JP2535746B2 - タングステン粉末の高温における流動特性の改善方法 - Google Patents

タングステン粉末の高温における流動特性の改善方法

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JP2535746B2 JP2418934A JP41893490A JP2535746B2 JP 2535746 B2 JP2535746 B2 JP 2535746B2 JP 2418934 A JP2418934 A JP 2418934A JP 41893490 A JP41893490 A JP 41893490A JP 2535746 B2 JP2535746 B2 JP 2535746B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、タングステン粉末の
高温における流動特性の改善方法に関するものである。
さらに詳しくは、この発明は、他の特性を損うことな
く、流動性のみを向上させ、各種高温プロセスにおける
タングステン粉末の取扱いを容易とすることのできる、
流動特性の改善方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、流動層プロセスや
オートメーションプロセスなどにおいては、金属粉末の
取り扱いが問題となってきており、特にその流動特性が
極めて重要視されてきている。
【0003】金属粉末は、一般的に、セラミックス等の
共有結合性の高い化合物粉末に比べて凝集しやすく、そ
の表面が清浄であればある程、また、粒径が小さくなれ
ばなる程、このような傾向が著しくなり、粉末としての
流動性が阻害されるという欠点がある。金属粉末は、一
般には、その表面を覆っている微量の酸化物の被膜によ
ってある程度は粉末としての流動性を示すが、タングス
テン、モリブデン、銅、ケイ素などの金属では、高温で
酸化物の安定性が低下するため、高温になるにしたがっ
て、その流動性が損失していくという問題がある。
【0004】しかしながら、従来では、このような高温
で酸化物の安定性が低下する種類の金属粉末の高温にお
ける流動性に関する問題を解決するための方策は、必ず
しも充分でないのが実情であった。このため、金属粉末
の他の特性を損なわせることなく、金属粉末を各種の高
温プロセスにおいて利用するに際してその取扱いを容易
とするように、粉末としての流動性のみを向上させる新
しい方法が望まれていた。
【0005】この発明は、以上の通りの事情に鑑みてな
されたものであり、高温で酸化物の安定性が低下する金
属粉末の高温での流動性の消失というこれまでの問題を
解消し、各種プロセスにおける金属粉末の取扱いを容易
とするように、他の特性を損なうことなくその流動性の
みを向上させることのできる、新しい方策を提供するこ
とを目的としている。特にこの発明は、これまで、高温
流動性の改善が求められていた代表的な金属粉末として
のタングステン(W)について、その流動化特性の改善
を可能とする新しい技術手段を提供することを目的とし
ているものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、流動層反応方式により、反応ガ
スとしてのハロゲン化ハフニウムと炭化水素ガスとを、
500〜800℃の温度でタングステン粉末に作用さ
せ、その表面を微量のHfCで被覆することを特徴とす
るタングステン粉末の高温における流動特性の改善方法
(請求項1)を提供する。また、この発明は、同様の流
動層反応方式により、反応ガスとしてのハロゲンガスと
炭化水素ガスとを500〜800℃の温度でタングステ
ン粉末に作用させ、その表面を微量の炭化タングステン
で被覆することを特徴とするタングステン粉末の高温に
おける流動特性の改善方法(請求項2)をも提供する。
【0007】すなわち、この発明では、酸化物被膜が安
定に存在し、タングステン粉末がまだ流動性を示す範囲
の500〜800℃という低い温度で上記の通りの反応
ガスを作用させ、酸化物被膜を微量のHfCあるいは炭
化タングステンという高温で比較的安定な物質で置換
し、タングステン粉末の高温における流動特性を改善す
る。このような置換のための反応には、上記の通り、流
動層反応方式を用いる。流動層反応方式は、粉末状の物
質の表面を均一に他の物質で被覆するのに有効な方式で
ある。以上のようにして、タングステンの金属粉末表面
にまだ酸化物層が存在する段階でCVD反応ガスを作用
させるとまずHfCまたは炭化タングステンの不安定な
吸着層または極めて薄い化合物層が形成され、酸化物が
徐々に炭化物と置換されることによって、タングステン
粉末の高温における流動性を向上させることができる。
この時の反応は極めて緩やかに進行するため、化合物皮
膜が厚く生長することはなく、皮膜物質量が少ないた
め、流動特性以外の特性に及ぼす影響を極めて少なくす
ることができる。
【0008】この発明の方法によって実現された、タン
グステン粉末の高温における流動特性の改善の有用性に
ついては、次の例によっても明示される。すなわち、た
とえば流動層高温CVD法によりタングステン金属粉末
を核とする複合粉末を製造する場合には、そのCVDプ
ロセス時にタングステン粉末は流動性を失っていること
が多く、流動層高温CVD法それ自体を行うことが不可
能な場合がある。これは、高温CVD反応では各種の物
質表面に様々な化合物を効率よく析出させることができ
るが、その反応にはたとえば1000℃以上の高い温度
を必要とするにもかかわらずタングステン酸化物は90
0℃以上の温度で昇華し、失なわれるためである。そこ
で、タングステン複合粉末として、たとえばタングステ
ンを核とし、その表面にHfCが被覆されたものを流動
層高温CVD法により製造するに際しては、そのための
予備処理として、この発明の方法に従って、高温CVD
プロセスで使用するCVD用反応ガスと同一組成の反応
ガスを、高温CVD反応によって強固な被膜を形成させ
るになお充分であるが、酸化物がまだ昇華しない程度に
低い温度でタングステン粉末に作用させる。
【0009】より具体的には、高温CVDによるHfC
析出反応に使用するCVD反応ガスと同一の、ハロゲン
化ハフニウムと炭化水素を用い、通常のプロセス温度よ
りも低い500〜800℃でタングステン粉末に作用さ
せる。
【0010】再度指摘すると、高温CVD反応によって
HfCの強固な被膜を形成するには、通常、1200℃
以上の温度が必要である。一方、タングステン粉末の表
面は、室温近傍でタングステン酸化物の薄い皮膜で覆わ
れており、この酸化物皮膜により粉末の流動性が保たれ
ている。しかしながら、900℃以上の温度になると、
その酸化物皮膜は昇華するため、粉末の流動性が消失す
る。このため、HfC被覆それ自体が不可能となる。こ
のようなタングステン粉末の高温流動性を改善するため
に、この発明においては、酸化物皮膜の昇華温度よりも
低い温度、すなわち500〜800℃でCVD反応と同
一のハロゲン化ハフニウムと炭化水素とからなる反応ガ
スでタングステン粉末に作用させる。この時、タングス
テン粉末の表面は微量の、高温でも安定なHfCで覆わ
れるが、これは目的とする被覆物質と同一であるため
に、最終製品への不要な物質の混入はない。このように
して、高温CVD反応時にもタングステン粉末に流動性
を持たせることが可能となる。
【0011】また、上記の例において、タングステン粉
末の高温流動性を改善するにあたって、ハフニウムの混
入を避けたい場合には、ハロゲンガスを単体で使用する
こともできる。この場合、CVD反応ガスにハロゲン化
タングステンを用いたのと同様の作用効果がある。これ
に、炭化水素ガスを併用し、この発明の方法に従って上
記したような酸化物皮膜の昇華温度よりも低い500〜
800℃でタングステン粉末に作用させると、その表面
に微量の炭化タングステンを形成させることができる。
このようにして、炭素以外の物質による汚染を防止しな
がらその高温流動性を改善することが可能となる。導入
した炭素分は、不要になった時点で水素処理を行うこと
で除去することができる。
【0012】もちろんこの発明の方法は、上記の例のよ
うに、高温CVD反応のための予備処理として有用なだ
けではない。微量のHfC、または炭化タングステンで
被覆した粉末は、高温成形等においても粉末としての取
扱いを容易とするものである。また、この発明は、タン
グステンを直接的対象としているが、モリブデン、銅、
ケイ素等の高温において流動性の失われやすい金属の粉
末についても同様の考え方が適用されることは言うまで
もない。反応ガスとして、表面の微量酸化物を高温で安
定な物質に置換して被覆を形成できるものを選択すれば
よい。
【0013】
【実施例】以下、実施例を示し、この発明の流動化反応
方法についてさらに詳しく説明する。
【0014】CVD反応ガスとして、ハロゲン化ハフニ
ウムとメタンガスを用い、650℃でタングステン粉末
に流動層を形成させながら、このCVD反応ガスを30
分間作用させた。
【0015】処理後の粉末は、1000℃以上の高温で
も流動性を示し、1280℃でのCVDによるHfC被
覆が可能となった。
【0016】原料タングステン粉末と650℃CVD反
応ガス処理後の粉末を電子顕微鏡で観察したが、見かけ
上の差は認められなかった。しかしながら、X線光電子
分光分析を行ったところ、図1に示したように、HfC
標準物質(1)との対比からも明らかなように、650
℃CVD反応ガス処理後の粉末(2)には、表面の極薄
い層にHfCが検出された。
【0017】もちろんこの発明は、以上の例によって限
定されるものではない。金属粉末およびCVD反応ガス
の種類、処理温度、処理時間等の細部については様々な
態様が可能であることはいうまでもない。
【0018】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、金属粉末の高温における流動性を簡便かつ容易に
改善することができる。また被覆量が極めて少ないので
異物の混入が少なく以後のプロセスへの影響を最小限度
にとどめることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CVD反応ガスを用いて650℃で処理したタ
ングステン粉末のX線光電子分光分析結果をHfC標準
物質とともに示したスペクトル図である。
【符号の説明】
1 HfC標準物質 2 650℃CVDガス処理タングステン粉末

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動層反応方式により、反応ガスとして
    のハロゲン化ハフニウムと炭化水素ガスとを、500〜
    800℃の温度でタングステン粉末に作用させ、その表
    面を微量のHfCで被覆することを特徴とするタングス
    テン粉末の高温における流動特性の改善方法。
  2. 【請求項2】 流動層反応方式により、反応ガスとして
    のハロゲンガスと炭化水素ガスとを500〜800℃の
    温度でタングステン粉末に作用させ、その表面を微量の
    炭化タングステンで被覆することを特徴とするタングス
    テン粉末の高温における流動特性の改善方法。
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