高のD20(第3図の電磁
弁240のソレノイド242をオンにして該電磁弁240を開弁
する)にするが、速度比eがソレノイド・オン領域から
微調整領域に再び戻ってきた場合のデューティ値は第11
図の(a)の方を(b)の方より大きな値に設定する。
即ち、第11図の(a)において速度比eがt29時点か
ら上昇してt30時点で微調整領域に入ると、まず、第7
図のステップ2の答が肯定(Yes)となり第10図で説明
したのと同様にステップ29〜34を夫々実行する。このと
きD値,D33値は夫々前回値に対して+x6(例えば4),
±0である。
そして次のループでステップ29,30,35及び36が夫々実
行され、該ステップ36でD33値に値x3(例えば1)を加
算した値がD32値として記憶される。このとき、フラッ
グF3は0のままである。この状態で速度比eがタイマ期
間T4の経過前に微調整領域を超えると(t31時点)、第
7図のステップ1での速度比eが判別値e4より大きいか
否かという判別の答は肯定(Yes)となり、ステップ47
に移ってフラッグF2に1を設定し、ステップ48でフラッ
グF3に1が設定してあるか否かを判別する。前述の通
り、フラッグF3が0のままで速度比eが微調整領域を出
てソレノイド・オン領域に入ったのでステップ48の答は
否定(No)となり、ステップ50に移ってD33値に値x
5(例えば6)を加算した値をD値として記憶する。次
いでステップ51でD値がDF0値(=20)より大きいか否
かを判別(リミットチェック)する。その答が肯定(Ye
s)であればステップ52でD値を値DF0に設定してステッ
プ53に移り、否定(No)であればステップ52を飛び越し
てステップ53に移る。該ステップ53でステップ51で設定
されたD値(例えば+6)をD32値として記憶しステッ
プ54でタイマを0に設定し、ステップ55で第3の電磁弁
240のソレノイド242をオンして該電磁弁240を開弁状態
に保持する一方、ステップ56で電子制御装置33による第
3の電磁弁240の開弁デューティ比制御を停止させ、再
び第5図のステップ2に戻る。
そして、速度比eが第11図の(a)のt32時点で再び
微調整領域に入ると、第7図のステップ2の答が肯定
(Yes)となりステップ29でフラッグF1に1を設定し、
ステップ30の答は前回ループのステップ47でフラッグF2
に1を設定したから否定(No)となり、ステップ35に移
る。該ステップ35の答は、前回ループのステップ54でタ
イマは0に設定されているから肯定(Yes)となり、ス
テップ37でフラッグF3を1に設定し、次のステップ38で
D値(+x5、即ち+6)をD33値として記憶する。そし
て、ステップ39でタイマに前記所定値T4を設定し、ステ
ップ40でD+x3の値(即ち+6+1=+7)を新たなD
値として記憶し、次のループのステップ36でD33+x3
値(即ち+6+1=+7)をD32値として記憶する。
その後、t33時点では速度比eが微調整領域に引き続
いて入っているから、ステップ29,30,35,37〜40を夫々
実行する。ステップ38でD値(+7)をD33値として記
憶し、ステップ40でD+x3の値(+8)をD値として記
憶する。そして、再びステップ35の答が否定(No)とな
ってステップ36に移り、D33+x3の値(+8)をD32値と
して記憶する。次に、t′33時点で速度比eが基準値領
域に入ると、前述の第10図の(b)のt19〜t′19時点
と同様の作用にて制御されてt34時点に至り、以後、速
度比eが基準値領域に入っている限り、D値を変えない
でデューティ比制御する。
第11図の(b)の場合は、t35時点で速度比eが微調
整領域に入ると、第11図の(a)のt30時点と同様に第
7図のステップ29〜34を夫々実行し、ステップ32で
D32、即ち±0に、ステップ34でD33+x6の値(+4)を
D値として記憶し、次のループのステップ36でD33+x3
(+1)をD32値として記憶する。T4期間経過したt36
点で速度比eは引き続いて微調整領域にあるから、ステ
ップ29,30,35及び37を夫々実行し、次のステップ38でD
値(+4)をD33値として記憶し、ステップ39,40を夫々
実行して、該ステップ40でD+x3の値(+5)をD値と
して記憶する。
そして、t37時点で速度比eが微調整領域を出てソレ
ノイド・オン領域に入ると第7図のステップ1の答が肯
定(Yes)となり、ステップ47及び48を夫々実行する。
この場合、速度比eがt35時点から最初のT4期間経過し
て次のT4期間の途中のt37時点に至るまでの間、微調整
領域に入っていたから、速度比eの変化状態は緩やかで
あり、フラッグF3に1が設定されている。従って、前記
ステップ48の答は肯定(Yes)となり、ステッフ49に移
ってD33+x4の値、即ち、+5をD値として設定し、次
いでステップ52を実行し、その答が肯定(Yes)であれ
ばステップ53に移り、否定(No)であればステップ52を
飛び越してステップ53に移る。該ステップ53でステップ
49にて設定したD値、即ち、+5をD32値として記憶
し、以降ステップ53〜56を夫々実行して、第5図のステ
ップ2に戻り実行し直す。
そして、t38時点で速度比eが再び微調整領域に入る
とステップ29,30,35及び37を夫々実行し、次のステップ
38でD値(D33+x4=+5)をD33値として記憶する。次
いで、ステップ40でD値にD33+x3=+6となる値をD32
値として記憶する。
その後、T4期間経過しないt39時点で速度比eが基準
値領域に入ると、前述の第10図の(a)のt12〜t13時点
と同様の作用にて制御されてt40時点を経てt41時点に至
り、以降、速度比eが基準値領域に入っている限り、D
の値を変えないでデューティ比制御する。
なお、第7図中ステップ4にF1=1とあるのは、速度
比eが基準値領域から微調整領域に一度入り、次のルー
プにおける速度比eが基準値領域を通り越してその下の
係合力弱領域に入った時、即ち、速度比eが急激に変化
した時は、フラッグF1に1が設定されているから前回の
微調整領域で設定したD値で制御を行なえということで
ある。また、ステップ41〜46はリミットチェックでD,D
32及びD33の各値がDF0値(例えば20)より大きければ、
これら各値を夫々値DF0に書き換えるものである。
上述した実施例によれば、変速段位置に応じて、例え
ば3速と4速とでサージングの発生頻度が異なるので、
速度比eと比較される各速度比領域の上限値及び下限値
を変速段位置に応じて異なる値に設定すると共に、スロ
ットル弁の設定弁開度も変速段位置に応じて異なる値に
設定したので、少なくとも変速段及びスロットル弁の弁
開度の条件が揃って始めてL/Cの制御が行なわれる。従
って、運転性能を確保しつつ、直結機構の伝達容量を強
めに設定した場合でも発散を起こすことなく、しかもハ
ンチングを起こすことなく安定且つ迅速に伝達容量を基
準値(目標値)に制御することができると共に、トルク
変動を生じることなく、特にクルージング時のサージン
グを制御し得る。これにより、車体の振動や騒音の発生
が抑制されると共に、燃費及び動力伝達特性の向上が図
られ、且つ極めて円滑で快適な運転フィーリングが得ら
れる。
なお、上記実施例においては流体式動力伝達装置とし
て流体式トルクコンバータTを採用した場合について説
明したが、本発明は他の形式のフルイドカップリング等
を備える車両用自動変速機であれば適用可能である。
また、流体式動力伝達装置の入、出力部材の相対的滑
り量を表わす所定のパラメータとしては、入、出力部材
の各回転速度の差であってもよい。
(発明の効果) 以上詳述した如く本発明の車両用自動変速機の流体式
動力伝達装置の直結機構制御方法によれば、入力部材と
出力部材を有する流体式動力伝達装置の前記入、出力部
材の相対的すべり量を表わす所定のパラメータ値(e)
が、予め設定された上限値及び下限値を有する基準値領
域内の値になるように、前記入、出力部材を機械的に係
合する直結機構の伝達容量を可変制御する車両用自動変
速機の流体式動力伝達装置の直結機構制御方法におい
て、前記所定のパラメータ値(e)を検出し、該検出し
た所定のパラメータ(e)値と前記基準値領域の上限値
又は下限値とを比較し、該比較結果に基づいて前記伝達
容量を調整することにより前記伝達容量の可変制御を実
行すると共に、所定変速段毎に前記基準値領域の前記上
限値及び下限値を含む前記所定のパラメータの所定値を
予め設定し、前記車両に搭載されたエンジンのスロット
ル弁の開度が所定の開度範囲にあるときのみ、前記検出
された所定のパラメータ値(e)を前記所定値と比較す
ることにより前記伝達容量の可変制御を実行することに
より、運転性能を確保しつつ、直結機構の伝達容量を強
めに設定した場合でも発散を起こすことなく、しかもハ
ンチングを起こすことなく安定且つ迅速に伝達容量を基
準値領域に収束させることができると共に、トルク変動
が生じることなく、例えばクルージング時のサージング
を制御し得る。これにより、車体の振動や騒音の発生が
抑制されると共に、燃費及び動力伝達特性の向上が図ら
れ、且つ極めて円滑で快適な運転フィーリングが得られ
るという効果を奏する。
更に、本発明では前記伝達容量の所定車速及び所定変
速段毎に所定のパラメータの値を予め設定し、所定のス
ロットル弁開度範囲内にあるとき、その可変制御を実行
するようにしたので、車両が本来伝達容量の可変制御を
必要とする運転状態にあるときのみ伝達容量の可変制御
が為されることになる。従って、例えばスロットル弁が
全開域にあるときはロックアップされ、スロットル弁が
アイドル開弁域にあるときはトルクコンバータの機能の
活用ができ、好ましい運転性能が得られると言った効果
がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の直結機構制御方法を適用する車両用自
動変速機の概要図、第2図は同車両用自動変速機の油圧
制御回路図、第3図は第2図の直結クラッチの要部展開
図、第4図は直結クラッチの作動油圧と車速との関係を
示すグラフ、第5図は直結クラッチの作動油圧(伝達容
量)の制御手順を示すメインフローチャート、第6図は
第5図のステップ5で行なわれる制御手順を示すサブフ
ローチャート、第7図は第6図のステップ17で行なわれ
る制御手順を示すサブフローチャート、第8図はデュー
ティ比の補正値を同一にしてタイマ期間を異ならせ、速
度比が係合力弱領域から基準値近似領域を通って基準値
領域に入る場合の制御における速度比とデューティ比の
関係を示すグラフ、第9図はデューティ比の補正値を異
ならせ、タイマ期間を同一にして、速度比が係合力弱領
域から基準値近似領域を通って基準値領域に入る場合の
制御における速度比とデューティ比の関係を示すグラ
フ、第10図は速度比が基準値領域を超えて、該基準値領
域の上側の微調整領域に入り、該微調整領域を超えるこ
となく再び基準値領域に戻る場合の制御における速度比
とデューティ比の関係を示すグラフ、第11図は速度比が
基準値領域から微調整領域を超えてソレノイドをオンに
する領域に入った後、再び基準値領域に戻る場合の制御
における速度比とデューティ比の関係を示すグラフであ
る。 T……トルクコンバータ(流体式動力伝達装置)、2…
…ポンプ翼車(入力部材)、4……タービン翼車(出力
部材)、Cd……直結クラッチ(直結機構)。
フロントページの続き (72)発明者 桜井 義美 和光市中央1丁目4番1号 株式会社本 田技術研究所内 (72)発明者 福田 幸弘 和光市中央1丁目4番1号 株式会社本 田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−143266(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力部材と出力部材を有する流体式動力伝
    達装置の前記入、出力部材の相対的すべり量を表わす所
    定のパラメータ値(e)が、予め設定された上限値及び
    下限値を有する基準値領域内の値になるように、前記
    入、出力部材を機械的に係合する直結機構の伝達容量を
    可変制御する車両用自動変速機の流体式動力伝達装置の
    直結機構制御方法において、前記所定のパラメータ値
    (e)を検出し、該検出した所定のパラメータ(e)値
    と前記基準値領域の上限値又は下限値とを比較し、該比
    較結果に基づいて前記伝達容量を調整することにより前
    記伝達容量の可変制御を実行すると共に、所定変速段毎
    に前記基準値領域の前記上限値及び下限値を含む前記所
    定のパラメータの所定値を予め設定し、前記車両に搭載
    されたエンジンのスロットル弁の開度が所定の開度範囲
    にあるときのみ、前記検出された所定のパラメータ値
    (e)を前記所定値と比較することにより前記伝達容量
    の可変制御を実行することを特徴とする車両用自動変速
    機の流体式動力伝達装置の直結機構制御方法。
  2. 【請求項2】前記スロットル弁の所定の開度範囲を変速
    段及び車速の少なくとも一方に応じて設定することを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の車両用自動変速機
    の流体式動力伝達装置の直結機構制御方法。
  3. 【請求項3】前記所定のパラメータは前記入力部材及び
    出力部材の各回転速度の比であることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項又は第2項記載の車両用自動変速機の
    流体式動力伝達装置の直結機構制御方法。
  4. 【請求項4】前記所定のパラメータは前記入力部材及び
    出力部材の各回転速度の差であることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項又は第2項記載の車両用自動変速機の
    流体式動力伝達装置の直結機構制御方法。
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