JP2529562B2 - エリプソメ−タ - Google Patents

エリプソメ−タ

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JP2529562B2 JP61315659A JP31565986A JP2529562B2 JP 2529562 B2 JP2529562 B2 JP 2529562B2 JP 61315659 A JP61315659 A JP 61315659A JP 31565986 A JP31565986 A JP 31565986A JP 2529562 B2 JP2529562 B2 JP 2529562B2
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三行 重久
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は光の偏光という特性を利用して、物体(試
料面)上の薄膜の厚さや試料面上の膜の物性に関する屈
折率を測定するエリプソメータに関するものである。
従来の技術 第1図に示すように、表面に薄膜2を有する試料1の
表面に、直線偏光を斜め上方から入射角ψで入射させ
れば、試料表面上の薄膜厚さや屈折率によって反射光の
偏光状態が変化し、通常は楕円偏光となって反射され
る。そこでこの反射光の偏光変化量を測定し、解析計算
を行なうことによって、試料表面の薄膜の厚さや屈折率
を求めることができ、これをエリプソメトリと称し、ま
たその装置を一般にエリプソメータと称している。この
ようなエリプソメータにおいて薄膜の厚さや屈折率を求
めるために必要な反射光の偏光変化量の重要なパラメー
タとしては、反射によって水平p座標面上におけるp成
分波とそれに垂直なs座標面上のs成分波との間に生じ
た位相ずれγと、p成分波とs成分波との反射率の相違
に起因して生じた両成分波の振幅の相違による偏光の主
軸方位の変化量Ψとがある。
ところで従来のエリプソメータとしては、大別して測
光型のものと消光型のものとの2種のタイプのものがあ
る。測光型は、偏光プリズムを連続回転させて、その角
度と検出された光強度との関係から位相ずれγと主軸方
位の変化量Ψを計算によって求めるものである。一方消
光型は、試料で変化した偏光を光学素子の回転によって
元の状態に戻し、その補償角から位相ずれγと主軸方位
の変化量Ψを求めるものである。そしてこれらの2方式
は、いずれも光の強度の変化量、すなわち光検出器の直
流分の出力を測定することによって必要な情報を得てい
る。
発明が解決すべき問題点 従来のエリプソメータのうち、測光型のものは、偏光
変化量のパラメータである位相ずれγおよび主軸方位の
変化量Ψを計算で求めているため、強度比の大きい直線
偏光に近いところでは、測定精度が悪くなる問題があ
る。一方消光型では、偏光角度を直接的に角度として測
定するため、偏光プリズムの性態極限までの高い測定精
度が得られる利点もあるが、測定時に偏光プリズムの回
転移動を伴なうため測定時間が長い欠点がある。
そして測光型、消光型の両者に共通の欠点として、光
強度を直流成分として検出しているため、背影光などの
影響を直接受け、信号対雑音比(S/N)が悪い問題があ
る。
したがってこの発明は、背影光の影響などを受けるこ
となく高いS/Nをもって高精度かつ短時間で物体上の薄
膜や屈折率を測定することができるエリプソメータを提
供することを目的とするものである。
問題点を解決するための手段 この発明のエリプソメータでは、基本的には試料に直
接偏光を入射するとともに、試料への入射角を位相差
(リターデーション)がπ/2となるような角度(主入射
角)に制御し、そのときの反射光(楕円偏光)における
振幅反射係数比rp/rs(≡ρ=tanΨ)を求め、その振幅
反射係数比rP/rSと位相差γから、試料の屈折率や薄膜
の厚さを求めるものである。
そしてこの発明のエリプソメータでは、特に光路中に
位相変調素子を挿入して、試料への入射光もしくは反射
光を変調させ、光検出器の信号からその変調周波数に同
期して変調周波数の成分、変調周波数の2倍の周波数成
分、および直流成分を取出し、前記変調周波数の2倍の
周波数成分V(2ω)が零となるように試料への入射角
を制御し、そのときのV(DC)、V(ω)から反射係数
比を求めて、最終的に試料の屈折率の値および/または
薄膜の厚さを計算によって求めるようにした。
具体的には、この発明は、直線偏光を試料面に入射せ
しめてその反射光の偏光状態から試料面に関する値を測
定するエリプソメータにおいて、試料面への入射光の光
路中に、試料面への入射直線偏光の偏光方位を入射面に
対して+45゜もしくは−45゜となるように直線偏光素子
を配置し、試料面からの反射光の光路中に、振幅δ
変調角周波数ωなる位相変調素子をその遅延軸方位が入
射面に対して0゜もしくは90゜となるよう配置するとと
もに、その位相変調素子の出射側に、透過軸が入射面に
対して+45゜もしくは−45゜となるように検光子を配置
し、さらにその検光子の出射側に光を光電変換するため
の光検出器を配置し、その光検出器の出力信号のω成
分、2ω成分および直流成分をそれぞれ独立して取出す
ための信号成分分離回路を設け、さらに前記2ω成分が
零となるように試料面への入射角を制御する制御機構を
設け、2ω成分が零となるときのω成分および直流成分
から演算によって試料面の反射係数比rp/rsを求め、そ
れに基いて試料面の屈折率および/または試料面の薄膜
の厚さを求めるようにしたことを特徴とするものであ
る。
作用 この発明のエリプソメータの作用を説明する前に、先
ずエリプソメータの測定原理について説明し、それに続
いてこの発明のエリプソメータの理論的解析をその作用
とともに説明する。
〔A:エリプソメータの測定原理〕
エリプソメータは、物体の表面で光が反射する際の偏
光状態の変化を観測して、物体自身の光学定数(屈折
率)または物体の表面に付着した薄膜の厚さと光学定数
(屈折率)を知る方法である。そこで先ず物体自身、す
なわち薄膜がない場合の下地の光学定数の測定原理を、
続いて薄膜がある場合の薄膜の厚さと光学定数の測定原
理について分けて説明する。
A−1:下地の光学定数の測定 先ず試料の光学定数を=n−ikとする。ここでは
複素数屈折率、nは屈折率、kは吸収係数、iは虚数単
位である。
真空中から入射角ψで入射する単色平行光束の入射
面に平行な振動成分(p成分)の振幅反射率(フレネル
係数)をp、入射面に垂直な振動成分(s成分)の振
幅反射率(フレネル係数)をsとし、これらをそれぞ
れ p=rpexp(−iφ) (1) s=rsexp(−iφ) (2) とする。これらは試料の光学定数=n−ikと入射角ψ
との関数となっている。
吸収係数k=0の透明体試料では一般にφp、φsは
0またはπ、従ってp、sは実数であるので、入射
した直線偏光は楕円偏光とならずに、直線偏光として反
射される。
しかし、金属などの吸収体試料(k≠0)では、反射
に起因する位相差(リターデーション)γ、すなわち γ=φp−φs (3) は、入射角ψの値によって、0からπまで連続的に変
化するから、一般にp/sは複素数(p、sの各
々も複素数)である。
と書き、tanΨ=ρ(=rP/rS)を振幅反射率比または振
幅反射係数比(実数)と呼んでいる。
このように吸収体試料ではp/sが複素数であるか
ら、入射した直線偏光は楕円偏光として反射される。
その楕円偏光のパラメーターを二つ(たとえば、楕円
の長軸の方位角αと楕円率X)を測定すれば、それから
振幅反射率比ρ=tanΨと位相差(リターデーション)
γを求めることができる。この二つの量tanΨ、γと屈
折率nおよび吸収係数kとの間には、次の様な関係式げ
知られている。
したがって、Ψの値とγの値を知れば、試料の屈折率
nと吸収係数kを求めることができるのである。
A−2:薄膜の厚さと光学定数の決定 第2図に示すように、屈折率=n2−ik2(既知と
する)の下地面上に屈折率=n1−ik1、厚さdの等
方均質な薄膜2があり、これに入射角ψで直線偏光が
入射するものとする。
反射光Rは薄膜表面で反射した光R1や、薄膜と下地の
境界面で反射してくる光R2、以下薄膜中を往復しながら
出てくるR3以降の光の合成となる。すなわち、 R=R1+R2+R3+… (7) 膜内での繰返し反射干渉を考慮に入れた面全体として
の振幅反射率は、p成分、4成分に対して、それぞれ で与えられる。
ここで、 j−1sinψj−1=jsinψj (12) δ=4π1d cosψ1/λ (13) であり、jp、jsは、j=1のときは、第1面(真空
−膜)、j=2のときは第2面(膜−下地)における
p、s成分の振幅反射率(フレネル係数)である。また
δは、膜幅1往復によって生ずる位相差であり、λは真
空中の波長である。
ここで、p/sはjpなどのフレネル係数やδが実
数でも複素数になるから、反射光は楕円偏光になる。
複素数反射係数比p/sは、(4)式と同様に とあらわされる。
ここで、右辺の値tanΨ、γはエリプソメータで測定
される量であり、一方左辺の係数比は、(6)〜(11)
式から理解できるように、 (n1,k1)、 n2,k2)、d、λ、ψの関数と
なっている。すなわち γ,Ψ=F(n1,n2,k1,k2,d,λ,ψ) (15) (15)式の右辺のパラメータの内、n2、k2、λ、ψ
を既知として、測定値γ、Ψを用いれば、未知数として
n1、dを解くことができる。
例えば、k1=0(透明膜)であれば、未知数はn1、d
だけであって、計算機により簡単に値を求めることがで
きる。K1>0(吸収膜)の場合も、γ、Ψを測定するこ
とにより、n1、k1、dを知ることができる。測定量の
γ、Ψより、求める量n1、k1、dの計算による算出方法
は公知である。
以上のように、試料面上の薄膜の厚さd、および光学
定数である屈折率n1、吸収係数k1はエリプソメータによ
り測定された振幅反射係数比tanΨ(=ρ)および位相
差γから求めることができるのである。
[B:本発明の理論的解析] この発明のエリプソメータの光学配列(第3図参照)
における出力の解析を、ミュラー行列の解析方法を用い
て次のような手順で行なう。
先ず光検出機の出力信号について、位相変調素子の変
調周波数と同じ周波数の成分V(ω)、2倍の周波数の
成分V(2ω)、および直流成分V(DC)がどのように
なっているかを導く。次いてV(2ω)が零となるよう
に試料への入射角を制御したときの位相差γを導く。さ
らにこのときのV(ω)、V(DC)と反射係数比ρ(≡
rp/rs≡tanΨ)との関係を導く。そしてこの解析をもと
に、反射係数比ρ、位相差γと屈折率との関係を導く。
最後に、以上の解析結果をもとに薄膜の厚さを導く。
次にこれらの解析手順を項に分けて記載する。
B−1:各信号成分と位相差、反射係数比の関係 先ず各光学素子をミュラー行列で表現する。偏波面を
45゜回転した検光子のミュラー行列A45は、 で表わされる。
また45゜の偏波面に対する試料の反射表面のミュラー
行列Siは、反射係数比rp/rsを与えれば、 で表わされる。但し、γは位相変化の差(位相差=リタ
ーデーション)、rp、rsは、それぞれp成分、s成分の
反射係数である。
位相変調器のミュラー行列M0,δ(ω)は、 但しδは、光学的位相変調器の変調の角周波数(角速
度)をω、振幅をδとして δ=δ0sinωt (19) で表わされる。
さらに45゜の直線偏光のミュラー行列I45は、 で表わされる。
この場合の光検出器の出力I(d)は、以上の(16)
〜(18)式、(20)式のミュラー行列の積で表わされ
る。
I(d)=A45・Si・M0,δ(ω)・I45 (21) そこで(16)〜(20)式および(21)式からI(d)
を求めると次式となる。
ここでベッセル関数を用いてsinδ、cosδを展開すれ
ば、 sinδ=sin(δ0sinωt) =2J1(δ)sinωt+2J3(δ)sin3ωt+… (2
3) cosδ=cos(δ0cosωt) =J0(δ)+2J2(δ)cos2ωt+2J4(δ)cos4
ωt+… (24) で与えられる。
光強度I(d)に比例した光検出器の出力の電気信号
をV(d)とすると、V(d)は直流成分V(DC)、ω
成分V(ω)、2ω成分V(2ω)、および3ω成分V
(3ω)以上の高調波成分によって次のように表わせ
る、 V(d)=V(DC)+V(ω)+V(2ω)+(高調波
項) (25) (23)式、(24)式において、J0(δ)の項は直流
成分に、J1(δ)の項はω成分に、J2(δ)の項は
2ω成分に相当する。したがって、(22)式および(2
3)式、(24)式から、(25)式の各成分V(DC)、V
(ω)、V(2ω)を求めれば、 V(DC)=rP 2+rS 2+2rPrScosγ・J0(δ) (26) V(ω)=−4rPrS・sinγ・J1(δ) (27) V(2ω)=4rPrScosγ・J2(δ) (28) となる。
ここで、(28)式においてV(2ω)=0となる条件
を求めれば、rP=0、またはrS=0、もしくはcosγ=
0である。これらのうち、rP、rSは試料面によって定ま
る値であるから除外すれば、cosγ=0でV(2ω)=
0となることが判る。
この発明のエリプソメータでは、V(2ω)=0とな
るように試料面に対する入射角を制御するから、そのよ
うに制御した状態でcosγ=0、すなわちγ=π/2とな
る。一般にγ=π/2となるような入射角を主入射角と
称している。したがってV(2ω)が零となるように試
料面に対する入射角を制御すれば、そのときの入射角が
主入射角であり、またその状態で位相差(リターデー
ション)γは、 γ=π/2 (29) となっている。
このようにV(2ω)=0となるときのV(DC)、V
(ω)は、γ=π/2を(26)式、(27)式に代入して次
式で与えられる。
V(DC)=rP 2+rS 2 (30) V(ω)=−4J1(δ)・rPrS (31) そこで直流成分V(DC)を一定としたときのω成分す
なわちV(ω)とV(DC)との比を(30)式、(31)式
から求めると、 となる。そしてrS/rP=ρ=tanΨを(32)式に代入すれ
ば、 したがって、 したがっで(35)式から、反射係数比rS/rP(=tanΨ
=ρ)が求められることになる。
以上のように、位相変調素子の変調角周波数ωの2倍
の角周波数2ωの成分V(2ω)が零となるように試料
面への直線偏光の入射角ψを制御すれば、吸収体試料
の反射に起因する位相差γがπ/2であることが判る(こ
のときのγ=π/2となるよう入射角を主入射角と称し
ている)。このとき、直流成分V(DC)が一定となるよ
うにして位相変調素子の変調角周波数の出力を検出すれ
ば(32)式で与えられる。そして振幅反射係数比tanΨ
=ρは(35)式で求められる。
B−2:屈折率と反射係数比、位相変化の差との関係 次に反射係数比(振幅反射率比)rS/rPおよび位相変
化の差γと、試料の屈折率との関係を導く。
一般に光が媒質A(その光学定数=n1−ik1)か
ら媒質B(その光学定数=n2−ik2)に入射角ψ
で入射するときの屈折角をψ、位相変化をγとすれ
ば、振幅反射率を表すS偏光のフレネル係数rS,P偏光の
フレネル係数rPは次式で与えられる。
S偏光 P偏光 ただしj cosψ=(j 2−sinψ1/2 (38) 従って、空気中で吸収のある媒質に入射角ψで光を
投射したときは、 この式を用いると、次式を導き出すことができる。
ここで、P、Qはそれぞれ である。
(40)式を実数部分および虚数部分に分け、かつ ρ≡rS/rP=tanΨ (43) とおいて整理すると、次式を得る。
ここで、吸収も少なく、入射角もある範囲より小さく
てn2−k2≫sinΨが成立する場合は、(40)式が簡単
になるから、nとkが次式で与えられる。
γ=π/2となる主入射角ψ=で測定を行なうと
(44)、(45)、(46)、(47)式は、それぞれ次の様
に書ける。
n2−k2=sin2(1+cos4Ψtan2) (48) 2nk=sin4Ψsin2tan2 (49) n≒cos2Ψsintan2 (50) k≒sin2Ψsintan2 (51) これより、屈折率nと吸収率kは、ρ=rS/rP=tanΨ
とγ=φ−φとが判れば正確に決めることができ
る。
結局、既に述べたようにV(2ω)=0となるように
入射角を制御(したがってγ=π/2となるような主入射
角とする)ことによって、V(ω)/V(DC)の値から
ρ(=rS/rP=tanΨ)が求められ、そのγ、ρから屈折
率nと吸収係数kが求められることになる。
B−3:薄膜の厚さdの算出 試料面上の薄膜についての求める量、すなわち屈折率
n1、吸収係数k1、薄膜の厚さdとエリプソメータにより
測定される位相差γと振幅反射率比tanΨ(=ρ)との
関係は、既に述べたように で与えられており、γ、Ψは次式で定まる関数である。
Ψ=f(n1,k1,d,n2,k20,λ) (53) γ=f(n1,k1,d,n2,k20,λ) (54) 従って、n1,k1,d,n2,k20,λを与えてやれば、Ψ、
γを計算でき、逆にΨ、γが求められていれば、dを求
めることができる。(53)式、(54)式を計算して図表
化したものが既に公知となっており、この種の詳しい図
表を作っておけば内挿法によって測定値よりただちに薄
膜厚さdを知ることができる。なおγ、Ψの測定値よ
り、計算機を用いてdを求めることも可能である。
実 施 例 第3図にこの発明のエリプソメータの一実施例を示
す。
第3図において、白色光源10からの光はモノクロメー
タ11に入射されて波長λの単色光が選択され、その波長
λの単色光は偏光方位を一定に保つための直線偏光素子
(偏光=ポーラライザ)12に入射され、入射面に対して
+45゜もしくは−4゜の偏光方位の直線偏光となって試
料1に対し入射される。試料1の反射光は、前述のよう
に通常は楕円偏光となり、位相変調素子(光学的偏光変
調素子)13、例えばファラデーセルのようなフォトエラ
スティック変調器13に入射される。この位相変調素子13
は、振幅δ、角周波数ωで入射楕円偏光を左廻りの偏
光、右廻りの偏光に交番的に変化させるものであり、そ
の遅延軸方位が入射面に対して0゜もしくは90゜となる
ように配置されている。さらに位相変調素子13の出射側
には、透過軸方位が入射面に対して+45゜または−45゜
となるように検光子(アナライザ)14が配置されてお
り、その検光子14の出射側には、光を光電変換するため
のフォトマルチプライヤ等の光検出器15が配置されてい
る。したがって位相変調素子13で偏光変調された試料反
射光は、検光子14を介して光検出器15に入射され、その
入射光に応じた信号が光検出器15から出力される。
前記光検出器15の出力信号は、信号成分分離回路16に
よって直流成分V(DC)、ω成分V(ω)、2ω成分V
(2ω)にそれぞれ分離して取出される。この信号成分
分離回路16は、フィルタや同期整流回路等を用いて構成
される、信号成分分離回路16から得られた各成分V(D
C)、V(ω)、V(2ω)の信号(但し同期整流後の
信号)のうち、2ω成分V(2ω)は、試料1に対する
入射角ψを制御するための制御機構18に与えられて、
V(2ω)が零となるように入射角ψを制御するため
に使用される。なおここで制御機構18は、単に入射角を
制御するのみならず、試料1からの正反射光が反射光路
の光学系に入射されるように制御することが望ましく、
したがって例えば第3図に示すように入射光路の光学系
19と反射光路の光学系20の試料1に対する角度を同時に
制御したり、あるいは試料1を保持する図示しない試料
基台の角度と入射光路の光学系もしくは出射光路の角度
とを同時に制御するように構成すれば良い。一方、信号
成分分離回路16で分離された直流成分V(DC)は、光検
出器15または図示しない増幅器へ与えられて、そのV
(DC)が一定となるように光検出器15の感度や増幅率が
制御される。さらに、信号成分分離回路16で分離された
ω成分V(ω)は、コンピュータあるいは専用の演算装
置などの演算装置17に入力される。この演算装置17にお
いては、前記のようにV(2ω)=0となるように入射
角が制御されかつV(DC)が一定とされた状態でのω成
分出力(すなわちV(ω)/V(DC)の値)や波長λ等の
値から、既に述べたような手法により反射係数比rP/rS
(≡ρ)が演算によって求められ、さらにそれらに基づ
いて、屈折率nや薄膜の厚みdが求められる。
なお、以上の実施例では、信号成分分離回路16から得
られた直流成分V(DC)が一定となるように光検出器15
の感度や回路の増幅度(利得)を制御して、ω成分の出
力の値を規格化(すなわちω成分の出力が自動的にV
(ω)/V(DC)となるように制御)するものとしたが、
場合によってはV(ω)と同様にV(DC)も演算装置17
に入力させて、V(ω)とV(DC)との比V(ω)/V
(DC)を直接演算によって求めても良い。
なおまた以上の実施例において、光源部分のモノクロ
メータ11として選択波長を可変とした回折格子等の素子
を用い、波長走査を行ないつつ測定を行なえば、偏光状
態の波長分散をも知ることができる。
発明の効果 この発明のエリプソメータは、試料反射光もしくは試
料入射光に対し角周波数ωでの位相変調を行なって検出
光強度信号の直流成分、ω成分、2ω成分を分離して、
2ω成分が零となるように入射角を制御し、そのときの
直流成分およびω成分から演算によって試料の屈折率や
厚みを求めるものであり、このように変調して信号成分
の分離を行なうことは交流的な検出を意味するから、従
来の直流的な検出の場合と比較して背影光の影響などを
格段に少なくしてS/Nを良好にし、高精度で屈折率や厚
みを求めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は一般的なエリプソメトリの概念を示す略解図、
第2図は試料面上の薄膜についてのエリプソメトリの概
念を示す略解図、第3図は第1発明のエリプソメータの
一例を示すブロック図である。 1……試料、2……薄膜、12……直線偏光素子、13……
位相変調素子、14……検光子、15……光検出器、16……
信号成分分離回路、18……入射角制御機構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−53642(JP,A) 特開 昭55−75603(JP,A) 特開 昭60−25423(JP,A) 特開 昭63−168541(JP,A) 特公 昭47−51273(JP,B1) 特公 昭47−24080(JP,B1) 特公 昭56−19576(JP,B2) 特公 昭52−46826(JP,B2) 特公 昭47−32040(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直線偏光を試料面に入射せしめてその反射
    光の偏光状態から試料面に関する値を測定するエリプソ
    メータにおいて、 試料面への入射光の光路中に、試料面への入射直線偏光
    の偏光方位を入射面に対して+45゜もしくは−45゜とな
    るように直線偏光素子を配置し、試料面からの反射光の
    光路中に、振幅δ、変調角周波数ωなる位相変調素子
    をその遅延軸方位が入射面に対して0゜もしくは90゜と
    なるよう配置するとともに、その位相変調素子の出射側
    に、透過軸が入射面に対して+45゜もしくは−45゜とな
    るように検光子を配置し、さらにその検光子の出射側に
    光を光電変換するための光検出器を配置し、その光検出
    器の出力信号のω成分、2ω成分および直流成分をそれ
    ぞれ独立して取出すための信号成分分離回路を設け、さ
    らに前記2ω成分が零となるように試料面への入射角を
    制御する制御機構を設け、2ω成分が零となるときのω
    成分および直流成分から演算によって試料面の反射係数
    比rP/rSを求め、それに基いて試料面の屈折率および/
    または試料面の薄膜の厚さを求めるようにしたことを特
    徴とするエリプソメータ。
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