JP2529615Y2 - 流体測定用発信器の検査用継手 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、水や油等の液体の流量、圧力、水位等を
測定する発信器の検査の際に用いる検査用継手に関する
ものである。

〔従来の技術〕

上記発信器は、第３図に示すように、高圧室20と低圧
室21を有し、その両室20、21の差圧を一対の受圧ダイヤ
フラム22、23および封入されたシリコンオイルを介して
感圧ダイヤフラム24に加え、この感圧ダイヤフラム24の
変形により、その感圧ダイヤフラム24と固定電極25a、2
5b間の静電容量を変化させ、この静電容量の変化を電気
信号に変換して流量等を測定している。

その発信器Ａを用いて、例えばパイプ内の流体の流量
を測定する場合は、第３図に示すように、パイプＰ内に
設けられた絞りの上流側と発信器Ａの高圧室20を第１流
路26で接続し、絞りの下流側と低圧室21とを第２流路27
で接続して高圧室20と低圧室21のそれぞれにパイプＰ内
の流体を流入させ、その流体の圧力を受圧ダイヤフラム
22、23に付与する。

ところで、上記発信器Ａは、ダイヤフラム等の部品の
破損等によって流体の流量を正確に測定し得ない場合が
生じるため、定期的に検査する必要がある。

その検査に際し、まず、第１流路26、第２流路27およ
び両流路26、27を接続するバイパス路28の途中に設けた
切換弁V₁、V₂、V₃を操作して高圧室20および低圧室21へ
の流体の流入を遮断する。次に、高圧室20および低圧室
21の底部に形成したドレン孔29、30からドレンプラグを
取外し、内部の流体をドレン孔29、30から排出する。

その流体の排出後、高圧室20のドレン孔29に検査用継
手Ｔを接続し、その継手Ｔに接続した検査用チューブ31
に加圧ポンプ32およびマノメータ33を接続し、上記加圧
ポンプ32の作動により高圧室20に圧力を加え、マノメー
タ33により圧力を検出し、その検出圧力と発信器Ａから
出力される圧力とを比較している。

ここで、発信器Ａの検査に際し、高圧室20に圧力を加
えると、その高圧室20に残る水滴等の流体が高圧室20の
底面に流れ落ち、この流体が検査用チューブ31内に侵入
すると、精度よく検査を行なうことができない。

したがって、検査に用いられる継手Ｔは、検査用チュ
ーブ31への流体の侵入を防止し得るものでなければなら
ない。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、従来の検査用継手Ｔは、第４図に示すよう
に、先端面40が平坦であり、この先端面40はドレン孔29
に対する継手Ｔの取付け状態において、高圧室20の底面
20aと略同一高さに保持されるため、検査用チューブ31
への流体の侵入を防止することができない不都合があ
る。

この考案は、検査用チューブへの残留流体の侵入を確
実に防止することができる検査用継手を提供することを
技術的課題としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題を解決するために、この考案においては、
発信器のドレン孔にねじ係合される継手本体の一端にお
ねじ外径より小径の流体案内筒を設けた構成を採用した
のである。

〔作用〕

上記継手本体を高圧室底部のドレン孔にねじ込むと、
流体案内筒の先端が高圧室の底面より上位に保持され
る。このため、高圧室に残る流体が継手本体の内部に流
れ込まず、その継手本体に接続した検査用チューブ内に
上記流体が侵入するのを防止することができる。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を第１図および第２図に基づ
いて説明する。

図示のように、筒上の継手本体１は、一端部に大径軸
部２を有し、他端部には小径軸部３が形成され、その大
径軸部２と小径軸部３との間にレンチ係合用の角形係合
部４が設けられている。

大径軸部２の外周にはおねじ５が形成され、第３図に
示す発信器Ａのドレン孔29に対してねじ係合し得るよう
になっている。

一方、小径軸部３の外周にはおねじ６が設けられてい
る。また、小径軸部６の端面には凹所７が形成され、そ
の凹所７の底面中央部にチューブ接続用の接続筒部８が
設けられている。

小径軸部３のおねじ６にはフランジ付きナット９がね
じ係合され、そのナット９の内側に組込んだリング10の
両端にはテーパ面11が設けられている。

前記大径軸部２の端面には大径軸部２の外径より小径
の流体案内筒12が設けられている。ここで、実施例の場
合は、大径軸部２の端面に凹部13を形成し、その凹部13
内に流体案内筒12の後端部に設けた大径部14を挿入して
その大径部14と大径軸部２をロウ付けしたが、継手本体
１に流体案内筒12を一体に設けてもよい。

上記の構成から成る検査用の継手は、第３図に示すよ
うに、発信器Ａを検査する場合に、その発信器Ａのドレ
ン孔29に継手本体１を接続し、その継手本体１に検査用
チューブ31を接続する。

発信器Ａに対する継手本体１の接続は、第２図に示す
ように、継手本体１の大径軸部２のおねじ５をドレン孔
29にねじ係合する。

また、継手本体１に対する検査用チューブ31の接続に
際しては、チューブ31の外側にリング10およびナット９
をはめ合わせ、そのチューブ31を接続筒部８に接続した
のち、ナット９を小径軸部３のおねじ６にねじ係合して
締付ける。

第２図に示すように、継手本体１をドレン孔29に接続
すると、流体案内筒12の先端が高圧室20の底面20aより
上方に配置されるため、発信器Ａの検査時に、高圧室20
に残る流体が継手本体１の内部からチューブ31内に流れ
るのを防止することができ、発信器Ａの検査を精度よく
行なうことができる。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案に係る継手によれば、継手本
体をドレン孔にねじ込むと、その継手本体の一端に設け
た流体案内筒の先端が発信器の高圧室の底面より上位に
保持されるため、高圧室に残る流体が継手本体の内部に
流れ込むのを確実に防止することができ、その結果、発
信器の検査を精度よく行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係る継手の一実施例を示す断面
図、第２図は同上継手を発信器に接続した状態を示す断
面図、第３図は発信器の検査状態を示す概略図、第４図
は従来の継手を示す断面図である。 １……継手本体、５……おねじ、８……接続筒部、12…
…流体案内筒。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｇ０１Ｌ 27/00 Ｇ０１Ｌ 27/00

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】筒状の継手本体の一端部外周に流体測定用
   発信器の高圧室底部に形成されたドレン孔にねじ係合さ
   れるおねじを形成し、継手本体の他端に検査用チューブ
   が接続可能な接続筒部を設けた流体測定用発信器の検査
   用継手において、前記継手本体の一端におねじ外径より
   小径の流体案内筒を設けたことを特徴とする流体測定用
   発信器の検査用継手。