JP2530716B2 - 電路保護素子 - Google Patents
電路保護素子Info
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- JP2530716B2 JP2530716B2 JP13528389A JP13528389A JP2530716B2 JP 2530716 B2 JP2530716 B2 JP 2530716B2 JP 13528389 A JP13528389 A JP 13528389A JP 13528389 A JP13528389 A JP 13528389A JP 2530716 B2 JP2530716 B2 JP 2530716B2
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01H—ELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
- H01H37/00—Thermally-actuated switches
- H01H37/02—Details
- H01H37/32—Thermally-sensitive members
- H01H37/323—Thermally-sensitive members making use of shape memory materials
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- Breakers (AREA)
- Thermally Actuated Switches (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電路に流れる過電流を検出して電路遮断機
構を動作させるための電路保護素子に関するものであ
り、回路遮断器等に用いられるものである。
構を動作させるための電路保護素子に関するものであ
り、回路遮断器等に用いられるものである。
[従来の技術] 過電流や短絡電流等の事故電流から負荷を保護するた
めの回路遮断器等においては、事故電流を検出して、電
路を遮断するように動作する電路保護素子が内蔵されて
いる。この種の素子としては、既に種々の形式のものが
提案されている。
めの回路遮断器等においては、事故電流を検出して、電
路を遮断するように動作する電路保護素子が内蔵されて
いる。この種の素子としては、既に種々の形式のものが
提案されている。
第2図はバイメタル方式を用いた従来例を示す。これ
は熱膨張係数の小さい金属1と熱膨張係数の大きい金属
2とを貼り合わせたバイメタル3を用いて、このバイメ
タル3に事故電流が流れると、その発熱によりバイメタ
ル3が矢印で示す方向に撓み、その結果、このバイメタ
ル3と対向配置された周知のラッチ機構乃至引き外し機
構(図示せず)を作動させて、回路を遮断させるように
なっている。しかし、このようなバイメタル方式では、
単一の事故電流に対してしか、その保護機能を発揮でき
ないという欠点がある。
は熱膨張係数の小さい金属1と熱膨張係数の大きい金属
2とを貼り合わせたバイメタル3を用いて、このバイメ
タル3に事故電流が流れると、その発熱によりバイメタ
ル3が矢印で示す方向に撓み、その結果、このバイメタ
ル3と対向配置された周知のラッチ機構乃至引き外し機
構(図示せず)を作動させて、回路を遮断させるように
なっている。しかし、このようなバイメタル方式では、
単一の事故電流に対してしか、その保護機能を発揮でき
ないという欠点がある。
また、第3図はオイルダッシュポットを用いた従来例
であり、過電流が流れたときにはプランジャ4が徐々に
上方へ移動し、上部に達したときに可動鉄片4′が蓋部
5に吸着され、一方、短絡電流が流れたときには可動鉄
片4′が直接吸着され、これによりラッチ機構を作動さ
せるようになっているが、この構成においては、吸引力
が小さく、高速性に欠けるため、短絡電流に対して十分
な保護が望めないという問題がある。また、吸引力が小
さいため、回路遮断器のラッチ機構に負担が掛かり、小
型化にも限界がある。
であり、過電流が流れたときにはプランジャ4が徐々に
上方へ移動し、上部に達したときに可動鉄片4′が蓋部
5に吸着され、一方、短絡電流が流れたときには可動鉄
片4′が直接吸着され、これによりラッチ機構を作動さ
せるようになっているが、この構成においては、吸引力
が小さく、高速性に欠けるため、短絡電流に対して十分
な保護が望めないという問題がある。また、吸引力が小
さいため、回路遮断器のラッチ機構に負担が掛かり、小
型化にも限界がある。
一方、特開昭57−148858号、同60−221922号及び同62
−76123号公報には、形状記憶合金を用いて過電流及び
短絡電流を共に検出できるようにした電路保護素子が開
示されている。しかしながら、本公報では、形状記憶合
金を電路保護素子に応用するときに問題となる合金自体
の信頼性、特に動作温度の変動等については開示されて
いない。また、動作が保証される環境温度の範囲や、動
作温度に関係する相変態温度等についても全く言及され
ていない。信頼性の高い電路保護素子として実用化する
ためには、これらの合金特性、特に使用する相変態機構
の特定が非常に重要である。
−76123号公報には、形状記憶合金を用いて過電流及び
短絡電流を共に検出できるようにした電路保護素子が開
示されている。しかしながら、本公報では、形状記憶合
金を電路保護素子に応用するときに問題となる合金自体
の信頼性、特に動作温度の変動等については開示されて
いない。また、動作が保証される環境温度の範囲や、動
作温度に関係する相変態温度等についても全く言及され
ていない。信頼性の高い電路保護素子として実用化する
ためには、これらの合金特性、特に使用する相変態機構
の特定が非常に重要である。
[発明が解決しようとする課題] 形状記憶合金を電路保護素子に使用する場合において
は、形状記憶合金の特性として、次のような特性が望ま
れる。
は、形状記憶合金の特性として、次のような特性が望ま
れる。
(a)動作の繰り返し信頼性が高いこと。すなわち、発
生荷重や相変態温度が繰り返し動作により変動しないこ
と。
生荷重や相変態温度が繰り返し動作により変動しないこ
と。
(b)動作温度が60℃〜90℃の範囲内で設定できるこ
と。
と。
(c)動作が保証される温度範囲が−10℃〜60℃である
こと、したがって、この範囲内の任意の温度から加熱を
開始したときに、相変態開始温度(As点)が一定である
こと、及びこの範囲内の温度で素子が初期状態にあり、
動作していないこと。
こと、したがって、この範囲内の任意の温度から加熱を
開始したときに、相変態開始温度(As点)が一定である
こと、及びこの範囲内の温度で素子が初期状態にあり、
動作していないこと。
(d)温度ヒステリシスが小さいこと(概略10deg以下
であること)。
であること)。
実用化されている形状記憶合金には、大別してニッケ
ル−チタニウム系と、銅系(CuZn,CuZnAl等)がある。C
u系は信頼性や耐食性の点でニッケル−チタニウム系よ
りも劣り、信頼性の要求される電路保護素子に応用する
には、ニッケル−チタニウム系の方が良いと判断でき
る。このニッケル−チタニウム系において、形状記憶合
金の形状変化に関与する相変態機構には、マルテンサイ
ト相変態とR相変態がある。
ル−チタニウム系と、銅系(CuZn,CuZnAl等)がある。C
u系は信頼性や耐食性の点でニッケル−チタニウム系よ
りも劣り、信頼性の要求される電路保護素子に応用する
には、ニッケル−チタニウム系の方が良いと判断でき
る。このニッケル−チタニウム系において、形状記憶合
金の形状変化に関与する相変態機構には、マルテンサイ
ト相変態とR相変態がある。
マルテンサイト相変態では、歪みを大きく取ることが
でき、したがって、発生荷重も大きいが、繰り返し動作
の信頼性が低い。例えば、発生荷重を例に取れば、1回
目と2回目とでは、発生荷重が約5%低下する例もあ
る。また、変態温度も繰り返し動作させていると変動
し、このため動作温度が変動することになる。
でき、したがって、発生荷重も大きいが、繰り返し動作
の信頼性が低い。例えば、発生荷重を例に取れば、1回
目と2回目とでは、発生荷重が約5%低下する例もあ
る。また、変態温度も繰り返し動作させていると変動
し、このため動作温度が変動することになる。
R相変態では、歪みは約1%以下の状態でしか使用で
きず、したがって、マルテンサイト相変態に比較して、
発生荷重を大きく取ることはできないが、繰り返し信頼
性が良いという利点がある。ところが、このR相変態に
おいて、動作温度を60℃以上に設定すると、必然的にマ
ルテンサイト相の相変態開始温度(Ms点)が−10℃以上
となる。このため、形状記憶合金を加熱するときに、そ
の加熱開始温度によって、相の状態が異なり、発生する
荷重の立ち上がり温度(As点)が異なることになり、結
果として動作温度が異なることになる。したがって、動
作を保証される環境温度の範囲を−10℃〜60℃とするこ
とができない。
きず、したがって、マルテンサイト相変態に比較して、
発生荷重を大きく取ることはできないが、繰り返し信頼
性が良いという利点がある。ところが、このR相変態に
おいて、動作温度を60℃以上に設定すると、必然的にマ
ルテンサイト相の相変態開始温度(Ms点)が−10℃以上
となる。このため、形状記憶合金を加熱するときに、そ
の加熱開始温度によって、相の状態が異なり、発生する
荷重の立ち上がり温度(As点)が異なることになり、結
果として動作温度が異なることになる。したがって、動
作を保証される環境温度の範囲を−10℃〜60℃とするこ
とができない。
また、特開昭53−138071号公報には、ニッケル−チタ
ニウム−銅系を含む種々の形状記憶合金を使用した熱電
型開閉器が開示されている。しかしながら、本公報の熱
電型開閉器は、形状記憶合金に直接通電して加熱する形
式(いわゆる直熱形)であり、第2図の従来例と同様に
単一の事故電流に対してしか、その保護機能を発揮でき
ない。また、合金の信頼性等についても記述はない。
ニウム−銅系を含む種々の形状記憶合金を使用した熱電
型開閉器が開示されている。しかしながら、本公報の熱
電型開閉器は、形状記憶合金に直接通電して加熱する形
式(いわゆる直熱形)であり、第2図の従来例と同様に
単一の事故電流に対してしか、その保護機能を発揮でき
ない。また、合金の信頼性等についても記述はない。
本発明は上述のような点に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは、繰り返し動作による相変
態温度の変動が少なく、動作が安定で信頼性が高く、使
用できる環境温度の範囲が広く、短絡電流及び過電流の
検出が共に可能な電路保護素子を提供することにある。
り、その目的とするところは、繰り返し動作による相変
態温度の変動が少なく、動作が安定で信頼性が高く、使
用できる環境温度の範囲が広く、短絡電流及び過電流の
検出が共に可能な電路保護素子を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明にあっては、上記の課題を解決するために、電
路に流れる電流を通電されるヒータコイルと、ヒータコ
イルに過電流が流れたときにヒータコイルの発生する熱
により電路遮断機構を動作させるように形状変化する形
状記憶合金と、ヒータコイルに短絡電流が流れたときに
ヒータコイルの発生する磁界により電路遮断機構を動作
させるように駆動される磁性材料とを備える電路保護素
子において、形状記憶合金はニッケル−チタニウム−銅
系(Ni−Ti−Cuの3元合金、さらに添加物を含む4元以
上の合金)の形状記憶合金であり、且つ、形状記憶合金
の形状変化に関与する相変態機構がオーソロミック相
(斜方晶)変態であることを特徴とするものである。
路に流れる電流を通電されるヒータコイルと、ヒータコ
イルに過電流が流れたときにヒータコイルの発生する熱
により電路遮断機構を動作させるように形状変化する形
状記憶合金と、ヒータコイルに短絡電流が流れたときに
ヒータコイルの発生する磁界により電路遮断機構を動作
させるように駆動される磁性材料とを備える電路保護素
子において、形状記憶合金はニッケル−チタニウム−銅
系(Ni−Ti−Cuの3元合金、さらに添加物を含む4元以
上の合金)の形状記憶合金であり、且つ、形状記憶合金
の形状変化に関与する相変態機構がオーソロミック相
(斜方晶)変態であることを特徴とするものである。
さらに、前記オーソロミック相変態を生じさせると共
に合金の加工性の観点から、銅が6〜12原子%、チタニ
ウムが49〜51原子%、残りニッケルの3元合金に組成を
限定し、動作の信頼性をさらに向上させるために、素線
に冷間加工を施し、材料の再結晶温度以下の低温で形状
記憶のための熱処理を行い、合金内部に加工歪を残した
状態で使用することを第2の特徴とする。
に合金の加工性の観点から、銅が6〜12原子%、チタニ
ウムが49〜51原子%、残りニッケルの3元合金に組成を
限定し、動作の信頼性をさらに向上させるために、素線
に冷間加工を施し、材料の再結晶温度以下の低温で形状
記憶のための熱処理を行い、合金内部に加工歪を残した
状態で使用することを第2の特徴とする。
また、本発明のその他の特徴は、形状記憶合金の動作
温度が上昇するように、形状記憶合金に予めバイアスば
ねにより応力を付与された状態で使用することにある。
温度が上昇するように、形状記憶合金に予めバイアスば
ねにより応力を付与された状態で使用することにある。
[作用] 本発明者らは、種々の形状記憶合金の相変態について
検討した結果、ニッケル−チタニウム−銅系で出現する
オーソロミック相変態が電路保護素子に要求される形状
記憶合金の特性を全て満足することを発見した。すなわ
ち、ニッケル−チタニウム−銅系の形状記憶合金におけ
るオーソロミック相変態では、従来の材料にはない次の
3つの特性を同時に満たすことができる。
検討した結果、ニッケル−チタニウム−銅系で出現する
オーソロミック相変態が電路保護素子に要求される形状
記憶合金の特性を全て満足することを発見した。すなわ
ち、ニッケル−チタニウム−銅系の形状記憶合金におけ
るオーソロミック相変態では、従来の材料にはない次の
3つの特性を同時に満たすことができる。
疲労がなく、信頼性が高い。繰り返し動作試験の結
果、相変態温度の変動は僅かである。これは、昇温・降
温時のヒステリシスがマルテンサイト相変態では約30℃
と大きいが、オーソロミック相変態では約5〜10℃と小
さく、このことが疲労を小さくしているものと考えられ
る。
果、相変態温度の変動は僅かである。これは、昇温・降
温時のヒステリシスがマルテンサイト相変態では約30℃
と大きいが、オーソロミック相変態では約5〜10℃と小
さく、このことが疲労を小さくしているものと考えられ
る。
動作温度を60℃以上に設定できる。相変態温度は、形
状記憶合金の組成や熱処理温度に依存するが、これらの
条件を適当に選ぶことにより、動作温度を60℃以上に設
定できる。
状記憶合金の組成や熱処理温度に依存するが、これらの
条件を適当に選ぶことにより、動作温度を60℃以上に設
定できる。
−10℃〜60℃の温度範囲を保証できる。ニッケル−チ
タニウム−銅系では、マルテンサイト相の相変態開始温
度(Ms点)が−10℃以下となるため、−10℃〜60℃の範
囲内の任意の温度で加熱を開始しても、オーソロミック
相変態のみとなり、形状記憶合金の相変態開始温度(As
点)は一定となる。
タニウム−銅系では、マルテンサイト相の相変態開始温
度(Ms点)が−10℃以下となるため、−10℃〜60℃の範
囲内の任意の温度で加熱を開始しても、オーソロミック
相変態のみとなり、形状記憶合金の相変態開始温度(As
点)は一定となる。
以上の〜の条件がニッケル−チタニウム−銅系で
のみ満たされる理由について、さらに詳しく述べる。
のみ満たされる理由について、さらに詳しく述べる。
オーソロミック相変態をする記憶合金としては、ニッ
ケル−チタニウム−銅系及びニッケル−チタニウム−パ
ラジウム系の各合金がある。ここで、ニッケル−チタニ
ウム−パラジウム系合金は高価なパラジウムを成分とし
て含むので、コスト的に実用化は困難である。
ケル−チタニウム−銅系及びニッケル−チタニウム−パ
ラジウム系の各合金がある。ここで、ニッケル−チタニ
ウム−パラジウム系合金は高価なパラジウムを成分とし
て含むので、コスト的に実用化は困難である。
ニッケル−チタニウム−銅系合金には、ニッケル−チ
タニウム−銅の3成分系合金と、ニッケル−チタニウム
−銅にさらにニオブ、ホウ素等の第4元素を添加した4
成分系合金があるが、本用途に用いる形状記憶合金とし
ては、ニッケル−チタニウム−銅系の3元合金で、銅が
6〜12原子%、チタニウムが49〜51原子%、残りがニッ
ケルの組成が適正である。いずれも相変態様式は、オー
ソロミック(斜方晶)変態であり、オーソロミック相
(低温相)とB2相(高温相)とに変態する。
タニウム−銅の3成分系合金と、ニッケル−チタニウム
−銅にさらにニオブ、ホウ素等の第4元素を添加した4
成分系合金があるが、本用途に用いる形状記憶合金とし
ては、ニッケル−チタニウム−銅系の3元合金で、銅が
6〜12原子%、チタニウムが49〜51原子%、残りがニッ
ケルの組成が適正である。いずれも相変態様式は、オー
ソロミック(斜方晶)変態であり、オーソロミック相
(低温相)とB2相(高温相)とに変態する。
以下、上記組成の限定理由について述べると、銅が6
原子%以下ではオーソロミック相変態とならず、また12
原子%以上になると、加工性が劣化して伸線加工が困難
となる。また、チタニウムが49原子%以下又は51原子%
以上になると、記憶合金の必要条件である金属間化合物
生成の組成範囲を外れ、形状記憶現象がなくなる。
原子%以下ではオーソロミック相変態とならず、また12
原子%以上になると、加工性が劣化して伸線加工が困難
となる。また、チタニウムが49原子%以下又は51原子%
以上になると、記憶合金の必要条件である金属間化合物
生成の組成範囲を外れ、形状記憶現象がなくなる。
さらに、繰り返しによる劣化特性改善のため、すなわ
ち信頼性の向上のために、素線に冷間加工を施し、再結
晶温度以下の温度で形状記憶のための熱処理を施すこと
が有効である。このことは、合金に加工歪を残留させた
状態で使用することを意味し、こうすることにより、さ
らに信頼性を向上させることができる。ここで、熱処理
温度は350〜500℃が望ましい。350℃以下であると形状
記憶が十分でなく、500℃以上になると再結晶温度を越
える結果、繰り返しによる劣化が大きくなる。また、冷
間加工率は加工前後による断面の減面率で表現して10〜
40%が適正である。10%以下では劣化特性の改善効果が
なく、40%以上になると伸線加工が困難となる。
ち信頼性の向上のために、素線に冷間加工を施し、再結
晶温度以下の温度で形状記憶のための熱処理を施すこと
が有効である。このことは、合金に加工歪を残留させた
状態で使用することを意味し、こうすることにより、さ
らに信頼性を向上させることができる。ここで、熱処理
温度は350〜500℃が望ましい。350℃以下であると形状
記憶が十分でなく、500℃以上になると再結晶温度を越
える結果、繰り返しによる劣化が大きくなる。また、冷
間加工率は加工前後による断面の減面率で表現して10〜
40%が適正である。10%以下では劣化特性の改善効果が
なく、40%以上になると伸線加工が困難となる。
さらに望ましい組成、熱処理温度、及び冷間加工率に
ついて述べると、組成は銅9.0±1原子%、チタニウム4
9.4〜50.5原子%、残りニッケルとし、熱処理温度は450
±20℃、冷間加工率は15〜30%とするのが望ましい。
ついて述べると、組成は銅9.0±1原子%、チタニウム4
9.4〜50.5原子%、残りニッケルとし、熱処理温度は450
±20℃、冷間加工率は15〜30%とするのが望ましい。
素子の動作温度は先述のように高い方が、また、繰り
返し信頼性は高い方が良い。しかし、動作温度に関連す
る相変態温度と材料の劣化特性はトレードオフの関係に
ある(第6図、第7図参照)ことが判明し、本発明では
両者を勘案し更に限定を加えたものである。
返し信頼性は高い方が良い。しかし、動作温度に関連す
る相変態温度と材料の劣化特性はトレードオフの関係に
ある(第6図、第7図参照)ことが判明し、本発明では
両者を勘案し更に限定を加えたものである。
すなわち、相変態温度の高温化のためには、熱処理温
度は高い方が良く、また、劣化を少なくするためには熱
処理温度は低い方が良く、適正値は450±20℃である。4
70℃を越えると、形状記憶合金の繰り返し時の出力劣化
が大きくなり(第7図参照)、430℃以下であると、相
変態温度が低くなる。そして、この処理温度のとき組成
は銅が8±1原子%、チタニウムが49.4〜50.5原子%、
残りニッケルで相変態温度は上昇する(第6図、第9図
〜第11図参照)。
度は高い方が良く、また、劣化を少なくするためには熱
処理温度は低い方が良く、適正値は450±20℃である。4
70℃を越えると、形状記憶合金の繰り返し時の出力劣化
が大きくなり(第7図参照)、430℃以下であると、相
変態温度が低くなる。そして、この処理温度のとき組成
は銅が8±1原子%、チタニウムが49.4〜50.5原子%、
残りニッケルで相変態温度は上昇する(第6図、第9図
〜第11図参照)。
さらに、冷間加工率は概略15〜30%が望ましい。15%
以上の加工で劣化特性の改善効果が完全となり、また、
加工率0%のとき出現していた2段変態が15%以上の加
工で消滅し、1段変態のみとなるからである。また、30
%以上の加工では加工硬化が大きくなる結果、熱処理前
の巻線加工がやりにくくなる。
以上の加工で劣化特性の改善効果が完全となり、また、
加工率0%のとき出現していた2段変態が15%以上の加
工で消滅し、1段変態のみとなるからである。また、30
%以上の加工では加工硬化が大きくなる結果、熱処理前
の巻線加工がやりにくくなる。
また、本発明の他の特徴は、動作温度が上昇するよう
に、予め形状記憶合金に応力を付与した状態で使用する
ことにある。すなわち、形状記憶合金の相変態温度は応
力下において上昇する性質を本発明者らは見出だし、こ
の性質を積極的に利用したものである。
に、予め形状記憶合金に応力を付与した状態で使用する
ことにある。すなわち、形状記憶合金の相変態温度は応
力下において上昇する性質を本発明者らは見出だし、こ
の性質を積極的に利用したものである。
ニッケル−チタニウム−銅系のオーソロミック相変態
において、種々の応力下での相変態温度を測定したとこ
ろ、応力依存性が0.06℃/MPaと大きく、Ni−Ti合金の約
2倍であることが判明した(Ni−Ti合金の場合、0.03℃
/MPa)。この性質を積極的に利用し、第1図に示すよう
に、形状記憶合金ばね8とバイアス付与ばね12を組み合
わせることにより、動作温度を上昇させることができ、
また、バイアス付与ばね12の出力荷重を変えることによ
り、電路保護素子の動作温度を調整することが可能であ
る。
において、種々の応力下での相変態温度を測定したとこ
ろ、応力依存性が0.06℃/MPaと大きく、Ni−Ti合金の約
2倍であることが判明した(Ni−Ti合金の場合、0.03℃
/MPa)。この性質を積極的に利用し、第1図に示すよう
に、形状記憶合金ばね8とバイアス付与ばね12を組み合
わせることにより、動作温度を上昇させることができ、
また、バイアス付与ばね12の出力荷重を変えることによ
り、電路保護素子の動作温度を調整することが可能であ
る。
先述の望ましい組成及び加工率を持った材料を望まし
い温度で処理した記憶合金を用いるとき、形状記憶合金
に付与するばねせん断応力は20〜250MPaが適正である。
20MPa以下では動作温度が60℃以下となり、温度保証範
囲(−10〜60℃)内で動作することになり不適である。
また、250MPa以上になると高温相の応力−歪み特性が比
例関係でなくなり(フックの法則を外れる)、ばね設計
の精度が悪くなる。同様に、ばねせん断歪みは1.2%以
下が適正である。1.2%を越えると、劣化がやや大きく
なり、繰り返し動作時の信頼性が低下する。
い温度で処理した記憶合金を用いるとき、形状記憶合金
に付与するばねせん断応力は20〜250MPaが適正である。
20MPa以下では動作温度が60℃以下となり、温度保証範
囲(−10〜60℃)内で動作することになり不適である。
また、250MPa以上になると高温相の応力−歪み特性が比
例関係でなくなり(フックの法則を外れる)、ばね設計
の精度が悪くなる。同様に、ばねせん断歪みは1.2%以
下が適正である。1.2%を越えると、劣化がやや大きく
なり、繰り返し動作時の信頼性が低下する。
[実施例] 第1図は本発明の一実施例の断面図である。図におい
て、10は磁性材料よりなるヨークであり、このヨーク10
内にはコイル筒11が配され、コイル筒11の周囲には、ヒ
ータコイル9が巻回されている。このヒータコイル9に
は、電路に流れる電流が通電される。コイル筒11の内部
には、磁性材料よりなるプランジャー7が上下動自在に
貫挿されている。プランジャー7の上端部は、負荷レバ
ー6と係合している。この負荷レバー6は、所定の荷重
が加わると、回路遮断器のラッチ機構(図示せず)を作
動させて、電路を遮断させるようになっている。プラン
ジャー7の下端部には、太径のフランジ7aが形成されて
いる。プランジャー7のフランジ7aとヨーク10の上片10
aとの間には、形状記憶合金ばね8が配されている。こ
こで、形状記憶合金は高温で成形しておけば、その成形
時の形状を記憶しており、常温で変形させておいても温
度が上昇すれば、その形状が高温成形時の形に戻る性質
を有するものであり、形状記憶合金ばね8は、このよう
な形状記憶合金をばね状に成形したものである。また、
プランジャー7のフランジ7aとヨーク10の下片10bとの
間には、バイアス付与ばね12が配されている。形状記憶
合金ばね8は、このバイアス付与ばね12にて付勢され
て、定歪み状態(拘束状態)で使用されている。コイル
筒11の底部、すなわち、プランジャー7と対向する側に
は、ヨーク10の下片10bに固定された固定鉄心13が配さ
れている。
て、10は磁性材料よりなるヨークであり、このヨーク10
内にはコイル筒11が配され、コイル筒11の周囲には、ヒ
ータコイル9が巻回されている。このヒータコイル9に
は、電路に流れる電流が通電される。コイル筒11の内部
には、磁性材料よりなるプランジャー7が上下動自在に
貫挿されている。プランジャー7の上端部は、負荷レバ
ー6と係合している。この負荷レバー6は、所定の荷重
が加わると、回路遮断器のラッチ機構(図示せず)を作
動させて、電路を遮断させるようになっている。プラン
ジャー7の下端部には、太径のフランジ7aが形成されて
いる。プランジャー7のフランジ7aとヨーク10の上片10
aとの間には、形状記憶合金ばね8が配されている。こ
こで、形状記憶合金は高温で成形しておけば、その成形
時の形状を記憶しており、常温で変形させておいても温
度が上昇すれば、その形状が高温成形時の形に戻る性質
を有するものであり、形状記憶合金ばね8は、このよう
な形状記憶合金をばね状に成形したものである。また、
プランジャー7のフランジ7aとヨーク10の下片10bとの
間には、バイアス付与ばね12が配されている。形状記憶
合金ばね8は、このバイアス付与ばね12にて付勢され
て、定歪み状態(拘束状態)で使用されている。コイル
筒11の底部、すなわち、プランジャー7と対向する側に
は、ヨーク10の下片10bに固定された固定鉄心13が配さ
れている。
ヒータコイル9に定格電流の105〜125%の電流(すな
わち過電流)が流れると、ヒータコイル9が発熱し、形
状記憶合金ばね8の温度を上昇させる。形状記憶合金ば
ね8の温度が上昇し、その相変態開始温度(As点)を越
えると、形状記憶合金ばね8は急激にプランジャー7を
押し下げる方向に変形しようとする。しかし、形状記憶
合金ばね8は拘束状態であるため、プランジャー7の変
位は生じない。そして、この荷重が負荷レバー6の一定
の荷重とバイアス付与ばね12の発生荷重の和よりも大き
くなったときに、負荷レバー6に連結された回路遮断器
のラッチ機構が外れ、電路を遮断する。また、短絡電流
が流れたときには、ヒータコイル9から発生する電磁吸
引力によりプランジャー7が下方の固定鉄心13に吸引さ
れ、負荷レバー6を押し下げて、ラッチ機構を外し、電
路を遮断する。
わち過電流)が流れると、ヒータコイル9が発熱し、形
状記憶合金ばね8の温度を上昇させる。形状記憶合金ば
ね8の温度が上昇し、その相変態開始温度(As点)を越
えると、形状記憶合金ばね8は急激にプランジャー7を
押し下げる方向に変形しようとする。しかし、形状記憶
合金ばね8は拘束状態であるため、プランジャー7の変
位は生じない。そして、この荷重が負荷レバー6の一定
の荷重とバイアス付与ばね12の発生荷重の和よりも大き
くなったときに、負荷レバー6に連結された回路遮断器
のラッチ機構が外れ、電路を遮断する。また、短絡電流
が流れたときには、ヒータコイル9から発生する電磁吸
引力によりプランジャー7が下方の固定鉄心13に吸引さ
れ、負荷レバー6を押し下げて、ラッチ機構を外し、電
路を遮断する。
このような構造にすると、短絡電流及び過電流検出機
構の一体化、及び、ばね状とした形状記憶合金の発生荷
重と変位が大きいことによるメカのシンプル化が可能と
なり、結局、機器の小形化が可能となる。また、ダッシ
ュポットと比較して、短絡時の吸引力が大きいことによ
り、高速応答性が達成でき、その他、交流と直流で兼用
化できる、姿勢による影響が無いという利点がある。
構の一体化、及び、ばね状とした形状記憶合金の発生荷
重と変位が大きいことによるメカのシンプル化が可能と
なり、結局、機器の小形化が可能となる。また、ダッシ
ュポットと比較して、短絡時の吸引力が大きいことによ
り、高速応答性が達成でき、その他、交流と直流で兼用
化できる、姿勢による影響が無いという利点がある。
試料1(実施例) ニッケル−チタニウム−銅系の3元組成の合金線を、
治具に巻き付けてコイルばね状に成形し、拘束状態で熱
処理を行った。このようにして得られた形状記憶合金ば
ねを、所定の歪み量となるように拘束し、温度を変化さ
せて、温度−荷重特性を測定した。第4図は銅が9.2原
子%、チタニウムが49.4原子%、残りがニッケルの3元
合金で熱処理温度を500℃、冷間加工率を27%とした場
合の温度−出力荷重特性を示す図である。図中、As点及
びAf点はそれぞれ高温相への相変態開始温度及び相変態
終了温度を示し、Ms点及びMf点はそれぞれ低温相(オー
ソロミック相)への相変態開始温度及び相変態終了温度
を示す。第4図より、動作が保証される環境温度の範囲
内で最低の温度−10℃(S点)から加熱を開始しても、
他の温度36℃(S′点)から加熱を開始しても、発生荷
重の立ち上がり温度である相変態開始温度(As点)は約
60℃で一定であることが分かる。また、本合金のDSCで
の測定結果を第5図(a),(b)に示す。同図(a)
は昇温時、同図(b)は降温時の測定結果を示す。−50
℃から100℃の温度範囲で加熱、冷却してもピークは各
々1つしか検出されない。これは、この温度範囲で相変
態様式が1つであることを示し、したがって相変態開始
温度も一定となる。以上のことは、動作保証される環境
温度の範囲を−10℃〜60℃のように広く取れることを意
味する。
治具に巻き付けてコイルばね状に成形し、拘束状態で熱
処理を行った。このようにして得られた形状記憶合金ば
ねを、所定の歪み量となるように拘束し、温度を変化さ
せて、温度−荷重特性を測定した。第4図は銅が9.2原
子%、チタニウムが49.4原子%、残りがニッケルの3元
合金で熱処理温度を500℃、冷間加工率を27%とした場
合の温度−出力荷重特性を示す図である。図中、As点及
びAf点はそれぞれ高温相への相変態開始温度及び相変態
終了温度を示し、Ms点及びMf点はそれぞれ低温相(オー
ソロミック相)への相変態開始温度及び相変態終了温度
を示す。第4図より、動作が保証される環境温度の範囲
内で最低の温度−10℃(S点)から加熱を開始しても、
他の温度36℃(S′点)から加熱を開始しても、発生荷
重の立ち上がり温度である相変態開始温度(As点)は約
60℃で一定であることが分かる。また、本合金のDSCで
の測定結果を第5図(a),(b)に示す。同図(a)
は昇温時、同図(b)は降温時の測定結果を示す。−50
℃から100℃の温度範囲で加熱、冷却してもピークは各
々1つしか検出されない。これは、この温度範囲で相変
態様式が1つであることを示し、したがって相変態開始
温度も一定となる。以上のことは、動作保証される環境
温度の範囲を−10℃〜60℃のように広く取れることを意
味する。
第6図は、種々の組成のニッケル−チタニウム−銅合
金について、熱処理温度を変化させ、相変態開始温度
(第4図のAs点)を調べた結果を示している。なお、冷
間加工率は27%であり、一定としている。第6図より、
550℃までは熱処理温度が高くなるにしたがって、相変
態開始温度は上昇することが分かる。
金について、熱処理温度を変化させ、相変態開始温度
(第4図のAs点)を調べた結果を示している。なお、冷
間加工率は27%であり、一定としている。第6図より、
550℃までは熱処理温度が高くなるにしたがって、相変
態開始温度は上昇することが分かる。
また、熱処理温度が500℃のときのヒステリシスを第
1表に示す。ヒステリシスは、昇温時と降温時の温度幅
であり、(As+Af−Ms−Mf)/2で計算できる。
1表に示す。ヒステリシスは、昇温時と降温時の温度幅
であり、(As+Af−Ms−Mf)/2で計算できる。
第1表より銅の含有率が高くなるにしたがって、ヒス
テリシスは減少することが分かる。何れの組成でもオー
ソロミック相変態の特徴である5〜10degのヒステリシ
スを満足しており、このことより相変態様式がオーソロ
ミック相変態であり、また、本用途への要求特性を満た
していることが分かる。なお、マルテンサイト相変態で
は、第16図に示すように、ヒステリシスが約30degであ
る。
テリシスは減少することが分かる。何れの組成でもオー
ソロミック相変態の特徴である5〜10degのヒステリシ
スを満足しており、このことより相変態様式がオーソロ
ミック相変態であり、また、本用途への要求特性を満た
していることが分かる。なお、マルテンサイト相変態で
は、第16図に示すように、ヒステリシスが約30degであ
る。
次に、繰り返し動作の信頼性について相変態温度を挟
む2つの温度の間でヒートサイクル試験を実施し、試験
前後の相変態温度(As点)の変化及び出力の変化率を調
べた結果を第7図に示す。ヒートサイクル試験は、T1=
85℃(30分)とT2=0℃(30分)の間で、一定歪みで拘
束し、1000回の昇温と降温を繰り返した。形状記憶合金
は、銅が6.1原子%及び9.2原子%の銅−ニッケル−チタ
ニウム合金であり、冷間加工率は27%とし、熱処理温度
の影響を調べるために、種々の温度で熱処理した。図
中、白丸○と黒丸●は銅が6.1原子%の合金の相変態温
度の変化と出力変化率をそれぞれ示しており、白い三角
△と黒い三角▲は銅が9.2原子%の合金の相変態温度の
変化と出力変化率をそれぞれ示している。チタニウムの
含有率は49.4〜50.0原子%、拘束時のせん断歪率は0.55
%であった。
む2つの温度の間でヒートサイクル試験を実施し、試験
前後の相変態温度(As点)の変化及び出力の変化率を調
べた結果を第7図に示す。ヒートサイクル試験は、T1=
85℃(30分)とT2=0℃(30分)の間で、一定歪みで拘
束し、1000回の昇温と降温を繰り返した。形状記憶合金
は、銅が6.1原子%及び9.2原子%の銅−ニッケル−チタ
ニウム合金であり、冷間加工率は27%とし、熱処理温度
の影響を調べるために、種々の温度で熱処理した。図
中、白丸○と黒丸●は銅が6.1原子%の合金の相変態温
度の変化と出力変化率をそれぞれ示しており、白い三角
△と黒い三角▲は銅が9.2原子%の合金の相変態温度の
変化と出力変化率をそれぞれ示している。チタニウムの
含有率は49.4〜50.0原子%、拘束時のせん断歪率は0.55
%であった。
第7図から明らかなように、熱処理温度を350〜500℃
に選ぶことにより、相変態開始温度の変化幅は1deg以下
であり、出力低下率も最大30%以下に抑えることができ
る。一方、熱処理温度が500℃を越えると、合金内部で
再結晶が開始され、繰り返し動作による劣化は大きくな
る。したがって、劣化防止の観点から熱処理温度は350
〜500℃とすることが望ましい。さらに、相変態温度の
高温化(第6図)及び劣化(第7図)の観点から450±2
0℃が望ましい。
に選ぶことにより、相変態開始温度の変化幅は1deg以下
であり、出力低下率も最大30%以下に抑えることができ
る。一方、熱処理温度が500℃を越えると、合金内部で
再結晶が開始され、繰り返し動作による劣化は大きくな
る。したがって、劣化防止の観点から熱処理温度は350
〜500℃とすることが望ましい。さらに、相変態温度の
高温化(第6図)及び劣化(第7図)の観点から450±2
0℃が望ましい。
第8図は冷間加工率を種々変化させて、相変態温度を
DSC法により調べた結果を示している。合金の組成は銅
が9.0原子%、チタニウムが50.5%、残りがニッケルと
し、熱処理条件は500℃で1時間とした。加工率10%以
上の冷間加工を施すと、相変態温度は一定になることが
わかる。残留加工歪が相変態温度に影響することを考え
ると、残留加工歪による劣化防止の効果を得るために
は、少なくとも相変態温度が一定になる10%以上、さら
に望ましくは15%以上の加工率が必要である。
DSC法により調べた結果を示している。合金の組成は銅
が9.0原子%、チタニウムが50.5%、残りがニッケルと
し、熱処理条件は500℃で1時間とした。加工率10%以
上の冷間加工を施すと、相変態温度は一定になることが
わかる。残留加工歪が相変態温度に影響することを考え
ると、残留加工歪による劣化防止の効果を得るために
は、少なくとも相変態温度が一定になる10%以上、さら
に望ましくは15%以上の加工率が必要である。
第9図乃至第11図に上記組成で熱処理条件を450℃で
1時間とし、加工率を種々変化させたときの合金のDSC
特性を示す。上記各図において、図(a)は降温時、図
(b)は昇温時である。
1時間とし、加工率を種々変化させたときの合金のDSC
特性を示す。上記各図において、図(a)は降温時、図
(b)は昇温時である。
加工率が0%のとき(第9図参照)には吸熱又は発熱
のピークが2つあり、15%のとき(第10図参照)には第
2段目のピークが不明瞭となり、27%のとき(第11図参
照)には完全に消滅していることが分かる。この第2段
目のピークは斜方晶(オーソロミック)−単斜晶変態と
考えられ、B2相−オーソロミック相変態のみとする観点
からも概略15%以上の加工が必要である。
のピークが2つあり、15%のとき(第10図参照)には第
2段目のピークが不明瞭となり、27%のとき(第11図参
照)には完全に消滅していることが分かる。この第2段
目のピークは斜方晶(オーソロミック)−単斜晶変態と
考えられ、B2相−オーソロミック相変態のみとする観点
からも概略15%以上の加工が必要である。
次に種々の異なる歪み量にて測定を行うことにより、
せん断応力−せん断歪み−相変態温度の関係を調べた結
果を第12図に示す。合金組成は銅が9.0原子%、チタニ
ウムが50.5原子%、残りがニッケルとし、熱処理温度は
450℃、材料加工率は27%とした。第12図より、高温相
の応力−歪み関係は応力量250MPa、歪み量1.4%までは
比例関係にあり、フックの法則に従うことが分かる。ま
た、同時に負荷応力の上昇と共に、相変態終了温度(Af
点)が上昇していることが分かる。以上、第12図に示す
特性より形状記憶合金に付与するばねせん断応力は、動
作温度が60℃以上になる概略20MPaから応力−歪み関係
の比例限界である概略250MPaまでが適正である。
せん断応力−せん断歪み−相変態温度の関係を調べた結
果を第12図に示す。合金組成は銅が9.0原子%、チタニ
ウムが50.5原子%、残りがニッケルとし、熱処理温度は
450℃、材料加工率は27%とした。第12図より、高温相
の応力−歪み関係は応力量250MPa、歪み量1.4%までは
比例関係にあり、フックの法則に従うことが分かる。ま
た、同時に負荷応力の上昇と共に、相変態終了温度(Af
点)が上昇していることが分かる。以上、第12図に示す
特性より形状記憶合金に付与するばねせん断応力は、動
作温度が60℃以上になる概略20MPaから応力−歪み関係
の比例限界である概略250MPaまでが適正である。
本実施例にあっては、バイアス付与ばね12により形状
記憶合金ばね8に予め応力を付与した状態で使用してい
る状態で使用しているので、形状記憶合金ばね8の動作
温度が上昇する。そして、このバイアス付与ばね12の発
生荷重を調整することにより、動作温度を調整すること
ができる。第9図〜第11図に示す特性から概略60〜80℃
の範囲で調整可能である。
記憶合金ばね8に予め応力を付与した状態で使用してい
る状態で使用しているので、形状記憶合金ばね8の動作
温度が上昇する。そして、このバイアス付与ばね12の発
生荷重を調整することにより、動作温度を調整すること
ができる。第9図〜第11図に示す特性から概略60〜80℃
の範囲で調整可能である。
このNi−Ti−cu合金は、第12図に示すように、低温相
の強度が非常に低いという第2の特徴(Ni−Ti合金と比
較して0.8%歪みで約1/10)を有する。高温相と低温相
の出力差を利用する本用途にとって、この材料上の特徴
は素子の出力を大きくできることを意味し、非常に有利
な特性である。
の強度が非常に低いという第2の特徴(Ni−Ti合金と比
較して0.8%歪みで約1/10)を有する。高温相と低温相
の出力差を利用する本用途にとって、この材料上の特徴
は素子の出力を大きくできることを意味し、非常に有利
な特性である。
第13図は種々のせん断歪みで記憶合金を拘束し、ヒー
トサイクル試験を実施し、試験前後の相変態温度の変化
及び出力の変化率を調べた結果である。ヒートサイクル
試験はT1=100℃、T2=−20℃の間で1,000回の昇温と降
温を繰り返した。合金組成及び熱処理温度は第12図で述
べたものと同一である。歪み量が概略1.2%を越える
と、出力劣化が大きくなる傾向であり、1.2%以下の歪
み量で使用することが望ましいことが分かる。1.2%以
下の歪みでは、出力劣化が約15%、相変態温度の変化が
±1degであり、信頼性の高いことが分かる。
トサイクル試験を実施し、試験前後の相変態温度の変化
及び出力の変化率を調べた結果である。ヒートサイクル
試験はT1=100℃、T2=−20℃の間で1,000回の昇温と降
温を繰り返した。合金組成及び熱処理温度は第12図で述
べたものと同一である。歪み量が概略1.2%を越える
と、出力劣化が大きくなる傾向であり、1.2%以下の歪
み量で使用することが望ましいことが分かる。1.2%以
下の歪みでは、出力劣化が約15%、相変態温度の変化が
±1degであり、信頼性の高いことが分かる。
最後に、この形状記憶合金を第1図に示す構造の電路
保護素子に組み込み、負荷レバー6の荷重を50g、バイ
アス付与ばね12の発生荷重を100gとし、動作試験を行っ
た。
保護素子に組み込み、負荷レバー6の荷重を50g、バイ
アス付与ばね12の発生荷重を100gとし、動作試験を行っ
た。
第14図は、記憶合金とバイアスばねを組み合わせ、負
荷をかけた状態でヒートサイクル試験を行い、その前後
での素子(第1図参照)の温度−変位特性を示してい
る。記憶合金のコイル径はφ6、線径はφ0.6、巻数は
8.3ターン、自由高さは21.9mmとした。
荷をかけた状態でヒートサイクル試験を行い、その前後
での素子(第1図参照)の温度−変位特性を示してい
る。記憶合金のコイル径はφ6、線径はφ0.6、巻数は
8.3ターン、自由高さは21.9mmとした。
合金組成、熱処理温度、材料加工率は第12図で述べた
ものと同一であり、動作時(ラッチ引き外し時、1.3mm
変位のとき)の記憶合金のせん断歪み量を1.0%とし
た。また、ヒートサイクル試験はT1=100℃、T2=−20
℃の間で1,000回の昇温と降温を繰り返した。
ものと同一であり、動作時(ラッチ引き外し時、1.3mm
変位のとき)の記憶合金のせん断歪み量を1.0%とし
た。また、ヒートサイクル試験はT1=100℃、T2=−20
℃の間で1,000回の昇温と降温を繰り返した。
第14図(a)は初期、同図(b)はヒートサイクル後
の特性である。いずれも正常に動作し、初期での動作温
度(1.3mm変位のとき)は73.5℃であり、ヒートサイク
ル後では75℃であることが分かる。
の特性である。いずれも正常に動作し、初期での動作温
度(1.3mm変位のとき)は73.5℃であり、ヒートサイク
ル後では75℃であることが分かる。
このことは、繰り返しによる動作温度の変動は殆ど無
く(1.5deg)、信頼性が高いことを示している。また、
同時に動作温度は70℃以上であり、60℃に降温したとき
は変位0の初期状態に復帰していることが分かる。つま
り、動作温度及び保証温度範囲の目標値を満足している
ことが分かる。
く(1.5deg)、信頼性が高いことを示している。また、
同時に動作温度は70℃以上であり、60℃に降温したとき
は変位0の初期状態に復帰していることが分かる。つま
り、動作温度及び保証温度範囲の目標値を満足している
ことが分かる。
試料2(比較例) ニッケル−チタニウム系の2元組成の合金線を用い
て、R相変態の試料2を試料1と同じ方法で作成し、温
度−荷重特性を測定した。第15図はR相変態の試料2に
ついての温度−荷重特性を示す図である。この試料2で
は、ある温度6℃(S点)から昇温すると、相変態開始
温度(As点)は約70℃であるのに対して、他の温度44℃
(S′点)から昇温すると、相変態開始温度(As点)は
約60℃であった。このため、動作保証されるべき温度範
囲内(−10〜60℃)で、加熱を開始する温度が異なる
と、発生荷重の立ち上がり点が大きく異なることにな
り、電路保護素子への適用は困難である。
て、R相変態の試料2を試料1と同じ方法で作成し、温
度−荷重特性を測定した。第15図はR相変態の試料2に
ついての温度−荷重特性を示す図である。この試料2で
は、ある温度6℃(S点)から昇温すると、相変態開始
温度(As点)は約70℃であるのに対して、他の温度44℃
(S′点)から昇温すると、相変態開始温度(As点)は
約60℃であった。このため、動作保証されるべき温度範
囲内(−10〜60℃)で、加熱を開始する温度が異なる
と、発生荷重の立ち上がり点が大きく異なることにな
り、電路保護素子への適用は困難である。
試料3(比較例) ニッケル−チタニウム系の2元組成の合金線を用い
て、マルテンサイト相変態の試料3を試料1と同じ方法
で作成し、温度−荷重特性を測定した。第16図はヒート
サイクル試験前、第17図は300回のヒートサイクル試験
後(T1=100℃,T2=10℃)の温度−荷重特性をそれぞれ
示す図である。ヒートサイクル試験後で、As点は13℃低
くなり、また、発生荷重も大きく低下していることが分
かる。このことは、マルテンサイト相変態の試料3の信
頼性が低いことを意味し、電路保護素子への適用は困難
である。
て、マルテンサイト相変態の試料3を試料1と同じ方法
で作成し、温度−荷重特性を測定した。第16図はヒート
サイクル試験前、第17図は300回のヒートサイクル試験
後(T1=100℃,T2=10℃)の温度−荷重特性をそれぞれ
示す図である。ヒートサイクル試験後で、As点は13℃低
くなり、また、発生荷重も大きく低下していることが分
かる。このことは、マルテンサイト相変態の試料3の信
頼性が低いことを意味し、電路保護素子への適用は困難
である。
試料4(比較例) 銅−アルミニウム系の形状記憶合金線を用いて試料を
作成した。定歪みにて拘束し、ヒートサイクル試験を実
施し、相変態温度(As点,℃)の変化を計測した。ヒー
トサイクルは相変態温度を挟む温度域であるT1=150
℃、T2=10℃とし、300回の昇温と降温を繰り返した。
結果を第2表に示す。
作成した。定歪みにて拘束し、ヒートサイクル試験を実
施し、相変態温度(As点,℃)の変化を計測した。ヒー
トサイクルは相変態温度を挟む温度域であるT1=150
℃、T2=10℃とし、300回の昇温と降温を繰り返した。
結果を第2表に示す。
第2表から分かるように、300回のヒートサイクルで
相変態温度は10〜11℃高くなる。このことは、繰り返し
による信頼性が低いことを意味し、電路保護素子への適
用は困難である。
相変態温度は10〜11℃高くなる。このことは、繰り返し
による信頼性が低いことを意味し、電路保護素子への適
用は困難である。
以上述べたことから明らかなように、ニッケル−チタ
ニウム−銅系のオーソロミック相変態を行う形状記憶合
金を用いた場合にのみ、本発明の電路保護素子は実現可
能である。
ニウム−銅系のオーソロミック相変態を行う形状記憶合
金を用いた場合にのみ、本発明の電路保護素子は実現可
能である。
[発明の効果] 本発明の電路保護素子は、電路に流れる電流を通電さ
れるヒータコイルからの発熱又は発生磁界により形状記
憶合金又は磁性材料を駆動できるので、過電流と短絡電
流の検出が共に可能であり、2つの事故電流の検出機構
の一体化及び記憶合金の高出力化、高変位特性を生かし
たメカのシンプル化による小形化が可能であるという効
果があり、また、ニッケル−チタニウム−銅系で出現す
るオーソロミック相変態を用いたから、動作の繰り返し
による特性の変化が少なく、したがって、信頼性が高く
なるという効果があり、また、相変態開始温度が比較的
高いので、動作温度を実用温度範囲内とすることができ
るという効果があり、さらに、加熱を開始する温度によ
って異なる相変態が生じることはないので、動作が保証
される動作範囲を広く取れるという効果がある。
れるヒータコイルからの発熱又は発生磁界により形状記
憶合金又は磁性材料を駆動できるので、過電流と短絡電
流の検出が共に可能であり、2つの事故電流の検出機構
の一体化及び記憶合金の高出力化、高変位特性を生かし
たメカのシンプル化による小形化が可能であるという効
果があり、また、ニッケル−チタニウム−銅系で出現す
るオーソロミック相変態を用いたから、動作の繰り返し
による特性の変化が少なく、したがって、信頼性が高く
なるという効果があり、また、相変態開始温度が比較的
高いので、動作温度を実用温度範囲内とすることができ
るという効果があり、さらに、加熱を開始する温度によ
って異なる相変態が生じることはないので、動作が保証
される動作範囲を広く取れるという効果がある。
また、形状記憶合金の動作温度が上昇するように、形
状記憶合金に予め応力を付与した状態で使用すれば、電
路保護素子の動作温度をさらに高く設定することができ
るという効果がある。
状記憶合金に予め応力を付与した状態で使用すれば、電
路保護素子の動作温度をさらに高く設定することができ
るという効果がある。
なお、本発明は電路保護素子に限定しているが、他に
センサを兼用したアクチュエータとしての用途も可能で
ある。
センサを兼用したアクチュエータとしての用途も可能で
ある。
第1図は本発明の一実施例の断面図、第2図は従来例の
一部破断正面図、第3図は他の従来例の要部破断正面
図、第4図乃至第14図は本発明の動作説明図、第15図乃
至第17図は従来例の動作説明図である。 7はプランジャー、8は形状記憶合金ばね、9はヒータ
コイル、12はバイアス付与ばねである。
一部破断正面図、第3図は他の従来例の要部破断正面
図、第4図乃至第14図は本発明の動作説明図、第15図乃
至第17図は従来例の動作説明図である。 7はプランジャー、8は形状記憶合金ばね、9はヒータ
コイル、12はバイアス付与ばねである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−28518(JP,A) 特開 昭53−138071(JP,A) 特開 昭56−153642(JP,A) 特開 昭57−148858(JP,A) 特開 昭57−189423(JP,A) 特開 昭60−128252(JP,A) 特開 昭60−221922(JP,A) 特開 昭60−230967(JP,A) 特開 昭61−147862(JP,A) 特開 昭62−76123(JP,A) 特開 平2−65028(JP,A) 実開 昭58−14641(JP,U) 実開 昭61−139552(JP,U) 実開 昭63−84840(JP,U)
Claims (9)
- 【請求項1】電路に流れる電流を通電されるヒータコイ
ルと、ヒータコイルに過電流が流れたときにヒータコイ
ルの発生する熱により電路遮断機構を動作させるように
形状変化する形状記憶合金と、ヒータコイルに短絡電流
が流れたときにヒータコイルの発生する磁界により電路
遮断機構を動作させるように駆動される磁性材料とを備
える電路保護素子において、形状記憶合金はニッケル−
チタニウム−銅系の形状記憶合金であり、且つ、形状記
憶合金の形状変化に関与する相変態機構がオーソロミッ
ク相変態であることを特徴とする電路保護素子。 - 【請求項2】ニッケル−チタニウム−銅系の形状記憶合
金は、銅が6乃至12原子%、チタニウムが49乃至51原子
%、残りニッケルの3元合金であることを特徴とする請
求項1記載の電路保護素子。 - 【請求項3】前記3元合金に冷間加工を施し、合金の再
結晶温度以下の温度で形状記憶のための熱処理を施し、
合金内部に加工歪みを残した状態で使用することを特徴
とする請求項2記載の電路保護素子。 - 【請求項4】熱処理温度が350乃至500℃であることを特
徴とする請求項3記載の電路保護素子。 - 【請求項5】冷間加工率が10乃至40%であることを特徴
とする請求項3記載の電路保護素子。 - 【請求項6】形状記憶合金は、動作温度が上昇するよう
に予め応力を付与された状態で使用されることを特徴と
する請求項1記載の電路保護素子。 - 【請求項7】銅が9.0±1原子%、チタニウムが49.4乃
至50.5原子%、残りニッケルの組成であり、熱処理温度
を450±20℃、冷間加工率を15乃至30%とすることを特
徴とする請求項2又は4又は5記載の電路保護素子。 - 【請求項8】形状記憶合金に付与するばねせん断応力を
20乃至250MPaの範囲とすることを特徴とする請求項7記
載の電路保護素子。 - 【請求項9】形状記憶合金に付与するばねせん断歪みを
1.2%以下としたことを特徴とする請求項7記載の電路
保護素子。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13528389A JP2530716B2 (ja) | 1989-05-29 | 1989-05-29 | 電路保護素子 |
EP89201940A EP0353816B1 (en) | 1988-08-01 | 1989-07-21 | Shape memory alloy and electric path protective device utilizing the alloy |
US07/383,096 US5001446A (en) | 1988-08-01 | 1989-07-21 | Shape memory alloy and electric path protective device utilizing the alloy |
DE68911614T DE68911614T2 (de) | 1988-08-01 | 1989-07-21 | Gedächtnislegierung und Schutzvorrichtung für elektrische Stromkreise unter Verwendung dieser Legierung. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13528389A JP2530716B2 (ja) | 1989-05-29 | 1989-05-29 | 電路保護素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03977A JPH03977A (ja) | 1991-01-07 |
JP2530716B2 true JP2530716B2 (ja) | 1996-09-04 |
Family
ID=15148082
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13528389A Expired - Fee Related JP2530716B2 (ja) | 1988-08-01 | 1989-05-29 | 電路保護素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2530716B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6945045B2 (en) | 2001-10-01 | 2005-09-20 | Minolta Co., Ltd. | Driving apparatus |
JP2014058710A (ja) * | 2012-09-14 | 2014-04-03 | Oita Univ | Ti−Ni系形状記憶合金の形状記憶処理方法 |
-
1989
- 1989-05-29 JP JP13528389A patent/JP2530716B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03977A (ja) | 1991-01-07 |
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