JP2533585Y2 - 原子炉冷却水の金属分析装置 - Google Patents

原子炉冷却水の金属分析装置

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JP2533585Y2
JP2533585Y2 JP1988072597U JP7259788U JP2533585Y2 JP 2533585 Y2 JP2533585 Y2 JP 2533585Y2 JP 1988072597 U JP1988072597 U JP 1988072597U JP 7259788 U JP7259788 U JP 7259788U JP 2533585 Y2 JP2533585 Y2 JP 2533585Y2
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高志 小関
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  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)
  • Investigating And Analyzing Materials By Characteristic Methods (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は原子炉冷却水の金属分析装置に関し、さら
に詳しく言うと、安全に、しかも高い精度で、高頻度の
分析が可能な原子炉冷却水の金属分析装置に関する。
[従来技術および考案が解決しようとする課題] 原子炉の冷却材には、水が広く用いられている。
この水、すなわち原子炉冷却水は常時高エネルギー放
射線の照射を受けるので、放射線分解を起し易い。
そして、この放射線分解によって誘発される冷却系構
造材の腐食の進行は、さらに金属腐食生成物の放射化に
より誘導放射能の生成を助長するので、原子力プラント
の所期の機能を損なう原因になる。特に、58Co、60Co、
59Fe、54Mnなどは冷却系から関連各系に移送、拡散され
て比較的に長期間にわたってγ線源として分布すること
が知られている。
したがって、原子炉の運転においては、原子炉冷却水
中の金属成分を高い頻度で検出して常時監視することが
重要である。
ところで、現状の原子炉冷却水の金属分析捕集採取装
置の一例としては、たとえば第3図に示すように、フィ
ルタホルダAに、カチオンフィルタa、アニオンフィル
タbおよびメンブレンフィルタcを備えてなるものが挙
げられる。
この従来の金属採取装置においては、原子炉冷却水の
抽出試料を通水して金属成分のフィルタリングを行なっ
た後に、たとえば原子吸光分析装置を使用して金属成分
の検出を行なっている。
しかしながら、この現状の金属採取装置においては、
微量の金属成分のフィルタリングに長時間を要するの
で、通常、1日1回程度の頻度でしか分析を行なうこと
ができず、分析頻度の向上を図ることが困難であるとと
もに、所謂手分析であるので、フィルタ取扱時に放射線
被曝の危険性を伴うという問題がある。
この考案は前記事情に基いてなされたものである。
この考案の目的は、安全に、しかも高い精度で、高頻
度の分析が可能な原子炉冷却水の金属分析装置を提供す
ることにある。
[前記課題を解決するための手段] この考案の構成は、原子炉冷却水の抽出試料と溶解試
薬とを一定の割合で混合して前記抽出試料中の金属成分
をイオン化する懸濁液溶解手段と、前記懸濁液溶解手段
から取り出したイオン化試料を濃縮する濃縮手段と、前
記濃縮されたイオン化試料中の金属イオンを溶離する溶
離手段と、前記溶離手段によって溶離した各種金属イオ
ンを分離する分離手段と、分離された各種金属イオンと
試薬との反応により各種金属イオンを検出する検出手段
とを備えることを特徴とする原子炉冷却水の金属分析装
置である。
[作用] この考案の装置の概念図を第1図に示す。
図示したように、原子炉冷却水の抽出試料は懸濁液溶
解手段1において、溶解試薬とともに一定の割合で混合
され、イオン化されて濃縮手段2に移送される。すなわ
ち、微量の金属成分を含有する懸濁液である抽出試料
は、懸濁液溶解手段1において溶解する。
濃縮手段2においては、原子炉冷却水中の各種金属イ
オンの濃縮を行なう。
濃縮手段2で濃縮された各種金属イオンは、溶離手段
3によって濃縮手段2から取り出される。
この各種金属イオンは分離手段4へ移送されて成分毎
に分離される。
成分毎に分離された各種金属イオンは、検出手段5に
おける試薬との反応により検出される。
[実施例] 次に、この考案の実施例を示し、この考案についてさ
らに具体的に説明する。
第2図に、この考案の原子炉冷却水の金属分析装置の
一例を示す。
この実施例において、抽出試料はサンプル入口弁11を
経て計量槽12へ導かれる。
計量槽12は、所定量の抽出試料を計量する槽であり、
所定量を超えた抽出試料はオーバーフロー自動弁61を経
てオーバーフロー管62から排出される。
所定量に計量された抽出試料は、サンプル出口弁13を
経て溶解槽14へ至る。
一方、微量の金属成分を含有する懸濁液である抽出試
料を溶解する溶解試薬は、溶解試薬槽15から試薬注入ポ
ンプ16を経て溶解槽14へ注入される。
溶解試薬としては、たとえばチオグリコール酸溶液が
挙げられる。チオグリコール酸溶液によって懸濁鉄が溶
解するからである。
溶解槽14は、抽出試料と溶解試薬とを一定の割合で混
合して、抽出試料中の金属成分を溶解する槽である。
この実施例において、溶解槽14は加熱器17を備えるも
のであり、抽出試料中の金属成分は溶解試薬とともに加
熱されて溶解し、イオン化する。
得られたイオン化試料はイオン化試料出口弁18を経て
サンプルポンプ19により濃縮カラム21へ圧送される。
サンプルポンプ19と濃縮カラム21との間には切替弁81
が設けてある。
この切替弁81は、サンプルポンプ19から圧送されるイ
オン化サンプルの流路をバイパス管91および濃縮カラム
導入管92のいずれかに設定するものである。
また、切替弁81には溶離液ポンプ31および溶離液槽32
へ通ずる溶離液導入管33が接続してある。
溶離液槽32内には溶離液が貯えられている。
この溶離液は、濃縮カラム21内で濃縮された各種金属
イオンを溶離するものであり、具体的には、たとえば2,
6−ピリデンジカルボン酸(PDCA)を好適に用いること
ができる。
溶離液槽32から溶離液ポンプ31を経て切替弁81に至っ
た溶離液は切替弁81により、濃縮カラム21またはバイパ
ス管91へ送られる。
バイパス管91は切替弁82に接続されている。
切替弁82は濃縮カラム21から排出される各種金属イオ
ンの流路を分離カラム導入管93および排出管94のいずれ
かに設定するとともに、バイパス管91から導入される溶
離液またはイオン化試料の流路を分離カラム導入管93お
よび排出管94のいずれかに設定するものである。
すなわち、分離カラム41へ導入される各種金属イオン
および/または溶離液が所定量を超えた場合には、切替
弁81および/または切替弁82の操作により排出管94から
排出可能である。
分離カラム41内には、イオン交換樹脂が充填されてい
る。
各種金属イオンは、分離カラム41内を成分毎に異なる
速度で通過して、反応器51へ導入される。
一方、反応器51には発色剤供給槽52が接続してある。
すなわち、分離カラム41から反応器51へ導入された各
種金属イオンと、発色剤供給槽52から反応器51へ供給さ
れた発色剤とは、反応器51内で混合されて発色する。
発色剤としては、たとえば4−(2−ピリジルアゾ)
レゾルシノール(PAR)、1−(2−ピリジルアゾ)−
2−ナフトール(PAN)などが挙げられる。この考案に
おいては、特に4−(2−ピリジルアゾ)レゾルシノー
ル(PAR)を好適に用いることができる。
すなわち、原子炉冷却水の金属分析装置においては検
出すべき金属イオンとして、たとえば、Fe、Co、Niなど
が予想され、4−(2−ピリジルアゾ)レゾルシン(PA
R)は、これらの金属イオンの比色試薬として好適だか
らである。
反応器51内での発色に伴う吸収スペクトル中のピーク
により、各種金属イオンの同定を行なう。
この同定には検出器53を用いる。
検出器53としては、たとえば紫外可視分光光度計が挙
げられる。
このようにして分析された試料は、検出器63に接続し
た試料排出管95から排出される。
なお、この考案の分析装置においては、チタン管を用
いて配管を行なうことが好ましい。
チタン管の形成材料であるチタンは溶出しにくいとと
もに、各種金属イオンが吸着しにくいという特性を有す
るので、この考案の分析装置による分析結果に悪影響を
及ぼしにくいからである。
[考案の効果] この考案によると、 (1)微量の金属成分を含有する懸濁液である抽出試料
を溶解してイオン化する懸濁液溶解手段と、懸濁液溶解
手段から取り出したイオン化試料を濃縮する濃縮手段と
を有するので、従来の分析装置に比較して短時間のうち
に、試料の採集を行なうことができ、 (2)しかも、濃縮手段から各種金属イオンを溶離する
溶離手段およびこの溶離手段によって溶離した各種金属
イオンを成分毎に分離する分離手段さらには各種金属イ
オンを検出する検出手段における反応および操作が短時
間のうちに進行するので、分析頻度の向上を図ることが
できるとともに、 (3)所謂手分析を排することができるので、たとえば
従来の装置においてフィルタの取扱時に被曝の危険性が
伴うという問題を解消することができて、 (4)安全、かつ高精度の分析が可能である、等の利点
を有する原子炉冷却水の金属分析装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この考案の原子炉冷却水の金属分析装置の概
略を示す概念図であり、第2図は、この考案の実施例を
示す説明図であり、第3図は、従来の原子炉冷却水の金
属分析装置の一例を示す説明図である。 1……懸濁液溶解手段、2……濃縮手段、3……溶離手
段、4……分離手段、5……検出手段。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉冷却水の抽出試料と溶解試薬とを一
    定の割合で混合して前記抽出試料中の金属成分をイオン
    化する懸濁液溶解手段と、前記懸濁液溶解手段から取り
    出したイオン化試料を濃縮する濃縮手段と、前記濃縮さ
    れたイオン化試料中の金属イオンを溶離する溶離手段
    と、前記溶離手段によって溶離した各種金属イオンを分
    離する分離手段と、分離された各種金属イオンと試薬と
    の反応により各種金属イオンを検出する検出手段とを備
    えることを特徴とする原子炉冷却水の金属分析装置
JP1988072597U 1988-05-30 1988-05-30 原子炉冷却水の金属分析装置 Expired - Lifetime JP2533585Y2 (ja)

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