JP2536468B2 - 吸入器 - Google Patents

吸入器

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JP2536468B2
JP2536468B2 JP3217624A JP21762491A JP2536468B2 JP 2536468 B2 JP2536468 B2 JP 2536468B2 JP 3217624 A JP3217624 A JP 3217624A JP 21762491 A JP21762491 A JP 21762491A JP 2536468 B2 JP2536468 B2 JP 2536468B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人体の呼吸器系に生じ
た炎症等の治療に用いられるものであって、特に蒸気噴
出を利用して薬液 (吸入液) の噴霧を行う、所謂温熱式
の吸入器に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の吸入器にあっては、蒸気によっ
て吸い出されて霧化した薬液の粒子径、人体気道内に
おける薬液の沈着位置とは関係あることが知られてい
。すなわち粒子径が大きい程、咽喉、喉頭等の比較的
太い気管である上気道に沈着し易く、粒子径が小さい
程、気管支等の比較的細い気管である末梢気管に沈着し
易い。このため、治療すべき部位に薬液が沈着し易いよ
うに微粒子 (霧化された薬液) の粒子径が任意に変化さ
せられる吸入器が望まれる。
【0003】このような要求を満たす吸入器として、特
開昭 61-240966号に開示されるものが存在し、その粒子
径調節機構は図6に示す構成となっている。すなわち、
吸入器の上部外郭を形成する蒸気収束筒A の内方上面
に、保持部材B にてスライド可能に保持されたスライド
板C を設け、さらにスライド板C の上面には蒸気収束筒
A の外方に露出するつまみD 、下面には直径5mmΦ程度
の球形をなす蒸気遮蔽体E を設けている。この蒸気遮蔽
体E は、つまみD を操作することによりスライド板C と
ともに移動するが、その移動方向は蒸気発生手段の先端
に設けた蒸気ノズルF の蒸気噴霧方向としてある。G は
薬液ノズルである。
【0004】この吸入器は、治療すべき部位に応じてつ
まみD 、すなわち蒸気遮蔽体E の位置を設定する。この
場合、蒸気遮蔽体E を蒸気ノズルF に近接させると粒子
径の小さい微粒子が、蒸気遮蔽体E を蒸気ノズルF から
離反させると粒子径の大きい微粒子が蒸気収束筒A より
得られる。この粒子径調節機構は、次のような原理に基
づいている。
【0005】蒸気ノズルF 及び薬液ノズルG によって噴
霧される微粒子 (霧化された薬液)は、一定の粒子径の
ものではなく図7に示すような粒子径分布となってい
る。図7において、横軸が粒子径、縦軸が粒子数であっ
て、曲線H が粒子径に対応した粒子数である。このよう
な微粒子の噴霧経路に蒸気遮蔽体E が存在すると、微粒
子の流れ (流線) が曲げられ、粒子径の大きい微粒子は
流れに沿いにくく粒子径の小さい微粒子は流れに沿い易
く、従って蒸気遮蔽体E が蒸気ノズルF に近接している
と慣性が大きい粒子径の大きい微粒子は流れから脱落し
易くなる。この流れから脱落した微粒子は、蒸気収束筒
A から噴霧されることなく廃液として吸入器内部に留ま
る。つまり、蒸気遮蔽体E はある粒子径 (閾値SL) より
大きい微粒子をカットすることにより粒子径の調節を行
うもので、蒸気収束筒A からは斜線部分S の粒子径分布
をもつ微粒子が噴霧されるのである。従って粒子径を小
さく設定する程廃液となる量が増え、また粒子径を大き
く設定した場合粒子径の小さい微粒子も一緒に噴霧され
ることとなる。このように、この粒子径調節機構は、微
粒子生成段階で粒子径を設定するのではなく、ある粒子
径分布をもつ微粒子をある閾値でもってカットしている
ので、廃液が増えて不経済であったり粒子径を大きく設
定しても小さい粒子径の微粒子を噴霧する等の不具合点
を有する。
【0006】また、本発明と関連ある吸入器として図8
及び図10に示す特開昭 61-265148号が存在する。1 は吸
入器本体、2 は吹き出し口3aを有する本体カバーで、こ
れらにより吸入器の外郭を形成する。4 は蒸気発生手段
で、水を収容する給水タンク5 、この水を加熱するヒー
タ6 、この加熱により発生した蒸気を導出する蒸気ガイ
ド7 等よりなり、蒸気ガイド7 の先端には蒸気を噴出さ
せるために蒸気ノズル8 が設けられる。9 は薬液 (吸入
水) を収容する吸入カップ、10は吸入カップ9の薬液を
吸い上げる薬液ガイド、11は薬液ガイド10の先端でかつ
蒸気ノズル8 の近傍に設けられる薬液ノズル、12はバル
ブで、薬液ノズル11と薬液ガイド10の間に介挿されて薬
液の吸い上げ量を調節する。この吸入器は、蒸気が蒸気
ノズル8から噴出する際に薬液が薬液ノズル11から吸い
出されることにより蒸気と薬液が混合して噴霧されるも
のであって、その混合蒸気の温度を調節するためにバル
ブ12により薬液の吸い上げ量を調節するようにしてい
る。
【0007】このバルブ12は、図10に示すように、大略
円筒状をなすバルブ本体13と弁体14とからなる。バルブ
本体13は、上端が薬液ノズル11に、下端が薬液ガイド10
に接続され、中間部に弁体14を進退可能に支持する支持
部13a を突設している。支持部13a には、管用テーパね
じ加工を施した雌ねじが刻設してある。弁体14は、この
雌ねじに螺合する雄ねじを刻設した中間部14a の両側が
延び、内方端にはゴムのような弾性材料で型造された弁
14b が、外方端にはつまみ14c がそれぞれ取着してあ
る。バルブ本体13の内部には、弁体14と同軸上に弁14b
によって開閉される弁孔13b を有した弁壁13c が連設し
てある。従って弁体14が最も進入して弁14b が弁孔13b
を塞ぐ (実線位置) と薬液は吸い上げられず、高温の蒸
気のみが吹き出し口3aから噴霧され、その位置から弁体
14を退出させて弁孔13b を開く (破線位置) と薬液が吸
い上げられてやや温度が低下した混合蒸気が吹き出し口
3aから噴霧される。そして弁14b の弁孔13b からの離間
距離、すなわち薬液の流路面積の大小によって薬液の吸
い上げ量を調節し、その結果混合蒸気の温度が調節でき
るのである。
【0008】ところで、特開昭 61-265148号の記載によ
ると、バルブ12によって薬液の吸い上げ量を調節し、そ
の結果混合蒸気の温度が調節できることだけが記載され
ているが、この場合の薬液の流路面積の変化は蒸気ノズ
ル8 及び薬液ノズル11によって噴霧される微粒子 (霧化
された薬液) の粒子径を変化させている。つまり、混合
蒸気の温度を低下させるには薬液の吸い上げ量を増やす
べく流路面積を大きくするが、そうすると結果的に微粒
子の粒子径は大きくなっているのである。従ってこのも
のを、微粒子 (霧化された薬液) の粒子径が任意に変化
させられる吸入器として使用することも可能であり、そ
の場合微粒子生成段階で粒子径を設定しているので、廃
液が増えて不経済であったり粒子径を大きく設定しても
小さい粒子径の微粒子を噴霧する等の先に説明した従来
例の不具合点が解消できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述した特開昭 61-26
5148号は、バルブ12によって薬液の吸い上げ量を調節す
ることにより、混合蒸気の温度が調節できると同時に、
微粒子 (霧化された薬液) の粒子径を任意に変化させて
おり、従って先の従来例 (特開昭 61-240966号)の不具
合点を解消するものと言える。しかしながら、バルブ12
を薬液ノズル11と薬液ガイド10の間に介挿接続せねばな
らず、しかもバルブ12はバルブ本体13に支持部13a を突
設したり、バルブ本体13の内部に弁体14と同軸上に弁14
b によって開閉される弁孔13b を有した弁壁13c を連設
する等その構造が複雑である。
【0010】本発明は、かかる事由に鑑みてなしたもの
で、その目的とするところは、簡単な構造でありながら
微粒子生成段階において粒子径が設定でき、従来例の不
具合点が解消できる吸入器を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明の吸入器は、収容された水を加熱すること
により発生した蒸気を蒸気ガイドにて導出する蒸気発生
手段と、蒸気を噴出させるために蒸気ガイドの先端に設
けられる蒸気ノズルと、薬液を収容する吸入カップと、
吸入カップの薬液を吸い上げる薬液ガイドと、薬液ガイ
ドの先端でかつ蒸気ノズルの近傍に設けられる薬液ノズ
ルと、を備え、蒸気が蒸気ノズルから噴出する際に薬液
が薬液ノズルから吸い出されることにより蒸気と薬液が
混合して噴霧される吸入器において、薬液ノズルとなる
細孔を形成するノズル本体に、薬液の吸い上げ量を調節
するための弁体を進退可能に装着した構成としてある。
【0012】また、前記ノズル本体に、蒸気ノズルを一
体形成することが好ましい。また、前記弁体の進退方向
は細孔の軸線上に位置していることが好ましい。
【0013】
【作用】この構成によれば、薬液ノズルとなる細孔を形
成するノズル本体に、薬液の吸い上げ量を調節するため
の弁体を進退可能に装着しているので、ノズル本体とバ
ルブが一体化でき、蒸気ノズルから蒸気が噴出する際に
吸い出される薬液の微粒子生成段階において粒子径が設
定できるのは勿論、微粒子の粒子径を設定するためのバ
ルブを薬液ノズルと薬液ガイドの間に介挿接続する必要
がなく、さらに微粒子の粒子径を設定する部分の構造も
簡単なものとなる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図1乃至図5に
基づいて説明する。なお、本発明と関連ある吸入器とし
て先に説明したものにおける基本的機能が同様の部材に
は、同一の符号を付している。
【0015】1 は吸入器本体、2 は本体カバー、3 は吹
き出し口3aを有する吹き出しノズルで、これらにより吸
入器の外郭を形成する。吸入器本体1 は、前方がえぐら
れたような上面開口の変形箱状をなしており、その内方
に蒸気発生手段、蒸気ノズル、薬液ノズル等が、そのえ
ぐられた部分に吸入カップがそれぞれ収容され、その上
面に本体カバー2 が着脱自在に取り付けられる。吹き出
しノズル3 は、吹き出し口3aの角度変化させられる
う本体カバー2 の前方中央付近に装着してある。吸入器
本体1 からは電源コード1aが延出し、その側面には吸入
器を作動させるための電源スイッチ1bや粒子径を調節す
る弁体に嵌着したつまみ14c が露設してある。このつま
み14c を左右に回転操作することにより、弁体が応動し
て吹き出し口3aから噴霧される微粒子 (霧化された薬
液) の粒子径を変化させることができる。
【0016】4 は蒸気発生手段で、水W を収容する給水
タンク5 、この水W を加熱するヒータ6 、この加熱によ
り発生した蒸気を導出する蒸気ガイド7 等よりなる。給
水タンク5 は、大略有底円筒状をなし、中央には中空パ
イプ状の排出路5aを有して水W が過剰に給水されたとき
これを排出する。5bは排水受けで、排出路5aから排出さ
れた水を受ける。また、給水タンク5 の一側面には、側
壁とヒータ6 にて小容量の湯沸室6aが形成され、最下部
の給水路5cを介して連通している。従って給水タンク5
内の水位WS1 と湯沸室6a内の水位WS2 とは略同等とな
る。また、給水タンク5 と湯沸室6aは、上部でも連通路
5dを介して連通しており、湯沸室6aで発生した蒸気は再
び給水タンク5 に送られる。蒸気ガイド7 は、給水タン
ク5 の連通路5dに対応した他側面に先端側が上り傾斜と
なるよう連設される。7aは後述するノズル本体に固定す
るための鍔である。また、給水タンク5 の上方開口部
は、蓋5eによって閉塞される。この蓋5eは、給水タンク
5 の上方開口部を閉塞した状態で、排出路5aを閉塞し、
連通路5dと蒸気ガイド7 に臨むリング状の蒸気溜室5f
形成する。かくして蒸気発生手段4 は、給水タンク5 に
収容された水W を湯沸室6aを形成するヒータ6 にて加熱
し、それによって発生した蒸気を連通路5d、蒸気溜室5f
を通って蒸気ガイド7 に導出する。
【0017】8 は蒸気ノズルで、蒸気を噴出させるため
に蒸気ガイド7 の先端に設けられるが、この実施例では
後述するノズル本体に一体形成してある。
【0018】9 は吸入カップで、断面略半円状の有底筒
状をなし、さらに中仕切りによって薬液M を収容する薬
液収容室9aと、外部に噴霧されずに吸入器本体1 に残留
した液体を収容する廃液収容室9bを有する。10は薬液ガ
イドで、吸入カップ9 の深さより十分長いパイプにて形
成され、吸入カップ9 の薬液M を吸い上げるべく下端側
の吸い込み口10a は吸入カップ9 の底部近傍に位置して
上端側は後述するノズル本体に取着される。
【0019】11は薬液ノズルで、薬液ガイド10の先端で
かつ蒸気ノズル8 の近傍に設けられるが、具体的には後
述するノズル本体に一体形成してある。
【0020】次に、ノズル本体15について説明する。ノ
ズル本体15は、少なくとも薬液ノズル11となる細孔11a
を形成し、かつ薬液M の吸い上げ量を調節するための弁
体14を進退可能に装着する部分を有して、例えばプラス
チック材にて一体的に型造する。なお、この実施例では
蒸気ノズル8 も一体的に型造しており、従って薬液ノズ
ル11と蒸気ノズル8 の軸線は直交している。
【0021】具体的には、蒸気ノズル8 の軸線方向につ
いては、蒸気ノズル8 となる細孔8aに絞り孔8bが連設さ
れ、絞り孔8bを形成する突出周壁は蒸気ガイド7 を嵌着
する嵌着部8cとなり、その外方には断面角C字状の固定
片8dを有している。8eは嵌着部8cに装着したOリングで
ある。従って、ノズル本体15は、嵌着部8cを蒸気ガイド
7 に挿入していくと鍔7aが固定片8dを撓ませ、鍔7aが固
定片8dの先端を通過したところで嵌着固定の状態とな
る。
【0022】薬液ノズル11の軸線方向については、細孔
11a に密封円筒部11b と管用テーパねじ加工を施した雌
ねじ部11c が連設され、さらに密封円筒部11b の細孔11
a 寄りの位置においてこれに直交的に連通する導入口11
d が連設され、導入口11d を形成する突出筒部は薬液ガ
イド10を嵌着する嵌着部11e となる。細孔11a の密封円
筒部11b 側はテーパが施されている。
【0023】14は弁体で、ノズル本体15の雌ねじ部11c
に螺合する雄ねじを刻設した中間部14a の両側が延び、
細孔11a 側の端部はそのテーパに対応した円錐状の弁部
14bが形成され、反対側の端部には微粒子の粒子径を調
節するつまみ14c が取着される。中間部14a と弁部14b
の間は密封軸部14d であってOリング14e が装着してあ
る。従って、弁体14は、中間部14a の雄ねじをノズル本
体15の雌ねじ部11c に螺合させることによってノズル本
体15に装着でき、かつ軸線方向に進退可能となる。すな
わち弁体14が最も進入したとき弁部14b が細孔11a を塞
いで薬液を吸い上げず、蒸気のみが吹き出し口3aから噴
霧され、その位置から弁体14を退出させて弁部14b が細
孔11a を開くと薬液が吸い上げられ、蒸気と薬液が混合
して吹き出し口3aから噴霧される。そして弁部14b の細
孔11a からの離間距離、すなわち薬液の流路面積 (弁部
の開口面積) の大小によって薬液の吸い上げ量が調節で
きるのである。
【0024】なお、ノズル本体15の取着は、蒸気ガイド
7 への嵌着の際、吸入器本体1 に設けた固定枠1cにも圧
入するようにする。また、つまみ14c の操作角度は、操
作上360°以内が望ましく、弁部14b が細孔11a を塞ぐ
状態は必ずしも必要ではないこと等を考慮して弁部14b
の形状やねじのピッチ、あるいは適当なストッパーの形
成等を選定する。
【0025】かかる吸入器の使用法及び動作を説明す
る。まず、吸入カップ9 の薬液収容室9aに薬液M を注入
して吸入器本体1 にセットする。次に、給水タンク5 に
所定量の水W を注入し蓋5eにより閉塞する。この場合、
水W が排出路5aの上端面を越える程注入しても、その分
は排出路5aから排出される。また給水タンク5 の水W
は、給水路5cを通って小容量の湯沸室6aに流入し、給水
タンク5 内の水位WS1 と湯沸室6a内の水位WS2 とは同等
となる。そして、本体カバー2 を吸入器本体1 に取り付
ける。
【0026】このような準備作業が完了した後、電源ス
イッチ1bをオンにしてヒータ6 に通電する。湯沸室6aで
は水W がヒータ6 に加熱されて数十秒後に蒸気を発生
し、その蒸気は連通路5dを通って蒸気溜室5fに蓄えら
れ、やがて蒸気溜室5fが高圧になって蒸気ガイド7 を通
り蒸気ノズル8 から噴出する。この蒸気噴出の際、ベン
チュリー効果によって薬液M が薬液ガイド10を通って吸
い上げられ、その薬液M は薬液ノズル11の先端で蒸気と
混合して吹き出し口3aから噴霧される。そして、微粒子
(霧化された薬液) の粒子径をつまみ14c の操作によっ
て調節する。
【0027】本実施例の粒子径の調節の実測値は、図5
に示すようなものであった。測定は、吹き出し口3aの先
端から5cm離れた地点で、微粒子からの散乱光を利用し
たレーザ光散乱方式による粒度分布測定装置を用いてい
る。図5における横軸は粒子径 [μm]、縦軸は粒子径毎
の粒子数の全粒子数に対する割合 [%] である。(a)は
弁部14b を細孔11a から大きく離間させた、すなわち薬
液の流路面積 (弁部の開口面積) を大きくした場合で、
粒子径は25〜55μm を中心にして、(b) は弁部14b を細
孔11a に接近させた、すなわち薬液の流路面積 (弁部の
開口面積) を小さくした場合で、粒子径は10〜20μm を
中心にして、それぞれ分布している。これらを比較する
と、従来例のもののように、カットされる閾値を変化さ
せた結果粒子径が変化するのではなく、粒子径の分布そ
のものが変化していることがわかる。これは、薬液ノズ
ル11の先端に溜まる薬液量は、ベンチュリー効果によっ
て吸い上げられる薬液の量が弁体14の操作による薬液の
流路面積の変化に対応するものであり、高速の蒸気によ
って微粒子化されるとき、その粒子径はこの薬液量に依
存するからである。従って、つまみ14c を操作すること
により微粒子の粒子径が自由に変化させられる。
【0028】また、本実施例によれば、吹き出し口3aか
らの噴霧量、すなわち消費される薬液量は微粒子の粒子
径が大きい程多くなる。さらに、微粒子の粒子径と混合
蒸気の温度との関係を測定してみたが、殆ど変化は見ら
れなかった。すなわち吹き出し口3aから蒸気のみ噴霧し
た場合と粒子径を種々変化させた場合におけるその先端
から5cm離れた地点の温度を熱電対温度計により測定し
たところ、その温度差はせいぜい1〜2℃程度であっ
た。
【0029】なお、実施例ではノズル本体に、薬液ノズ
ルと弁体装着部分とさらに蒸気ノズルをも一体形成した
もので説明したが、蒸気ノズルは別体に形成してもよ
い。これらすべてを一体形成する場合、ノズル本体の成
形金型がやや複雑になるが、蒸気ノズルと薬液ノズルの
位置関係の調整は不要となり組立はより容易となる。ま
た、蒸気発生手段はこの実施例のものに限定されるもの
でなく適宜の構造のものを選択すればよい。
【0030】
【発明の効果】請求項1記載の吸入器は、薬液ノズルと
なる細孔を形成するノズル本体に、薬液の吸い上げ量を
調節するための弁体を進退可能に装着しているので、ノ
ズル本体とバルブが一体化でき、蒸気ノズルから蒸気が
噴出する際に吸い出される薬液の微粒子生成段階におい
て粒子径が設定できることや専用のバルブが不要になる
ことは勿論、微粒子の粒子径を設定するためのバルブを
薬液ノズルと薬液ガイドの間に介挿接続する必要がな
く、さらに微粒子の粒子径を設定する部分の構造も簡単
なものとなる。
【0031】請求項2記載の吸入器は、蒸気ノズルと薬
液ノズルの位置関係の調整が不要となり組立はより容易
となる。
【0032】請求項3記載の吸入器は、弁体の進退方向
は細孔の軸線上に位置しているので、弁体の先端が弁部
となって専用の弁孔あるいは弁座を設けずともよくより
構造が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】その本体カバーを一部切除した状態の平面図で
ある。
【図3】その全体斜視図である。
【図4】そのノズル本体を拡大したもので、(a) は側面
図、(b) は(a) のA−A断面図である。
【図5】微粒子の粒子径と粒子数の関係を示すもので、
(a) は流路面積が大きい場合、(b) は流路面積が小さい
場合の測定データである。
【図6】従来例の要部斜視図である。
【図7】その微粒子の粒子径と粒子数の関係を示す特性
図である。
【図8】別の従来例の縦断面図である。
【図9】その全体斜視図である。
【図10】そのバルブの拡大した断面図である。
【符号の説明】
1 吸入器本体 2 本体カバー 3 吹き出しノズル 4 蒸気発生手段 5 給水タンク 6 ヒータ 7 蒸気ガイド 8 蒸気ノズル 9 吸入カップ 10 薬液ガイド 11 薬液ノズル 11a 薬液ノズルの細孔 14 弁体 15 ノズル本体 M 薬液 (吸入液) W 水

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 収容された水を加熱することにより発生
    した蒸気を蒸気ガイドにて導出する蒸気発生手段と、蒸
    気を噴出させるために蒸気ガイドの先端に設けられる蒸
    気ノズルと、薬液を収容する吸入カップと、吸入カップ
    の薬液を吸い上げる薬液ガイドと、薬液ガイドの先端で
    かつ蒸気ノズルの近傍に設けられる薬液ノズルと、を備
    え、蒸気が蒸気ノズルから噴出する際に薬液が薬液ノズ
    ルから吸い出されることにより蒸気と薬液が混合して噴
    霧される吸入器において、 薬液ノズルとなる細孔を形成するノズル本体に、薬液の
    吸い上げ量を調節するための弁体を進退可能に装着した
    ことを特徴とする吸入器。
  2. 【請求項2】 前記ノズル本体に、蒸気ノズルを一体形
    成した請求項1記載の吸入器。
  3. 【請求項3】 前記弁体の進退方向は細孔の軸線上に位
    置している請求項1又は2記載の吸入器。
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