JP2533588Y2

JP2533588Y2 - ヘッドアップディスプレイ

Info

Publication number: JP2533588Y2
Application number: JP1989088236U
Authority: JP
Inventors: 英文斎藤
Original assignee: Shimadzu Corp
Current assignee: Shimadzu Corp
Priority date: 1989-07-27
Filing date: 1989-07-27
Publication date: 1997-04-23
Anticipated expiration: 2004-07-27
Also published as: JPH0345328U

Description

【考案の詳細な説明】 A.考案の目的（１）産業上の利用分野本考案は、航空機または自動車等の乗物の操縦者が前
方外界の景色を見ながら操縦する際に、その操縦者が見
ている前方の景色に種々の情報を重ねて表示するヘッド
アップディスプレイに関し、特に、陸上乗物で使用する
のに適したヘッドアップディスプレイに関する。

このようなヘッドアップディスプレイを用いれば、操
縦者は一々外界から視線をそらせて計器類を見る必要が
なくなるので、外界から視線をそらせている間に生じる
不慮の事故を防ぐことができる。

（２）従来の技術前記従来のヘッドアップディスプレイは、普通操縦者
の視野前方にハーフミラーまたはホログラム素子等のコ
ンバイナを配置し、そのコンバイナは外界の景色から出
射した光線を操縦者の方向に透過させるとともに操縦室
内側から前記コンバイナに入射した情報表示光を操縦者
の方向に反射または回折させるように構成されている。
そして、前記情報表示光をコンバイナに入射させる情報
投光装置は、バックライト付液晶表示板、CRT、プラズ
マディスプレイまたは発光ダイオードディスプレイ等の
光学的情報表示手段とこの光学的情報表示手段から出射
した光を前記コンバイナに入射させる光学系とを備えて
いる。そして、前記光学系は、普通リレーレンズ系およ
び反射鏡等から構成されており、前記情報表示光を操縦
者が正面の視野の中に視認できるように構成されてい
る。

（３）考案が解決しようとする課題ところで、陸上乗物用のヘッドアップディスプレイの
表示情報としては、速度、ブレーキ圧、時計、時刻表等
があるが、これらの運転に必要な多くの表示情報を同時
に全て表示すると、前方視野が妨げられるという問題点
があった。

特に、乗物の速度が速くなったり、鉄道車両等が過密
ダイヤで運転されて列車間の間隔が少なくなってきた
り、踏切、ホーム等の多い線路状況であったりした場
合、操縦者は前方視野を常時注視する必要があり、この
ような場合には、前記ヘッドアップディスプレイの表示
情報による前方視野の妨げは特に大きな問題点となる。

ところで、前記鉄道車両等の陸上乗物の運転に必要な
情報は、運転条件または状況によって異なっている。た
とえば、制動運転時にはブレーキシリンダ圧の情報が必
要であったり、また、高速運転時には速度情報が必要で
あったりする。したがって、陸上乗物を運転中、必要な
時に必要な情報だけをヘッドアップディスプレイに表示
するようにすれば、前述の問題点は解決することにな
る。

本考案は前述の問題点および考察に鑑み、陸上乗物を
運転中、必要な時に必要な情報だけをヘッドアップディ
スプレイに容易に表示できるようにすることを課題とす
る。

B.考案の構成（１）課題を解決するための手段前記課題を解決するために、本考案のヘッドアップデ
ィスプレイは、表示信号出力手段から出力される表示信
号に応じた情報が表示される光学的情報表示手段とこの
光学的情報表示手段から出射した情報表示光を所定の方
向に投光する光学部材とを備えた情報投光装置と、操縦者の前方に傾斜して設けられ、前方の外界の景色
を操縦者が視認できるように前記外界からの光線を前方
から後方に透過させるとともに、前記情報投光装置から
投光された情報表示光を操縦者が視認できる方向に反射
または回折するコンバイナと、を備えた陸上乗物用のヘッドアップディスプレイにお
いて、操縦用ハンドルにモード選択スイッチが設けられ、前
記表示信号出力手段は前記モード選択スイッチで選択さ
れたモードに応じた表示信号を出力するように構成され
たことを特徴とする。

（２）作用前述の構成を備えた本考案のヘッドアップディスプレ
イにおいては、操縦者が常時握っている操縦用ハンドル
にモード選択スイッチが設けられているので、操縦者は
モード選択スイッチを容易に操作することができる。そ
して、前記表示信号出力手段からは前記モード選択スイ
ッチで選択されたモードに応じた表示信号が前記光学的
情報表示手段に出力される。このとき、光学的情報表示
手段には前記選択されたモードに応じた情報が表示され
る。

（３）実施例以下、図面により本考案の一実施例を説明する。

第１図において、電車１の前端部には運転室２が設置
されている。この運転室２の前方には電車１の車体下部
３と天井４との間にコンバイナとしてのフロントガラス
５が配設されている。このフロントガラス５は前方に行
くに従って下方に傾斜するように配置されている。ま
た、運転室２には、操縦者Ｍ用の座席６の前方に計器盤
７が配設されている。

この運転室２の計器盤７には光学的情報表示手段とし
てのCRT（Cathode Ray Tube、陰極線管）８がその表示
面を前記フロントガラス５に向けて配設されている。な
お、前記CRT8の代わりに、液晶ディスプレイ、プラズマ
ディスプレイまたは発光ダイオードディスプレイ等のフ
ラットな光学的情報表示手段を採用することも可能であ
る。

また、前記計器盤７には、前記CRT8の前方に光学部材
としてのレンズ系９が配設されており、このレンズ系９
は、凹レンズ9aおよび凸レンズ9b等から構成されてい
る。このレンス系９は、前記CRT8から出射した情報表示
光を前記フロントガラス５で反射させてから操縦者Ｍに
視認させるように配置されている。

前記フロントガラス５は前記レンズ系９から入射した
情報表示光の一部を透過させるとともに残部を前記操縦
者Ｍに向けて反射させるように配置されており、また外
部の景色から入射した光の一部を反射するとともに残部
を前記操縦者Ｍに向けて透過させるように配置されてい
る。すなわち、フロントガラス５はコンバイナの機能を
備えている。

電車１の操縦者Ｍが運転中常時握っている操縦用ハン
ドルとしてのＴ型のワンハンドルマスコン（モータへの
電流制御と、ブレーキ制御の両方を行える操縦用ハンド
ル）Ｔには、第３図に示すように、モード選択スイッチ
10が設けられている。モード選択スイッチ10は、第１モ
ード選択スイッチSW₁、第２モード選択スイッチSW₂、お
よび第３モード選択スイッチSW₃から構成されており、
これらの各モード選択スイッチSW₁，SW₂，SW₃は、常時
はオフであり、操縦者Ｍによって押されたときのみオン
となるように構成されている。

第２図において、前記モード選択スイッチ10に接続さ
れた表示信号出力手段11は、第１モード表示信号出力手
段11a、第２モード表示信号出力手段11b、および第３モ
ード表示信号出力手段11cを備えており、前記モード選
択スイッチ10で選択されたモードに応じた表示信号をバ
ッファアンプ11dを介して前記CRT8に出力するように構
成されている。

そして、前記第１モード選択スイッチSW₁がオンにな
ったときには、第４図（Ａ）に示すような速度情報が前
記CRT8に表示され、前記第２モード選択スイッチSW₂が
オンになったときには、第４図（Ｂ）に示すような時刻
情報が前記CRT8に表示されるように構成されている。第
４図（Ｂ）の表示情報は、上段の数字が現在時刻の分と
秒の値を示し、中段の文字が次に到達する駅名とその駅
に停車するかその駅を通過するかの区別を示している。
そして、下段の数字は前記次に到達する駅の到達予定時
刻の分と秒の値を示している。また、前記第３モード選
択スイッチSW₃がオンになったときには、第４図（Ｃ）
に示すようなブレーキ圧情報が前記CRT8に表示されるよ
うに構成されている。

前記CRT8、レンズ系９、モード選択スイッチ10および
表示信号出力手段11から情報投光装置12が構成されてい
る。

そして、前記情報投光装置12およびコンバイナとして
のフロントガラス５によってヘッドアップディスプレイ
Ｈが構成されている。

次に、前述の構成を備えた本考案の実施例の作用につ
いて説明する。

第１図中左側にあるフロントガラス５に向かって進ん
できた光線Ｘは、一部はフロントガラス５で反転し、残
部はそのままフロントガラス５を透過して直進し、操縦
者Ｍの眼に至る。これにより操縦者Ｍは外界の景色をそ
のまま視認することができる。一方、操縦者Ｍが必要な
情報は、前記ワンハンドルマスコンＴに設けられたモー
ド選択スイッチ10の各スイッチSW₁，SW₂またはSW₃を選
択して押すと、前記CRT8に表示される。

CRT8から出射した情報表示光Ｄはレンズ系９で収束さ
れてフロントガラス５に入射する。そしてフロントガラ
ス５に入射した情報表示光Ｄは、一部はフロントガラス
５を透過して外界に出射されるが、残部は反射して操縦
者Ｍの眼に至る。これにより操縦者Ｍは情報表示光Ｄを
視認することができる。

したがって、操縦者Ｍは、電車１の停止中、低速走行
中、高速走行中、または次の到達駅に近づいてきたとき
等、運転条件または状況等に応じて必要な情報を必要な
ときに容易に視認することができる。

以上、本考案の実施例を詳述したが、本考案は、前記
実施例に限定されるものではなく、実用新案登録請求の
範囲に記載された本考案を逸脱することなく種々の設計
変更を行うことが可能である。

例えば、モード選択スイッチ10を構成するスイッチSW
₁〜SW₃は、前記ワンハンドルマスコンＴに設ける代わり
に、それ以外の各種の操縦用ハンドルに設けることが可
能であり、また、その数は３個以外の適当な数とするこ
とが可能である。さらに、それらのスイッチを常時は全
てオフとする代わりに、常時はどれか１個だけオンとす
ることも可能であり、この場合にはオンとなっても表示
を行わないオフモードスイッチを設けることも可能であ
る。さらにまた、表示パターンは実施例で示した以外の
種々の表示パターンを採用することも可能であり、たと
えば、第４図（Ａ）のメータを模した速度の表示は数字
で直接表す表示にする等種々の表示形態とすることが可
能である。

C.考案の効果前述の本考案のヘッドアップディスプレイは、操作用
ハンドルにモード選択スイッチが設けられているので、
操縦者は必要なモードを必要なときに容易に選択するこ
とができる。そして、前記モード選択スイッチで選択さ
れたモードに応じた表示信号が前記表示信号出力手段か
ら出力され、その表示信号に応じた情報が光学的情報表
示手段に表示される。すなわち、本発明のヘッドアップ
ディスプレイは、必要な時に必要な情報だけをヘッドア
ップディスプレイに容易に表示することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のヘッドアップディスプレイの一実施
例が電車に設置された状態を示す図、第２図は同実施例
の詳細説明図、第３図（Ａ），（Ｂ）は前記電車の操縦
ハンドルに配設されたモード選択スイッチを示す図、第
４図（Ａ）〜（Ｃ）は同実施例の表示パターンを示す
図、である。Ｄ……情報表示光、Ｈ……ヘッドアップディスプレイ、
Ｍ……操縦者５……コンバイナ、８……光学的情報表示手段（CR
T）、９……光学部材、10……モード選択スイッチ、11
……表示信号出力手段、12……情報投光装置

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】表示信号出力手段から出力される表示信号
に応じた情報が表示される光学的情報表示手段と、この
光学的情報表示手段から出射した情報表示光を所定の方
向に投光する光学部材とを備えた情報投光装置と、操縦
者の前方に傾斜して設けられ、前方の外界の景色を操縦
者が視認できるように前記外界からの光線を前方から後
方に透過させるとともに、前記情報投光装置から投光さ
れた情報表示光を操縦者が視認できる方向に反射または
回折するコンバイナと、を備えた乗物用のヘッドアップ
ディスプレイにおいて、操縦者の操縦用ハンドルにモード選択スイッチが設けら
れ、前記表示信号出力手段は操縦者が前記モード選択ス
イッチで選択したモードに応じた表示信号を出力するよ
うに構成されたことを特徴とするヘッドアップディスプ
レイ。