JP2537130B2 - Squidスペクトラムアナライザ - Google Patents

Squidスペクトラムアナライザ

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JP2537130B2
JP2537130B2 JP5165883A JP16588393A JP2537130B2 JP 2537130 B2 JP2537130 B2 JP 2537130B2 JP 5165883 A JP5165883 A JP 5165883A JP 16588393 A JP16588393 A JP 16588393A JP 2537130 B2 JP2537130 B2 JP 2537130B2
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squid
loop
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fll
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久 賀戸
貴紀 小室
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、心磁波、脳磁波、眼筋
磁場等の生体磁気計測、または、地磁気計測、あるいは
物質の帯磁率計測、さらには磁気的信号伝送用のインタ
ーフェイス等に適したSQUID(Superconducting Qu
antum Interference Device :超伝導量子干渉デバイ
ス)磁束計とFLL回路(Flux Locked Loop:磁束ロッ
クループ)等を備えたSQUIDスペクトラムアナライ
ザに関する。ここに、SQUIDとは、低温状態に維持
され、ループ内にジョセフソン接合を含む超伝導ループ
であるSQUIDループ内に、ピックアップコイルや入
力コイル等を介して外部からの磁束が結合されて印加さ
れると、SQUIDループに周回電流が誘起され、ルー
プ内のジョセフソン接合における量子的な干渉効果によ
り、印加された外部磁束の微小な変化が周回電流の大き
な変化となって現れることを利用して、微小磁束変化を
測定するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、SQUIDスペクトラムアナライ
ザ等に用いるFLL回路としては、図8に示すような回
路が用いられていた。このFLL回路21は、2つのジ
ョセフソン接合25,26を含む超伝導ループ(SQU
IDループ)22にバイアス電流源31及び増幅器33
を設けた構成になっている。FLL回路21の出力は、
スペクトラムアナライザ35に入力される。SQUID
とは、超伝導ループ内に外部から磁束が印加されると、
ループに周回電流が誘起され、ループ内のジョセフソン
接合における量子的な干渉効果により、印加された外部
磁束の微小な変化が周回電流の大きな変化となって現れ
ることを利用して、微小磁束変化を測定するものであ
る。SQUIDループ22は、通常大きくないため、計
測すべき磁場を直接ループ内に入れるには効率が悪い。
そこで、測定すべき磁場は、ピックアップコイル23に
よって検出され、入力コイル24を通じて入力磁束φin
としてSQUIDループ22に結合される。SQUID
ループ22に隣接するコイル28は変調帰還コイルであ
る。また、33は増幅器であり、RfCは帰還抵抗であ
る。この増幅器13Aの出力は、図8に示すように帰還
抵抗RfCを介して変調帰還コイル28に帰還磁束φfb
して印加される。また、増幅器33に入力される前の段
階の出力(前置増幅器の出力)が図示しない発振器等で
ドライブされ変調磁束にされて変調帰還コイル28に印
加され、SQUIDループ22に加えられる。この場
合、SQUIDループ22,入力コイル24,及び変調
帰還コイル28は、超低温格納容器等の内部に格納さ
れ、超低温状態(約4K)に維持されている。SQUI
D22の出力電圧は、上記の増幅器33に出力される前
に図示しないインピーダンス整合回路や前置増幅器を経
て図示しないPSD(Phase Sensitive Detector:位相
弁別器)においてロックイン検波され、Φ−V曲線の1
次微分を得る。この出力を上記の変調帰還コイル28に
加算してネガティブフィードバックすると、Φ−V曲線
の1次微分が零になる点(山あるいは谷)に安定し、測
定すべき磁場は、上記のフィードバック量を出力値でモ
ニターすることにより得ることができる。この状態を
「ロックされた」と表現する。上記の方法は、FLL
(Flux Locked Loop:磁束ロックループ)法と呼ばれ、
いわゆる「零位法」の一種であり、入出力の関係が線形
になるのが特徴である。上記において、インピーダンス
整合回路は、超低温状態(約4K)のSQUID2と室
温状態にある前置増幅器とのインピーダンスマッチング
をとるためのものであり、LC回路、超伝導トランス等
が用いられることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の図8の
系に、外部から、図9に示すように目的信号の磁気レベ
ルSに比べ遥かにレベルが高く周波数帯域も広い環境ノ
イズ(雑音)Nを含む信号が入力されると、目的信号S
を検出する前に、環境ノイズNにより飽和してしまう。
従って、上記のFLL回路21の出力側にスペクトラム
アナライザ35などを接続しても目的信号Sは検出でき
ない。従来は、この外来ノイズ対策として、SQUID
センサと信号源(通常は生体)を磁気遮蔽した磁気シー
ルドルーム内に入れて測定を行っていた。あるいは、図
10に示すように、ピックアップコイルとして図に示す
ような上下2つのループ43U,43Lとからなる微分
型コイル43を用い、SQUIDセンサから遠い信号源
からのノイズを打ち消してしまう方式も採用されてい
た。ここに、φsi g は近くの信号源からの磁場を、φ
noise は遠くの信号源からの磁場を示している。この場
合、下側のループ43Lには(φsig +φnoise )の磁
場が、上側のループ43Uにはφnoise の磁場が、SQ
UID22にはその差分であるφsigの磁場が、それぞ
れ加えられる。しかしながら、上記従来の対策では、S
QUIDセンサから遠く離れた信号源からの信号を検出
することができず、通信等の用途に応用することは非常
に困難であった。本発明は、上記の問題点を解決するた
めになされたものであり、SQUIDセンサから遠く離
れた信号源からの信号も検出することができるスペクト
ラムアナライザを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係るスペクトラムアナライザは、SQUI
Dループと増幅器と帰還手段とを備えた超伝導量子干渉
デバイスにおける当該増幅器の出力を当該帰還手段によ
り当該SQUIDループに負帰還し磁束ロックループを
監視することにより磁気値を測定するFLL回路に、
域除去型の伝達特性を有し、前記増幅器の出力から予め
定めた特定周波数帯を除去して前記SQUIDループに
帰還させる狭帯域化回路を設けてなる狭帯域FLL回路
を復数個備え、各狭帯域FLL回路において定める特定
周波数帯を順次異ならしめ、各狭帯域FLL回路の出力
レベルに基づいてスペクトル分析を行うものである。
【0005】
【作用】上記構成を有する本発明によれば、SQUID
スペクトラムアナライザに設けた各狭帯域FLL回路に
おいては、予め定めた特定周波数の磁気信号にのみ感
度を有し、他の周波数帯域の信号は効果的に減衰させる
ので、信号源の遠近に関係なく特定周波数帯の磁気信号
を検出することができる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図にもとづいて説明
する。まず、本発明の第1実施例を図1に示す。本実施
例は、従来型のFLL回路に帯域除去型の伝達特性を持
った狭帯域化回路を付加して構成された狭帯域FLL回
路を復数個用いて構成されている。
【0007】すなわち、図1に示すように、このSQU
IDスペクトラムアナライザ101は、狭帯域FLL回
路11 とレベルメータ171 とからなる第1系から、狭
帯域FLL回路1n とレベルメータ17n とからなる第
n系までを備えて構成されている。
【0008】各系の狭帯域FLL回路には、2つのジョ
セフソン接合51 ,61 等を含む超伝導ループ(SQU
IDループ)21 等が含まれている。そして、各系の狭
帯域FLL回路の周波数特性は、図2に示すようにそれ
ぞれ異なるように構成されている。すなわち、狭帯域F
LL回路11 の周波数特性がF1 であり、以下Fn まで
の周波数特性を有している。
【0009】このように構成すると、個々の狭帯域FL
L回路は、各々の特性帯域以外の周波数の信号に対して
は感度が非常に低いので、飽和しない。この狭帯域FL
L回路の出力側にレベルメータを設けることにより、全
体として、一つのSQUIDスペクトラムアナライザを
構成することができる。
【0010】次に、上記のSQUIDスペクトラムアナ
ライザ101に用いられる狭帯域FLL回路の構成の一
例について説明する。図3に示す狭帯域FLL回路は、
2つのジョセフソン接合5A,6Aを含む超伝導ループ
(SQUIDループ)2Aにバイアス電流源11A及び
増幅器13Aを設けた構成になっている。
【0011】測定すべき磁場は、ピックアップコイル3
Aによって検出され、入力コイル4Aを通じて入力磁束
φinとしてSQUIDループ2Aに結合される。SQU
IDループ2Aに隣接するコイル8Aは第1変調帰還コ
イルである。増幅器13Aの出力は、帰還抵抗RfAを介
して第1変調帰還コイル8Aに帰還磁束φfbとして印加
される。また、増幅器13Aの出力は、狭帯域化回路1
5A及び第2変調帰還コイル9を介してSQUIDルー
プ2Aに帰還磁束として印加される。
【0012】図3の構成例においては、狭帯域化回路を
FLL回路の通常の帰還系とは別個に設けた点に特徴が
ある。このように狭帯域化回路を用いると、目的信号の
周波数帯域の信号は帰還されないのでそのままである
が、それ以外の帯域の信号は帰還されるので、このFL
L回路の入力側で打ち消されることになり、目的信号以
外の帯域の信号は出力Vout 側には現れない。従って、
目的信号以外の外来ノイズにより系が飽和することもな
い。
【0013】図4は、上記の狭帯域化回路15Aの一例
であるTwin−T型帯域除去フィルタの構成を示した回路
図である。この回路においては位相の回転を生じるが、
この位相回転は、帰還系を構成する場合でも問題にはな
らない。
【0014】図5は、本発明の第2実施例の構成を示し
た図である。この実施例は、従来型のFLL回路に帯域
除去型の伝達特性を持った狭帯域化回路を付加して構成
された狭帯域FLL回路を復数個用い、さらに、復数個
のスペクトラムアナライザを用いて構成されている。
【0015】すなわち、図5に示すように、このSQU
IDスペクトラムアナライザ102は、狭帯域FLL回
路11 とスペクトラムアナライザ181 とからなる第1
系から、狭帯域FLL回路1n とスペクトラムアナライ
ザ18n とからなる第n系までを備えて構成されてい
る。
【0016】上記の第1実施例においては、広い周波数
帯域の信号に対し高い分解能で解析を行うためには第1
実施例のSQUIDスペクトラムアナライザ101が復
数個必要となり、SQUIDループ及びFLL回路の全
体数が増えすぎてしまう。この問題点は、図5のSQU
IDスペクトラムアナライザ102であれば、SQUI
Dスペクトラムアナライザ102全体の分解能はFLL
回路11 〜1n の個数ではなく後続のスペクトラムアナ
ライザの個数で決定することができる。
【0017】図6は、本発明の第3実施例の構成を示し
た図である。この実施例は、従来型のFLL回路に帯域
除去型の伝達特性を持った狭帯域化回路を付加して構成
された狭帯域FLL回路を復数個用い、さらに、1個の
加算回路19と1個のスペクトラムアナライザ20を用
いて構成されている。
【0018】すなわち、図5に示すように、このSQU
IDスペクトラムアナライザ103は、狭帯域FLL回
路11 からなる第1系から、狭帯域FLL回路1n から
なる第n系までを備えて構成されている。
【0019】上記の第2実施例においては、広い周波数
帯域の信号に対し高い分解能で解析を行うためには第2
実施例に示すように、スペクトラムアナライザ181
18n が復数個必要となるので、この点を改善すべく、
第3実施例のSQUIDスペクトラムアナライザ103
は、さらに、上記の第1系から第n系までのほか、1個
の加算回路19と1個のスペクトラムアナライザ20を
用いて構成されている。
【0020】このように、各狭帯域FLL回路の出力を
加算回路19により電圧的に合成することにより、磁気
的な過大入力による飽和は回避できる。このため、出力
を再合成し1台のスペクトラムアナライザ20に入力す
るようにしたものである。
【0021】次に、上記のSQUIDスペクトラムアナ
ライザに用いられる狭帯域FLL回路の構成の他の例に
ついて説明する。この構成例は、従来型のFLL回路に
帯域除去型の伝達特性を持った狭帯域化回路15Bを付
加して構成されている点では上記第1構成例(図3)と
共通するが、狭帯域化回路15Bの帰還系をFLL回路
の通常の帰還系と共用させた点で第1実施例と異なる。
すなわち、変調帰還コイル8Bが、通常の帰還系の帰還
用コイルと狭帯域化回路の帰還用コイルを兼用してい
る。狭帯域化回路15Bとしては、上記第1構成例と同
様に、Twin−T型帯域除去フィルタ等を使用することが
できる。
【0022】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではない。上記実施例は、例示であり、本発明の特
許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な
構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる
ものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0023】例えば、上記実施例における狭帯域化回路
に用いるフィルタ等としては、上記のTwin−T型帯域除
去フィルタのほか、ディジタルフィルタ等を使用しても
かまわない。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、上記構成を有する
本発明によれば、各狭帯域FLL回路は特定周波数
磁気信号にのみ感度を有し、他の周波数帯域の信号は効
果的に減衰させるので、信号源の遠近に関係なく磁気信
号を検出することが可能となり、特定周波数帯を順次異
ならしめた複数の狭帯域FLL回路からの出力レベルを
用いることで、広範な周波数帯域に亘るスペクトル分析
も高精度に行うことができる。従って、磁気シールドル
ームなどを用いずに劣悪な磁場環境下でも精度の高い磁
気測定が可能になる、という利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であるSQUIDスペクト
ラムアナライザの構成を示すブロック回路図である。
【図2】図1に示すSQUIDスペクトラムアナライザ
の周波数領域での動作を説明する図である。
【図3】図1に示すSQUIDスペクトラムアナライザ
における狭帯域FLL回路の構成の一例を示す回路図で
ある。
【図4】図3における狭帯域化回路の一例であるTwin−
T型帯域除去フィルタの構成を示す回路図である。
【図5】本発明の第2実施例であるSQUIDスペクト
ラムアナライザの構成を示すブロック回路図である。
【図6】本発明の第3実施例であるSQUIDスペクト
ラムアナライザの構成を示すブロック回路図である。
【図7】図1に示すSQUIDスペクトラムアナライザ
における狭帯域FLL回路の構成の他の例を示す回路図
である。
【図8】従来のFLL回路の構成を示す回路図である。
【図9】従来のFLL回路に外部から磁束ノイズが浸入
した場合の動作を説明する図である。
【図10】従来のFLL回路において外来ノイズ対策と
して用いられる微分型コイルの構成を示す概念図であ
る。
【符号の説明】
1 〜1n ,1A,1B 狭帯域FLL回路 21 〜2n ,2A,2B SQUIDループ 3A,3B ピックアップコイル 4A,4B 入力コイル 51 〜5n ,5A,5B ジョセフソン接合 61 〜6n ,6A,6B ジョセフソン接合 8A 第1変調帰還コイル 8B 変調帰還コイル 9 第2変調帰還コイル 11A,11B バイアス電流源 13A,13B 増幅器 15A,15B 狭帯域化回路 171 〜17n レベルメータ 181 〜18n スペクトラムアナライザ 19 加算回路 20 スペクトラムアナライザ 21 FLL回路 22 SQUIDループ 23 ピックアップコイル 24 入力コイル 25,26 ジョセフソン接合 28 変調帰還コイル 31 バイアス電流源 33 増幅器 35 スペクトラムアナライザ 43 微分型コイル 43L 下側ループ 43U 上側ループ 44 入力コイル 101〜103 SQUIDスペクトラムアナライザ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 服部 和男

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SQUIDループと増幅器と帰還手段と
    を備えた超伝導量子干渉デバイスにおける当該増幅器の
    出力を当該帰還手段により当該SQUIDループに負帰
    還し磁束ロックループを監視することにより磁気値を測
    定するFLL回路に、帯域除去型の伝達特性を有し、前
    増幅器の出力から予め定めた特定周波数帯を除去して
    前記SQUIDループに帰還させる狭帯域化回路を設け
    てなる狭帯域FLL回路を復数個備え、 各狭帯域FLL回路において定める特定周波数帯を順次
    異ならしめ、各狭帯域FLL回路の出力レベルに基づい
    てスペクトル分析を行うことを特徴とするSQUIDス
    ペクトラムアナライザ。
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