JP2529382Y2 - 地球儀 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は地球儀に関するものである。

従来の技術及び課題 球体の表面に陸地や海等地球の表面を表わす図形ある
いはそれに国名，都市名等を表現し、該球体の北極点と
南極点とを結ぶ線を垂直から所定角度傾けた状態で該線
（地軸）を中心として回転可能なるよう枠体を介して台
座に支持させて構成した地球儀は、従来より一般にひろ
く市販されている。

上記のような従来の地球儀において球体状の地球儀本
体は、製造段階では分割形成することはあったとして
も、製品として運送，市販する場合は切れ目のない１個
の球体として取扱われるものであるから、運送効率，在
庫品の収納効率が極めて悪く、経費が嵩むという課題を
有している。

地球儀本体を分割構成したままで、運送，市販すれば
上記のような課題は解消できるが、購入後の組み立てが
厄介で手数がかかる、という課題が生じる。

又ゴム又は合成樹脂等よりなる遊戯用ボールの表面に
陸地や海等地球の表面を表わす図形を印刷等により表現
し、軽量，安価で携帯が容易であり且つほとんど破損の
おそれのない地球儀を、さきに本出願人が開発し、実開
昭64-43958号として公開されており、このように遊戯用
ボール状の地球儀本体とすれば、内部の空気を抜き出し
折畳むことができるので、運搬や収納は極めて楽にはな
るが、所謂ゴムボール或は風船玉状のものとなるので、
業務用，会議室用或は又研究機関や応接室等に常備して
おくような大型で且つ比較的高級な地球儀には採用し難
い。

本考案は主として上記のような従来の課題に対処する
ことを主目的とするものである。

課題を解決するための手段 本考案は、球形の地球儀本体を、その地軸部を貫通す
る軸で枠体に回転可能に取付支持した地球儀において、
該地球儀本体をその地軸を含む面にて緯線に沿って例え
ば９〜36個のブロックに等分割して構成し、場合によっ
ては該各ブロックを更に赤道面にて上下に２分割して構
成し、該各ブロックの上記軸に接する面と該軸外周面と
を、磁石による吸着力又は蟻落し構造等により取りはず
し可能に結合し得るよう構成し、場合によっては各ブロ
ック同志の接合面は磁石による吸着力又は凸部と凹部の
嵌め合い等により結合される構造としたことを特徴とす
るものである。

作用 上記により、地球儀本体の製造が非常に容易となりコ
ストの低下をはかり得るばかりか、複数のブロックに分
解した状態にて箱詰め，運送，販売されるので、例えば
直径50cm〜100cm或はそれ以上の大型のものでも比較的
小さな箱にコンパクトに詰め込むことが可能となり、運
送効率や在庫品の収納効率が向上し、更に使用に際して
の各ブロックの組立てが容易であり、且つその組立て自
体が大なる教育効果を果たし、又各ブロック同志の接合
面に地層を断面にて表わした図形を印刷しておき、ブロ
ックを部分的に取りはずして地球内部の構造の学習を行
なうことも可能となる。

実施例 以下本考案の実施例を附図を参照して説明する。

第１図乃至第３図は本考案の第１の実施例を示すもの
で、１は例えば発泡スチロール等の合成樹脂材或は木材
（パーテイクルボード，積層木材等の加工木材を含む）
或は又紙材等よりなる球形（内部が中空であっても良い
し中実であっても良い）の地球儀本体であり、該地球儀
本体１の表面には、地球表面の陸地，海等をかたどった
図形、その他経線，緯線、更には各国の国境線，国名，
主要都市名等、従来より地球儀に表現されているような
図形，文字を印刷等により表現した構造とし、該地球儀
本体１の北極点と南極点とを結ぶ線即ち地軸に沿って軸
４を貫通し、該軸２の両端に突設した針棒4a,4aを枠体
５に嵌装させることにより地球儀本体１は地軸を中心と
して回転できるよう枠体に支持された構造となる。

上記地球儀本体は第２図，第３図に示すように、地軸
を含む面にて緯線に沿って複数のブロック２に等分割さ
れ該各ブロック２₁,2₂……２_nの軸４外周面に接する面
（地球儀本体が内部中空である場合は図示のように上，
下２個所の内面であり、内部中実である場合は上から下
まで連続する内面となる）には、磁石又は磁性体３がそ
れぞれ一体的に取付けられている。

一方軸４は上記磁石又は磁性体３を吸着する磁石棒に
て構成され、各ブロック２₁,2₂……２_nをそれぞれ軸４
に吸着させて組合せることにより第１図示のような球形
の地球儀本体１とすることができるようになっている。

尚第２図，第３図において2a,2bは各ブロック同志の
接合面に形成した凸部及びそれが嵌る凹部であり、該凸
部2aと凹部2bとの嵌め合いにより各ブロックを組合せる
とき各ブロック相互のずれをなくしより緊密な接合を得
るためのものであるが、この凸部2a,凹部2bは必ずしも
必要ではなく、省略しても良い。又凸部2a,凹部2bの代
りに各ブロック同志の接合面に磁石及びそれに吸着する
磁性体の層をそれぞれ形成しても良い。

又上記のように地軸を含む面にて複数に等分割したも
のを更に赤道面にて上下２分割してブロック２を形成
し、該上下のブロックを凸部及び凹部の嵌め合い又は磁
石の吸着等にて接合して組合せるようにしても良い。

上記のように地球儀本体１を少なくとも地軸を含む面
にて緯線に沿って複数に等分割したことにより、はじめ
から一体物の球体を製作する場合に比し、製作が非常に
容易となるばかりか、複数のブロックに分割した状態に
て運送，販売等の取扱いが行なわれるので、例えば直径
50cm〜100cm或はそれ以上の大型のものでも比較的小さ
な箱にコンパクトに詰め込むことが可能となり、運送効
率や在庫品の収納効率が著しく向上する。

更に、使用に際しては各ブロックを軸に吸着させて行
くだけの極めて簡単なる操作で第１図示のような完成品
とすることができ、又各ブロックを間違いなく組合せて
ゆくことそのものが大なる教育効果を果たし得るもので
ある。

更に又各ブロック２₁,2₂……２_nの相互接合面に地層
を断面にて表わした図形或は各地層の名称等を印刷にて
表現しておくこともでき、このようにすれば、部分的に
ブロックを取りはずしその部分の地層の学習を行なうこ
とができ、従来の単に地球表面の表示のみであったもの
に比し、教育的効果は倍増するものと考えられる。

第４図は本考案の第２の実施例を示すもので、磁石の
吸着力を用いないで各ブロック２₁,2₂……２_nを容易に
組立て又は分解できるようにした例を示している。

即ち、地軸を含む面にて緯線に沿って地球儀本体１を
複数のブロック２₁,2₂……２_nに等分割することは前記
第１の実施例と同じであるが、各ブロック２の軸４と接
する面（地球儀本体が内部中空である場合は上下２個所
の内面であり、内部中実である場合は上から下まで連続
する内面となる）に、基部から先端に向けて幅広となる
ほぼ台形の平面形状をもった突起即ち蟻ぼそ６を一体に
突出形成すると共に、軸４の上部及び下部のフランジ部
41に上記蟻ぼそ６が嵌り込む溝７を凹設し、該蟻ぼそ６
を溝７内に上から下に嵌め込んで（一般に蟻落しと称さ
れる結合方法である）いくことにより、各ブロックを軸
４まわりに組合せ球体とすることができ、蟻ぼそ６を溝
７より上に抜き出すことにより各ブロック毎に取りはず
すことができるようにしたものである。

尚軸４の上下のフランジ41は必ずしも必要ではなく、
溝７を軸４の外周面に直接上端から下端にかけて連続し
て形成しても良い。

この例の場合も、各ブロック２を更に赤道面にて上下
に２分割し、該上下のブロックを凸部と凹部の嵌め合い
又は磁石の吸着力にて接合して組合せるようにしても良
い。

この第２の実施例でも、前記第１の実施例の場合と同
様、運送効率及び在庫品の収納効率の著しい向上をはか
ることができると共に、組立て及び分解が容易であり、
且つ組立てによって教育効果を得ることができるばかり
か、地層の学習をも可能とするものである。

地球儀本体１の緯線に沿う分割数は、第２図，第３
図，第４図の実施例に示すように、緯度において20°毎
に分割し18個のブロックとすることが実用上適当である
が、９等分或は36等分としても良い。

又各ブロックの表面（地球儀本体の表面）に磁性体又
は磁石の層を設け、底面に磁石又は磁性体を付けた種々
の模型（人や動植物，建物，乗物等の模型）を地球儀本
体１上に自由に立てることができるようにすることもで
きる。

考案の効果 以上のように本考案によれば、球形の地球儀本体を地
軸を含む面にて緯線に沿って複数のブロックに等分割
し、該各ブロックを軸外周に磁石の吸着又は蟻落し等に
より組付て球体とするよう構成したことにより、成形及
び印刷等製造が極めて容易となり、コストダウンをはか
り得ると共に、各ブロックに分解した状態で市販できる
ので、相当大径の地球儀でも比較的小さな箱にコンパク
トに収納することができ運送効率及び収納効率の著しい
向上をはかることができ、又組立て，分解等の繰り返し
が教育効果を果たし、更に各ブロック同志の接合面に地
層の断面図を入れることができるので教育効果を更に高
めることができるもので、実用上多大の効果をもたらし
得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の第１の実施例を示すもの
で、第１図は地球儀の全体正面図、第２図及び第３図は
第１図のＸ−Ｘ及びＹ−Ｙの各断面図、第４図は本考案
の第２の実施例を示すもので、軸とそれに組付けられた
地球儀本体の部分平面図である。 １……地球儀本体、２……ブロック、３……磁石又は磁
性体、４……軸、５……枠体、６……蟻ぼそ、７……
溝。

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】球状の地球儀本体と、該地球儀本体の地軸
   部を貫通する軸と、該軸の上下両端部を回転可能に支持
   する枠体とからなる地球儀において、地球儀本体をその
   地軸を含む面にて緯線にそって複数のブロックに等分割
   して構成すると共に、該各ブロックの上記軸に接する面
   に磁石又は磁性体を設け、該磁石又は磁性体を吸着固定
   する磁石にて上記軸を構成し、磁石同士の吸着又は磁石
   と磁性体との吸着にて各ブロックを軸の外周面にそれぞ
   れ取りはずし可能なるよう結合したことを特徴とする地
   球儀。
2. 【請求項２】球状の地球儀本体と、該地球儀本体の地軸
   部を貫通する軸と、該軸の上下両端部を回転可能に支持
   する枠体とからなる地球儀において、地球儀本体をその
   地軸を含む面にて緯線にそって複数のブロックに等分割
   して構成すると共に、該各ブロックと軸との接合面のう
   ちのいずれか一方に蟻ぼそを突出形成し、他方に上記蟻
   ぼそが嵌合する溝を凹設し、上記蟻ぼそと溝との嵌合に
   て各ブロックを軸の外周面にそれぞれ取りはずし可能な
   るよう結合したことを特徴とする地球儀。
3. 【請求項３】請求項（１）又は（２）に記載の地球儀に
   おいて、各ブロックは、赤道面にて上下に２分割され、
   その分割面は凸部と凹部の嵌め合い又は磁石の吸着力に
   て取りはずし可能に結合されるようになっていることを
   特徴とする地球儀。