JP2529114Y2 - ジェットコレクターのシャフト修復構造 - Google Patents

ジェットコレクターのシャフト修復構造

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JP2529114Y2
JP2529114Y2 JP4054890U JP4054890U JP2529114Y2 JP 2529114 Y2 JP2529114 Y2 JP 2529114Y2 JP 4054890 U JP4054890 U JP 4054890U JP 4054890 U JP4054890 U JP 4054890U JP 2529114 Y2 JP2529114 Y2 JP 2529114Y2
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jet
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桂介 鈴木
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Osaka Fuji Corp
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Osaka Fuji Corp
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【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、TiCl4等の塩化物を排ガスとして処理する
際に使用されるジェットコレクターのTi製シャフトに生
じた摩耗部分の修復に用いられるシャフト修復構造に関
する。
〔従来の技術〕
従来より、TiCl4等の塩化物を排ガスとして処理する
際に使用される装置の一つとしてジェットコレクターが
ある。この装置の概略構造を第2図に示し、そのブレー
ドの詳細構造を第3図〜第5図に示す。
ジェットコレクターにおいては、排ガスにすべきTiCl
4が処理室10内に導入される一方、処理室10内で高速回
転するブレード20の中空シャフト21内に、下部容器30内
の中和液(水+NaOH)がポンプで昇圧されて送入され
る。ブレード20のシャフト21内に送入された中和液はブ
レード20の周囲に飛散して液膜をつくる。TiCl4はこの
液膜に接触して大部分はHClになり、僅かの未反応物質
を含む低濃度ガスが排ガスとして処理される。TiCl4
接触した中和液は下部容器30に回収され、下部容器30内
の中和液はNaOHの投入によりpHが管理される。
ジェットコレクターに使用されるブレード20は、中空
のシャフト21の外面側にインペラー22およびスペーサ23
を交互に嵌め込んで一端よりねじ止めした構造をしてい
る。シャフト21内に送入された中和液は、シャフト21に
設けられた通液孔21eよりスペーサ23内に入り、スペー
サ23に設けられた半円状の通液溝23aよりインペラー22
間に放出され、皿状のインペラー22に沿って拡散した
後、周囲に液膜として飛散される。シャフト21、インペ
ラー22およびスペーサ23は耐食性、機械的強度の確保か
らいずれもTi製とされ、インペラー22およびスペーサ23
の軸心部には、シャフト21を挿通させるためにシャフト
孔22bおよび23bが設けられている。
ブレード20のインペラー22およびスペーサ23に設けら
れたシャフト孔22bおよび23bは、シャフト21が挿通され
得る内径を必要とするが、その内径をシャフト21の外径
に対して大きくしすぎると、がたつきにおりシャフト21
の摩耗が顕著になるので、シャフト21が挿通され得る範
囲内で可能な限り小さい内径とされている。しかるに、
ブレード20は2000rpm程度の高速で回転し、振動も大き
く、場合によってはインペラー22およびスペーサ23に緩
みが生じることもある。そのため、シャフト孔22bおよ
び23bを小径にしても、長期間使用するうちには、シャ
フト21の外周面に第6図に示すような凹溝状の摩耗部分
21aが生じるのを避け得ない。シャフト21に摩耗部分21a
が生じると、従来は、その部分を開先加工した後、TIG
溶接によりチタンを肉盛し、外径を旋盤で仕上げること
によって修復を行っていた。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかるに、このような修復法による場合には、肉盛部
分のみが局部的に加熱されるために、冷却時に引張応力
が生じ、シャフトに曲り等の変形が生じる。そのため、
シャフトのバランスがくずれ、円滑な回転が行われなく
なるだけでなく、液膜が周囲に均等に形成されなくな
る。シャフト曲りが顕著が場合には、肉盛りによってバ
ランスを取るが、そのことによってシャフト内径が縮少
し、重量も重くなる。
本考案は斯かる事情に鑑みてなされたもので、Ti肉盛
に匹敵もしくはこれを凌ぐ耐久性が得られ、なおかつジ
ェットコレクターの特性に支障をきたすような変形を生
じるおそれがないシャフト修復構造を提供することを目
的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本考案のシャフト修復構造は、塩化物を排ガスとして
処理する際に使用されるジェットコレクターのTi製シャ
フトの外周面周方向に形成された環状の凹溝を埋めるべ
く、その凹溝内に下地としてNi基合金溶射層が被覆さ
れ、その上にセラミックス溶射層が被覆されてなる。
〔作用〕
セラミックス溶射層は、耐酸性、耐摩耗性が優れ、水
プラズマ溶射法等の採用により十分な層厚を確保するこ
ともできる。ただし、Ti製シャフトの表面に酸化膜が形
成されていることから、Ti製シャフトに対する密着性は
良くなく、Ti製シャフトの表面に直接被覆を行った場合
には、しばしば被膜剥離を生じる。
そこで、Ti製シャフトの表面にセラミックス溶射層の
下地としてNi基合金溶射層を設けた。Ni基合金溶射層は
HCl水溶液に対して非常に高い耐食性を示し、しかもTi
との密着性が良好である。
従って、本考案のシャフト修復構造によれば、Ti肉盛
法に匹敵もしくはこれを凌ぐ耐久性が修復部分に付与さ
れる。しかも、Ni基合金溶射層およびセラミックス溶射
層は、その被覆に際していずれもシャフトを変形させる
おそれがない。なぜならば、被溶射材(シャフト)が塑
性変形をおこさない温度(溶射時200℃以下)内で溶射
が可能だからである。
〔実施例〕
以下に本考案の実施例を説明する。
第1図は本考案のシャフト修復構造の一例を模式的に
示した断面図である。
シャフト21の外周面には、凹溝状の開先21bが形成さ
れている。この開先加工は、第6図に示す摩耗部分21a
にのみ行うのではなく、摩耗部分21aが生じた領域全体
に実施されている。これは隙間まで十分に溶射層を行き
わたらせるためと、溶射層の亀裂を防止するためであ
る。
開先21b内にはNi基合金であるハステロイ溶射層21cが
被覆されている。その被覆は、開先21b以外の部分をマ
スキングして、例えばアーク溶射法により行われる。ハ
ステロイとしては、耐酸性が特に良好なハステロイBが
望ましい。ハステロイ溶射層21cの厚みは0.05〜1.0mmが
望ましく、通常は約0.2mmである。
ハステロイ溶射層21cの上には、開先21bが完全に埋ま
るまでセラミックス溶射層21dが被覆されている。セラ
ミックスとしては、例えば酸化アルミニウム、酸化クロ
ム、酸化ベリリウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸
化ニオブ、酸化トリウム、酸化ジルコニウム、酸化タン
タル、酸化ケイソ、酸化イットリウム、酸化マズネシウ
ム等金属酸化物、希土類酸化物、及びこれらのスピネル
型副酸化物等ならびにMgO・Al2O3、及びCaO・Al2O3の如
き混合相酸化物よりなる群から選ばれる金属酸化物を含
有するもの等を用いることができる。
溶射法としては、50mm程度までの膜厚を確保できる水
プラズマ溶射法が望ましい。これは、トーチに供給され
た高圧の水流が内部で円筒渦水流をつくり、その状態で
カーボン陰極と鉄製回転陽極との間に電圧をかける方法
である。電極間に電圧をかけて直流アークを発生させる
と、円筒渦水流の内側表面の水が蒸発し、分解後プラズ
マ状態となり、連続的にプラズマアークが発生する。こ
のプラズマアークは、旋回する円筒渦水流により絞り込
まれ、エネルギー密度を高めながら、プラズマの急激な
熱膨張により、高温、高速の安定したプラズマジェット
炎となってノズルから噴射される。
インペラーおよびスペーサが摩耗している場合は、そ
の摩耗を見越して厚めにセラミックス溶射層21dを被覆
する。被覆されたセラミックス溶射層21dの表面は、最
終的には所定寸法に研磨されて仕上げられる。仕上げに
は、耐酸性のある封孔処理剤を使用することもできる。
ジェットコレクターに組み込まれた外径150mmのTi製
シャフトを上記構造により修復した。ハステロイ溶射層
はハステロイBよりなり層厚役0.2mmである。セラミッ
クス溶射層は酸化アルミニウムよりなり層厚2.0mmであ
る。修復後にそのTi製シャフトを再使用したところ、修
復部の耐久性は、Tiを肉盛した場合よりも良好であり、
シャフトの曲りによる振動や液膜の不均一も生じなかっ
た。
〔考案の効果〕
以上の説明から明らかなように、本考案のシャフト修
復構造は、従来の肉盛による構造と比してそれをはるか
に超える耐久性を示し、しかもシャフトに曲りを発生さ
せるおそれがない。従って、曲りを修復する必要がな
く、また、曲りの修復を行わずともシャフトが円滑に回
転し、シャフト周囲に均等な液膜が形成される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案のシャフト修復構造の一例を示す断面
図、第2図はジェットコレクターの概略図、第3図〜第
5図はそのブレードの構造説明図、第6図はシャフトの
摩耗状況の説明図である。 20:ブレード、21:シャフト、21a:摩耗部分、21b:開先、
21c:ハステロイ溶射層、21d:セラミックス溶射層、22:
インペラー、23:スペーサ。

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化物を排ガスとして処理する際に使用さ
    れるジェットコレクターのTi製シャフトの外周面周方向
    に形成された環状の凹溝を埋めるべく、その凹溝内に下
    地としてNi基合金溶射層が被覆され、その上にセラミッ
    クス溶射層が被覆されてなるジェットコレクターのシャ
    フト修復構造。
  2. 【請求項2】凹溝内下地としての被覆層がハステロイ溶
    射層からなることを特徴とする請求項1に記載のジェッ
    トコレクターのシャフト修復構造。
JP4054890U 1990-04-16 1990-04-16 ジェットコレクターのシャフト修復構造 Expired - Lifetime JP2529114Y2 (ja)

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