JP2533548Y2 - 繊維材料を摩砕することによってパルプを製造する摩砕装置の摩砕板 - Google Patents

繊維材料を摩砕することによってパルプを製造する摩砕装置の摩砕板

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JP2533548Y2
JP2533548Y2 JP1994001653U JP165394U JP2533548Y2 JP 2533548 Y2 JP2533548 Y2 JP 2533548Y2 JP 1994001653 U JP1994001653 U JP 1994001653U JP 165394 U JP165394 U JP 165394U JP 2533548 Y2 JP2533548 Y2 JP 2533548Y2
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ニルス・ヴイルヴイング
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サンドス・デフイブレエター・アクチボラグ
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、摩砕物を離解( disin
tegration )するため、表面上に摩砕物の運動方向に延
びる溝状構造を備えた摩砕面に対して摩砕物を押付ける
一方、摩砕作業中に発生する蒸気の圧力を摩砕面に沿っ
て上昇させることにより、摩砕装置の摩砕区域内で繊維
材料のような摩砕物からパルプを製造するための摩砕板
に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維材料が例えばディスク型の摩砕装置
内で摩砕されるとき、摩砕装置に大きい動力が加えられ
るため、摩砕作業中に水蒸気または他の蒸気が発生し、
摩砕円板の複数の摩砕部分の間に高い蒸気圧力が生じる
ことは従来から知られている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】上記のように摩砕部分
の間に高い蒸気圧力が生じると、いくつかの不都合が起
こる。蒸気圧力は、とくに摩砕円板の外周部で高い軸線
方向の力を発生し、この力は堆積物を形成する等のため
摩砕装置構造物に負荷を加え、また摩砕部分がそれらの
平行度を失う程摩砕円板を湾曲させる。他の欠点は摩砕
物、すなわち繊維材料から生ずる蒸気の影響である。こ
うして蒸気圧力は一般に、摩砕溝内で、摩砕溝の内周か
ら摩砕円板の外側のある圧力中心点まで増大し、その後
摩砕円板の外周に向かって再び下降する曲線に従って変
化する。蒸気の一部は、摩砕物の運動方向とは反対にこ
の圧力中心から摩砕円板の中心に戻るように流れる傾向
があり、一方蒸気の他の部分は、この圧力中心から繊維
材料を引っ張りながら摩砕円板の外周部に向かって外側
に噴流し、従って繊維材料はしばしば充分に離解されな
い状態で摩砕円板を離れる。上記のような摩砕工程にお
いて、別の点において、この摩砕工程を妨害しまたは工
程に悪影響を及ぼすことなく、パルプのこの流出を防止
しなければならないという問題があった。上記の問題点
に鑑み、本考案は、繊維材料が十分に加工されない状態
で排出するのを防止する摩砕板を提供することを目的と
している。本考案の別の目的は、他の点において、摩砕
工程としての条件が妨害されないように、摩砕面の負荷
を増大させない摩砕板を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案の繊維材料のような摩砕物のパルプを製造す
るための摩砕板は、摩砕物を離解するために、表面上に
摩砕物の運動方向に延びる溝状構造を備えた摩砕面を備
え、摩砕作業中に蒸気が発生し、この蒸気は摩砕物が摩
砕面を通過している間に最大圧力に達するように構成さ
れた摩砕装置の摩砕板において、前記摩砕面の溝状構造
を蒸気圧が最大になる限定された領域で縮小させ、前記
領域を最大圧力点の両側に均一に配置し、かつ10〜50mm
の幅をもたせたことを特徴としている。
【0005】
【実施例】以下、本考案の方法を実施するための装置を
示す添付図面を参照して、本考案をさらに詳しく説明す
る。図面において、図2の符号10は摩砕装置に回転可
能にまたは固定して据え付け得る支持板を示している。
図2に示す断面図は、環状の摩砕または支持板10を通
る半径方向断面図で、その回転軸線は図2の断面図の左
側に位置する。支持板10は一側部に3つの区域すなわ
ち、内側区域12,中間区域14および外側区域16に
分割された摩砕部分を有し、これらの区域は溝状構造を
備え、かつ対向する摩砕板(図示せず)の摩砕部分と共
に摩砕溝を画定し、摩砕材料は板の内側区域から外側区
域へ通過する間にこの溝内で加工される。この加工を可
能にするために、内側区域には最初に繊細材料を砕くた
めの粗大な溝状構造12が設けられ、一方中間区域14
は繊維材料を粗加工するためいく分細かいがまだかなり
粗い溝状構造を有し、最後に、外側区域16は細かい溝
状構造を有し、繊維材料が支持板10の外周部、即ち図
2の右手端部の仮想摩砕溝を離れる前に、材料を最終的
に細かく加工する。勿論、摩砕区域の数は、ここに記載
した実施例よりも多くても少なくても良い。
【0006】とくに1段摩砕において、押し付けられる
大きな力のために、繊維材料に付随する水分から発生す
る蒸気によって摩砕溝内に高い蒸気圧が発生する。これ
により軸線方向に大きい力が発生する。良好なパルプ品
質、少量の結束繊維量およびパルプ内の大きい力を得る
ために、摩砕部分には全体的に細かく溝状構造が設けら
れかつダム(滞留部)を設置されなければならない。と
くに外側区域16における溝状構造の寸法と細かさは、
摩砕部分が働きかつ後方に流れる蒸気量、有効な軸方向
の負荷およびリファイナの全体的な安定性によって実際
上限定されるリファイナ構造によって決定される。摩砕
部分に所望の細かさの溝状構造を設けることは、これが
摩砕円板とリファイナを過負荷状態にし、さもなければ
押し付ける動力が減少した場合能力が低下するので、格
別の方策なしには可能でない。
【0007】まったく一般的に、摩砕区域における蒸気
圧曲線が図1に示された態様を有することが分かり、こ
の曲線は図2の摩砕板に対応する。こうして、材料が破
砕されかつ離解される区域12から2つの対向する摩砕
部分間の摩砕溝内の圧力は、粗い内側区域14内の作業
中急激に上昇し、最終的に、細かな外側区域16の摩砕
部分に沿うある点で最大圧力に達し、その後、摩砕溝の
出口方向、即ち摩砕板10の外周部で再度降下すること
が分かった。かくして、蒸気圧力曲線は圧力ピーク、即
ち圧力中心を示し、また、図1にCで示されるこの圧力
中心の内側を形成しているすべての蒸気は、摩砕溝の入
口に向かって逆流し、一方残りの蒸気量は摩砕溝の出口
の方向に通過することが知られている。それ故、もし細
かな区域16における溝状構造の密度が高ければ、蒸気
圧力と蒸気速度が増大し、そこで使用し得る溝状構造の
密度を実質的に制限する。
【0008】本考案によれば、前記圧力中心のおよその
位置が分かり、かつ摩砕部分の溝状構造がこの区域16
の周りの限定された領域でダム即ち狭い溝状構造によっ
て縮小されるならば、この領域における蒸気速度が実質
的に零になるので、蒸気流の認識し得る混乱なしに、繊
維を砕き得ることが分かった。かくして繊維材料は細か
な溝状構造により砕かれ、また蒸気流によって押出され
ることなく、摩砕溝を離れる前に充分に処理されるであ
ろう。摩砕工程または蒸気流の状態を混乱させないため
に、細かい溝状構造の区域を比較的小さな幅、即ち10〜
50mm、望ましくは20〜30mm程度に制限することが好まし
い。本考案の摩砕板による繊維材料の摩砕は、軸方向の
負荷がとくに注意する程には増加しないように実施さ
れ、このことはリファイナの安定性を考慮するとき大き
な利点があり、かつ摩砕板10の間に平行な摩砕溝の保
持を可能にする。
【0009】本考案による摩砕部分の一例は、図2と図
3に示されているが。これらの図から通常の摩砕部分と
比較して、摩砕部分には圧力中心Cの位置に一層細かい
パターンが配備され、このより細かいパターンは図2に
示すように、さらに材料の所望の制動を達成するための
ダム18を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2に断面図で示された摩砕部分に沿う圧力変
化を示す、仮想蒸気圧曲線の線図である。
【図2】図3に示す摩砕部分の断面図である。
【図3】ディスク型の摩砕装置に用いる本考案による摩
砕部分の平面図である
【符号の説明】
10 摩砕装置の支持板 12 内側区域 14 中間区域 16 外側区域 18 ダム C 圧力中心

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摩砕物を離解するために、表面上に摩砕
    物の運動方向に延びる溝状構造が設けられた摩砕面を備
    え、摩砕作業中に蒸気が発生し、この蒸気は摩砕物が摩
    砕面を通過している間に最大圧力に達するように構成さ
    れた摩砕装置の摩砕板において、溝状構造の断面積を
    気圧が最大になる限定された領域で縮小させ、前記領域
    を最大圧力の両側に均一に配置し、かつ10〜50mmの幅
    をもたせたことを特徴とする繊維材料を摩砕することに
    よってパルプを製造する摩砕装置の摩砕板。
JP1994001653U 1994-03-07 1994-03-07 繊維材料を摩砕することによってパルプを製造する摩砕装置の摩砕板 Expired - Lifetime JP2533548Y2 (ja)

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JPH0683796U JPH0683796U (ja) 1994-11-29
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