JP2531714Y2 - フレキシブルブーツ装置 - Google Patents

フレキシブルブーツ装置

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JP2531714Y2
JP2531714Y2 JP3402990U JP3402990U JP2531714Y2 JP 2531714 Y2 JP2531714 Y2 JP 2531714Y2 JP 3402990 U JP3402990 U JP 3402990U JP 3402990 U JP3402990 U JP 3402990U JP 2531714 Y2 JP2531714 Y2 JP 2531714Y2
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栄太郎 高木
信之 伊藤
正人 埋田
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キーパー株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、自動車、産業機械等の動力伝達系におい
て、軸と軸との継手部をゴム製のフレキシブルブーツで
覆って内部にグリースを封入したフレキシブルブーツ装
置に関する。
〈従来の技術〉 例えば自動車の等速ジョイントに見られるように、軸
と軸とを球関節継手のような継手で接続し、その周囲を
防塵、防水等のためにゴム製のフレキシブルブーツで覆
い、その内部空間に継手部の摩耗や焼付き等を防止する
ためのグリースを封入したフレキシブルブーツ装置が良
く知られている。フレキシブルブーツは、外部からの水
や粉塵等の侵入を防止するとともにグリースを保持する
役目を持つ。グリースとしては、鉱物油または合成油の
基油中に金属石けん等の増ちょう剤および特性を向上さ
せるための各種の添加剤が使用されている。
この種のフレキシブルブーツに要求される性質には、
耐熱性、耐油性、耐摩耗性、耐候性、耐低温性、シール
性等があり、その材質として適切なゴム状弾性体を選択
すれば、基本的にはこれらの要求性能を満足させること
ができ、コスト面を含めて従来からクロロプレンゴムが
多用さている。一方、自動車の等速ジョイント等におい
ては、長寿命化の要求から使用条件がますます過酷にな
り、使用するグリースに対しても、油分離が少なく、温
度による稠度変化の少ない、かつ高温度でせん断安定性
の良いグリースが求められ、その成分配合に逐次変化が
見られる。
〈考案が解決しようとする課題〉 ところで、クロロプレンゴム製フレキシブルブーツ
が、このようなグリースに接触すると、ブーツ材料中の
可塑剤がグリースの基油中に抽出され、フレキシブルブ
ーツの耐久性が低下するという問題がある。ブーツ材料
中の可塑剤がグリース中に抽出されると、特に大気側の
ゴム表面の硬さが高くなり、使用中に機械的な繰り返し
を受けることにより、ゴム表面に亀裂が発生しやすくな
る。このような亀裂が発生すると、フレキシブルブーツ
は短時間で破断することになる。
本考案は、このような従来の問題を解決するものであ
り、フレキシブルブーツの硬さを適正に保つことにより
耐久性を高めたフレキシブルブーツ装置を提供すること
を目的とする。
〈課題を解決するための手段〉 本考案は、上記目的を達成するために、フレキシブル
ブーツのゴム材料中の可塑剤量をx(phr)、グリース
中の基油のアニリン点をy(℃)としたとき、次式から
xおよびyを定めるようにしたものである。
−x+75≦y≦−x+145 5≦x≦40 〈作用〉 フレキシブルブーツのゴム材料中に添加される可塑剤
は、添加量が5phrより少なければガラス転移点が高くな
って低温時に必要な可撓性が得られなくなり、40phrよ
り多くなるとゴム弾性が悪くなって切れやすくなる。一
方、グリース中の基油のアニリン点は、ゴム材料の膨潤
と関係があり、アニリン点が低くなるほどゴム材料は膨
潤しやすくなる。アニリン点が低過ぎると膨潤による変
形量が大きくなって好ましくなく、アニリン点が高過ぎ
るとゴム材料が膨潤しにくくなり、ゴム材料中の可塑剤
がグリース基油中に抽出されて、特に大気側のゴム表面
が硬くなってしまう。そこで、上記した式を満足するよ
うに、ゴム材料中の可塑剤量およびグリース基油中のア
ニリン点を定めることにより、フレキシブルブーツの硬
さを常に使用適正範囲内に保つことができる。
〈実施例〉 第1図には、本考案の一実施例が示されている。図示
されている装置は自動車の等速ジョイントであり、等速
ジョイント1は、第1の軸2の一端に設けられた内輪3
と、第2の軸4の他端に設けられた外輪5と、内輪3と
外輪5との間に設けられた回転伝達用のボール6とを備
えている。クロロプレンゴム製のフレキシブルブーツ7
は、第1の軸2の外周に嵌着される小径嵌着部8と、外
輪5の外周に嵌着される大径嵌着部9と、これらの間を
連結する蛇腹部10とからなる。フレキシブルブーツ7の
内部空間11にはグリースが封入されており、小径嵌着部
8および大径嵌着部9を、それぞれ締め付け具12,13に
より軸2おより外輪5に固定することにより、等速ジョ
イント1を密閉状態に覆っている。
第1の軸2からの回転力は、ボール6を介して第2の
軸4に伝えられ、その間に第1の軸2と第2の軸4との
相対角度が変化しても、第1の軸2の中心とボール6ま
での距離と第2の軸4の中心とボール6までの距離とが
等しいため、角速度が変化することなく等速で回転力を
伝えることができる。軸2と4との相対角度が変化した
場合には、フレキシブルブーツ7の蛇腹部10が伸縮して
角度変化に対応し、グリースの保持と防水、防塵等の機
能を保持する。回転力が第2の軸4から入力した場合も
同様である。
フレキシブルブーツ7を形成するプロロプレンゴム材
料中には、可塑剤が添加されており、その量はベースゴ
ム100に対する重量部で、5から40phrの範囲がフレキシ
ブルブーツ7としての特性を維持する上で好ましい。可
塑剤量が5phrよりも少ないと、ガラス転移点が高くなっ
て低温時に必要な可撓性が得られなくなり、40phrを越
えるとゴム弾性が低下して疲労が早く始まり、切れやす
くなる。
一方、フレキシブルブーツ7の内部空間11内に封入さ
れるグリースは、その基油中のアニリン点がフレキシブ
ルブーツ7のゴム材料中の可塑剤量との関係で、ある範
囲に限定される。グリース基油のアニリン点は、ゴム材
料の膨潤と関係があり、アニリン点が低いほどゴム材料
は膨潤しやすくなり、軟らかくなる。したがって、ゴム
の硬さに関係するゴム材料中の可塑剤量と、ゴムの膨潤
に関係するグリース基油のアニリン点との関係を適正に
設定することにより、フレキシブルブーツ7の硬さを常
に適正範囲に保つことができる。
第2図は、このようなゴム材料中の可塑剤量x(ph
r)とグリース基油のアニリン点y(℃)との関係を示
している。前記したように可塑剤量xの適正範囲は5〜
40phrであり、x=5phrのときのアニリン点yの適正範
囲は70〜140℃であり、x=40phrのときのアニリン点y
の適正範囲は35〜105℃である。下限値70℃および35℃
を結んだ線は、y=−x+75で表わすことができ、アニ
リン点yがこの線よりも下の場合には、ゴム材料が膨潤
しすぎてフレキシブルブーツの動作時の変形量が大きく
なって好ましくない。また、上限値140℃および105℃を
結んだ線は、y=−x+145で表わすことができ、アニ
リン点yがこの線よりも上の場合は、ゴム材料の膨潤が
不十分になり、ゴム材料中の可塑剤がグリース基油中に
抽出された場合にこれらを補うことができず、フレキシ
ブルブーツの特に大気側の表面が硬くなって、使用中に
亀裂が生じて破断に至ることになる。したがって、ゴム
材料中の可塑剤量x(phr)とグリース基油のアニリン
点y(℃)との好ましい関係は、次式を満足する範囲と
なる。
{−x+75≦y≦−x+145 5≦x≦40} 下記の表は、本考案者等が行った熱処理試験の結果を
示している。この試験は、クロロプレンゴム材料からな
りかつ可塑剤の添加量を下表に示すように変化させた6
種類のフレキシブルブーツを用意し、そのフレキシブル
ブーツ内に、基油として鉱物油を使用しかつアニリン点
を下表に示すように種々に変化させたグリースを封入
し、これを100℃の加温槽内で168時間放置した後、フレ
キシブルブーツの大気側のゴム硬さを測定することによ
って行った。なお、使用した各フレキシブルブーツの新
品時即ち熱処理前のゴム硬さは62Hs JISAであった。
なお、フレキシブルブーツのゴム硬度の適性範囲は、
49-71Hs JISA程度である。何故なら、ゴム硬度が49より
小さくなるとブーツとしての剛性が保てず、回転時の変
形が大きくなりすぎる一方、ゴム硬度が71を超えると、
硬度が高すぎて亀裂が生じ、破断に至るからである。
下表の試験結果は、可塑剤量xが5phrでアニリン点y
が70℃のとき、及び可塑剤量xが40phrでアニリン点y
が35℃のときに、ゴム硬度は適性値の下限値である49Hs
JISAであることを示している。また、可塑剤量xが5ph
rでアニリン点が140℃のとき、及び可塑剤量が40phrで
アニリン点yが105℃のときにゴム硬度が適性値の上限
に近い70Hs JISAであることを示している。そして、可
塑剤量xとアニリン点yとが既述の式を満足するように
定められているときに、ゴム硬度は使用適性値の範囲内
にあることを示している。
〈考案の効果〉 以上のように、本考案によるフレキシブルブーツ装置
は、フレキシブルブーツを形成するゴム材料中の可塑剤
量と、フレキシブルブーツの内部空間に封入されるグリ
ース中の基油のアニリン点との関係を適正な範囲内に定
めたので、フレキシブルブーツの硬さを常に使用適正範
囲に保つことができ、フレキシブルブーツの耐久性を一
段と向上させることができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本考案の一実施例を示す等速ジョイントフレキ
シブルブーツ装置の断面図、第2図は本考案の一実施例
におけるフレキシブルブーツのゴム材料中の可塑剤量x
(phr)と、フレキシブルブーツの内部空間に封入され
るグリース中の基油のアニリンy(℃)との関係を示す
グラフである。 1……等速ジョイント、2,3……軸、7……フレキシブ
ルブーツ、11……グリースが封入される内部空間。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸と軸との継手部をゴム製のフレキシブル
    ブーツで覆ってその内部空間にグリースを封入したフレ
    キシブルブーツ装置であって、前記フレキシブルブーツ
    のゴム材料中の可塑剤量をx(phr)、前記グリース中
    の基油のアニリン点をy(℃)としたとき、次式からx
    およびyを定めたことを特徴とするフレキシブルブーツ
    装置。 −x+75≦y≦−x+145 5≦x≦40
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