JP2531491B2 - 液面上層の浮揚汚物の吸収濾過装置 - Google Patents

液面上層の浮揚汚物の吸収濾過装置

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JP2531491B2 JP5290158A JP29015893A JP2531491B2 JP 2531491 B2 JP2531491 B2 JP 2531491B2 JP 5290158 A JP5290158 A JP 5290158A JP 29015893 A JP29015893 A JP 29015893A JP 2531491 B2 JP2531491 B2 JP 2531491B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液面上層の浮揚汚物の吸
収濾過装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来に於いては、この種の装置も開発さ
れてきている。例えば、所謂油の海上輸送に於ける遭難
によって流出した油を吸収する装置等が開発されてい
る。
【0003】しかしながら、未だ良好な製品が開発され
ていないのが現状である。
【0004】海、湖、沼等の液体の水質汚濁には、色々
の原因が考えられるが、藻類及び植物プランクトンの光
合成による有機物が生産され、浮遊物が形成される。ま
た液の表面或いは表面近くに浮上した「水の華」「水の
マット」「水の毛布」などと呼ばれる藻類の集積は大量
に発生すると空気中から酸素が水に溶解するのを妨害
し、魚類も死にまた、藻類プランクトンが枯死、沈降、
堆積物が分解され、スカムとして、再浮上する。
【0005】アオコ等が湖沼の表面を全部覆ってしまう
と液中は真っ暗になり、太陽の出ない時の状態と同じよ
うになり、湖面は20mg/l 近く酸素があるのに、湖水
の下の方はゼロに近い状態になる。
【0006】このように、藻類が増加すると水質悪化に
拍車をかけ、又藻類によっては液体に着色するなど浄化
プロセスに障害をもたらす。
【0007】これらを除去するにはポンプによってこれ
らの汚物を取り除くことが必要となってくるが、この場
合、ポンプの吸い込み口を液の底部に設けると、その部
分の汚物は取去ることは出来るが、液圧のために、離れ
た部分の汚物を取去ることができない。ポンプの吸い込
み口を液面近くに設けると、広い範囲に対流ができるた
めに離れている部分の汚物も取去ることができるもので
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
事項に鑑み開発したもので、応用範囲の広い、且つ製作
の容易な装置を提供することを目的としたもので、フロ
ートを設けて装置全体と装置内の浮力を調整し得るよう
にしたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】次に本発明について説明
する。中央に液面に浮揚している汚物を吸収濾過する本
体を設け、その外周に複数の外部フロートを備え、且
つ、装置全体の浮力を調整し得るようになし、更に本体
内にも内部フロートを設け、一定量以上の流入を防止し
得る構成となし、前記浮揚汚物を本体内に自然流入さ
せ、これを濾過器内に収納して濾過し、浮揚汚物をポン
プによって排出し、処理した液体を再度液中に還流させ
るように構成したものである。
【0010】また、本装置に使用するポンプの駆動力を
電気モーターとなし、その電源を太陽電池とし、装置の
上方に太陽熱収集部を設けたものであり、更に、ポンプ
の駆動力を船舶及び陸上の装置より供給するようにする
こともあり、また更に、装置の外周部にネットを巡らせ
大型の浮揚物の侵入を防止させる構成としたものであ
り、処理された液体の排液筒の排出角度を変え得るよう
にし、装置全体が移動できる構成としたものでる。
【0011】尚又、装置内で処理された液体を船舶内の
装置或いは陸上の装置に移送し、処理、管理し得るよう
にすることもある。
【0012】
【作用】本発明は以上のような構成であるから、簡便な
構成で製作も容易であり、使用範囲も広く、且つ作用効
果が極めて大きいものである。
【0013】例えば、アオコや赤潮が発生したような場
合、これらを装置内に流入させ、殺菌し、これを再び、
もとに還流させることができるものである。
【0014】又、油が海上に流出しているような場合
は、大量の油を本装置内に収納することができないし、
又油のみ100%本装置内に流入させることができない
ので、この場合は、これを船舶内の装置或いは陸上の装
置にポンプによって移送し、処理するようにしたもので
ある。但し、この場合において、海水と油との混合率は
油が80%以上の状態で回収できるものである。
【0015】
【実施例】次に図面に基づいて、本発明の一実施例につ
いて説明する。
【0016】先ず、本発明の構成を説明すると、中央に
液面Aに浮揚している汚物を吸収濾過する本体1を設
け、その外周に複数の外部フロート2・・を備え、且
つ、装置全体の浮力を調整し得るようになし、更に、本
体1内にも内部フロート11を設け、一定量以上の流入
を防止し得る構成となし、前記浮揚汚物を本体1内に自
然流入させ、これを濾過器3内に収納して濾過し、前記
浮揚汚物をポンプ4によって排出し、処理した液体を再
度液中に還流させるように構成したものである。
【0017】また、本装置に使用するポンプ4の駆動力
を電気モーターとなし、その電源を太陽電池とし、装置
の上方に太陽熱収集部5を設けたものであり、又、図3
及び図4に示すように、ポンプ4の駆動力を船舶内の装
置B及び陸上の装置Cより供給するようにすることもあ
り、更に、装置の外周部にネット6を巡らせ大型の浮揚
物の侵入を防止させる構成としたものであり、更にま
た、処理された液体の排液筒7の排出角度を変え得るよ
うにし、装置全体が移動できる構成としたものでる。
【0018】図中8は本装置本体1の越流枠9が浮力に
よって上下動する時、前記越流枠9が液面Aとの距離を
常に一定にし得るように本装置の外周壁の一部を蛇腹状
にした上下動自在壁である。
【0019】又、本装置と船舶内の装置B或いは陸上の
装置Cとの間に移送管16を設け、本装置よりポンプ4
によって移送し、処理し得る構成とすることもある。
【0020】また10は殺菌用紫外線燈であり、12は
フロート調整ハンドル、13は操作盤、14は電気室、
15はおもりを示す。
【0021】本装置は内部フロート11と複数の外部フ
ロート2・・との相互関係及び、ポンプ4の吐出量とに
よって流入する液体の量が決まるものである。勿論ポン
プ4の排出量と同量の液体が流入することになるが、殺
菌用紫外線燈10による殺菌作用は極めて迅速に行われ
るので、液体が本装置1内に流入し、排出されるまでの
間に、液体は処理されるものである。また、液体は先
ず、ドーナツ型のメッシュ状籠19内に流入し、濾過さ
れ、殺菌されてポンプ4によって再度液体中に還流され
るものである。浮揚汚物の殺菌効果を得るためには殺菌
用紫外線燈10以外の構造も考えられるもので、例え
ば、殺菌剤の層或いは活性炭層を本装置内に設け、この
部分に流入させた液体を通過させて濾過する構成やイオ
ン交換等によるものが考えられる。
【0022】これらの装置は装置内に設けられた操作盤
13の電子回線によってコントロールされ、自動的に制
御し、或いは又、その操作は遠隔操作もできるようにな
っている。
【0023】上記のように、殺菌用紫外線燈10の効果
は強く、直接生物に照射するとその生物が損傷を受ける
ことになるので、魚貝類等に直接当てることは好ましく
ないもので、本発明はこの光を本装置外に直射させない
ように、容器内に殺菌用紫外線燈10に設置し、この容
器内に浮揚汚物を流入させて処理する構成で、本装置内
に流入した液体にのみ作用するようにしている。
【0024】尚、外部フロート2の形状は種々考えられ
るが、球体が好ましく、数としては4〜6、内部フロー
ト11はドーナツ型の形状でステンレス製或いは鉛製の
やや重量のあるものが好ましい。
【0025】又、図2及び図3に示す17は装置を繋い
でいるロープであり、図1に記載されている18・・は
殺菌用紫外線燈10の上部を保持している電気室14を
固定している支持捍を示している。
【0026】処理した液体を再度還流させる場合、この
液体中に空気を含ませて還流させるようにすることが好
ましく、このようにすることによって、液体中に対流を
生じさせることができ、液体中の浮揚汚物の吸収がより
効率的に出来ると共に、液体の活性化もできるものであ
る。
【0027】
【発明の効果】本発明は以上のような構成であるから、
簡便な構成で製作も容易であり、使用範囲も広く、且つ
作用効果が極めて大きいものである。
【0028】例えば、アオコや赤潮が発生したような場
合、このアオコや赤潮を本装置内に流入させ、殺菌し、
これを再び、もとに還流させることができるものであ
り、また、大量の油が海上に流出しているような場合
は、装置内に収納できず、又、油のみを100%装置内
に流入させることができないので、これを移送管を利用
して船舶内の装置或いは、または陸上の装置にポンプに
よって移送し、処理するようにしたものである。
【0029】この様に、海、湖沼或いはプールや大きな
水槽等の浮揚汚物の回収処理ができる構成であり、夫々
に応じた装置が極めて迅速に製作できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例を示す説明的断面図。
【図2】図2は本発明の湖沼で使用している使用状態を
示す。
【図3】図3は海洋で使用している状態で船舶と連動さ
せている状態を示す。
【図4】図4は陸地の処理装置と連結している状態を示
す。
【図5】図5は水槽で使用している状態を示す。
【符号の説明】
1・・・装置本体 2・・・外部フロート 3・・・濾過器 4・・・ポンプ 5・・・太陽熱収集部 6・・・ネット 7・・・排液筒 8・・・上下動自在壁 9・・・越流枠 10・・・殺菌用紫外線燈 11・・・内部フロート 12・・・フロート調整ハンドル 13・・・操作盤 14・・・電気室 15・・・おもり 16・・・移送管 17・・・ロープ 18・・・支持捍 A・・・液面 B・・・船舶内の装置 C・・・陸上の装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中央に液面に浮揚している汚物を吸収瀘過
    する本体を設け、その外周に複数の浮力調整装置を有す
    外部フロートを備え、更に本体内にも内部フロートを
    設け一定量以上の流入を防止し得る構成となし、前記
    浮揚汚物を本体内に自然流入させ、これを殺菌用紫外線
    燈を設けている瀘過機内に収納して処理し、浮揚汚物を
    処理した液体をポンプによって、再度液中に還流し得る
    構成としたことを特徴とする液面上層の浮揚汚物の吸収
    濾過装置。
  2. 【請求項2】前記処理された液体の排液筒の排出角度を
    変更し得るように設置し、装置全体を移動できる構成と
    したことを特徴とする請求項1記載の液面上層の浮揚汚
    物の吸収濾過装置。
JP5290158A 1993-11-19 1993-11-19 液面上層の浮揚汚物の吸収濾過装置 Expired - Fee Related JP2531491B2 (ja)

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