JP2539206B2 - デルタ型ヘッドスライダおよびその製造方法 - Google Patents

デルタ型ヘッドスライダおよびその製造方法

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JP2539206B2
JP2539206B2 JP61315924A JP31592486A JP2539206B2 JP 2539206 B2 JP2539206 B2 JP 2539206B2 JP 61315924 A JP61315924 A JP 61315924A JP 31592486 A JP31592486 A JP 31592486A JP 2539206 B2 JP2539206 B2 JP 2539206B2
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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] この発明は、所定方向に移動する磁気記録媒体上で流
体の支えによって磁気ヘッドを飛行させるためのデルタ
スライダに関するものである。
[先行技術およびその問題点] 磁気変換器を保持するスライダを含む磁気ヘッドアセ
ンブリは、磁気記録装置、特にディスク記録装置に幅広
く、広範囲に用いられる。移動している記録媒体表面上
の流体または空気の膜上で飛行する種々のタイプのヘッ
ドスライダが、この分野においてよく知られている。磁
気ディスク上の蓄積データの密度に最大にするために、
媒体上の変換器の飛行高度は、実用上、できるだけ小さ
くされる。この飛行高度はほぼ一定高さに維持される。
従来のスライダの設計では、ディスクが回転していると
き、スライダはその支持アームからディスク表面に向か
って一定の圧力を受け、さらに空気の持ち上げ力によっ
てスライダおよび変換器をディスク表面から所望の量だ
け浮かして保持するようにされている。
磁気変換器と、ロータリディスクのような磁気記録媒
体との間の非接触の変換関係を改良するための目的は、
変換器とディスクとの間に非常に接近した間隔を得るこ
とであり、そして安定した一定の間隔を維持することで
ある。非常に狭い変換ギャップおよび非常に薄い磁気記
録膜とともに用いられるとき、接近した間隔は、短い波
長で高周波数の信号が記録されることを可能にし、それ
によって高密度で高い記憶容量の記録を与える。データ
記録技術が進むにつれて、データの実装密度を増加させ
るために磁気ディスク表面により接近して磁気ヘッドを
飛行させることがより望ましいものとなる。
磁気ヘッド−スライダアセンブリを利用するための先
行技術が存在している。そのような空気軸受スライダア
センブリでは、磁気変換器が、通過する磁気ディスク上
での非接触の記録のために固定される。当業者であれ
ば、空気軸受スライダを有する磁気ヘッドアセンブリを
キャリッジ上にいかにして取付けるかを知っている。そ
のような磁気ヘッドアセンブリは、たとえば、磁気ディ
スクファイルに情報を蓄積するための集積データモジュ
ールに使用される。
そのような磁気ディスク上の記憶の密度を増すための
努力がなされており、たとえば一例として、ディスクの
トラックの幅を狭めることがなされている。
種々のタイプの公知のスライダ形態の中には、ガーニ
ア(Garnier)らの米国特許第3,855,625号(自己荷重:
セルフローディングタイプ)、ロスキャンプ(Roscam
p)らの米国特許第4,081,846号およびワーナー(Warne
r)の米国特許第3,823,416号およびパイパー(Piper)
らの米国特許第3,754,104号のトライマラン構造などが
あり、そこでは変換ヘッドは、三角形の形で互いから間
隔をあけて離れている3つのパッドによって記録媒体に
対して支持される。
セルフローディング特性(自己荷重特性)を有するス
ライダの型の1つは、ガーニアらの特許で示されてい
る。このスライダは、前縁に傾斜部分を有し、さらに前
縁から後縁にまで延びる2つの空気支えレールを有する
テーパ平坦形態として知られている。2つの空気支えレ
ール間には、長方形の凹所が形成されている。このスラ
イダは、多くの点で満足のいく動作を提供している。こ
の構造はセルフローディングタイプであり、長方形の凹
所が空気支えサイドレールによって与えられる持ち上げ
力にいくらか逆らうように低い圧力領域を提供する。し
たがって、装置は、動いている媒体表面上で長方形の凹
所と流体支えレールとの間の関係によって制御され得る
距離で飛行するようになる。
しかしながら、ガーニアらの構造は、製作および動作
の両方においていくつかの欠点を有する。その構造の凹
所の領域が長方形であり、この領域の3辺が壁で囲まれ
ているので、装置の製作にあたっては、必要な形態をつ
くり出すために表面エッチングが必要となる。そのよう
なエッチングを必要とすることは、使用され得る材料の
種類を制限する。そして、端縁は空気支え表面に対して
ほぼ垂直であり、埃、破片および異物を収集するように
働く。この凹所内のそのような材料の蓄積は、スライダ
およびヘッドアセンブリの動作状態を大いに変え得る。
ロスキャンプらおよびワーナーのスライダの形態でさ
え、サイドレールの間の限られた領域内に研磨およびラ
ッピングのような高価な処理を必要とする。そのような
必要性は製造コストを増加させるだけでなく、生産の歩
留りに悪影響を及ぼすであろう。
第1図は、従来のテーパ平坦形態のセルフローディン
グスライダ20を図示している。傾斜部22は、スライダの
長さ方向に延びている空気支えサイドレール24に連結さ
れている。スライダの前縁では、交差レール26が形成さ
れている。この交差レール26は、2つのサイドレール24
の間を延びている。交差レール26は、凹所30の負圧とセ
ルフローディング特性とを高める。想像線で示している
磁気変換器28が、スライダの後縁に設けられる。
この先行技術のスライダ20では、飛行高度は、長方形
の減圧された領域をつくり出す凹所30によって制御され
る。長方形の減圧された領域の凹所30は、その3辺がサ
イドレール24と交差レール26とによって囲まれている。
この凹所30は、一般的には、種々のエッチング技術によ
って形成される。このことは、以下の点において不利で
ある。製造にあたっては、凹所30の底部とサイドレール
24および交差レール26との間に、側壁32および34を形成
する。この側壁はサイドレールおよび交差レールの表面
に対してほぼ垂直である。凹所30の前縁でのコーナー部
においては、埃や破片等が蓄積する。そのような蓄積物
が存在すると、スライダの飛行高度を継続的に安定して
制御することが難しくなる。また、エッチングによって
所望の構造を形成することは、スライダとして製造し得
る材料を制限し、かつ製造方法を複雑にしている。
この発明は、先行技術の装置が持つ多くの不利益な点
を克服し得るデルタスライダを提供しようとするもので
ある。この発明の目的は、動作中、移動している磁気媒
体からほぼ一定の距離を隔てて磁気ヘッドを安定飛行さ
せることのできるデルタスライダを提供することであ
る。
この発明の他の目的は、ロール(揺れ)を抑え得るデ
ルタスライダを提供することである。
この発明のさらに他の目的は、製造が簡単でかつ経済
的であるスライダを提供することである。
この発明のさらに他の目的は、ディスクの歪み、湾曲
または振動に対して鈍感であり、かつ高い剛性および安
定性を有するヘッドスライダアセンブリを提供すること
である。
[発明の概要] この発明に従ったデルタスライダは、磁気記録媒体上
の飛行するものであり、前縁と後縁とを有するスライダ
本体を備える。スライダ本体は、磁気記録媒体の移動方
向に対して交差する方向に幅を広げて延在する三角形の
形状の平坦な流体支え表面を有する。磁気記録媒体の移
動方向に対して交差する方向における流体支え表面の幅
寸法は、スライダ本体の前縁で最小となりスライダ本体
の後縁で最大となるように連続的に増加している。
流体支え表面には、スライダを磁気記録媒体に近づけ
るための減圧領域をつくり出す凹所が形成されている。
凹所は、スライダ本体の前縁から離れて位置し、かつス
ライダ本体の後縁に近接して位置している。流体支え表
面には、流体支え表面の両側縁に沿って延び凹所の側部
終端を規定するサイドレールが形成される。凹所の後端
には、凹所内の流体を排出するためのチャネルが形成さ
れている。
好ましい実施例では、スライダ本体の前縁部分に位置
する流体支え表面には、磁気記録媒体から遠ざかる方向
に傾斜した傾斜面が形成されている。
好ましくは、スライダ本体の後縁上または後縁近傍に
変換器が取付けられる。
さらに好ましくは、凹所は、その三方がサイドレール
および交差レールによって囲まれている。
さらに好ましくは、流体支え表面には、チャネルとス
ライダ本体の後縁との間に位置してスライダの幅方向に
延びる交差レールが形成される。凹所の後方終端は、交
差レールによって規定される。交差レールに沿って変換
器が取付けられる。
さらに好ましくは、交差レールは、凹所の後方端を完
全に横切るように延びる。チャネルは、凹所と交差レー
ルとの境界に沿って形成された溝を備える。この溝は、
スライダ本体の両側面にまで延びている。
さらに好ましくは、チャネルは、スライダ本体の後縁
に近接した流体を解放する通路を規定する。チャネルの
寸法は、凹所内の流体のほとんどすべてを排出してスラ
イダ本体と磁気記録媒体との間の流体の厚みを制御し、
かつ磁気記録媒体に対するスライダの飛行高さを制御す
るように、選ばれている。好ましくは、チャネルは、ス
ライダ本体の後縁に近接して設けられる。
この発明に従ったデルタスライダの製造方法は、多数
の同一の磁気記録デルタスライダを同時に製造するもの
であり、以下の工程を備える。
1対の平行な長手の端縁と、これらの端縁の間に位置
する上部および底部表面とを有するスライダ材料用長手
のバーを用意する工程。
前記バーの面上で、隣接したスライダが上と下とを逆
さにした関係で位置し、第1のスライダの後縁が前記バ
ーの一方の端縁に沿って位置し、隣接する第2のスライ
ダの後縁が前記バーの他方の端縁に沿って位置するよう
に、前記スライダの列を形成する工程。
1組の薄膜変換器が各スライダの後縁に沿って配置さ
れるように、同じ薄膜変換器を前記バーの各端縁に沿っ
て配置する工程。
前記バー上で各スライダの残りの要素を同時に形成す
る工程。
そのように形成された各スライダを切断する工程。
好ましくは、第1のスライダの流体支え表面が前記バ
ーの上部表面に位置し、隣接する第2スライダの流体支
え表面が前記バーの底部表面に位置するように、スライ
ダの配列が決定される。
さらに好ましくは、各スライダの境界はレーザカット
手段によって規定され、かつレーザカット手段によって
互いに分離される。さらに好ましくは、各スライダの流
体支え表面に、減圧領域をつくり出す凹所が形成され
る。また、薄膜変換器が両方のスライダの端面に沿って
形成される。
[実施例の説明] 第2図は、参考例である空気軸受ヘッドスライダを示
している。この空気軸受ヘッドライダは、セラミックス
製のほぼ長方形のブロック110から形成されている。
スライダは、間隔をあけて設けられた2つのサイドレ
ール112、114と、交差レール116とを有する。各サイド
レール112、114の前方部分には、それぞれ、傾斜面118
および120が形成される。2つの傾斜面の間であって、
かつ交差レール116に隣接するスライダの前方端部分に
は、凹んだ段部119が形成される。
薄膜アセンブリなどの形態としてつくられる磁気変換
器要素122aおよび122bは、たとえば回転磁気ディスク
(図示せず)上のデータトラックの移動方向に対して後
方に位置するスライダの後端部113上であって、サイド
レール112および114の後端部に接着して設けられる。磁
気変換器要素122aおよび122bの変換ギャップは、サイド
レール112および114の表面と同一高さとなるようにされ
ている。スライダアセンブリは、荷重手段によって回転
磁気ディスクの表面に向かって付勢されるとき、非常に
僅かであるが一定の距離でディスクから変換器要素のギ
ャップを分離させる薄い空気潤滑膜を確立する。
負圧ゾーン124は、サイドレールと交差レールとによ
って囲まれて形成される。負圧ゾーンは、交差レール11
6の後方に続き、そして2つのサイドレール112および11
4の間であって、段部119と同じ深さ(10ミクロンオーダ
である)の凹所の領域でつくられる。
最適の荷重力を与えかつ高い剛性を保つ一方で、ディ
スクの歪み、湾曲または振動に対して鈍感である機械的
安定性を実現するために、サイドレールの露出表面上に
凹所領域126および128を形成してもよい。
凹所126および128は、たとえばエッチングによって、
ある深さとなるように形成される。ヘッドスライダの飛
行動作の間、凹所領域126および128内には、大気圧の状
態またはそれに近い圧力の状態が発生している。凹所12
6および128の深さは、好ましくは、0.5〜3ミクロンの
範囲となるようにされる。交差レール116も、同じ製造
工程で、サイドレール表面の凹所と同じ深さとなるまで
厚みが減じられてもよい。
第3図は、第2図のスライダを実施したときに観察さ
れる圧力の輪郭を後方部から見た等角図である。外部の
スライダの境界は大気圧である。圧力ピーク136と圧力
ピーク144との間のゾーン、および圧力ピーク134と圧力
ピーク142との間のゾーンは大気圧とほぼ等しい平均圧
力を有しており、それらは、それぞれ、サイドレールの
凹所領域126および128に関連している。
2つの突出している正圧領域134および136は、それぞ
れサイドレール112および114の後方端部表面138および1
40に関連している。正圧領域142および144は、サイドレ
ールのそれぞれ前方部分146および148に関連している。
これは「4点」スライダ記録接触を例示的に表わしてい
る(米国特許第4,218,715号参照)。
[後部交差バーの説明] 第4図〜第6図は、後部交差バーを持つように改良さ
れたセルフローディングタイプのスライダアセンブリ20
を図示している。
第4図〜第6図は、スライダの飛行方向(矢印)に対
して交差する方向に延びている後部交差バー21およびパ
ージチャネル23を含むスライダ20を概略的に示してい
る。スライダ20のセラミック本体は、前縁部分20−L
と、後縁部分20−TRと、1対のサイドレール20−R、20
−R′(突出して傾斜した前方部分20−T、20−T′を
含む)と、浅い深さ(通常数百マイクロインチまで)の
凹所20−C(負圧領域)とを有する。
後部交差バー21を形成し、かつ、圧力を0(大気圧)
に減ずるように適切な寸法に設計されたパージチャネル
23を形成することにより、有利な効果が生み出される。
すなわち、埃の粒子を外部へ追い出す効果を生み出す。
当業者であるならば、埃や破片等が蓄積しているスロッ
トや空所がヘッドの衝突を引き起こすということを認識
している。したがって、このような埃や破片等の蓄積を
防がなければならない。ただし、ある程度の埃や破片等
の蓄積は避けられないものである。たとえば、最良のフ
ィルタ(99.999%タイプ)は、通常、約12マイクロイン
チよりも大きなすべての大気汚染物質を除外する。これ
は、ほとんどの煙の粒子(通常250マイクロインチ程
度)を除外する。
しかし、より小さな汚染物質がたくさんあり、そのよ
うな汚染物質は、浅い空所の特に後縁で、蓄積する。た
とえば、通常、ディスク駆動軸受からのオイル蒸気、磁
気記録媒体からの粒子、スモッグ、大気中の塵埃、ロジ
ン煙、金属の塵埃、ビールス等が小さな汚染物質であ
る。そのため、そのような汚染物質の蓄積を防止するか
または低減することのできるスライダがこの分野におい
て必要となる。
本発明の1つの目的は、汚染物質の蓄積を極力減ずる
ことのできるスライダを提供することである。
第4図〜第6図に図示された改良型スライダには、後
部交差バーおよびパージチャネルの存在により、ヘッド
をディスク上でスライダの飛行面の最も低い地点に保つ
ことができ、ピッチ角度を減少させることができ、スラ
イダの負圧領域をより清潔に保つことができる。
従来のスライダと比較して、多数の変換器手段は、後
部交差バーを横切るどの位置においても置かれることが
できる。この後部交差バーは、スライダの後縁の全幅に
延在している。それは、必要とされるピッチ角度に依存
して、いかなる適切な幅(軸線Aの方向に沿って)であ
ってもよい(たとえばここでは数ミルの幅が適切である
と見出された)。
パージチャネル23は、スライダ空気支え表面20−f上
であって後部交差バー21のすぐ前で溝を形成することに
よってつくられている。チャネル23は、凹所20−Cの後
部終端を形成する。チャネル23は、ある場合には、2つ
の領域にカットされ得る。チャネル23は、第5図に示し
た実施例においては長方形の断面形状を有しているが、
それ以外の形状のものであっても差し支えない。
たとえば、満足のいく動作は、第4図〜第6図に示さ
れているセルフローディングスライダの場合、以下の寸
法関係で得られる。すなわち、スライダ20は、その長さ
Lが約170ミルであり、長さLcが93ミルであり、高さh
が40ミルであり、高さH0が25ミルであり、幅Wが110ミ
ルであり、幅Wcが80ミルである。レールは、幅Wrが約15
ミルであり、傾斜部の高さHrは約0.75ミルである。傾斜
部20−Tの長さは約20ミルである。スライダの前縁部分
20−Lの長さは約20ミルである。凹所20−Cは、その深
さdcが約500マイクロインチであり、その幅Wcが80ミル
である。
このスライダでは、従来の飛行条件の下で(たとえ
ば、ディスクの表面速度がトラックの中央で約1500イン
チ/秒、すなわち3600rpmの4インチないし7インチの
ディスクバンドで)、後部交差バー21の幅を約5ミルと
し、その断面形状を第5図に示すように四角形とし、パ
ージチャネル23の幅を約10ミルとし、その深さを約4ミ
ルで四角形に切込むことが満足のいくものであることが
見出される。このような寸法関係のスライダであれば、
後部交差バーに沿うスライダの後縁を磁気記録媒体上で
約5〜7マイクロインチの安定した飛行高度に保つ。ま
た、自己洗浄特性によってスライダの凹所内に埃や破片
等が蓄積するのを防止でき、またスライダと記録媒体と
の間でそのような汚染物質が蓄積するのを防止できる。
[上記スライダの動作(第7図および第8図参照)] 第9図は、後部交差バーおよびパージチャネルを有す
るスライダ20がどのように動作するのかを示す図であ
る。比較として、第10図は、後部交差バーおよびパージ
チャネルを有しないスライダ30がどのように動作するの
かを図示している。第10図の従来のセルフローディング
スライダ30の後方コーナー部31−Tcにおいては、ほとん
ど空気が逃げられないことが認められる。言い換えれ
ば、その部分において空気が圧縮されている。スライダ
の後縁31における飛行面30−fの後部コーナー部31−Tc
が、移動するディスク表面(M′)に非常に接近する
と、その両者の間の隙間部分が破片等の蓄積によって簡
単に塞がれてしまうことが理解される。そのため、負圧
領域30−Cの必要な汚染物質排出機能を低下させる。
比較すると、第9図に示すスライダ20においては、後
部交差バー21と、埃や破片等を負圧領域20−cから排出
するためのパージチャネル23とが設けられているので、
空気はたやすくかつ迅速に負圧領域から外部に逃げるこ
とが可能である。したがって、スライダ20は、埃や破片
等をたやすく排出する。
負圧領域20−cの非常に小さい深さに比べて、パージ
チャネル23は比較的大きな深さになっている。飛行方向
に対して交差する方向に延びるように溝加工され、かつ
その深さに比較的大きいチャネルを利用して空気を排出
する構造は、飛行方向に対して平行なスロットを介して
空気を排出する構造と比較して、優れた空気排出機能を
奏することが認められる。飛行方向と平行な方向に延び
るように形成された平行スロットの形態は、それほど実
用的でもなく、経済的でもない。
飛行方向に対して交差する方向に延びる後部交差バー
およびパージチャネルを備える構造は、通常のセルフロ
ーディングスライダの動作および特性を改良し、後部交
差バーに沿って大きな空気排出通路を提供する。このこ
とは、凹所20−Cを非常に効率的に洗浄する。「正圧」
領域および「負圧」領域は、空気支え表面を横切る「正
味の荷重」を与える。第4図、第7図および第8図を参
照してこのことを説明する。
第7図は、第4図中の軸線Aに沿って見た圧力分布を
示し、第8図は、第4図中の軸線Bに沿って見た圧力分
布を示している。軸線Aに沿って存在する負圧領域の両
側部に、正圧領域が存在する。このような圧力分布によ
って結果として生じる正味の荷重力は、スライダの空気
支え表面に対してほぼ一定の荷重を与える。空気の流れ
の変化またはディスクの速度の変化によるこの荷重への
影響は無視でき、こうしてより安定した空気支え表面が
実現される。
サイドレールに沿って形成される正圧の分布、および
後部交差バーに沿って形成される正圧の分布によっても
たらされる正の荷重は、スライダの安定した支え力を制
御する。これらの正の荷重の合計は、「正味の荷重」を
増加させる傾向にあり、この結果、より高い空気支え力
を生じさせる。
負圧領域を形成する凹所20−Cの深さが増加するにつ
れて、吸引特性は減少する。したがって、凹所の深さを
最小にすることが好まれる。たとえば、好ましくは、10
0マイクロインチ程度とされる。しかし、簡単にかつ高
い信頼性をもって非常に小さな凹所の深さを得るために
は、約300マイクロインチの深さが好ましい。
後部交差バーの表面に沿って分布した正圧は、スライ
ダの支え力を増す。この増加した支え力は、スライダに
対する制御性を改良し、不所望なロールまたは揺れ(た
とえば、第4図の軸線Aの周りの揺れ)を禁止する。
通常のスライダと違って、そのような後部交差バーを
備えたスライダは、荷重の変化に対して鈍感である。ま
た、ディスクの速度変化に対しても、同様に鈍感であ
る。
[デルタ型ヘッドスライダの実施例] 第11図は、磁気記録媒体M上を通過する空気膜上を傾
いて飛行するデルタスライダSLを示している。スライダ
SLは、以下のように理解される。すなわち、傾斜部Rの
すぐ後ろに位置する前方パッドRD上には正の力が作用す
るので、その部分は上に向くように傾けられる。未端部
TL上にも正の力が作用する。空洞すなわち凹所CVは、ス
ライダSLは媒体Mに向かって押しやるように作用する負
圧として働く。デルタスライダは、尖った(幅が狭めら
れた)鼻部を有し、この鼻部から後方にいくほど次第に
空気支え表面の面積が増加している。スライダの空気支
え表面ではない部分に関しては、デルタ形状であるのが
好ましいが、必ずしもデルタ形状でなくてもよい。
[表A] 多くの望ましい特性が、以下に記述するように、この
デルタスライダに存在する。
1.スライダに対して「力の3点分布」および優れた安定
性を与える。
2.三角形の形状は、読出/書込ヘッドを装着するために
最大限に大きくされた後部領域を提供する。一方、全体
のスライダの質量(重量)は減じられる(第1図または
米国特許第3,855,625号等に見られる従来のスライダの
約半分)。
3.このような質量の減少によって、製造コストを大幅に
減じ、そしてスライダの「固有振動数」を増加させる。
固有振動数の増加は、ヘッドキャリッジに関連したサー
ボバンド幅を増加させるように働く(たとえば、米国特
許第3,855,625号のスライダと同じ荷重ビーム上に装設
されるとき、デルタスライダは5%高い固有振動数を有
する)。
4.三角形の形態は、特に、横方向に安定性があり、記録
媒体の表面の凹凸に起因する乱れに対して抵抗力があ
り、すばやくそれらを切り抜ける。
5.デルタスライダの動作に関しては、先の尖った鼻部が
粒子(埃など)を側方に押し出すように作用するので、
自己浄化作用を発揮する。
第12A図および第12B図は、この発明に従ったデルタス
ライダの一実施例を図示している。第13A図は、デルタ
スライダの図解的な平面図であり、第13B図は、デルタ
スライダの後部端面上に変換器手段が取付けられている
状態を示している。
スライダ1−SLは、空気支え表面の前方端部分を横切
るように形成された傾斜部1−Rを有している。傾斜部
は、尖っている鼻部1−N上にある。傾斜部の働きに関
しては、従来からよく知られている。正圧パッド1−Pd
は、傾斜部1−Rの直後に設けられる。負圧領域を形成
する凹所1−CVは、正圧パッド1−Pdの後方に配置さ
れ、1対の幅の狭いサイドレール1−rLによって横の大
きさが規定される。
好ましくは、凹所1−CVの直後には、溝の形態となっ
ているチャネル1−cTが形成される。このチャネル1−
cTは、記録媒体Mの移動方向に対して交差する方向に延
びており、凹所1−CV内を洗浄するように作用する。ス
ライダの後部端縁1−TLに沿って、後部交差レール1−
BBが形成される。スライダの後部端縁1−TL上には、た
とえば第13B図に概略的に示すように、5個の変換器が
設けられる。
スライダの材料は、この分野においてよく知られたど
のような材料から作られてもよい。たとえば、スミトモ
のNo.SCS−AC2のようなセラミックでもよい。完成品の
スライダは、その長さが0.150ないし0.160インチのオー
ダで、後部1−TLの幅が約0.120ないし0.130インチのオ
ーダであり、高さが約0.034インチのオーダである。凹
所1−CVの深さはたとえば350ないし400マイクロインチ
であり、スロット(チャネル)1−cTの深さは、0.004
インチのオーダであり、スロット1−cTの幅は約0.010
インチのオーダである。サイドレール1−rLは、小さな
幅となるようにされる(たとえば0.005インチ)。側面
の広がり角度(第13A図の角度aa′を参照)は、20ない
し22゜のオーダであろう。
[結果] デルタスライダ1−SLは、動作中、清潔で、すばや
く、安定性がある。第15図は、ガラスディスク上を飛行
するデルタスライダを撮影した写真である(ディスクの
下から撮影されている)。前方の領域12−Fは、約14マ
イクロインチの高さを飛行しており、後部の領域12−T
は約2マイクロインチの高さを飛行している。飛行状態
は非常に安定している。
安定性に優れ、かつ揺れに対して強い抵抗力を発揮す
る1つの理由を説明する。第14A図は、第14B図に図解的
に示されているデルタスライダ1−SLに対する理想的な
圧力の輪郭のプロットを図示している。ここで、スライ
ダを記録媒体から遠ざけるように押し出す正圧は、前方
に位置するパッド1−Pdによって主に与えられる。この
正圧は、後部交差レール1−BBおよびサイドレール1−
rLを含む後部パッドによっても僅かに与えられる。この
後部のパッドの圧力輪郭は、サイドレール1−rLの付加
的な機能によって主に決定される小さなピークPkおよび
Pk′を有している。一方、逆に、空洞(凹所)1−CVの
領域においては、第14A図に示すように、負圧が生じて
いる。
[表B] デルタスライダのいくつかの新規な特徴を以下に記載
する。
1.清潔 適切に傾斜した飛行姿勢(媒体上で前縁が後縁よりも
高度で飛行する)が加えられた三角形すなわちデルタ形
状(平面の断面で)は、特有の自己洗浄特性を与える。
ヘッド−ディスクの境界で遭遇するいかなる埃の粒子
も、スライダのいずれかの側に偏向される。
2.安定性 デルタスライダは媒体上を飛行するとき、3つの主要
な圧力点によって支持され、結果としてスライダの安定
性、特に横の方向(ロールまたは揺れに対する)におい
て非常な安定性を有する。
こうして、従来の四角形の輪郭のスライダ(第1図の
スライダ20)と異なり、「ぐらつき」傾向が完全に除去
される。すなわち、たとえば一方のサイドレール1−rL
が他方のサイドレールと正確に同一高さではなく揺れて
飛行しているとき、横の安定性を求めるように作用す
る。サイドレールの幅を小さくすることによって空気支
え面積を大幅に減少させていることは、こと安定性を助
けるものである。
2A.自己矯正 そのようなデルタスライダの傾斜姿勢は、後縁(1−
TL)と先行パッド(1−Pd)との間の圧力差によって決
定されるべきである。先行パッド1−Pdの大きさは、空
気支え圧力を決定する重要な要素となる(ここでは約80
ないし90マイクロラジアンの傾斜が仮定される)。
後縁に隣接する空気支え表面が十分に平坦である限
り、スライダの端部近くの圧力ピークは相対的に等しい
べきであり(第14A図のピークPkとPk′を参照)、この
力のバランスは、空気支え表面の面を、移動するディス
クの面に対して平行に保つようにする。
さらに、前方のパッド1−Pdは、記録媒体の移動方向
に対して交差する方向の長さが小さくされているという
事実から、ロールまたは揺れの傾向を大きく減じること
が認められる。この先行パッドの圧力ピークは、スライ
ダの中心線上に中心を置く。もしも先行パッド1−Pdの
圧力ピークの面が後方パッドの面と異なるなら、先行パ
ッド1−Pdはスライダに対して揺れの力を与えるように
なる。このことは、第3図を参照すれば理解できる。第
3図において、先行パッド上の大きな力F1がスライダの
中心線に対して対称に向けられている。デルタスライダ
では、先行パッドに与えられる力は1つだけであるの
で、ディスクに対するパッドの配向に影響することはほ
とんどない。しかしながら、後方パッドは全体のスライ
ダの幅に沿って比較的均一な支持を与える。このこと
は、空気支え表面をディスク表面に平行に保つようにす
る。スライダを揺らす傾向にある先行パッドの幅方向の
長さは小さく、揺れのモーメントアームが非常に小さい
ので、全体の揺れの力は非常に減じられる。
2B.バランスのとれた端縁での力 デルタスライダの空気支え表面がディスク表面(また
は他の平坦な記録媒体の表面)を横切ってかつそれに非
常に接近して進むとき、空気の排出が行なわれる。すな
わち、傾斜したスライダと、移動する記録媒体との間に
形成されるV字状の交差部から逃れる空気は、スライダ
の側方に押しやられる。そのような排気は、一般的に
は、デルタスライダを一方の方向にたやすく傾けてしま
い、その安定性を損ねる。本発明のデルタスライダで
は、スライダの後方領域に空気などの流体を排出するた
めのチャネルを形成しているので、上述したような排気
によって誘引される揺れや不安定さに対する抵抗力を高
めている。
デルタスライダは、低い搬送速度でより安定性があ
る。たとえば、低いrpmで3 1/2インチまたは5 1/4
インチのディスク上を数マイクロインチで飛行する。
3.すばやさ デルタスライダは、記録媒体の表面の凹凸に起因する
空気の流れの乱れが生じても、安定した飛行姿勢を維持
し得る。これは、スライダの前方領域が先の尖って鼻部
となるように形成されていることに加えて、3点での圧
力接触によって生ずる結果である。
[他の構造] デルタスライダの空気支え表面がその前縁でいくらか
尖っている(第11図の傾斜部R参照)が、それは獅子鼻
を形をしていてもよい(たとえば第20図のスライダIIを
参照)。
また、中心軸に関して空気支え表面が対称であること
が望ましい(第20図のAx−Ax)が、ある場合においては
そうでなくてもよい。第21図は中心線Ax−Axに対する一
方の側面の広がり角度ca゜が他方の側面の広がり角度bb
゜と異なっている例を示している。同様に、凹所CVの側
方に位置するサイドレールの大きさおよび配向/形状は
修正されてもよい。また、このデルタスライダを非自己
荷重スライダにも適合させ得る(たとえば、凹所CVが、
前方部分に孔のあいた、または前方部分が取除かれた壁
を持っている場合)。
[製造方法] 第17図〜第19図を参照してデルタスライダの製造方法
を説明する。
多数のスライダを提供する単一のワークピース15P
(第17図〜第19図参照)が使用される。長方形のスライ
ダをワークピース15−Pから従来どおり形成する場合に
比べて、三角形の形状のデルタスライダを形成すれば、
歩留りをほぼ2倍にすることができる。すなわち、第2
のスライダSL′は第1のスライダSLの間の隙間に形成さ
れる。第2のスライダSL′は反対の方向に向けられてお
り、そのためそれらの空気支え表面はこの平面図の反対
側にある。
公知の技術に従えば、ワークピース15−Pは両端でク
ランプされてもよく、そして各スライダ用の変換器のア
レイは適切な端縁に沿って形成される(すなわちスライ
ダSLが下部の端縁を使用し、第2のスライダは反対側の
上部の端縁を使用する)。
ワークピース15−Pはこれらの端縁上に配置される薄
膜ヘッドを有する3インチの厚みのウエハを含む。ワー
クピースの両側面は同時に、または少なくとも同じステ
ーションでスパッタリングおよび電気メッキされる。こ
うして処理時間を約半分に減じる。次に2つのスライダ
セットSLとSL′は完成した形に切取られ、実質的に同じ
処理時間で、そして手間が同様に少なくて、スライダの
数をほぼ2倍生産する。
自動レーザ機械加工またはイオンエッチングが、空気
支え表面を所望の形態にするように用いられてもよい。
先行のパッドおよび後方のパッドは、すべての場合に
おいて、同一平面である必要がない(同一表面を必要と
する第3図の4点圧力輪郭と比較して)。これはデルタ
スライダ(第16図も参照)の3点圧力輪郭の別の利点で
ある。
第17図は、上に述べたように上と下とがクランプされ
たワークピース15−Pの側面図を示し、第19図はそのよ
うなワークピース15−Pの平面図を示す。たとえば、尾
部の間隔16−Sを約12ミルにして、約315±100マイクロ
インチでスライダの各々の輪郭を典型的にはレーザエッ
チしてもよい(ステップL−1とする)。また、スライ
ダの後縁に近接して位置する後部チャネルも、たとえば
約4ミルの深さにレーザエッチしてもよい(ステップL
−2)。中心の空洞すなわち凹所1−CVを約350±50マ
イクロインチの深さにレーザエッチしてもよい(ステッ
プL−3)。
こうして、要約すると、研究者はここで新規のデルタ
スライダおよびそれに関連した有利な製造技術が説明さ
れていること、およびこれらが多数の驚くべき特徴およ
び有利な点を含むことを認めるであろう。
たとえば、そのような低質量のデルタスライダは、デ
ィスク駆動ユニットのいくつかの状態で用いるのに適し
ている。スライダは撓み性のあるばねカンチレバーのよ
うな従来の支持機構上に装設されてもよい。そのような
軽いスライダは、少ない運動量を示し、そしてよりすば
やく、それによって不安定さはなく、ディスク表面上で
小さなこぶをよりたやすく切り抜ける。減じられた質量
は、また、スライダの固有振動数を増加させる。
スライダの後端に後部交差レールを設けた場合、この
部分に複数個の読出/書込変換器を配置してもよい。
「3点」の圧力接触はより大きな安定性を与え、そし
てロールまたは揺れの傾向を少なくする。
埃の粒子などは軽いスライダおよび尖った鼻部によっ
て、スライダの経路からたやすく追い出され、側方へ追
いやられる。スライダの尖った鼻部は、より少ない抵抗
および振動で空気中を突き抜ける。
製造上の有利な点は、ほぼ2倍の数のスライダおよび
薄膜ヘッドをつくることができるということである。そ
の結果、ウエハのコストおよび処理工程数を減じる(た
とえばヘッドは単一の段階で電気メッキされる)。
ここで説明された好ましい実施例は単なる例示のため
であって、この発明は構造、配置および使用での修正お
よび変形がこの発明の精神から逸脱することなく可能で
あることが理解されるであろう。
三角形の空気支え表面の特徴は、10マイクロインチ以
下で飛行する負圧の型のスライダに使用され得る。しか
し、この種の設計を正圧またはゼロ圧力のスライダに用
いてもよい。
この発明のさらに他の修正も可能である。たとえば、
ここで開示された手段および方法は、また、他の記録表
面上で飛行するデルタスライダにも応用可能である。ま
た、この発明はデータが光学的に記録および再生される
場合のように、低い質量の記録および/または再生シス
テムの他の形に関連して正確な飛行スライダを提供する
ために応用可能である。
この発明の特徴は、以下に要約する。
この発明の特徴は、三角形の輪郭のデルタスライダを
提供したことにある。このような形態のデルタスライダ
は、従来の四角形の輪郭のスライダ(たとえば第1図に
示されているもの)と対比されるものである。本願発明
に従った典型的なデルタスライダは、下記の特徴を備え
ている。
スライダ本体が、前縁および後縁を有する三角形の
形状の流体支え表面を規定する手段を有していること。
流体支え表面を規定する手段は、磁気記録媒体の移
動方向に対して交差する方向に延在している三角形の流
体支え表面を含み、この表面の面積はスライダの前縁で
最小となり、後縁で最大となるように連続的に増加して
いること。
スライダには、流体支え表面内であって、前縁から
間隔をあけられ、かつ後縁に隣接して位置する凹所が形
成されており、それによって凹所は、スライダが移動し
ている媒体上を飛行しているとき、支え表面上で制御さ
れた減圧領域をつくり出し、スライダを媒体に近づける
ように作用すること。
上記特徴的な構成を備えることによって、次のような
作用効果が得られる。
埃の粒子はスライダのいずれかの側に偏向されるの
で、清潔に保つことができること。
スライダが磁気記録媒体上に飛行するとき、3つの
主要な圧力点によって支持されるので、結果としてスラ
イダの安定性を図れること。
第14A図のピークPkとPk′に示すように、スライダ
の端部近くの圧力ピークは相対的に等しくなるべきであ
るので、この力のバランスは、空気支え表面をディスク
の面に対して平行に保つように作用する。
デルタスライダは、排気が誘引するロールや揺れの
ような不安定さに対して抵抗するようになっているの
で、バランスのとれた端縁での力が発揮される。
デルタスライダは3つの点で圧力接触するので、た
とえば磁気記録媒体の表面が粗くても、安定した飛行姿
勢を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、従来のセルフローディングタイプのスライダ
を概略的に示す斜視図である。 第2図は、同様の公知のスライダを概略的に示す斜視図
である。 第3図は、第2図のスライダの空気支え表面での圧力輪
郭を示す図である。 第4図は、同様のセルフローディングタイプスライダの
平面図である。 第5図および第6図は、第4図のスライダの側面図およ
び端面図である。 第7図および第8図は、スライダの圧力輪郭を示し、こ
れらはこのスライダのそれぞれの軸に沿った理想化され
た圧力輪郭である。 第9図は、後部交差レールおよび空気排出チャネルを有
するスライダの動作姿勢を概略的に示す側面図である。 第10図は、後部交差レールおよび空気排出チャネルを有
していないスライダの動作姿勢を概略的に示す側面図で
ある。 第11図は、後部交差バーを有するデルタスライダの概略
的な図(平面と側面)である。 第12A図は、デルタスライダの拡大された平面図であ
る。 第12B図は、第12A図のスライダの側面図である。 第13A図は、デルタスライダの平面図である。 第13B図は、第13A図のスライダの端面図である。 第14A図は、プロットされたいくつかの部分にわたる理
想化した圧力輪郭を示す図である。 第14B図は、デルタスライダの平面図である。 第15図は、透明なディスク上を飛行するデルタスライダ
を示す図である。 第16図は、デルタスライダ上の圧力パッドの理想的な配
向を示す図である。 第17図は、多数のスライダを形成するためのワークピー
スを示す側面図である。 第18図および第19図は、第17図のワークピースの理想化
された破断平面図である。 第20図および第21図は、修正されたデルタスライダの概
略平面図である。

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定方向に移動する磁気記録媒体(M)上
    で流体の支えによって磁気ヘッドを飛行させるためのデ
    ルタスライダであって、 前記磁気記録媒体(M)上を飛行するものであり、前縁
    と後縁(1−TL)とを有するスライダ本体を備え、 前記スライダ本体は、前記磁気記録媒体(M)の移動方
    向に対して交差する方向に幅を広げて延在する三角形の
    形状の平坦な流体支え表面を有し、 前記磁気記録媒体の移動方向に対して交差する方向にお
    ける前記流体支え表面の幅寸法は、前記スライダ本体の
    前縁で最小となり前記スライダ本体の後縁で最大となる
    ように連続的に増加しており、 前記流体支え表面には、前記スライダを前記磁気記録媒
    体に近づけるための減圧領域をつくり出す凹所(1−C
    V)が形成されており、 前記凹所(1−CV)は、前記スライダ本体の前縁から離
    れて位置し、かつ前記スライダ本体の後縁(1−TL)に
    近接して位置しており、 前記流体支え表面には、前記流体支え表面の両側縁に沿
    って延び前記凹所(1−CV)の側部終端を規定するサイ
    ドレール(1−rL)が形成され、 前記凹所(1−CV)の後端には、前記凹所内の流体を排
    出するためのチャネル(1−CT)が形成されている、デ
    ルタスライダ。
  2. 【請求項2】前記スライダ本体の前縁部分に位置する前
    記流体支え表面には、前記磁気記録媒体(M)から遠ざ
    かる方向に傾斜した傾斜面(1−R)が形成されてい
    る、特許請求の範囲第1項に記載のデルタスライダ。
  3. 【請求項3】前記スライダ本体の後縁上または後縁近傍
    に変換器が取付けられている、特許請求の範囲第1項ま
    たは第2項に記載のデルタスライダ。
  4. 【請求項4】前記凹所(1−CV)は、その三方が前記サ
    イドレール(1−rL)および交差レール(1−BB)によ
    って囲まれている、特許請求の範囲第1項〜第3項のい
    ずれか1項に記載のデルタスライダ。
  5. 【請求項5】前記流体支え表面には、前記チャネル(1
    −CT)と前記スライダ本体の後縁との間に位置してスラ
    イダの幅方向に延びる交差レール(1−BB)が形成さ
    れ、 前記凹所(1−CV)の後方終端は、前記交差レールによ
    って規定され、 前記交差レールに沿って変換器が取付けられる、特許請
    求の範囲第1項〜第4項のいずれか1項に記載のデルタ
    スライダ。
  6. 【請求項6】前記交差レール(1−BB)は、前記凹所
    (1−CV)の後方端を完全に横切るように延び、 前記チャネル(1−CT)は、前記凹所(1−CV)と前記
    交差レール(1−BB)との境界に沿って形成された溝を
    備え、この溝は、前記スライダ本体の両側面にまで延び
    ている、特許請求の範囲第5項に記載のデルタスライ
    ダ。
  7. 【請求項7】前記チャネル(1−CT)は、前記スライダ
    本体の後縁(1−TL)に近接して流体を解放する通路を
    規定し、 前記チャネルの寸法は、前記凹所(1−CV)内の流体の
    ほとんどすべてを排出して前記スライダ本体と前記磁気
    記録媒体との間の流体の厚みを制御し、かつ前記磁気記
    録媒体(M)に対する前記スライダの飛行高さを制御す
    るように、選ばれている、特許請求の範囲第5項または
    第6項に記載のデルタスライダ。
  8. 【請求項8】前記チャネルは、前記スライダ本体の後縁
    (1−TL)に近接して設けられる、特許請求の範囲第5
    項〜第7項のいずれか1項に記載のデルタスライダ。
  9. 【請求項9】多数の同一の磁気記録デルタスライダを同
    時に製造する方法であって、 1対の平行な長手の端縁と、これらの端縁の間に位置す
    る上部および底部表面とを有するスライダ材料用長手の
    バーを用意する工程と、 前記バーの面上で、隣接したスライダが上と下とを逆さ
    にした関係で位置し、第1のスライダの後縁が前記バー
    の一方の端縁に沿って位置し、隣接する第2のスライダ
    の後縁が前記バーの他方の端縁に沿って位置するよう
    に、前記スライダの列を形成する工程と、 1組の薄膜変換器が各スライダの後縁に沿って配置され
    るように、同じ薄膜変換器を前記バーの各端縁に沿って
    配置する工程と、 前記バー上で各スライダの残りの要素を同時に形成する
    工程と、 そのように形成された各スライダを切断する工程とを備
    える、デルタスライダの製造方法。
  10. 【請求項10】第1のスライダの流体支え表面が前記バ
    ーの上部表面に位置し、隣接する第2スライダの流体支
    え表面が前記バーの底部表面に位置するように、前記ス
    ライダの配列が決定される、特許請求の範囲第9項に記
    載の方法。
  11. 【請求項11】各スライダの境界はレーザカット手段に
    よって規定され、かつレーザカット手段によって互いに
    分離される、特許請求の範囲第10項に記載の方法。
  12. 【請求項12】各スライダの流体支え表面に、減圧領域
    をつくり出す凹所が形成されている、特許請求の範囲第
    11項に記載の方法。
  13. 【請求項13】薄膜変換器が両方のスライダの端面に沿
    って形成される、特許請求の範囲第12項に記載の方法。
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