JP2530340B2 - 液面レベルセンサ― - Google Patents

液面レベルセンサ―

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JP2530340B2
JP2530340B2 JP62225236A JP22523687A JP2530340B2 JP 2530340 B2 JP2530340 B2 JP 2530340B2 JP 62225236 A JP62225236 A JP 62225236A JP 22523687 A JP22523687 A JP 22523687A JP 2530340 B2 JP2530340 B2 JP 2530340B2
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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この発明は液面レベルセンサーに関し、特に液面の傾
きに応じて測定値の補償を行えるようにしたレベルセン
サーに関する。
《発明の背景》 レベルセンサーに用いられる液面検出素子として、例
えばポリイミドのフィルム上にNiの薄膜を形成した放熱
式の抵抗体などが報告されている。
この抵抗体をレベルセンサーとして用いるための原理
は次のように説明される。
一般に、物体の抵抗値は第1図(a)のごとく物体の
温度に比例して大きくなる。この傾きは物質によって決
まっている。
そして、前述のNi薄膜に電流を流し、加熱することに
よって抵抗値を大きく保持し、この抵抗体を液体につけ
ていくと、液体と導体の熱抵抗は気体と導体の熱抵抗よ
りも大であるため、抵抗値は小さくなり、第1図(b)
のごとく浸漬深さに比例して抵抗値は小さくなる。
つまり、抵抗体が液体中に浸漬している割合が大きく
なるほど抵抗体の全抵抗値は小さくなり、抵抗体の両端
部間の電位は低くなり、液面レベルを電圧の変化として
捕らえることができる。
この関係は以下の式で表すことができる。
但し L:抵抗体の全長 X:浸漬部分の長さ K:測定効果を左右する物理量 a:気体と導体の熱抵抗/液体と導体の熱抵抗 Ro′:単位長さあたりの抵抗値 なお、実際には抵抗体に一定電流を流しているので、
レベルによる抵抗値変化は電圧V(X)として取り出す
ことができ、以下の式で表すことができる。
したがって、以下の抵抗体に電流を流しつつその電圧
変化を読取ることで、液体貯蔵タンクなどの液面レベル
を電圧変化として検出できる。
ところで、この抵抗体からなる液面検出素子を例えば
車両の燃料タンクなどの非安定的に設置される容器の液
面測定に用いる場合には、他の液面検出素子でも同様で
あるが、容器が傾くことによって、検出素子の取付位置
に応じて測定レベルが異なってしまい、正確な液面レベ
ルの測定ができなかった。
この問題を解決するために、先に本出願人は以下の着
眼点に基づき、比較的簡単な構成であっても揺動する液
面レベルを精度良く測定できるレベルセンサーの開発を
した。
すなわち、矩形状の容器に液体を満し、前後左右に揺
り動かしたり、容器を傾けた場合、液体は容器の中心部
を揺動中心として容器に対し相対的に傾く。
そして、この揺動中心点の液面レベルはある傾きを越
えた傾きとならない範囲で水平状態における液面レベル
に等しいことは容易に理解できる。
したがって、前記揺動中心点の液面レベルを正しい液
面レベルと見なすことによって、この種のセンサーにお
ける傾斜補償を簡単な原理機構によって行えることにな
る。
以上の着眼点に基づいて開発された液面レベルセンサ
ーは、少なくとも一対の抵抗体を液体収納容器内に設
け、各抵抗体が仮想的に定まる液面の揺動中心を横切る
直線上にあって、液体収納容器内に垂設されたもので構
成されており、各抵抗体に電流を流すとともに、各抵抗
体の出力電圧値を検出し、これを比較演算することによ
って前記仮想の揺動中心における液面レベルを求めるよ
うになっている。
《発明が解決しようとする問題点》 しかしながら、前記各抵抗体は、液面レベルを横軸と
し抵抗を縦軸とした場合に、液面レベルに対して変化す
る抵抗の傾き、すなわち抵抗を介して出力される電圧の
傾きとしての出力特性が厳密に同一でなく、実際には出
力特性を合わせるのが難しく、厳密に同一な出力特性の
ものを用意するとなるとコスト高になってしまう欠点が
あった。
ただし、出力特性が異なる抵抗体を用いても、出力特
性の差について電気回路的に補償することによって、仮
想の揺動中心の液面レベルを求めることができる。しか
し、例えば出力特性の小さな抵抗体が揺動中心側に配置
されることがある。この場合には、出力特性の小さな抵
抗体で、すなわち感度の小さな抵抗体で、揺動中心側に
おける変動の小さな液面レベルを検出することになるか
ら、その液面レベルを正確に検出することができないこ
とになる。このため、出力特性の異なる抵抗体を用いた
場合には、仮想の揺動中心における液面レベルを正確に
求めることができず、同液面レベルの検出精度が低下す
る問題が生じていた。
なお、この種の出力特性の相違による問題は、前記放
熱式抵抗体に固有の問題でなく、他の例えば誘導式セン
サー、静電容量式のセンサーなどのように、液面レベル
を電気量に変換して取出すセンサーにこの種の構造を採
用するもの一般に言える問題であった。
本発明は、以上の問題点を解決するものであり、その
目的は、出力特性を揃えることなく検出精度を向上でき
るようにした液面レベルセンサーを提供するものであ
る。
《問題点を解決するための手段》 前記目的を達成するため、この発明は、液面レベルを
検出する液面検出素子を液体収納容器内に少なくとも2
つ設け、これらの各液面検出素子を、前記液体収納容器
内おける仮想的に定まる液面の揺動中心を横切る直線上
の位置に配置し、各液面検出素子の液面レベルに対応し
た電気的出力を検出する検出部を設け、各検出出力を比
較演算手段で演算することによって、前記仮想的揺動中
心の液面レベルを求めるようにした液面レベルセンサー
であって、前記各液面検出素子は、液面レベルを横軸と
し出力を縦軸とした場合に、液面レベルに対する出力の
変化傾向としての傾きで示される所定の出力特性を有し
ており、前記揺動中心に近い液面検出素子の方が出力特
性の大きなもので構成されていることを特徴とする。
《作 用》 各液面検出素子の出力特性を揃えるのではなく、揺動
中心に近い液面検出素子の方の出力特性を増大させるこ
とによって、液面レベルの変化に対する液面検出素子の
出力変化の割合を増加させ、これにより検出精度を向上
させることができる。すなわち、揺動中心に近い位置で
は液面レベルの変化が小さいが、同位置に出力特性の大
きな液面検出素子を配置することによって、同位置での
液面レベルの検出精度を向上させることができる。した
がって、仮想の揺動中心における液面レベルを正確に求
めることができ、液面レベルの検出精度を向上させるこ
とができる。
《実 施 例》 以下、この発明の一実施例を図面を用いて詳細に説明
する。
第2図および第3図はこの発明のレベルセンサーを装
着した燃料タンクを示している。
図において、1は矩形状に形成された燃料タンク(液
体収納容器)、2は燃料タンク1内に配設されたレベル
センサーである。
レベルセンサー2はタンク1の上部中心、すなわち揺
動中心Oから適当位置離した状態で内部に嵌入して垂設
された支持体3と、支持体3に所定の間隔離して平行配
置された一対のレベル測定用の放熱式の抵抗体(液面検
出素子)4A,4Bとからなっている。
前記支持体3は、各抵抗体4A,4Bを支持するように構
成されており、各抵抗体4A,4Bは、前記揺動中心Oを横
切る直線上に互いに平行に位置し、かつ、垂設された状
態になっている。
前記抵抗体4A,4Bは、前述のごとくポリイミドフィル
ム上にNiの薄膜を形成したもの、或いはその他の放熱式
抵抗素子からなるものであって、各抵抗体4A,4Bには一
定電流が各々印加されているとともに、液面WLの浸漬深
さに応じた各抵抗体4A,4Bの抵抗値の増減に伴なう電位
差を検出する電圧測定部(検出部)6が接続されてい
る。
ここで、前記各抵抗体4A,4Bの液面レベルに対する抵
抗値の傾き、すなわち比抵抗(出力特性)は異なってお
り、中心Oに近い抵抗体4B側の比抵抗が遠い側の抵抗体
4Aよりも大きく設定されている。
この相違を得る手段としては、以下の各種手段を選ぶ
ことができる。
(イ)素材の変更(比抵抗4A<4B) (ロ)幅、厚み、太さの変更 (いずれも比抵抗4A<4Bとなるように設定すると、
幅:4A>4B、厚み:4A>4B、太さ:4A>4Bに設定されるこ
とになる。) (ハ)センサー4A,4Bに流す電流値の変更 (液面レベルに対する出力電圧の傾きは同一抵抗値で
ある場合には電流が多いほど大きくなるので、4B側への
電流値を大きく設定する。) 各電圧測定部6の出力端は演算部(比較演算手段)7
が接続され、ここでそれぞれの電圧値および配置間隔、
抵抗体4A,4Bの長さなどの諸元に基づき前記タンク1内
の液面WLのレベルを演算する。
さらに演算部7の出力端にはレベル表示器8が接続さ
れ、演算結果を表示する。
演算部7の構成は、各電圧測定部6から出力された電
圧値VBeからVAeを減じた差出力に定数Gを乗ずるための
乗算部9と、乗算部9から出力された値ΔVeGとセンサ
ー4B側からの出力値VBeを加算する加算部10とからなっ
ており、この加算部10からの出力値を表示部8で液面レ
ベルとして表示する。
なお、この実施例では、抵抗体4B側の電圧測定部6
と、乗算部9との間にはオフセット機構11を介在し、抵
抗体4Aとのレベル特性の相違に伴なう定常偏差を整合す
る目的で、測定電圧VBeに修正用の電圧V′を加算し、
この修正された値VBe′をΔVeGに加算している。
そして、演算部7では以下の第4図に示す幾何図形お
よびこれに基づいて算出される前述の定数Gをファクタ
ーとする論理演算手順を実行し、各抵抗体4A,4Bの液面
変化に応じた抵抗値変化を取込み、表示器8に仮想的に
定めた揺動中心Oにおける液面WLのレベルを表示する。
図において、抵抗体4A,4Bの長さをL、液面WLからの
嵌入深さをX、抵抗体4A,4B間の距離をl1、揺動中心O
とこれに近い抵抗体4B間の距離をl2とする。
液面WLが水平状態であった場合には各抵抗体4A,4Bの
嵌入深さXは等しい。
また、両者にそれぞれ一定の電流が流れているとすれ
ば、測定される電圧、および修正電圧を加算した値は等
しく、したがって、乗算部9から出力される値は0であ
り、加算部10からの出力は抵抗体4B側から出力される電
圧VBeに等しい。
つまり、水平状態では抵抗体4B側からの出力電圧VBe
のみが測定対象となり、表示器8に表示されることにな
る。
タンク1が傾く、または揺れなどによって液面が移動
し、実際に測定される液面WLが仮想する真の液面である
揺動中心Oから相対的にθ゜分傾くと、抵抗体4Aの浸漬
深さは抵抗体4Bの浸漬深さより深くなり、それぞれの浸
漬深さを(X+x1)、(X+x2)とすると、各抵抗体4
A,4Bは各浸漬深さ分の抵抗値およびこれに応じた電圧値
となる。
つまり、傾斜することによって、抵抗体4Bおよび4Aか
らの測定電圧は水平状態Xの電圧値に比べ減少する。
また、幾何図形から、抵抗体4A,4B間の距離l1と、揺
動中心Oとこれに近い抵抗体4B間の距離l2の比はあらか
じめ一定なので、この値を定数Gとして傾きに応じたそ
れぞれの深さの差(x1−x2)が解れば抵抗体4Bと揺動中
心Oまでの深さの差×1が算出できる。
そして、この定数Gの値は傾斜による影響を打ち消す
ように選定できるので、両者の電圧の差(VBe′−VAe)
に前述の定数Gを乗ずれば、補正値ΔVeGが算出でき、
これにオフセット機構11から出力される電圧VBe′を加
算すれば、補償出力を得られる。
なお、図示とは反対側に液面WLが傾くと乗算部9から
出力される値は負となり、加算部10では当然減算した値
を出力する。
いずれにあっても仮想的に定めた揺動中心Oを基点と
して液面WLが傾く限りは前記補償演算によって、正確な
液面が表示され、液面が0から満タン状態での出力電圧
差は極めて大きくなり、分解能が向上することになるの
である。
また、仮想揺動中心Oを定めるにあたって、本実施例
では比較的形状の簡単な矩形状タンクを用いた。
しかし、その他の形状であっても、実際に傾けた場合
の揺動中心は、作図または計算上(比較的幾何形状が簡
単なタンク)や、実験(幾何形状が複雑なタンク)によ
り容易に求めることができる。
したがって、本発明ではタンクの形状に限定されるも
のでなく、揺動中心が正しく特定でき、センサーと揺動
中心間の位置が正しく位置決めされていさえすれば、液
面が傾いた場合でも精度のよい測定値を得られるのであ
る。
さらに、前記実施例では、説明の適宜を図るため、演
算部7の構成として、図示のごとくディスクリートなど
の専用の演算回路として説明しているが、実用化にあた
っては、ワンチップマイクロコンピュータの如き演算手
段を採用できることは勿論である。
また、前記実施例では液面検出素子として放熱式の抵
抗体を用いたが、例えば、誘導式センサー、静電容量式
センサーなど、液面レベルを電気量に変換して出力する
センサー一般に適合できることは勿論である。
《効 果》 以上実施例によって詳細に説明したように、この発明
にあっては、液面の揺動によって、各液面検出素子間の
出力に差が生じることを利用して、この出力差と液面検
出素子間の距離および揺動中心からの距離を諸元として
実際の液面である揺動中心からの傾きを検出出力差とし
て演算することによって実際の液面レベルを知るものに
おいて、揺動中心に近い側の液面検出素子の出力特性を
他の液面検出素子より増大する方向で異ならせることに
よって、液面レベルに対する補償後の出力の変化を増大
させ、分解能が増大するので、検出精度を向上出来る。
また、この発明では特に前記液面検出素子間の出力特
性を厳密に揃えることが必要ないので、低コストに提供
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b)はこの発明を適用する放熱式抵抗
体の特性を示すグラフ、第2図はこの発明に係る液面レ
ベルセンサーを燃料タンクに固定した状態を示す平面説
明図、第3図は第2図のIII−III線断面において、演算
処理手段を付加するために一部模式化した説明図、第4
図はセンサーと揺動中心との関係を現す幾何図形説明図
である。 1……燃料タンク(液体収納容器) 2……レベルセンサー 3……支持体 4A,4B……放熱式抵抗体(液面検出素子) 6……電圧測定部(検出部) 7……演算部(比較演算手段) 8……レベル表示器 9……乗算部 10……加算部 O……揺動中心 WL……液面 l1……抵抗体間の距離 l2……揺動中心までの距離

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液面レベルを検出する液面検出素子を液体
    収納容器内に少なくとも2つ設け、これらの各液面検出
    素子を、前記液体収納容器内おける仮想的に定まる液面
    の揺動中心を横切る直線上の位置に配置し、各液面検出
    素子の液面レベルに対応した電気的出力を検出する検出
    部を設け、各検出出力を比較演算手段で演算することに
    よって、前記仮想的揺動中心の液面レベルを求めるよう
    にした液面レベルセンサーであって、前記各液面検出素
    子は、液面レベルを横軸とし出力を縦軸とした場合に、
    液面レベルに対する出力の変化傾向としての傾きで示さ
    れる所定の出力特性を有しており、前記揺動中心に近い
    液面検出素子の方が出力特性の大きなもので構成されて
    いることを特徴とする液面レベルセンサー。
JP62225236A 1987-09-10 1987-09-10 液面レベルセンサ― Expired - Lifetime JP2530340B2 (ja)

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