JP2532028B2 - Squid磁束計 - Google Patents

Squid磁束計

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JP2532028B2
JP2532028B2 JP5308540A JP30854093A JP2532028B2 JP 2532028 B2 JP2532028 B2 JP 2532028B2 JP 5308540 A JP5308540 A JP 5308540A JP 30854093 A JP30854093 A JP 30854093A JP 2532028 B2 JP2532028 B2 JP 2532028B2
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liquid helium
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CHODENDO SENSOR KENKYUSHO KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、心磁波、脳磁波、眼筋
磁場等の生体磁場計測、または、地磁気計測、あるいは
物質の帯磁率計測、さらには磁気的信号を伝送する通信
装置用のインターフェイス等に適したSQUID(Supe
rconducting Quantum Interference Device :超伝導量
子干渉デバイス)磁束計に関する。ここに、SQUID
とは、液体ヘリウムや液体窒素等により断熱容器(クラ
イオスタット等)内で低温状態に維持され、ループ内に
1又は複数のジョセフソン接合を含む超伝導ループであ
るSQUIDループに直流電流をバイアス電流として印
加して駆動し、このSQUIDループ内に、ピックアッ
プコイル(検出コイル)や入力コイル等を介して外部か
らの磁束を結合して印加すると、SQUIDループに周
回電流が誘起され、ループ内のジョセフソン接合におけ
る量子的な干渉効果により、印加された外部磁束の微弱
な変化を出力電圧の大きな変化に変換するトランスデュ
ーサとして動作することを利用して、微小磁束変化を測
定する素子である。
【0002】
【従来の技術】従来、SQUID磁束計は、SQUID
と、SQUIDを格納する容器と、このSQUID格納
容器内部の先端部(底部)に検出コイルを備え、このS
QUID格納容器内に液体ヘリウムを貯留させるなどし
て検出コイルとSQUIDを低温状態とした上で、検出
コイルの存在するSQUID格納容器の先端部を患者の
所定箇所に接近させるなどして生体磁場の測定を行なっ
ていた。しかし、上記のタイプのSQUID磁束計の場
合は、SQUIDの低温状態を維持するため、SQUI
D格納容器は、FRP(Fiber Reinforced Plastics :
繊維強化プラスティック)等により、外殻と内殻とを有
し外殻と内殻の間を真空状態とした一種の「魔法瓶」状
の格納容器の形に形成されていた。このため、磁束計格
納容器表面と検出コイルとの距離が、少なくとも2〜3
cmにもなってしまい、微小な磁場を対象とする生体磁
場測定においては、測定精度の点で非常に不利であっ
た。また、狭隘な箇所に挿入する必要がある場合などで
は、磁場測定が非常に困難であった。また、上記従来の
SQUID磁束計では、SQUIDの冷却剤である液体
ヘリウムを格納容器に貯留してSQUIDを冷却する方
式を採用していたため、磁場測定を行なうためには、S
QUID格納容器へ外部から液体ヘリウムを注入する時
間及びSQUIDが所定の温度まで冷却されるまでの時
間が必要であり、緊急に測定が必要な場合であっても、
迅速に測定を行なうことができない、という問題点があ
った。この問題点を解決するため、SQUID格納容器
を予め液体窒素等により冷却しておく「予冷」等も併用
されたが、その場合でも、実際の磁場測定にあたっては
SQUID格納容器内へ液体ヘリウムを注入する作業が
必ず必要であり、測定の迅速化にも限界があった。さら
に、上記従来のSQUID磁束計においては、SQUI
Dの冷却剤として液体ヘリウムを貯留する方式であるた
め、SQUID磁束計の底部を上方に向けるようなポジ
ションにすると、格納容器内に貯留された液体ヘリウム
内に外部から熱が流入し、液体ヘリウムが急速に気化し
液体ヘリウム内に気泡が発生するなどして格納容器外へ
ヘリウムガスが漏れたり、極端な場合には格納容器の破
損を生ずる危険がある、という問題点も抱えていた。上
記の問題を解消するため、冷却用の溝を設けた2枚の板
を貼り合わせ内部に冷却用の溝を形成した保持構造を構
成し、この保持構造の上に検出コイルやSQUIDを設
置して格納容器内に密閉し、外部の液体ヘリウムタンク
から格納容器内に液体ヘリウムを連続的に送り込み、上
記の冷却用溝内に液体ヘリウムを通して冷却した後、上
記の冷却の結果気化したヘリウムガスを連続的に排気す
る、という構成を採用したSQUID測定装置の冷却装
置が知られている(特開平4−321283号公報参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のSQU
ID測定装置の冷却装置の場合は、SQUIDの低温状
態を維持するための冷却剤が通る冷却用溝は、溝を有す
る2枚の板状要素を貼り合わせて構成されているので、
継目が生じ、この継目から冷却剤が漏れたり、外部の熱
が侵入するおそれがある、という問題点があった。ま
た、平面的に蛇行配置された冷却溝の総延長距離が相当
に長くなるので、液体ヘリウム等を送り込む以前に冷却
溝内に空気等が残存していると、残存空気中の窒素が液
体ヘリウム温度程度まで冷却されて凝固し、窒素の「氷
粒」となり、冷却溝の空間を閉塞させ冷却剤の「目詰
り」を起こしてしまう可能性も高い。さらに、上記のS
QUID測定装置の冷却装置は、1個の検出コイルと1
個の補償コイルとから成る「1次微分グラジオメータ」
を実施例に挙げているが、1個の検出コイルと2個の補
償コイルとから成る「2次微分グラジオメータ」を構成
しようとすると、2枚の冷却板内に配置された冷却溝の
総延長距離はさらに長くなるので、上記の欠点はさらに
顕著化し、その実現は非常に困難になる。本発明は、上
記の問題点を解決するためになされたものであり、継目
がなく、目詰りも起こり難い冷却剤送導路を有するSQ
UID磁束計を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係るSQUID磁束計は、液状の冷却剤を
貯留する冷却剤貯留容器と、当該冷却剤貯留容器内の液
状冷却剤を送導する可撓性を有する冷却剤送導路と、磁
場を測定する測定器と、前記冷却剤貯留容器から前記測
定器へ前記液状冷却剤を連続的に送導し、かつ排出させ
る冷却剤送排手段と、を有するSQUID磁束計であっ
て、前記測定器は、密閉された中空円柱状の格納容器
と、高熱伝導性物質により略円柱状に形成され内部に軸
方向の盲孔状開口部を有し前記格納容器内に1層の真空
層を介して格納される支持体と、当該支持体の先端部付
近に設けられる検出コイルと、前記支持体に取り付けら
れ前記検出コイルによって検出された外部磁束を電気的
データに変換するSQUIDと、前記盲孔状開口部内に
挿入配置され前記冷却剤送排手段により連続的に送られ
てくる冷却剤を当該盲孔状開口部内に循環させた後に前
記冷却剤送排手段により連続的に排出させることにより
前記支持体を冷却し熱伝導により前記検出コイル及びS
QUIDを冷却する冷却剤循環手段と、を備えて構成さ
れる。
【0005】
【作用】上記構成を有する本発明によれば、検出コイル
及びSQUIDを熱伝導により冷却するための支持体に
は継目がないため、冷却剤の漏洩、外部からの熱侵入等
の問題は生じない。また、測定器は、密閉された中空円
柱状の格納容器を有し、高熱伝導性物質により略円柱状
に形成され内部に軸方向の盲孔状開口部を有し格納容器
内に1層の真空層を介して格納される支持体の上記盲孔
状開口部内に冷却剤送排手段が挿入配置され、外部から
連続的に送られてくる冷却剤を冷却剤循環手段により盲
孔状開口部内に循環させた後に連続的に排出させること
により支持体を冷却し、熱伝導により検出コイル及びS
QUIDを冷却するようにしており、冷却剤は、略直線
状に延在する盲孔状開口部の先端部まで到達した後、冷
却剤送排手段の外部を後方へ流れる間に冷却を行なうの
で、冷却剤の「目詰り」が発生することは殆どない。ま
た、上記の冷却剤の送導経路は、1次微分グラジオメー
タと2次微分グラジオメータで変化はなく、どのような
形式の磁束計にも支障なく応用可能である。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面にもとづいて説
明する。図1に示すように、このSQUID磁束計1
は、冷却剤である液体ヘリウムLを貯留する冷却剤貯留
容器である液体ヘリウムタンク2と、液体ヘリウムを移
送するための可撓性を有する冷却剤送導路であるトラン
スファーチューブ3と、測定器4と、測定結果を出力す
る磁束計回路8と、加圧装置9を備えて構成されてい
る。図1においては、真空排気ポート26(後述)は、
気密型コネクタ14の背部に位置するため、図示されて
いないが、図2及び図5には図示されている。
【0007】上記の測定器4の構成を図2乃至図5に示
す。図に示すように、測定器4は、磁場を測定する検出
コイル11及びSQUID6を取り付ける支持体である
検出コイルボビン5内の液体ヘリウム導入路38に、冷
却剤循環手段であるヘリウム配管10の液体ヘリウム注
入口22を挿入し、この検出コイルボビン5全体を輻射
シールド12で覆い、SQUID6からの出力を配線1
3及び気密型コネクタ14を介して外部出力可能とし、
ヘリウム配管10から排出されるヘリウムガスGをヘリ
ウムガス排気用ポート16により外部排出可能とし、こ
れら全体を、真空層Vを内部に有する格納容器7とフラ
ンジ15により密閉することにより構成されている。
【0008】上記のヘリウム配管10は、液体ヘリウム
注入ポートと、この液体ヘリウム注入ポート21内に設
けられて液体ヘリウムLが導入される液体ヘリウム注入
口22と、この液体ヘリウム注入口22の先端部から噴
出され後方に向って流動しながらボビン5の冷却を行な
い徐々にガス化したヘリウムを導くヘリウムガス排気溝
23A及び23Bと、ガス排気用のヘリウムガス排気パ
イプ25及びヘリウムガス排気用ポート16を備えて構
成されている。
【0009】次に、図6乃至図8に基づき、支持体たる
検出コイルボビン5のさらに詳細な構成を説明する。検
出コイルボビン5は、高熱伝導性セラミックスにより継
目の無い略円柱状に形成され、その中心部には、冷却剤
である液体ヘリウムLを循環させるための円柱軸方向の
盲孔状開口部である液体ヘリウム導入路38が設けられ
ている。この液体ヘリウム導入路38内に、上記のヘリ
ウム配管10の液体ヘリウム注入口22が挿入され、こ
の液体ヘリウム注入口22と液体ヘリウム導入路38の
内壁面との間に、ヘリウムガス排気溝23Aが形成され
る。
【0010】また、検出コイルボビン5の周囲には、熱
の伝導等を絶縁するための真空層Vが形成されるが、こ
の真空度を保持するため、検出コイルボビン5の開口端
部には、取付用ネジ溝29のみが設けられており、この
ネジ溝29にヘリウム配管10を緊く螺合させることに
より気密性が保たれる。
【0011】検出コイルボビン5には、SQUID6を
取り付けるための配線基板31が設置可能なように、ボ
ビン外周面の一部を除去した形状で略平面状の部分5H
が形成されている。この平面部5Hは、SQUID6の
冷却効率を向上させるため、ボビン内部の液体ヘリウム
導入路38との距離が短くなるように、ボビンの肉厚を
薄く形成してある。また、配線基板31は、アルミナ等
を含むセラミックス等の高熱伝導性材料により形成され
ており、SQUID6の冷却効率をさらに高めている。
【0012】上記の平面部5H上に配線基板31を接着
するための接着剤、および配線基板31にSQUID6
を接着するための接着剤は、高熱伝導性を保つため、真
空グリース又は高熱伝導性接着剤を使用する。
【0013】上記のSQUID6からは、超伝導ボンデ
ィング34及び超伝導パッド35を経て、より線状のツ
イスト線36Aが導出され、検出コイルボビン5の周囲
を1回巻回する補償コイル37を形成し、さらにボビン
の先端付近に向ってツイスト線36Bが導出され、ボビ
ンの先端付近において検出コイルボビン5の周囲を1回
巻回する検出コイル11を形成している。検出コイル1
1と補償コイル37の巻回方向は逆方向となっている。
一方、上記のSQUID6からは、常伝導ボンディング
33及び常伝導パッドを経て、高抵抗(低熱伝導性)線
32a〜32fが導出され、気密型コネクタ14を経て
外部の磁束計回路8に接続し、SQUID6への入出力
を行なっている。上記の高抵抗線は、2本ずつより線を
形成している。上記において、高抵抗線を使用するの
は、外部からの熱の流入を防止するためであり、高抵抗
線に限定されるものではなく、例えば断面積の小さい銅
線等であってもよい。また、高抵抗線32a〜32fへ
の接続は、ハンダ付けでもよいし、コネクタ等を介して
行なってもよい。
【0014】上記の配線を行なうため、検出コイルボビ
ン5の外周面には、検出コイル11を収納するための円
周状の溝11C、補償コイル37を収納するための円周
状の溝37C、ツイスト線を収納するための縦方向の溝
36Cが形成されている。これらの溝のうち、検出コイ
ル溝11C及び補償コイル溝37Cは、超伝導線が1本
だけ収納可能な溝幅及び深さを有する溝であり、ツイス
ト線溝36Cは、よりあわせた2本の超伝導線を収納可
能な溝幅及び深さを有する溝である。ツイスト線溝36
Cは、配線基板31の近傍まで形成されている。
【0015】上記の各溝に沿ってコイルが巻回され、ツ
イスト線が設置される。そして、各パッド等との接続
は、ハンダ付けだけでなく機械的接続であってもよい。
また、各コイルやツイスト線は、検出コイルボビン5と
の間で高熱伝導性を保つため、真空グリースまたは高熱
伝導性接着剤を介して検出コイルボビン5に固定または
接着されている。
【0016】上記においては、検出コイルボビン5上に
検出コイル又は補償コイルを構成する方法として、ボビ
ン外周面に超伝導線を直接巻き付ける例について説明し
たが、この方法に限定されるものではなく、例えば、高
熱伝導性の部材上に、薄膜技術を応用して、フォトリソ
グラフィー等を用いてコイルや配線をパターンニングに
より形成してもよい。
【0017】また、上記実施例では、検出コイル及び補
償コイルを各1本ずつ有して構成される1次微分グラジ
オメータを構成する例について説明したものであり、こ
れは、他の数の検出コイル又は補償コイルを有するもの
であってもかまわない。例えば、1本の検出コイルと2
本の補償コイルを設けて2次微分グラジオメータを構成
してもよい。あるいは、補償コイルを設けず、1本の検
出コイルのみを設けてマグネットメータを構成してもよ
い。
【0018】さらに、上記実施例では、検出コイルと補
償コイルとを検出コイルボビン5の同軸の円周面上に設
けているが、検出コイルと補償コイルとを平面上に構成
してもよい。
【0019】次に、本実施例のSQUID磁束計におけ
る液体ヘリウムLの循環等について説明する。液体ヘリ
ウムLは、液体ヘリウム注入ポート21から注入され、
検出コイルボビン5内の液体ヘリウム注入口22に到達
する。この液体ヘリウム注入口22は、非導体、例えば
FRP(繊維強化プラスティック)等で構成するのが望
ましい。
【0020】上記の液体ヘリウム注入口22から噴出し
た液体ヘリウムLは、液体のまま、あるいはガス化して
検出コイルボビン5を冷却しながら液体ヘリウム注入口
22の外側のヘリウムガス排気溝23A,23Bを通
り、ヘリウムガス排気ポート16に到達する。
【0021】このとき、ヘリウムガス排気溝23A,2
3Bをヘリウムガスが通過するとき、液体ヘリウム注入
口22のパイプ外壁を冷却するので、冷却の効率が一層
向上する。また、液体ヘリウム注入ポート21とヘリウ
ムガス排気用ポート16は二重管構造となっており、外
側層が真空となっているので、外部からの熱侵入及びパ
イプの結露を防ぐ構造となっている。
【0022】また、検出コイルボビン5には継目がない
ため、冷却剤である液体ヘリウムLやヘリウムガスGの
継目からの漏洩、外部から継目を介しての熱侵入等の問
題は生じない。そして、検出コイルボビン5は、高熱伝
導性物質により略円柱状に形成され内部に軸方向の盲孔
状開口部である液体ヘリウム導入路38を有し格納容器
7内に1層の真空層Vを介して格納され、検出コイルボ
ビン5の液体ヘリウム導入路38内に冷却剤送排手段で
あるヘリウム配管10が挿入配置され、外部から連続的
に送られてくる液体ヘリウムLを冷却剤循環手段により
液体ヘリウム導入路38内に循環させた後に連続的に排
出させることにより検出コイルボビン5を冷却し、熱伝
導により検出コイル11及びSQUID6を冷却するよ
うにしており、液体ヘリウムLは、略直線状に延在する
液体ヘリウム導入路38の先端部まで到達した後、ヘリ
ウム配管10の外部を後方へ流れる間に冷却を行なうの
で、冷却剤の「目詰り」が発生することは殆どない。ま
た、上記の冷却剤の送導経路は、1次微分グラジオメー
タと2次微分グラジオメータで変化はなく、どのような
形式の磁束計にも支障なく応用可能である。
【0023】また、外部からの熱輻射を防止するため、
検出コイルボビン5の外側に輻射シールド12を取り付
けている。この輻射シールド12は、高熱伝導性セラミ
ックスもしくはこれに多数のスリットを入れたアルミニ
ウム蒸着ポリエステルフィルムを貼り付けるか、または
直接アルミニウム蒸着ポリエステルフィルムだけを検出
コイルボビン5に巻き付けて構成する。ただし、上記の
アルミニウム蒸着ポリエステルフィルムを使用するとき
には、フィルム上を流れるエディーカレント(渦電流)
によるノイズが本来の磁束計のノイズに比べて小さくな
るようにフィルムの巻数及びスリットの間隔を決定する
必要がある。
【0024】超伝導線を巻き付けた検出コイルボビン5
は、液体ヘリウム注入口22をボビン中に挿入して螺合
させ、接着剤を流し込みながら接着して取り付ける。ま
た、その上部には分解できるようにインジウムシール2
7を介して取り付けてある。このインジウムシール27
は、極低温中で真空を保てる良いシール材である。本実
施例では、分割型としているためシールを用いたが、シ
ールを使用しない一体型として構成してもよいし、上記
の接着剤を使用しない形式であってもよい。
【0025】また、本実施例では、フランジ15に液体
ヘリウム注入ポート21とヘリウムガス排気用ポート1
6と真空排気ポート26の3つが一体成形されている
が、これに限るものではなく、それぞれのポートが個別
に取り外し可能なように構成してもかまわない。また、
格納容器7とフランジ15とは、真空状態を保持するた
め、Oリング28を介して接続されている。
【0026】次に、本実施例のSQUID磁束計1の使
用方法について説明する。図9に示すように、患者が座
位等の体位をとった場合であっても、あたかも聴診器を
当てるように、SQUID磁束計の測定器4を患者の胸
部に当てて心臓から発生する磁場を測定することができ
る。また、測定は、簡単な磁気シールドルーム又は電磁
シールドルーム内で行なえば、さらに精度のよい測定が
行なえる。本実施例の装置は、測定時にのみ加圧装置9
を起動させればよく、ヘリウムの消費量も極めて少な
い。また、測定と同時に、診断する医師等は、波形表示
装置44により磁場データの波形を観察することができ
る。
【0027】次に、本実施例における冷却方法について
説明する。図10は加圧方法を、図11は吸引方法を、
それぞれ示している。図10に示す加圧方法では、図示
しないヘリウムガスタンク、コンプレッサー、液体ヘリ
ウム中に置かれた熱源等を加圧装置として用いる。この
加圧装置9により、液体ヘリウムタンク2の内部が加圧
され、液体ヘリウムLが押し出され、本実施例のSQU
ID磁束計の装置内を循環する。
【0028】この循環するヘリウムの流量を制御するた
めに、質量流量測定器42と制御弁43を含む質量流量
調節器41が設けられている。この場合の一般的な制御
としては、加圧圧力を一定に保ち、磁束計測定器4内に
設けた温度センサ45により目的の温度になるように制
御装置46によって質量流量調節器41を制御する方式
が挙げられる。他の制御方式として、上記の制御装置4
6を加圧装置9内に設けて加圧圧力を制御する方式も可
能である。
【0029】図11に示す吸引方法は、図示しないロー
タリーポンプ等によって液体ヘリウムLの吸引を行なう
方法である。この場合、ヘリウムタンク2内の液体ヘリ
ウムLが蒸発しタンク内の圧力がほぼ一定に保たれるた
め、吸引が可能となる。また、さらに吸引流量を増やす
ためには、上記の加圧方法と併用すれば可能である。こ
の吸引方法における制御方式は、上記の加圧方法の場合
と同様である。
【0030】上記において、加圧装置9、ヘリウム配管
10は、冷却剤送排手段を構成している。
【0031】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではない。上記実施例は、例示であり、本発明の特
許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な
構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる
ものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、上記構成を有する
本発明によれば、検出コイル及びSQUIDを冷却する
ための支持体には継目がないため、冷却剤の漏洩、外部
からの熱侵入等の問題は生じない。また、測定器は、密
閉された中空円柱状の格納容器を有し、高熱伝導性物質
により略円柱状に形成され内部に軸方向の盲孔状開口部
を有し格納容器内に1層の真空層を介して格納される支
持体の上記盲孔状開口部内に冷却剤送排手段が挿入配置
され、外部から連続的に送られてくる冷却剤を冷却剤循
環手段により盲孔状開口部内に循環させた後に連続的に
排出させることにより支持体を冷却し、熱伝導により検
出コイル及びSQUIDを冷却するようにしており、冷
却剤は、略直線状に延在する盲孔状開口部の先端部まで
到達した後、冷却剤送排手段の外部を後方へ流れる間に
冷却を行なうので、冷却剤の「目詰り」が発生すること
は殆どない。また、上記の冷却剤の送導経路は、1次微
分グラジオメータと2次微分グラジオメータで変化はな
く、どのような形式の磁束計にも支障なく応用可能であ
る、という利点も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるSQUID磁束計の全
体構成を示すブロック図である。
【図2】図1における測定部の部分拡大断面図である。
【図3】図2における格納容器の構成を示す断面図であ
る。
【図4】図2における検出コイルボビンの構成を示す断
面図である。
【図5】図2におけるヘリウム配管の構成を示す断面図
である。
【図6】図2に示す検出コイルボビンのさらに詳細な構
成を示す斜視図である。
【図7】図2に示す検出コイルボビンのさらに詳細な構
成を示す平面図である。
【図8】図2に示す検出コイルボビンのさらに詳細な構
成を示す断面図である。
【図9】本実施例のSQUID磁束計による磁場測定時
の構成を説明するブロック図である。
【図10】本実施例のSQUID磁束計の冷却方法を説
明する図(1)である。
【図11】本実施例のSQUID磁束計の冷却方法を説
明する図(2)である。
【符号の説明】
1 SQUID磁束計 2 液体ヘリウムタンク 3 トランスファーチューブ 4 測定器 5 検出コイルボビン 5H 平面部 6 SQUID 7 格納容器 8 磁束計回路 9 加圧装置 10 ヘリウム配管 11 検出コイル 11C 検出コイル溝 12 輻射シールド 13 配線 14 気密型コネクタ 15 フランジ 16 ヘリウムガス排気用ポート 21 液体ヘリウム注入ポート 22 液体ヘリウム注入口 23A,23B ヘリウムガス排気溝 24A,24B 取付用ボルト 25 ヘリウムガス排気パイプ 26 真空排気ポート 27 インジウムシール 28 Oリング 29 取付用ネジ溝 30 ボビン本体 31 配線基板 32a〜32f 高抵抗線 33 常伝導ボンディング 34 超伝導ボンディング 35 超伝導パッド 36A,36B ツイスト線 36C ツイスト線溝 37 補償コイル 37C 補償コイル溝 38 液体ヘリウム導入路 41 質量流量調節器 42 質量流量測定器 43 制御弁 44 波形表示装置 45 温度センサ 46 制御装置 47 吸引装置 G ヘリウムガス L 液体ヘリウム V 真空

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液状の冷却剤を貯留する冷却剤貯留容器
    と、 当該冷却剤貯留容器内の液状冷却剤を送導する可撓性を
    有する冷却剤送導路と、 磁場を測定する測定器と、 前記冷却剤貯留容器から前記測定器へ前記液状冷却剤を
    連続的に送導し、かつ排出させる冷却剤送排手段と、 を有するSQUID磁束計であって、 前記測定器は、 密閉された中空円柱状の格納容器と、 高熱伝導性物質により略円柱状に形成され内部に軸方向
    の盲孔状開口部を有し前記格納容器内に1層の真空層を
    介して格納される支持体と、 当該支持体の先端部付近に設けられる検出コイルと、 前記支持体に取り付けられ前記検出コイルによって検出
    された外部磁束を電気的データに変換するSQUID
    と、 前記盲孔状開口部内に挿入配置され前記冷却剤送排手段
    により連続的に送られてくる冷却剤を当該盲孔状開口部
    内に循環させた後に前記冷却剤送排手段により連続的に
    排出させることにより前記支持体を冷却し熱伝導により
    前記検出コイル及びSQUIDを冷却する冷却剤循環手
    段と、を備えたことを特徴とするSQUID磁束計。
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