JP2532911B2 - 有用細菌の腸内定着を促進する組成物 - Google Patents

有用細菌の腸内定着を促進する組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ヒトまたは動物における有用細菌の腸内定
着の促進および向上に関し、詳しくは、ヒトまたは動物
における有用細菌の腸内定着を促進する組成物に関す
る。
本発明の有用細菌の腸内定着を促進する組成物は、ヒ
トまたは動物の健康の維持に利用することができ、また
ヒトまたは動物における下痢の発生の抑制および予防に
利用することができる。
〔技術の背景および従来技術の説明〕
ビフィズス菌および乳酸菌がヒトまたは動物の腸内に
生息し、ヒトまたは動物の腸管の正常な機能の遂行に有
用な細菌であることは、これまでに広く知られており、
ビフィズス菌および乳酸菌がヒトまたは動物の腸内に定
着して生息することによって、その宿主のヒトおよび動
物の腸管が正常に活動して、そのヒトおよび動物の健康
を維持するのに効果のあることが既に確認されている。
そのメカニズムは、ヒトおよび動物の腸管に定着して生
息するビフィズス菌または乳酸菌が代謝において有機酸
(特にビフィズス菌の場合は、酢酸)を、ヒトおよび動
物の腸内に生成し、その有機酸がヒトおよび動物の腸内
の好ましくない細菌のウエルシュ菌や病原性大腸菌など
の生育を抑制し、腸管内の食料の異常発酵や腐敗を防止
することにあると考えられている。
この観点より、ビフィズス菌や乳酸菌の有用細菌をヒ
トおよび動物の腸管に補給するために、これらの有用細
菌の生菌体を含む食料や飼料などの多くの物が、これま
でに開発されてきた。しかしながらこれらの有用細菌の
生菌体を含む食料や飼料を摂取しても満足すべき生理的
効果を発揮することが困難であることの多いのが実情で
ある。それは、これらの生菌体を含む食料や飼料をヒト
および動物が摂取しても、ヒトおよび動物の腸内に、ヒ
トおよび動物と共存しうる多数の細菌群が生息している
ために、食料や飼料とともに摂取した有用細菌の生菌が
ヒトおよび動物の腸管に定着することが難かしく、これ
らの生菌体はヒトおよび動物の腸内を単に通過するか、
または失活することが多いと考えられている。
微生物は、与えられた環境の条件に適応する種のもの
が繁殖し、定着する特性を有するから、ヒトおよび動物
の腸内を、これらの有用細菌が生育し、定着しうる条件
に整えることが考えられるが、ヒトおよび動物の腸内の
条件を、ヒトおよび動物の健康を損なうことなく、変更
することは事実上不可能なことである。それはヒトおよ
び動物も、その腸内の条件を最適の条件として生きてい
るからである。
一方において、脱脂乳をH型イオン交換体と接触し
て、脱脂乳に含まれる鉄結合蛋白質をH型イオン交換体
に吸着させ、そのイオン交換体からこれに吸着した鉄結
合蛋白質を食塩水で溶離し、その溶離液から鉄結合蛋白
質のラクトフェリンを分離採取することが提案されてい
る(昭和62年特許願第122548号)。
本発明者らは、ヒトおよび動物の腸内に有用細菌を定
着させることを企図して研究を続けたが、その研究にお
いてラクトフェリンがビフィズス菌や乳酸菌の有用細菌
をヒトおよび動物の腸内に定着するのに、有効であるこ
とを見出し、この知見に基づいて本発明に到達した。
〔発明の目的および発明の要約〕
本発明の目的は、ヒトまたは動物に投与される有用細
菌をヒトまたは動物の腸内に定着するのに有効な組成物
を提供することにある。
本発明は、ビフィズス菌および/または乳酸菌からな
る有用細菌の生菌菌体、ならびにラクトフェリンからな
ることを特徴とする有用細菌の腸内定着を促進する組成
物である。
本発明の有用細菌の腸内定着を促進する組成物は、体
重1Kg当り、106/日以上の有用細菌の生菌、および1mg/
日以上のラクトフェリンの量において、ヒトおよび動物
に投与し、それによってビフィズス菌および/または乳
酸菌の有用細菌は、ヒトおよび動物の腸内に定着するこ
とができる。
本発明の有用細菌の腸内定着を促進する組成物におい
て、ラクトフェリンをラクチュロース、フラクトオリゴ
酸、ラクトパーオキシダーゼまたはリゾチームとともに
配合し、それによってビフィズス菌および/または乳酸
菌の腸内における定着率を向上することができる。
〔発明の具体的な説明〕
本発明における「有用細菌」は、ヒトまたは動物の消
化管に共存してヒトまたは動物の生存に有益な効果をも
たらす細菌であって、ビフィズス菌および乳酸菌が代表
的なものである。ビフィズス菌は、ビフィドバクテリウ
ム属に属し、ヒトまたは動物の腸管に広く生息する細菌
であるが、ヒトに対して使用する場合は、ヒト由来のビ
フィズス菌を使用するのが好ましく、また動物に対して
使用する場合は、その動物由来のビフィズス菌を使用す
るのが好ましい。乳酸菌は、ラクトバチルス属またはス
トレプトコッカス属に属する細菌がその主なものであ
る。ビフィズス菌および乳酸菌以外の細菌であっても、
ヒトまたは動物の消化管に共存して、ヒトまたは動物の
生存に有益な効果をもたらす細菌であるならば、本発明
における「有用細菌」として使用することができる。例
えば、バチルス属(Bacillus)に属する細菌であって
も、これを使用し、またはビフィズス菌または乳酸菌と
併用することができる。
本発明における有用細菌の生菌粉末は、上記の菌種の
前培養を、常法によって大量培養した後、その菌体液に
分散媒を加えて凍結乾燥することによって調製すること
ができる。
本発明における「ラクトフェリン」は牛乳または人乳
中に存在する無害で天然の鉄結合蛋白質であって、穏や
かな制菌力を有するものである。ラクトフェリンの粉末
は、牛乳または人乳から吸着樹脂を用いて分離精製し、
凍結乾燥して粉末化することによって製造することがで
きる。例えば、特願昭62−125548号の明細書に開示され
た方法により製造されたものを使用することができる。
本発明の有用細菌の腸内定着を促進する組成物を、ヒ
トまたは動物の体重1Kg当り、106個/日以上の有用細菌
の生菌体および1mg/日以上の量割合でラクトフェリンを
投与することによって投与された有用細菌の腸内定着率
を向上することができる。有用細菌の生菌体およびラク
トフェリンからなる本発明の組成物とともに、公知のビ
フィズス菌増殖促進物質(ビフィズス因子)、たとえば
ラクチュロースまたはフラクトオリゴ糖を併用投与する
と、ビフィズス菌の腸内定着率をさらに向上することが
できる。さらに制菌効果を有するラクトパーオキシダー
ゼまたはリゾチームを併用して、有用細菌の腸内定着の
改善を図ることもできる。
本発明の有用細菌生菌体およびラクトフェリンからな
る組成物は、粉末、錠剤および液剤のいずれの状態にお
いても、ヒトおよび動物に投与することができるが、食
料または飼料に添加して投与することもできる。本発明
の有用細菌の腸内定着を促進する組成物は、粉末状混合
物、錠剤形組成物および液状組成物のいずれの形態のも
のであってもよく、また有用細菌の生菌およびラクトフ
ェリンが食料、飼料、飲料または栄養剤に添加された状
態の組成物とすることもできる。本発明の有用細菌の腸
内定着を促進する組成物において、有用細菌の生菌およ
びラクトフェリンを粉末混合物および錠剤形組成物とす
るときに、組成物1g当り、107個以上の有用細菌の生菌
数および10mg以上のラクトフェリン量とするのが好まし
い。
以下において、試験例および実施例により本発明をさ
らに詳しく説明する。
試験例 1 ビフィドバクテリウム・ロンガムM−8201の成年男子
における腸内定着率に及ぼすラクトフェリンの影響につ
いて試験を行なった。
(1)試料の調製 (1−1)試料1(U−P) 実施例1の製品。
(1−2)試料2(S−P) 実施例1の製品の配合比率におけるラクチュロース
(U)の代りに乳糖(S)を使用した製品。
(1−3)試料3(U−S) 実施例1の製品の配合比率におけるラクトフェリン
(P)の代りに乳糖(S)を使用した製品。
(1−4)試料4(S−S) 実施例1の製品の配合比率におけるラクチュロースお
よびラクトフェリンの代りに乳糖(S)を使用した製
品。
(2)試験方法 腸内菌そうの検査を行なって、ビフィドバクテリウム
・ロンガムM−8201を常在菌としない成年男子(平均体
重:63Kg)を選び、試験のパネラーとした。
パネラーの成年男子16名を、各4名の4群に分け、各
群のパネラーに第1表に示す試料を、1人1日当り2.5g
ずつ、2週間投与した。投与開始から7日後、10日後、
14日後および21日後に、各パネラーの糞便(検査サンプ
ル)における菌そうを調べ、ビフィドバクテリウム・ロ
ンガムM−8201の検出を行ない、ビフィドバクテリウム
・ロンガムM−8201が検出された検査サンプルの全検査
サンプルに対する百分率(%)を検出率として算出し
た。
(3)試験の結果 第1表に示すとおりであった。
(4)考 察 第1表によると、グループ1および2の検出率は、グ
ループ3および4の検出率を大きく上廻っていることか
ら、ラクトフェリンの投与がビフィドバクテリウム・ロ
ンガムM−8201(ビフィズス菌)の腸内定着率を向上す
るのに有効であることがわかる。またグループ1および
グループ2の検出率の差から、ラクトフェリンをラクチ
ュロースとともに投与することはビフィズス菌の腸内定
着率の向上にさらに有効であることがわかる。
(5)試験の補足およびその結果 試験例1ではビフィズス菌の菌体は、パネラーの1人
・1日当り12×108個投与され、またラクトフェリン
は、パネラー1人・1日当り225mg投与された。
ビフィズス菌の菌体数およびラクトフェリンの投与量
をそれぞれ独立して変化した試験を行なったが、その試
験の結果によると、パネラーの糞便中のビフィズス菌の
検出率を50〜60%以上にするには、体重1Kg当りビフィ
ズス菌の菌体を106個/1日以上およびラクトフェリンを1
mg/1日以上投与する必要のあることがわかった。
試験例 2 ラクトバチルス・アシドフィルスの子豚における下痢
発生の予防に及ぼすラクトフェリンの影響について試験
を行なった。
(1)試料の調製 ラクトバチルス・アシドフィルスの菌体粉末は実施例
2で得たもの(生菌数:150×108/g)を使用し、その0.1
g(生菌数:15×108)/1日を飼料に添加した。
ラクトフェリンは実施例1で得たものを使用し、その
10mg/1日を飼料に添加した。
(2)試験方法 生後4〜5日のランドレース種子豚(平均体重:460
g)40頭を第2表に示すとおり、対照区(13頭)、試験
1(M)区(16頭)および試験2(M−P)区(11頭)
の3群に分け、下記の条件の投与を7日間行ない、下痢
の発生状況の観察を1ケ月間継続した。
対照区:基準飼料だけで飼育し、ラクトバチルス・アシ
ドフィルスの菌体粉末およびラクトフェリンは全く投与
しなかった。
試験1(M)区:実施例2で得たラクトバチルス・アシ
ドフィルスの菌体粉末を1頭・1日当り0.1g(生菌数:1
5×108)7日間基準飼料とともに給飼した。
試験2(M−P)区:実施例2で得たラクトバチルス・
アシドフィルスの菌体粉末を1頭・1日当り0.1g(生菌
数:15×108)および実施例1で得たラクトフェリンを1
頭・1日当り10mg、7日間基準飼料とともに給飼した。
(3)試験の結果 第2表に示すとおりであった。
(4)考 察 第2表によると、ラクトバチルス・アシドフィルスの
菌体粉末の投与は、子豚の下痢の発生の抑制に効果があ
るが、ラクトバチルス・アシドフィルスの菌体粉末をラ
クトフェリンとともに投与することは、その効果を増大
し、子豚の下痢の発生の予防に有効であることがわか
る。
第2表の試験1(M)区と試験2(M−P)区におけ
る下痢発生頭数の差は、ラクトフェリンの投与によりラ
クトバチルス・アシドフィルスの腸内定着率の向上によ
ると考えられる。
(5)試験の補足およびその結果 試験例2では、ラクトバチルス・アシドフィルスの菌
体は、1頭・1日当り15×108、そしてラクトフェリン
は1頭・1日当り10mg投与された。
ラクトバチルス・アシドフィルスの投与量(菌体数)
およびラクトフェリンの投与量を、それぞれ独立して変
化した試験を行なったが、その試験の結果によると、子
豚の下痢の発生を抑制するのに必要なラクトバチルス・
アシドフィルスの菌体数は、1頭・1日当り106個以上
であり、子豚の下痢の発生を予防するのに必要なラクト
フェリンの投与量は、1頭・1日当り1mg以上であるこ
とがわかった。
実施例 1 (ビフィズス菌の菌体粉末の調製) ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium
Longum)M−8201(微工研研寄第6548号)をブリッグス
・リバー・ブロスにおいて10代継代培養した後、グルコ
ース、酵母エキス、ペプトンおよびリン酸塩よりなる合
成培地50に接種し、37℃において14時間大量培養し
た。培養物を遠心分離して、菌体を集菌し、得られた菌
液1にグルタミン酸100gおよびショ糖50gを含む分散
媒500mlを加え、これを凍結乾燥した。得られた菌体粉
末275gに乳糖2Kgおよび乾燥コーンスターチ2.5Kg加え、
混合して、倍散し、ビフィドバクテリウム・ロンガムの
菌体粉末(生菌数:100×108/g)4.7Kgを得た。
(ラクトフェリン粉末の調製) イオン交換基としてカルボキシメチル基を有し、ヘモ
グロビン吸着能力が6.1g/100ml、および体積変化が1.0
のCMセファロースFF(ファルマシア製)25をカラムに
充填し、これに0.1N HCl 50を通液した後、水洗して
H型のイオン交換体を調製した。
このH型のイオン交換体をカラムから取り出し、その
H型のイオン交換体を、pH:6.7の生の牛の脱脂乳2500
に投入し、4℃において6時間攪拌して、H型のイオン
交換体を牛の脱脂乳とよく接触させた後、濾過してイオ
ン交換体を分離除去した。イオン交換体を除去した牛の
脱脂乳のpHは6.7であって、変化しておらず、また外観
および風味などにも全く変化がなかった。
牛の脱脂乳から取り出したイオン交換体は、再度カラ
ムに充填し、このカラムに水を通液して、イオン交換体
に付着した牛の脱脂乳を除去した後、そのカラムに10%
食塩水を5/時の割合で通液して、イオン交換体に吸
着した成分を脱離し、その回収液125を得た。
この回収液122を、分画分子量が20000のDDS社製限
外濾過膜を装置したラボモジュールにおいて、循環流量
が8/分および平均圧力が30Kg/cm2の条件下に限外濾
過し、次に水を加えて、ダイアフイルトレーションを行
ない、食塩を除去した後、この食塩を除去した濃縮液を
凍結乾燥して、凍結乾燥品102gを得た。この凍結乾燥品
のラクトフェリンの含有比率は95%(重量)であった。
(有用細菌の腸内定着促進組成物) 上記で得たビフィドバクテリウム・ロンガムの菌体粉
末およびラクトフェリン粉末を使用し、下記の配合比率
において市販のラクチュロース、乾燥コーンスターチ粉
末、リゾチームおよび脱脂粉乳と、V型混合機において
均一に混合して、有用細菌の腸内定着促進組成物を得
た。
(配合比率) ビフィドバクテリウム・ロンガムの菌体粉末 (生菌数:100×108/g) 50g ラクトフェリン粉末(純度:95%) 100g ラクチュロース粉末(純度:90%) 500g 乾燥コーンスターチ 150g リゾチーム 5g 脱脂粉乳 195g 合計 1000g この有用細菌の腸内定着促進組成物を防湿小袋に分包
し、2.5g入りの分包製品360個を得た。
この分包製品1g当り、ビフィドバクテリウム・ロンガ
ムM−8201の生菌4.8×108個およびラクトフェリン90mg
を含有していた。
(製品の評価) この分包製品一包(2.5g)を、成年男子(体重:50K
g)に1日1包ずつ2週間投与した。その糞便中の投与
菌の検出菌数は次のとおりであった。
上記の結果によると、実施例1の製品は、有用細菌の
腸内定着率の向上に有効であることがわかる。
実施例 2 未殺菌の新鮮な牛乳から得られたラクトバチルス・ア
シドフィルスを使用し、実施例1と同様にして、生菌数
が150×108/gの乳酸菌の菌体粉末3.7Kgを得た。
この乳酸菌(ラクトバチルス・アシドフィルス)の菌
体粉末、実施例1と同様にして調製したラクトフェリン
の粉末および下記の材料を、実施例1と同様にして、混
合した。
(配合比率) ラクトバチルス・アシドフィルスの菌体粉末 100g ラクトフェリン粉末(純度:95%) 50g 乾燥コーンスターチ 100g デキストリン 100g 脱脂粉乳 620g アスコルビン酸ナトリウム(市販) 30g 合 計 1000g 上記の混合物800gを融点30〜32℃の植物油脂200gと混
合し、充分に混練した後、その混合物を0.5mmの径の押
出孔を有する小型スクリーン式押出造粒機により造粒し
て、造粒物940gを得た。この造粒物を16メッシュのシフ
ターを通した後、防湿スティック包装(1.5g入り)に分
包して、防湿スティック包装製品(1.5g入り)500個を
得た。
この防湿スティック包装製品は、1g当り、ラクトバチ
ルス・アシドフィルスの生菌14×108個およびラクトフ
ェリン47mgを含有していた。
この防湿スティック包装製品を、2日間下痢症状を呈
していた成年男子(体重:60Kg)に、1日1回1袋ずつ
投与し(注、体重1Kg当り、3.5×107個の乳酸菌菌体数
およびラクトフェリン1.17mgの投与に相当する)、その
経過を観察した。
3日後に、下痢症状がなくなり、正常の便性に回復し
た。
実施例 3 ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium
breve)(ATCC 15700)を使用し、実施例1と同様にし
て、生菌数が400×108/gのビフィドバクテリウム・ブレ
ーベの菌体粉末を得た。
これとは別に、ストレプトコッカス・フェカリス(St
reptococcus faecalis)SFA−05を使用し、実施例1と
同様にして、生菌数が200×108/gのストレプトコッカス
・フェカリスの菌体粉末を得た。
このビフィドバクテリウム・ブレーベの菌体粉末、ス
トレプトコッカス・フェカリスの菌体粉末、実施例1と
同様にして調製したラクトフェリンの粉末および下記の
材料を、V型混合機において均一に混合して、有用細菌
の腸内定着促進組成物を得た。
(配合比率) ビフィドバクテリウム・ブレーベの菌体粉末 (生菌数:400×108/g) 200g ストレプトコッカス・フェカリスの菌体粉末 (生菌数:200×108/g) 100g ラクトフェリン粉末(純度:95%) 200g ラクトパーオキシダーゼ (含量:0.12%) 50g 乾燥コーンスターチ 50g 脱脂粉乳 150g デキストリン 250g 合 計 1000g この有用細菌の腸内定着促進組成物をカプセルに分包
し、280mg入りのハードカプセル3200個を得た。このカ
プセル中の1g当り、ビフィドバクテリウム・ブレーベの
生菌7.6×109個、ストレプトコッカス・フェカリスの生
菌1.8×109個、およびラクトフェリン176mgを含有して
いた。
このカプセルを、慢性的な下痢症状を呈している4才
の女児(体重:16Kg)に、1日当り3カプセルずつ
(注、1日体重1Kg当り、3.9×108のビフィドバクテリ
ウム・ブレーベの菌体量およびラクトフェリン9.2mgの
投与に相当する)投与したところ、便性が軟便から正常
に変化し、1ケ月後に完全な正常便になった。
実施例 4 牛の糞便より分離したビフィドバクテリウム・シュー
ドロンガム(Bifidobacterium pseudolongum)を使用
し、実施例1と同様にして、生菌数が100×108/gのビフ
ィドバクテリウム・シュードロンガムの菌体粉末2.6Kg
を得た。
このビフィドバクテリウム・シュードロンガムの菌体
粉末、実施例1と同様にして調製したラクトフェリンの
粉末および子牛用代用乳を下記の割合で均一に混合し
て、有用細菌の腸内定着促進組成物を得た。
(配合比率) ビフィドバクテリウム・シュードロンガムの菌体粉末
(生菌数:100×108/g) 1.5Kg ラクトフェリン粉末(純度:95%) 0.4Kg 子牛代用乳(粉末) 998.1Kg 合 計 1000 Kg この有用細菌の腸内定着促進組成物は、Kg当り、1.5
×1010個のビフィドバクテリウム・シュードロンガムの
生菌およびラクトフェリン400mgを含有する。
この有用細菌の腸内定着促進組成物を、2〜3週令の
子牛6頭(平均体重:58Kg)に、1日当り520gずつ6〜
7週令まで投与したところ、その下痢発生率は16.9%で
あった。
これに対して子牛代用乳だけを投与した同週令の子牛
は、その下痢発生率が34.3%であった。
このことから、子牛の下痢予防にも有効であることが
わかる。
〔発明の効果〕
本発明の組成物は、ヒトまたは動物の腸内に有用細菌
を効果的に定着させることができ、またその有効成分の
ラクトフェリンは、天然食品の乳から取り出したもので
あるから、無害にして、安全である。
さらに、本発明の組成物によってもたらされる有用細
菌の腸内における定着は、腸内菌そうの乱れに基づく下
痢の発生の抑制および予防に有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−93534(JP,A) 特開 昭60−166619(JP,A) 特開 昭61−83131(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビフィズス菌および/または乳酸菌からな
    る有用細菌の生菌菌体、ならびにラクトフェリンからな
    ることを特徴とする有用細菌の腸内定着を促進する組成
    物。
  2. 【請求項2】前記生菌菌体および前記ラクトフェリン
    が、組成物1g当たり少なくとも、それぞれ107個および1
    0mg含有されている請求項1に記載の有用細菌の腸内定
    着を促進する組成物。
JP63045840A 1988-03-01 1988-03-01 有用細菌の腸内定着を促進する組成物 Expired - Lifetime JP2532911B2 (ja)

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